ニコン FM 元祖マニュアルニコン

ここではニコンFMのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

写真はシルバーですが精悍なブラックもあります。

中級機的位置づけであったニコマートシリーズから
進化したのが今回ご紹介するFMや
別ページで紹介してるFEです。

ニコマートFT系はFM、EL系はFEとなりました。
すなわち電子制御シャッターのFE
機械式シャッターのFMというわけです。

今でも人気が高く修理依頼も多いFMです。
機械式シャッターなので調整のみで
修理・整備できる・・・と思われがちです。
確かにシャッター周りは機械制御ですが
露出計はLEDを使った+-表示です。
ここが壊れると巻き戻し部直下の基盤ごと交換しか
対処できない・・・なんてこともございます。
(ちなみにFEの露出計は従来ながらの針式)

・・・とはいえ修理不能になることは
分解品・水没品・ショック品を除いて
滅多にございません。

トラブルでよく見かけるのは
今、お話した露出計関連のトラブル
他はシャッター羽根が高速で開かない
ミラー駆動部の動作不良
そのあたりかと思われます。

兄弟機であるFEと外観はそっくりですが
修理する立場で見ると
中身はほぼ別物です。
中核であるシャッター制御が
根本的に違うのですから当たり前ではありますが・・・

写真は上カバーを外したところですが
いわゆる電子基盤は先ほどお話した巻き戻し部のもののみです。
基本的にはシンプルな作りです。

FMのファインダーを覗くと
右側に露出計の+○ー表示
左側にシャッタースピードの表示がされています。
このシャッタースピード表示は
糸連動で表示板を回しています。
糸が切れるようなことは分解して失敗しない限り
ないと思われますが
まれに表示がズレている個体を見かけます。
もちろん修理対応可能です。

ニコンらしく非常に丈夫なカメラですが
それでも何十年もノーメンテナンスで
本来の性能は保てません。
長い時間、放置してあるFMをお持ちの方は
是非、一度ご相談ください。

最後になりましたが
FE同様、FMもAi、非Aiレンズともに装着は可能です。
ただし非Aiレンズを装着するときは可倒式のAi連動ツメを
倒してから装着しないとツメを曲げたり
レンズが外れなくなったりのトラブルの元となりますので
ご注意ください。
(詳細はFEの紹介ページ参照)