オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「国際ホッキョクグマの日」なのだそうです。
ホッキョクグマと言えば動物園でも人気ですよね
まだ幼い頃に連れて行ってもらった動物園に
ホッキョクグマがいて
敷地内の端から端までをずっと行ったり来たりしているのです
端でターンするときには
一瞬2本足になって大きく首を上にもたげて
方向を変えるのです
それが妙に印象に残って家に帰ってからも
じいさんやばあさんの前で四つん這いになって歩いて
部屋の端まで行って同じような動きを真似していたのを覚えています。
随分後になってから知ったのですが
これはホッキョクグマだけでなく
動物園の動物に時折みられる「常同行動」と呼ばれる「異常行動」で
ストレスが原因で同じ行動を繰り返すのだそうです。
きっとそのときもストレスたまってイライラして
あの行動だったのですねぇ
子供でわからなかったとはいえ
おもしろがって真似してごめんなさい。。。
動物園も今はこの常同行動をみつけると
いろいろと対策を立てるのだそうです。
外敵や餌に苦労することはないとはいえ
わけもわからず限られたスペースの中に閉じ込められるわけだから
それはいろいろストレスもたまりますよねぇ。。。
いろいろな動物を知ることのできる動物園は必要だし
大切だとは思いますが
そこに住む動物たちもできるだけ快適に暮らしてほしいものですね

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらずコンスタントに修理依頼の多いカメラです。
それだけ今でも人気の高い証明でもありますね

お預かりしているOM-1は使用感のある年季の入った
ブラックボディです。
中身にダメージを受けるほどではないですが
上カバーの角には多少の凹みや塗装剥げも見られます。
捉えかたは人それぞれですが
適度な使いこまれ感が渋いといえる感じでもあります。
それでも全体的には年代を考えるとキレイな部類だと思います。
見た目はそんな感じで大きな問題もないのですが
このOM-1、まずはしゃったーが全く切れません。
シャッター幕の位置をフィルム室側から確認してみると
どうやらチャージはされています。
シャッターボタンは押し下げることができないので
レリーズすることができずにシャッターが切れない状態です。

OM-1のこういうパターンはまず底部三連ギアの
位置関係に問題が出ていることがほとんどですが
底カバーを開けて確認してみると
案の定、底部三連ギアは巻上途中の位置で固まった状態です
ここがリリーズ状態であろうとチャージ状態であろうと
基本的な位置に戻っていなければシャッターを切ることはできません。
まずは三連ギアのうち二つを取り外し正しい位置に
設定しなおすととりあえずはシャッターは切れました。
しかしながら今度は巻上時に巻き止めが効かず
何枚分でも延々に巻き上げることができてしまいます
(もちろんシャッターは切っていないのにです)
三連ギアの位置がおかしなことになってしまったのは
おそらくこの巻き止め動作不良が原因かと思われます。
ここだけではなく三連ギアやシャッターの幕軸、巻上機構部
スローガバナー、調速カム。。。等々
いろいろなところの動きが悪い状態で
積年の汚れがあちこちに詰まっている感じです。

いつも問題になりがちな
露出計周りには大きなトラブルはないようです。
ただ、今回は1.5Vで最適な値が出るように調整しなおします。
毎度おなじみのプリズム周りは以前に対策が取られているようですが
それでも多少プリズム外側塗装部には侵食が見られます。
まだ内部剥離までには至っていないので
できる限りの対策を取って
今回は現状のプリズムをそのまま使います。
あとはとにかく駆動部分を徹底的に洗浄・清掃を行います。
その上で細かくシャッタスピードの調整等を行っていきます。
整備を進めているうちに動きやすくなったのか
巻上の感触もOMらしいシャリっとした中に
滑らかさを感じる独特のフィールに戻ってきました。
ご依頼者様のお手元に戻るころには
かなり気持ちよく操作できる状態になると思います。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「ラッピングの日」だそうですよ
由来は「つ(2)つ(2)む(6)」(包む)と読む
語呂合わせからだそうです。
プレゼントをもらうことも贈ることも
随分減ってしまいましたが(苦笑)
中身が大事なのはもちろんですが
キレイにラッピングされたプレゼントは
その外観だけでテンションあがりますよね!
同じものをもらっても極端な話
スーパーのレジ袋に入ったものと
キレイにセンス良くラッピングされたものでは
気持ちの盛り上がりが全く違うと思います。
豪華にラッピングされた包み紙とかリボンとか
思わずプレゼントの箱と一緒に
記念にとっておきますものね
(まぁ後から使うことは箱以外はまずないのですが…)
いろいろ思い出したり想像していると
豪華にラッピングされたプレゼントが欲しくなってきました(笑)
中身もラッピングに負けない高級な一品でお願いします!
(誰に言っているのやら(笑))
まぁプレゼントはもらうのも嬉しいですが
贈るのもそれを選ぶのも楽しいですよね。
(もちろんこころからプレゼント贈りたいと思う
相手であることが大前提ですが)
とりあえずキレイなラッピングで
自分にご褒美でも準備してみようかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
いわゆるペンタックスMシリーズの一員です。
Mシリーズはいわゆるカメラ好きな方の間だと
一番人気は機械制御機のMXなのだろうと思いますが
個人的には使い勝手は使い心地の面も含めて
Mシリーズの中で一押しは「MEスーパー」だと思っています。
MX以外の全てのMシリーズの基本となる
絞り優先AE専用機「ME」を母体として
マニュアル露出モードを追加し、シャッターの最高速を1/2000とし
さらにファインダースクリーンを
明るい上にピントの山の掴みやすい
「クリアーブライトマットスクリーン」に変更しています。
いろいろな機能追加と基本性能jの底上げで
エントリー機であるMEを中級機以上の高スペック機に変身させたものが
「MEスーパー」と言ってよいと思います。
発売は1979年12月、70年代のトリを飾ったカメラでもあったわけですね

