ここではキヤノンF-1のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
キヤノンF-1 大きくて重いですが存在感も重厚感も素晴らしいです。
1960年代から70年にかけて当時のカメラ市場は
いわゆる「プロ仕様機」という分野ではニコンF、F2の独占市場で
他メーカーは対抗機種が存在しない状態でした。
レンジファインダー主流の時代では業界をリードしたキヤノンも
一眼レフ市場には少々乗り遅れましたが5年間の開発期間を経て
満を持して登場したフラッグシップ機がこの「F-1」です。
このモデルからデジタル時代になってからも続く
「ニコン・キヤノン戦争」の始まりとなりました。
そんなF-1は今でも人気が高く市場にも比較的高値で出回っています。
ただ登場してから40年を超えるモデルですから
本調子でないものも多く見受けられます。
この初代「F-1」はキヤノンとしては最初で最後の
「フルメカニカル」のフラッグシップ機です。
露出計関連以外は電気回路を持っていません。
すなわち比較的トラブルがあっても修理できるモデルとなります。
私が見てきた中で多いトラブルには下記のようなものがあります。
・スローガバナー不調により低速シャッターが切れない
・シンクロ端子不調により外部フラッシュが光らない
・高速シャッターが開かない、あるいは開ききらない
・シャッター幕のバウンドにより写真の端が黒く写ってしまう
・露出計が大きく狂っている
いずれも修理可能です。いわゆる分解品やショック品、水没品でない限り
修理は可能かと思われます。
せっかくのプロ仕様のフラッグシップ機です。
万全の状態で当時のプロ機の感覚を楽しんでいただきたいと思います。
現在、F-1をお手元にお持ちの方
しっかりしたメンテナンスやカメラ修理と合わせて是非ご相談くださいませ。