ニコマートEL  ニコン初の絞り優先オート搭載機

ここではニコマートELのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

ニコマートFTN ブラックとシルバー、2色が存在します。

ニコマートはニコンのカメラです。でもペンタ部にはニコマートとあります。

・・・とニコマートFTNの紹介で書いたので詳細は省略しますが
ニコマートFTNが機械で制御するシャッターなのに対して
このニコマートELは電子制御のシャッターです。
電子制御のシャッターを採用したことで「絞り優先オート」を
搭載することが可能になりました。

電子制御のシャッターなので機械制御のシャッターに比べると
やはり電気が必要です。
そのため、このカメラでは現在だと6Vの4SR(LR)44を
使用します。

問題はその電池室の場所なのですが・・・

ミラーの裏というか下に電池蓋があり左にスライドすると開きます。

説明書や使っていた方が教えてくれるのならともかく
予備知識ナシに入手するとまずここがわからないと思います。

電池が入っていない場合でも緊急用の1/90で
シャッターは切ることができます。

基本的にはFTNと同様、丈夫なコパル製シャッターを使っているので
致命的なトラブルは少ないほうですが
電子制御の初期モデルということもあって
基盤内での部品異常があると修理不可能な場合もございます。

プリズム上に立派な電子基盤が鎮座していますが
80年代以降のカメラと比べるとかなり時代を感じさせる基盤です。

長い期間、放置されたものは
ほぼ間違いなく露出計の狂い、それに伴うオート不良が
出ているものがほとんどです。

保管状況によってはシャッター羽根固着による
シャッター不動なんてことも見受けられます。

ニコマートシリーズというのは当時の中級機ですが
中級機といえど、
当時はカメラそのものが高級品です。
内部の作りも非常に良くできています。
きちんとメンテナンスされたニコマートシリーズは
その図体こそ少し大きめですが
軽快に撮影できる使い勝手の良いカメラです。

基盤内の抵抗やICさえ正常に動作していれば
修理・メンテナンスで元気にさせることができるカメラです。
お手元にお持ちの方は是非ご相談ください。