お預かりしている「MEスーパー」は
一応一通り動作してはいるものの
細かいトラブルをいくつか抱えているようです。
露出計表示がたまに極端にアンダー表示になったりであるとか
(ー2段くらい?)
フィルムカウンターがたまに動かなかくなったりであるとか
チャージロックがうまく行われず
巻上が空回りするような感じになったりであるとか
巻上完了時に巻上軸が戻らないような感じにばってりであるとか…
ただどれも常時発生するのではなく
「たまに」なるわけですね
トラブルの再現性のない場合はなかなか
修理する側としては厄介です。
ただ、今回は比較的予想が付きやすいほうで
たまにアンダーになるのはおそらく感度設定盤下の
摺動抵抗の汚れが原因と思われ
巻上に関する症状は例のME特有のミラー駆動部の不具合の
前兆と思われます。
カウンターに関しては再現もできたのですが
送り機構の粘りが原因かと思われます。
それも通常の整備を行うと解消されるのではないかと思われます。

ME系のカメラは全てミラー駆動部のトラブルを
大なり小なり抱えているものが多いのですが
その原因はミラー駆動部に使われているゴムブッシュの劣化です。
モデルや生産時期によりゴムブッシュではなく
プラのスペーサーに変更されているものもあるのですが
今回はゴムブッシュの使われている可能性のある
駆動リンク部3か所のうちの1ヶ所だけがゴムブッシュで
そこが若干粘りを起こしているのが
巻上関連のトラブルをたまにひいき起こしている原因かと思われます。
もちろんゴムブッシュは除去し対策品に交換します。
もちろん電子制御機なのでマグネットの清掃や
各接点、摺動部の清掃も行い誤作動の起こりにくい状態にしていきます。
キチンと整備されていれば
ME系のカメラの動きは非常に安定します。
忘れてはいけないのはこの時期のペンタックス機なので
内部モルトが非常の多いので全て交換していきます。
特にファインダー周りにモルトが多いので
キチンと清掃の上、交換しないと
自慢のクリアーブライトマットスクリーンの上に
どこかともなくモルト屑が落ちてきて
せっかくの快適なファインダーが台無しになってしまいます。
除去残しのないように慎重に作業を行っていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ヱビスの日」だそうですよ
もちろん「ヱビスビール」のことですね
1890(明治23)年2月25日に
「ヱビスビール」が初めて発売されたことを由来とする記念日です。
昨年、発売130年だったのですねぇ
少しだけお高いですが
個人的にもビールの中で一番好きな銘柄です。
いわゆるコーンスターチ等の添加物の入った
大部分のビールは確かに軽めで飲みやすいのですが
やはりビール本来の苦みとどっしりした重みは捨てがたく
そうなると身近に入手できるものは
ヱビスだけになっちゃうのですよねぇ
でも子供の頃、(まぁいろいろ緩い時代だから)
じいさんによく少しだけ飲ませてもらったビールはキリンだったけど
ヱビスと同じように
重量感のある苦みだったような気がするのですよねぇ
40年以上前の話だからもはや勘違いかもしれないのですが…
まぁ、でもやはりビールは麦芽100%で
作られているものが正統派ですよね。
最近ではモルツや一番搾りもそうですが
やっぱり一番ビールらしい重量感のあるのはヱビスだと思います。
(もちろん好みがあるので個人的見解です)
こんなこと書いていると、まだお昼前なのに焼肉や焼き鳥で
思い切りビールが飲みたくなってきました…(笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」の修理を行っています。
つい先日もAE-1の修理やってここにも書きましたね
最近、AE-1やAE-1Pの修理が少し増えてきたような気がします。
(実際に問い合わせも多い)
世界初マイクロコンピュータ搭載の電子制御カメラです。
フィルムカメラの場合、あくまで電子化されるのは制御部で
実際に動作するのは機械的なシャッターなのですが
最新のデジカメになるとシャッターそのものが電子化されていて
いわゆる「機械的に動く」シャッターが存在しないもののもあるのですね
まぁ、私はその編は詳しくないしあまり興味もないのですが…(苦笑)
何がいいたかったかというと制御する電気回路部分に
何か部品レベルのトラブルが出ると正直修理は非常に難しく
(電子基板丸ごと移植なんて大技ができるカメラもありますが)
機械的に動作する部分の修理であれば
比較的何とかなるものが多いということです
それでもさらに時代が進み
液晶が基板内に組み込まれるようになってくるころには
機械的な部分の修理もかなり制限され
交換用電子部品のストックがないと
手も足も出なくなってくるわけですが…

今回、お預かりのAE-1は
シャッターが切れたり切れなかったりしています。
よく動きを観察してみると
電源が不安定なようでonになったりならなかったりしているようです。
さらに根本的な電源のオンオフに関係なく
露出計は全く動かないようです。
当然、SS優先オートの制御は効かず常に絞り開放となってしまいます。
かなり長い間放置されている個体のようで
他にもいろいろと問題を抱えていそうです。

