ここではペンタックスME(Superも含む)のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
こちらはMEのブラック、ギュッとしまった良いデザインです。
こちらはME Superのシルバーモデル
見た目はほとんど変わりませんがマニュアル露出モードと
1/2000のシャッターがMEに対して追加されています。
手にすっぽり入るようなコンパクトでありながら
使いよさと高性能をほどよくブレンドした
ペンタックスME&MESuperは70年代末から
80年代にかけて相当数が販売されました。
・・・ということは、同じく相当数の中古品も
現在、存在するわけなのですが・・・
このMEシリーズ、同じ構造を持つMV1やMGまで含めて
メンテナンスされていない個体はかなりの高確率で
トラブルを抱えています。
・ミラーアップしたまま、シャッター切れず
・巻上げが滑るような感じでチャージできない
この2点が圧倒的に多く存在するトラブルです。
他にも電池室の腐食であるとか
シャッターが開きっぱなしになるとか
何点かよく見かけるトラブルはありますが
上記2点は買ったまま何十年も放置している個体には
ほぼ間違いなく発症します。
この2点のトラブル、実は同じ原因で起きる症状です。
上の写真はミラーボックスを外して側面を写したものです。
写真ではわかりませんが
赤矢印3箇所の軸に干渉をやわらげるための
ゴムのリングが巻かれています。
これが腐食して粘着状になりミラーボックスの動きを
妨げてしまうのです。
いわゆる「定番修理」なので寸法を合わせた
プラスチック製のリングを付け直します。
さらに適正な注油を行ってやると
ほぼ間違いなくそのMEは元気に復活します。
それなりにややこしい場所にあるので
時間のかかる作業ではありますが
原因がはっきりしていると作業的には落ち着いてかかれます。
ミラーボックスを外しているので裏側にある
大きなダンパーも外して点検します。
ダンパーの中からボロボロになったゴム製の緩衝材が出てきました。
これもトラブルの一因です。
さらにシャッター羽根の根元にも
飴色の緩衝材があり、これも腐食によってトラブルを引き起こします。
いわゆる電子シャッター機なので
電気関係のトラブルが多いかと思いきや
基盤自体はかなり丈夫なようで
分解品以外であれば電子系トラブルはごく稀です。
こうして修理・メンテナンスを行ったMEは
非常に軽快に動作し、
撮影の相棒としてとても使いやすいカメラに生まれ変わります。
お手元に動かなくなったME、ME Super、MG、MV1を
お持ちの方は是非一度ご相談ください。