ニコン F2  孤高のプロ仕様機の2代目

ここではニコンF2のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

ニコンF2フォトミック ブラック
この他にもちろんシルバーもあり
ファインダー交換で
アイレベル、フォトミック、
フォトミックS、フォトミックSB
フォトミックA、フォトミックAS、チタン
色んなバリエーションがあります。

唯一のプロ用一眼レフとして
君臨したニコンFからおよそ12年、
ついにモデルチェンジを行いこのF2へ進化しました。
基本的な部分はFと構造は似ていますが
あらゆるところが変更されていて
Fで使いにくかった部分が確実に進化したカメラです。

F同様、40年以上経過した今でも
致命的なトラブルの少ないカメラですが
やはりスローシャッターの不調や
高速シャッターの狂いはF同様見られます。

さらにF2特有の故障として
よく見られるのが電池室のトラブルです。
F2はFとは違い当初から
露出計の付いたフォトミックファインダーを
前提として設計されています。
そのため、電池室はファインダー側ではなく
ボディ底に配置されています。
その電池室の切片を支えている
プラスチック部品が破損している個体が非常に多いです。
ここが破損すると露出計の電源が全く入らなくなります。
場合によってはショートして電池を入れても
露出計は動かないのに
あっという間に電池が消耗したりします。

上の写真はF2のカバー類を外し
ミラーボックスも外した状態ですが
赤矢印部分の切片の下にある支えている部分が折れてしまいます。

こんなふうになっている個体が非常に多いです。

アイレベルで使われてる方には特に影響ないですが
電池室の中で切片がグラグラしているのは気持ちよい状態ではないので
心当たりのある方は是非ご相談ください。

F2の魅力といえばFにはない1/2000シャッターと
言われる方も多いとは思いますが
これが開ききってない個体も多いのでお気をつけください。

Fと比べて裏蓋の開閉しやすさ、押しやすいシャッターボタン
多重露光も簡単にできる、1/2000シャッター
高速側は中間シャッター速度も使える。
低速側はセルタイマーを使って10秒まで対応・・・等々

よくなった部分が非常に多く素晴らしいカメラだと思いますが
ちょっとFやF3に比べて地味なイメージもあるかと思います。

よく見るとFはペンタ部に大きく「F」の文字が・・・
F3以降は上カバー巻上げ側にそれぞれ「F3」、「F4」等の
モデル名が誇らしげにありますがF2にはないのですよね。

あるのは上カバー製造番号の横に小さくF2と・・・

いやいや・・・控えめですよね。
思い切り目立つところに「F2」でもよいような気がしますが
逆にさりげなく日常に使うのがF2使いらしいかもしれません。

F2は機械式シャッター搭載の最後のF一桁機です。

定期的なメンテナンスを行っていけば
まだまだ使い続けることのできるカメラです。
長く放置されたF2をお持ちの方、あるいは
調子の悪いF2をお持ちの方は
是非一度ご相談していただければと思います。