露出計は露出計本体内でコイルが断線しているらしく
単体で取り出して直接電気を流しても
全く反応しない状態です。
でもこれなら逆に露出計本体を中古良品ものと
交換すればよいので何とかなります。
困るのは露出計本体が良いのに
電子基板から信号が来ない場合です。
ただそれでも今回は問題があり
露出計本体は全く問題はないはずなのに
露出計表示が大きくオーバー側に狂ってしまっています。
+5段くらいです。さすがに撮影の上でも許容できるレベルではありません。
いろいろ基板周りや摺動抵抗やらで調整して
何とか正しい値に持っていくことができました。
今回はうまくいきましたがこういうトラブルは
なかなか対処が難しいです。

AE-1も電子制御とはいえ昨日のSR-T101と同様に
連動糸がまだ使われています。
こいつも何も考えずに上カバーを外すと
ほぼ間違いなく切れてしまいます。
ただ連動糸は1本だけなので比較的対処は楽です。
そういえば再組立て時になぜか絞り連動機構にトラブルが起こり
何度か組み立てなおす羽目になりました
(後で原因がわかり納得はしましたが)

ところで今回のAE-1は外装もずいぶん汚れていましたので
どの修理でもそうですができる限りの清掃を行っています。

↓ これが清掃前上カバー

↓ 同じく清掃後

画僧をクリックすると大きくできます。
コンデジでプログラムAEで簡単に撮った画像なので
1,2枚目で微妙に露出が異なるのはご容赦くださいませ

キズやサビ、凹みはどうにもならないですが
汚れはある程度は落とせます。
機能回復が最優先ではありますが
気持ちよくつかっていただくためには
なるべく外観もキレイに仕上げたいものです。

今回もいろいろありましたが
何とか気持ちよく使っていただけるレベルに仕上がりそうです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「月光仮面登場の日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
ラジオ東京(現:TBS)で国産初の連続テレビ映画
『月光仮面』のテレビ放送が始まったのだそうです。
さすがに私が生まれる10年以上前なので
月光仮面そのものにはそれほど馴染みはないですが
それでもいわゆるヒーロものの元祖でもあるわけなので
意外とよく知っているかも…
でも月光仮面よりは小学校の頃に
家族の目を気にしながら読んでいた
月刊ジャンプの「けっこう仮面」のほうがインパクトあったな(笑
舞台は長野の山奥にある「スパルタ学園」で
園長は「サタンの足の爪」ですよ(笑
顔は誰かは知らないけれど~♪
からだはみんな知っている~♪ですねぇ。。懐かしいな

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタはXシリーズの開始と共に
電子制御カメラに大きく舵を取ったために
機械制御のミノルタ機というと「SRシリーズ」まで遡らないといけません。
SR-2の始祖とするSRシリーズの中で
最も販売台数が多く長く生産されたのが
この「SR-T101」です。
ミノルタ機械制御シャッター機を代表するカメラと言っていいと思います。
この後に出たSRーTスーパーやSR101、505も
このSR-T101のマイナーチェンジ版といえると思います。
それほど基本的な部分には変更が加えられていません。
SR-T101はミノルタ初のTTL測光搭載機でもあります。
開放測光を行うためにレンズ側も絞り情報伝達機構を備えた
MCロッコールにモデルチェンジされています。
さらにそのTTL測光は視野を上下に分割し
それぞれを別のCdSで測光しています。
今でいう分割測光の簡単なものと言えると思います。
当時としては先進機能を満載したカメラだったわけですね。
機能的には目新しいところも多かったのですが
機械的な部分はオーソドッグスな造りで非常に丈夫にできています。
この信頼性の高さも当時の高い人気の一因だったと思われます。

お預かりしているSR-T101は
主に低速シャッター時にミラーアップしてしまう症状が出ています。
毎度同じようなことを書きますが
ミラー駆動部が悪いというよりは
シャッター幕の走行があまりよくないためと思われます。
低速時にミラーアップしてしまうというのは
ガバナでいったん動きを止められた後幕が
キレイに走り切ることができず
最後のミラーダウンレバーを蹴られないということだと思われます。
シャッタスピード計測を行ってみるとさらにその現象は明らかで
後幕の幕速が異様に遅く高速シャッター時の精度も出ていません。
これが逆に先幕の動きが悪い状態だったら
高速時に走行途中でシャッターが閉じてしまい
写真の端が黒くなってしまう等のトラブルが起こると思われます。

