ここではペンタックスSPのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
普段見かけるのはこのシルバーが多いですがブラックもあります。
私がカメラ修理を始めてから最も多くの個体を修理したのが
オリンパスOM-1と並んでこのペンタックスSPです。
1964年のデビューから世界中で大変よく売れたモデルでもあります。
家の物置や押入れからこのカメラが出てきたという方も多いと思います。
基本的に非常に頑丈なカメラです。
ただし販売開始から50年を超えるカメラなので
油切れで動かない個体も多いです。
動作していても動きが悪いものも多く
その状態で動かし続けていると致命的なトラブルになりかねません。
ほぼ全ての原因が油切れや汚れ・モルト屑の付着等で
動きが悪くなることによるもので下記の様なトラブルが出ます。
・シャッター幕が開かない
・スローシャッターが動かない
・露出計SWがシャッターを切っても戻らない
・ミラーが上がったままになる
・シャッター幕が走りきらない
・露出計の針がたまに張り付いたように動かなくなる
他にも電池の液漏れ等による露出計不動
交換しか手段がございませんがプリズムの腐食も定番です。
プリズムの周りをグルリと囲むようにモルトが巻かれていますが
このモルトの腐食によってプリズム腐食が起こります。
ファインダーから見ると視野の真ん中より少し下に
横一文字に黒いラインが見えるようになります。
いろいろ書きましたが、いずれのトラブルも修理可能です。
もともとペンタックスSPというカメラは
この時代としては非常に軽く滑らかな巻上げが
魅力のひとつでもありました。
お持ちになっているオーナーさんも気づいていないことも
多いのですが巻上げが重い個体も多いです。
巻上げがゴロゴロしている場合はギアの偏磨耗が原因で
巻き上げギア交換が望ましいですが
単に重いだけであれば調整のみでも修理可能です。
「そんなこと言われても正常な状態がどんな状態かわからないよ」
・・・という声が聞こえてきそうですが
当店には修理見本として正常な状態のSPを常に置いてあります。
ご来店可能な方はお気軽にご来店ください。
それで修理が必要ということであれば
どのくらいの修理が必要であるか等々お話できればと思います。
世界中で売れ続けたSPはやはり良いカメラです。
しっかり整備を行えば確実に使えるカメラでもあるので
是非、メンテナンス・カメラ修理の際にはご相談くださいませ。