ここではペンタックスME(Superも含む)のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
こちらはMEのブラック、ギュッとしまった良いデザインです。
こちらはME Superのシルバーモデル
見た目はほとんど変わりませんがマニュアル露出モードと
1/2000のシャッターがMEに対して追加されています。
手にすっぽり入るようなコンパクトでありながら
使いよさと高性能をほどよくブレンドした
ペンタックスME&MESuperは70年代末から
80年代にかけて相当数が販売されました。
・・・ということは、同じく相当数の中古品も
現在、存在するわけなのですが・・・
このMEシリーズ、同じ構造を持つMV1やMGまで含めて
メンテナンスされていない個体はかなりの高確率で
トラブルを抱えています。
・ミラーアップしたまま、シャッター切れず
・巻上げが滑るような感じでチャージできない
この2点が圧倒的に多く存在するトラブルです。
他にも電池室の腐食であるとか
シャッターが開きっぱなしになるとか
何点かよく見かけるトラブルはありますが
上記2点は買ったまま何十年も放置している個体には
ほぼ間違いなく発症します。
この2点のトラブル、実は同じ原因で起きる症状です。
![](img/image050.jpg)
上の写真はミラーボックスを外して側面を写したものです。
写真ではわかりませんが
赤矢印3箇所の軸に干渉をやわらげるための
ゴムのリングが巻かれています。
これが腐食して粘着状になりミラーボックスの動きを
妨げてしまうのです。
いわゆる「定番修理」なので寸法を合わせた
プラスチック製のリングを付け直します。
さらに適正な注油を行ってやると
ほぼ間違いなくそのMEは元気に復活します。
それなりにややこしい場所にあるので
時間のかかる作業ではありますが
原因がはっきりしていると作業的には落ち着いてかかれます。
![](img/image052.jpg)
ミラーボックスを外しているので裏側にある
大きなダンパーも外して点検します。
![](img/image058.jpg)
ダンパーの中からボロボロになったゴム製の緩衝材が出てきました。
これもトラブルの一因です。
さらにシャッター羽根の根元にも
飴色の緩衝材があり、これも腐食によってトラブルを引き起こします。
いわゆる電子シャッター機なので
電気関係のトラブルが多いかと思いきや
基盤自体はかなり丈夫なようで
分解品以外であれば電子系トラブルはごく稀です。
こうして修理・メンテナンスを行ったMEは
非常に軽快に動作し、
撮影の相棒としてとても使いやすいカメラに生まれ変わります。
お手元に動かなくなったME、ME Super、MG、MV1を
お持ちの方は是非一度ご相談ください。