露出計も動作はしているのですが非常に不安定で
精度も出ていません。
シャッター整備と並行してそちらも整備していきます。
SR-T系というと連動糸が多く
分解が大変なイメージでもありますが
しっかり手順通りに行えばさほど連動糸に神経質になる必要もありません。
整備性はこの時代の機械制御機らしく非常に良いと思います。
ただ正しい手順を知っていなければ連動糸に苦労するかもしれません
何も考えずに上カバーを開けると
まず間違いなく連動糸を切ってしまうと思います。
AE-1とかもそうですが
部品取り用にジャンクを取り寄せると
連動糸の切れている個体にそれなりに巡り合います。
あくまで自己責任ですがカメラがかわいそうなので
予備知識もなくよくわからないままに分解するのは
できれば避けていただきたいなぁ…とも思います。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は2月22日ということで
にゃんにゃんにゃんということで
お馴染み「猫の日」ですが
それは全国的に有名すぎるし
私がここで取り上げる必要もなさそうなので
それよりも2月22日は「おでんの日」だったりします。
言われてみれば今シーズンは
あまりおでん食べていないなぁ
今日はやたらと暖かい日のようですが
まだ寒さが戻ってくる日もあるでしょう
残り少ない冬の名残をおでんで楽しむのもいいですね
おでんも地域によって味や具に大きな違いのある食べ物ですね
やっぱり個人的には汁の透明な「関西風」が好みです。
で、絶対に外せないのが「牛すじアキレス」です!
子供の頃、おでんが出るとこればかり食べてしまって
ばあさんに叱られた記憶が鮮明によみがえります(笑
この辺では牛アキレス手に入らないのですよねぇ
その気になれば今はネット通販で
もちろんお取り寄せできるのですが…
アキレスなんてしばらく食べてないな…取り寄せてみようかな
もちろん良く煮しめた大根やこんにゃく、練り物も大好きです。
何にしても日本酒が合いますよねぇ…
あぁ、こんなこと書いていると
すっかり頭の中が「おでんモード」です。
アキレスはすぐに手に入りませんが
とりあえず今夜はおでんにしようかな(笑

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売の中級機でこの年代になると
マニュアルフォーカス機としてはかなり末期のものです。
一概には言えないのですがおおざっぱに考えて
当店で修理できるカメラとしてもギリギリの世代ですね。
これ以上新しいものになると修理不可能がほとんどです。
ミノルタのマニュアルフォーカス機としては
かなり長い間、頂点に君臨していたカメラで
オートフォーカスのαシリーズに移行後も
生産・販売が続けられ1999年まで販売が続けられました
18年間にもわたって生産・販売が続けられたわけですね
カメラとしては中級機ですし時代も反映して
外装カバー類は全てプラスチックですし
XDあたりと操作感を比べると巻上等の気持ちよさは
正直なところそこまでではありません
でも、このカメラ妙に使い心地良いのですよね
ファインダーの見えの良さはさすがミノルタ機で
アキュートマットのスクリーンは
明るい上にピントの山が掴みやすいという
相反する要素を見事に高いレベルでバランスしたものです。
シャッター音も剛性感のある耳障りの良い音で
使い勝手も非常に良い1台です。
実は私も個人的に今でも使っているカメラです。
F3と並んで使用頻度の高いカメラです。
電子制御関係のトラブルが発生すると
修理不能な可能性もありますが
XDあたりに比べると電気関係のトラブルは少ないと感じます。
酷い分解品や水没品・ショック品でない限り
比較的安定した動きをするカメラだと個人的には思っています。

お預かりしているX-700も
電気的な問題はないようです。
ただ巻上にトラブルを抱えていて
巻上完了後に巻上軸が本来の元の位置に戻りません
見かけ上、巻上レバーは戻っているのですが
軸が戻っていないためレリーズができず
シャッターが切れない状態になります。
で、底部からモータードライブ用のリンク部に
コインかなにかで軸が戻る方向に軽く回してやると
軸が本来の場所に戻りシャッターも切れるといった状況です。
油切れや積年の汚れ等で固着といった感じではなく
巻上軸周りの部品が変形して
干渉してしまっているような感じです。

この巻上軸のトラブルが意外と解消に苦労しました。
予想通り微妙な部品の変形により
軸に干渉してしまっているせいでしたが
巻上部のかなり奥まったところに原因があり
それがはっきりわかるまでに苦労した感じです。
それ以外に若干のオートのズレとか
接触不良やマグネットの汚れ等が原因と見られる
オートの動作不良等も見受けられたので
もちろん一緒に整備していきます。
上の画像は上カバーを外しただけの段階でのものですが
いかにも80年代のカメラですね。
フレキでしっかり覆われていてプリズムが全く見えません
フレキの扱いにさえ気をつければ
意外と整備性は悪くありません。
でもそのフレキの扱いが大変なのですが…(苦笑)
巻上軸のトラブルの原因がわかり対処する方法も確定したので
あとは通常の整備を含めて慎重に粛々と進めていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

新聞の4コマ漫画って各社とも連載されていますよね?
私が子供の頃、家では朝日新聞を取っていたので
(まわりは圧倒的に「中国新聞」が多数派でしたが…)
「フジ三太郎」が記憶に残っています。
なんでこんな話から始まったかというと
その昔「サザエさん」が朝日新聞の4コマ漫画で連載されていたのですね。
(1951年4月16日から朝刊で連載開始、1960年4月に連載中断
1961年10月15日から連載再開)
その連載が最後になったのが1974年2月21日で
中断という形だったのですが以降掲載されず
事実上の連載終了となりました。
サザエさんというとアニメも超長寿番組なので
その印象が強いのですが
原作の4コマ漫画はアニメとはまた全く雰囲気が異なるのですよね
あの頃の時代感が非常に出ていてこれはこれで非常に面白いです
連載終了時に私は4歳10ヶ月か…
その頃も家では朝日新聞だったはずですが
さすがに記憶には残っていなくて
アニメで見たほうが先で原作を読んだのは随分後だなぁ…
今日は日曜日、さすがに今は見ることありませんが
今夜もサザエさんの放送がありますねぇ
「サザエさんシンドローム」なんて言葉もありますが
私も昔、週末休みだった頃は
日曜日の「ちびまる子ちゃん」から「サザエさん」の流れで
テレビを見ていると何とも切ない気持ちになりました(笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1974年に発売され大ヒットしたカメラです。
キヤノンAシリーズの最初の1台でもあり
後に出てくるすべてのAシリーズの基本となるカメラです。
設計・精密加工・生産ラインの技術を総合して
各部門一丸となって行われた社内呼称「新機種X開発計画」の賜物です。
マイクロコンピュータ搭載による中央集中制御方式で
前モデル「EF」に比べて約300点の部品削減と
生産の効率化によるコストダウンを成功させています。
このAE-1の登場でカメラの電子化・自動化が
さらに一気に進むことになります。
コストダウン・効率化は進みましたし
上下カバーはプラではあるのですが
中身や構造に安っぽい部分は全くなく
機械構造部も非常にしっかりと作られたカメラです。
シャッター鳴き等の持病もあるカメラですが
これだけの電子制御機でありながら
修理不能になることがあまりないカメラです。

お預かりしているAE-1はミラーアップしたまま
固着してしまっています。
そのまま巻上は可能でシャッターも切れるのですが
ミラーは上がったままです。
さすがにこれでは撮影には全く使えません。
シャッターにも問題があり
1/1000~1/250までの高速シャッターで
ほぼシャッターが開きません。
さらに露出計、オート露出ともに3段以上オーバーといった状態です。
ミラーやシャッターは機械的動作不良で
露出計、オートに関しては抵抗や接点の汚れ等が原因と思われます。
このままではどうにも使えませんし
トラブルはいろいろ起こっていますが
ひとつひとつの症状はよくあるトラブルで
対処できるものと思われます。

不思議なことにミラー駆動は動作不良なのに
Aシリーズ定番のシャッター鳴きは全くないのですね。
以前に一度整備されているのかもしれません。
シャッター幕軸等もやはり動作不良です。
清掃注油で改善されると思われます。
ミラー周りにぎっしり配置された駆動部と制御部は
非常にややこしそうな見た目ではありますが
意外と整備性は悪くありません。
ただ、フレキの扱いには細心の注意を払います。
経年劣化で脆くなっている部分もあるので
外す際には相当神経を使います。
おまけにこれだけの電子制御機なのに
まだ連動糸があったりもしますので
こちらも注意して作業を行います。
頻繁に触っているので慣れてはいますが
やっぱり冷静に考えると
いろいろ整備は大変なカメラかもしれません(苦笑)

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日はこれと言ってピンとくる記念日は少ないのですが
1962年2月20日にアメリカ初の有人衛星
「マーキュリー・アトラス6号」(フレンドシップ7)が打ち上げられました。
ジョン・グレン中佐が塔乗し、アメリカ初の地球周回飛行となり
この分野で先行されていたソ連に追いつく形となったわけです。
この宇宙船にミノルタハイマチックのOEM品である
「アンスコ・オートセット」が載せられ
初めて宇宙に飛んだカメラとなったわけですね。
この辺の話は前回のハイマチック7のブログでも
書いたばかりですね。
今から59年前のことなのですよねぇ
意外と最近の話だなぁ。。。と思うのが半分
そんな昔の技術で
よく衛星軌道まで乗ったなぁ。。。と思うのが半分というところですね
でも実際にこの時代の宇宙計画はトラブルが多いのが当たり前で
フレンドシップ7も本来は最低7周以上の
地球周回飛行を行う予定であったのですが
2周目にトラブルが発生し
3週目終了時点で大気圏再突入・大西洋に無事着水・回収となったわけです
本当に命がけで宇宙に行く感じだったでしょうねぇ
現在でさえもいろいろトラブルの起こる可能性はあると思いますが
この時代は最後まで計画通りに無事に進むことの方が
少なかったのではないかと思います。
でも成層圏やその先の宇宙ってやはり憧れますし
興味もわきますよねぇ
普通に宇宙にりゅこうに行くことにできる時代に
もう一度生まれ変わってみたいものですね

さてさて

本日の修理は毎度おなじみのオリンパスOM-1Nです。
機能としてはフラッシュ関連の部分で多少の改善が行われていますが
他は従来のOM-1と何ら変わりません。
ただし、内部機構や部品は意外と変更が行われていて
(正確に言うと「1」の末期から少しずつ変更されている)
「1」と」「1N」は細かい部品に意外と互換性がなかったりします。
シャッター等の基本的構造は変わりはしないのですが。。。
いろいろ改善を行っている割には
相変わらずプリズムと接眼レンズの間には
大きな遮光用のモルトプレーンで覆われていて
それが元でプリズムの腐食も「1」同様に起こります。
数十年後の加水分解まで予想できなかったのか
いやいや数年に一度はキチンと分解整備して
モルト類は交換してくださいよ…ということなのか
どちらにせよ、数十年放置あるいは使いっぱなしの個体では
かなりの高い確率でプリズム腐食が起こります。

今回お預かりの個体は
明らかに視界の邪魔になるほど酷くはないのですが
やはり腐食が発生していて一度気になり始めると
ファインダーを覗くたびに気になってしまうという感じです。
一眼レフにしてもレンジファインダー機にしても
やはりフィルムカメラはファインダーの見え心地が非常に大事です。
ファインダーが汚れていると
写真そのものには影響がないとわかっていても
撮影するテンションが下がってしまいますものね
さらに今回の「1N」はプリズムの問題だけではなく
低速シャッター時にかなりの高確率で
ミラーアップしたままになってしまいます。
今回もミラー駆動部が…というよりはシャッター幕走行不良が
原因かと思われます。
というのもやはり高速SS時にもかなり後幕の動きが悪く
SS精度が全く出ていない状況のため
低速時のミラーアップもこの辺りが原因と思われます。
他、細かいことですが「R」ダイヤルがロックされず
巻戻しの際に「R」ダイヤルを「R」ポジションに
手で持ったままでないと巻きもぢができない症状が確認されています。
巻き戻しできなくはないですがこれはかなり不便ですね。
まだ通常の底部巻き戻しボタンであれば押したまま巻くのは
難しくはないですし古いカメラだとロックされないのが当たり前で
押したまま巻き戻すのが普通のカメラもありますが
OMの場合はダイヤル状な上に配置されている場所も
手で押さえておくにはやりにくい場所です
このトラブルの原因は巻き戻しダイヤル軸の変形ですが
たまに見受けられるトラブルです。

OM-1は他の多くのオリンパス機と同じく
小さなボディにぎっちりと機構部を組み込むため
整備の際にはいろいろと神経を使うカメラです。
基本的にはシンプルな造りなのですが
設定に繊細な部分が多いカメラで
ちょっとしたことでその繊細な部分のバランスが崩れると
なかなか復帰に手間のかかるカメラなのです。
毎月数台行いOM-1(N)の整備ですが
本当に油断禁物で(どのカメラでもそうではありますが)
今回も慎重に整備を行っていきます。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「冥王星の日」だそうですよ
少し前に冥王星の軌道が海王星の内側に入った日の
話をここでしたばかりですねぇ(苦笑)
1930(昭和5)年のこの日に
アメリカ・ローウェル天文台の天文学者クライド・トンボーが
太陽系第9惑星「冥王星」を発見したことを記念した日です。
海王星の軌道の乱れから冥王星の存在は
予想されてはいたのですが実際に発見されるまでは
かなり時間がかかったそうです。
それもそのはずで冥王星は地球から見て15等星という暗さだったのです
空気のキレイなところで目の良い人が肉眼で見える
最も暗い星が6等星と言われています。
5等級異なると100倍明るさが異なるということなので
肉眼で見えるギリギリの明るさから
1/10000の明るさしかないということですね
そんな小さな星が良く見つかるものだと思います。
(実際にはある程度ありそうなエリアを絞り込んでおいて
日付の異なる日に撮った写真を比べて
動いている星(惑星)がないか探すのだそうです。
それにしたって冥王星より明るい
多少近くにある小惑星だってたくさんありそうですし
どちらにしても気の遠くなるような作業だったと思われます。
冥王星は月よりも小さく直径は2370kmしかありません
(月は3474km、地球は12,700km)
それが約48億kmのかなたにあるわけですねぇ
太陽系だけでもとんでもなく広いですねぇ
それと比べてもいけませんが私の部屋の何と狭いことよ(笑)

さてさて

本日はミノルタハイマチック7のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
ハイマチックシリーズと言えば60年代から70年代にわたり
ミノルタを代表するレンズ固定式カメラのシリーズです。
ハイマチック7はその2代目にあたりモデルですが
名前は「7」です。
これは初代ハイマチックのOEM製品である
「アンスコオートセット」が
マーキュリ-アトラス6号(コールサイン「フレンドシップ7」)に
搭載されて初めて宇宙に飛んだカメラとなったことを記念して
フレンドシップ7の「7」からハイマチック7となったわけです。
これ以降、ミノルタのカメラは戦略上、重要なモデルに
「7」を含むモデル名を多用します
(SR-7、X-7、α7000、X-700、α-7等々)
ハイマチック7は初代ハイマチックと比べると
内部構造も含みかなり大幅な変更を行っています。
そしてこの後続く初期のハイマチックシリーズのベースモデルとなっています。
初代と同じくプログラムオート露出を搭載しますが
初代では不可能だったマニュアル露出も可能となっています。
露出計は受光体がCdSのものに変更され
ファインダー内にEV表示することでオート時だけではなく
マニュアル時にも非連動ながらちゃんと動作するようになっています。
(連動の問題ですがマニュアル時に
露出計使用不可になるこのジャンルのカメラは意外に多いのです)
レンズは大口径のロッコールPF45mmF1.8で
シャッターユニットはセイコーシャLAで最高速は1/500です。

お預かりしているハイマチック7は
まずシャッター羽根がレリズしても全く開きません。
レンズシャッター機定番の羽根固着です。
シャッター羽根がこれだけ固着しているということは
絞り羽根にもやはり粘りがあり
マニュアル時にはそれほど問題にならないのですが
小さなバネ力で絞りを制御するオート時には
やはり上手く開閉ができないようです。
加えてレンジファインダー内のハーフミラーが劣化して
蒸着部分がかなり剥がれ落ちているのが
明らかに目視でわかります。
これ以上剥離が進むとそのうちハーフミラーではなく
ただの素通しのガラスになってしまいます。
当然今の状況でも随分剥がれ落ちているので
ファインダー内の2重像やブライトフレームの見えは良くありません。

ハーフミラーは交換で対処するしかありません。
シャッターが開かなかったので透かして見られなかったのですが
外してみるとレンズにも強烈にカビが生えています。
後玉表面のカビはかなり深く侵食しており
さすがにカビ跡は残りそうです。
通常の撮影に問題のないレベルに持っていくように
できる限りの清掃で対処いたします。
当時としてはコンパクトカメラに分類されるでしょうが
現在の感覚だとコンパクトとはいいがたい大きさです。
でもその余裕のある大きさのおかげで
整備性はなかなか良好です。
後のハイマチック9,11、7Sと長きに渡って
この「7」がベースとなるわけですが
それだけしっかり考えられて作られている内部構造だと思います。
個人的にもかなり」好きなカメラの一つです。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は「天使の囁き記念日」だそうですよ。
ここでいう「天使の囁き」は「ダイヤモンドダスト」のことです。
「ダイヤモンダスト」。。。
大気中の水蒸気が昇華してできた
ごく小さな氷晶が降ることで日本語でいうと細氷(さいひょう)です。
いくつもの気象条件が重ならないと見られない
非常に珍しい自然現象ですが
現在では人工的に発生させることもできるそうです。
えっと…
気温は氷点下10度を下回ること、天気は快晴そして無風
なおかつ明け方が良いそうです。
加えて1km以上見渡せるほどの視程、
大気中の水分が凍るわけですから適度な湿度も必要です。
うーん、これだけ条件を上げるだけでも
なかなか見られそうにないわけですよねぇ
私?もちろん見たことありません(笑)
日本国内でも厳冬期の北海道内陸部で見られるそうです。
同じようなものに「氷霧」というのもあります。
こちらも非常にめずらしい現象で同じようなメカニズムで発生しますが
細氷は「雪」に分類されるのに対し氷霧は「霧」に分類されます。
結晶の大きさも氷霧のほうが小さいのだそうです。
霧なので視程も悪く気温もマイナス30度くらいにならないと出ないそうです。
ちなみに細氷(ダイヤモンドダスト)は雪に分類されると書きましたが
ダイヤモンドダストが発生するときは天気は基本的には快晴です。
でもダイヤモンドダストが観測されるとその時の天気は
「雪」として記録されるそうです。ちょっと面白いですね。
一度くらいは見てみたいですねぇ…でも寒いだろうなぁ(笑

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
ミノルタらしい非常に官能的な使い心地と
これまた官能的なルックスがウリのカメラだと思いますが
それは今だから言えることで
発売当時のウリは何といっても世界初の両優先AE搭載です。
(SS優先、絞り優先)
その後、露出モードは分割評価測光を含めて
さらの進んだので今更、両優先AEはそれほどすごくは思えませんが
当時は自動露出モードは「絞り優先」、「シャッタースピード優先」
「プログラム露出」のどれかがひとつ装備されているのみというのが普通で
それにマニュアルが可能か否か…といった選択肢しかなかったわけです。
で、昔のクルマでツインカムかターボかどっちが優れているのか
みたいな議論と同様に「絞り優先」と「SS優先」
どちらがいいのかという議論もされていたわけです
クルマは「ツインカムターボ」が出てこの議論に終止符が打たれましたが
カメラの世界ではXDが両優先を搭載しこの議論に終止符を言ったわけです。
さらに翌年には両優先+プログラムオートを搭載する
キヤノンA-1も発売されるわけです。
前回のXDのブログの際にも書いたので詳しくは省略しますが
XDもサイバーネーションシステムの恩恵で
SS優先時にはプログラムAE的に使用することも可能です。

XDは両優先AEを搭載したことや上記サイバーネーションシステムの
プログラムシフトがあるせいもあり
電子制御は当時としてはかなり複雑です。
そのためもあるでしょうが現行モデルの頃から
電装系トラブルの多いカメラとしても有名です。
今、現在生き残っているものは
比較的電気トラブルが少ないと思われますが
それでも長年眠っているものは
トラブルを抱えたまま年数だけが立っているものもあると思いますし
もちろん部品の経年劣化で電気的トラブルが発生する可能性もあります。
やはり制御関連にトラブルを抱えているものは
当店でも修理不能となります。

お預かりしているXDはSSや露出計、オート制御にそれぞれ
多少のズレは見受けられるものの調整可能な範囲と思われ
動きに致命的な問題はないかと思われます。
しかしながら前回のXDもそうでしたが
今回もフィルム室巻上側スプールの爪が折れてしまっています。
ミノルタX系は本当にこのトラブルが多いですね。
さすがに何十年も使われてくるとこういう負荷のかかる部分が
当時の樹脂製だとさすがに持ちません。
とはいえ交換する部品も新品は用意できず
中古良品を使用するしかないので
いつまでもつかは正直なところ何とも言えません
無理な使い方をしないようにいたわって使うしかないですね。

お預かりしている個体は実は上にある
まだ何も手を付けていない個体です。
わかりにくいですが確かにスプール爪は折れて紛失しています。
まずは先に交換用のスプールを部品取りから取り出します。
スプール交換はそれだけでもなかなか大変な作業で
スプールを取り出すだけでも巻上周りは全て分解が必要です。
手前に立ててあるのが今回使用するスプールですが
これを取り出すためだけにこれだけの分解が必要です。
見た目以上になかなか大変なのです(苦笑)
部品の準備もできたところで
これから本格的にシャッターやミラー駆動部の整備も行いながら
スプール交換も行っていきます。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「春一番名づけの日」なのだそうです。
何のことかと思ったら
「春一番」という言葉が初めて使われたことを
記念した日なのだそうです。
そもそも春一番とは冬の北風とは逆方向で
その年に初めて南から吹きつける強風のことです。
「その年に初めて」とはいいますが
通常、立春から春分の間にかけて吹く南風のことですね。
立春直前に全国的に南風が吹き気温が上昇した年もあったのですが
立春の前であったために
定義上、気象庁はこの風を「春一番」と認めなかったこともあるそうです。
なかなかその辺の判断は微妙ですよねぇ
人間が決めた定義とは関係なく自然現象は起きるものですし。。。
ちなみに今年の関東地方は2月4日、
立春の翌日に既に「春一番」が観測されています。
(今日現在、関東以外ではまだ観測されていません)
ここ数日また暖かくなってきましたし
このまま一直線に春に向かってほしいものです。

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「アサヒペンタックス系」のカメラの末裔にあたります。
(SPまで含むかどうかいろいろ考え方はあるのですが…)
ここでいう「アサヒペンタックス系」とは
ペンタックス最初のカメラでもある「アサヒペンタックス(AP)」を
ベースとする一眼レフカメラです。
1964年に登場するTTL露出計搭載の「SP」も同じ系列ではあるのですが
「SP」は「SP系」として別に考えるほうがしっくりくる気がします。
(SPで内部構造もかなり変更されましたし)
今回の「SV」はアサヒペンタックス系の最終機といっても良いと思います。
正確に言うとSVよりも「S2スーパー」の方が後に登場するのですが
「S2スーパー」は「S2」を名乗りますが実際は「SV」から
セルフタイマーを省略したモデルです。
「SV」はその前身となる「S3」の後継機で
「S3」で実現した完全自動絞り機構に加えて
セルフタイマーと自動復元型フィルムカウンターを装備したものです。
機能的に追加されたのはその二つですが
ミラー駆動部やファインダー等、内部機構もかなりリファインされており
露出計を装備していないこと以外は
その後、数十年続くMFマニュアルカメラとしての基本的機構を
全て備えているカメラです。
つまり普通に70~80年代のマニュアルカメラが使える方ならば
それほど違和感なく使えるカメラになっているということですね。
(これ以前のアサペンだと半自動絞りだったり
カウンターは自動復元でなかったりとそれなりにひと手間と
慣れが必要かと思われます)
SVの「V」はセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字ということです
この時代のカメラにはSV以外のレンズシャッター機等でも
セルフタイマーレバー部によく「V」と刻印されてあります。
ただ、SVのセルフタイマーは非常にわかりにくい場所に設置されています。
通常、一眼レフのセルフタイマーというと
ボディ前面の目立つところにレバーがありますが
SVのセルフタイマーは巻き戻しクランク下がダイヤルになっていて
それをグルンと回転させてセットします。
これ、予備知識として知ってないとなかなかわからないと思います。

前置きが長くなりましたが
「SV」というか「アサヒペンタックス系」(SPより前)のモデルは
みんなそうなのですがシャッター幕が劣化・硬化していて
シャッターがまともに動作しない、あるいは動作していても
とてもとても正常にシャッターが走行できず
全くシャッタスピードの精度が出ない…という状態の個体が非常に多いです。
経年劣化なので仕方がない部分ですね。
シャッター幕の素材はいわゆるゴム引きで
布幕にゴムの層が組み合わされており
このゴムの層があるのでしっかり遮光できるわけなのですが
そのゴムが劣化してドロドロになったり
その後硬化して波を打ってしまっている状態になったりします。
今回のSVもシャッター幕がガチガチに硬化しており
特に後幕にいたってはシャッターをリリースしても
シャッター幕が走りだせないような状態でした。
シャッター幕交換は重整備ですし工賃もかなりかかりますが
ゴム引きのシャッター幕はやはり消耗品です。
今回のようにシャッターがまともに動作できないものに関しては
目に見えて交換が必要ですが
環境や個体差もありますが50年以上経過しているものは
やはり交換も考えなくてはならない状態になっていると思います。
ただSVはまだ比較的シャッター幕交換がやりやすいカメラで
それ以外の部分もシンプルで丈夫であるがために
シャッター幕を交換して各部の整備を行ってしまえば
また当分の間、安心して使える状態になるカメラだと思います。

画像は一通りの整備が完了後のものです。
黒のSVはちょっとレアですね。文句なしにカッコ良いです。
交換前のガチガチに硬化して波打ったシャッター幕に比べると
新品のシャッター幕のしなやかさは別次元のものです。
当然、スムースにシャッターは動作しており
他部分の整備も行っているので
巻上も軽く非常に気持ちの良い感触で
シャッター音も非常に上品な良い音になっています。
でもあくまでこれが本来の姿にかなり近い状態です。
(完全な新品になるわけではないので
完璧に本来の姿とはいいませんが)
SVは中古カメラ店とかに行くと
ジャンク箱の常連だったりすることも多いのですが
本来はこんなに使って気持ちよいカメラだということを
せめて今所持している方には知っていただきたいとは思います。

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