ここではキヤノンEFのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
個人的にデザインは相当カッコ良いカメラだと思います。
世の中はオイルショックで大騒ぎだった頃に
このEFは発売されました。
キヤノン初のシャッタースピード優先AE搭載の一眼レフ
(正確にはキヤノンEXシリーズが初ですが通常の一眼レフとしては)
Fシリーズ、Aシリーズを通じて唯一のコパル製シャッター搭載機
さらに1秒以上のスローシャッターのみ電子制御で
高速側は機械式というハイブリッドシャッター
いろんな当時としては最新の機能が搭載され
おまけに非常にカメラらしいカッコ良いデザイン
それでも後に出るAE-1の架け橋的位置づけであり
生産時期も短く、おまけに先述したオイルショックの影響もあり
EFは意外と販売台数は伸びませんでした。
個人的には非常に良いカメラだと思うのですが・・・
さて、また前置きが長くなりましたが
このカメラの困ったところは
やはり低速シャッターを制御している電子基盤
これがダメだと修理不能の可能性がございます。
加えてこれは故障ではないのですが
このEF、結構な電池食いです。
うっかり電源をONに入れっぱなしにしていると
すぐ電圧不足で動かなくなります。
ただ、確実に電源オフにしているのに
1日経つと電池がなくなっている・・・という場合は
基盤内で漏電している可能性もあります。
ニコマート等でも採用されたコパルシャッターなので
基本的な信頼度は高いですが
やはり長年の汚れ等で動きが悪くなっているものも
多く見受けられます。
見た目は普通に動作していてもカメラテスターにかけると
全く精度が出ていない場合もあるので
一度、点検だけでも行うことをお勧めします。
![](img/dimage022.jpg)
写真は上カバーを外したプリズム巻き戻し側です。
プリズム上に見える金色の接点は
当時、専用ストロボと対応可能レンズで
フラッシュマチックが行えた
「CATシステム」の接点です。
余談ですがこのシステムを今、使っている方は
ほとんどいらっしゃらないと思いますので
カバー背面にあるCATスイッチは必ず
「NORMAL」の位置にしておきましょう。
![](img/dimage023.jpg)
こちらはプリズム反対側の様子です。
いわゆる「フレキシブル基盤」なのですが
リード線による結線も多く
過渡期であることがよくわかります。
このEF、年々程度のよいものが
極度に少なくなっている気がします。
初期の電子制御シャッターという弱点もありますので
現在、お持ちの方は一度、
メンテナンスを行っていただきたいと思います。
今回、このレポートを書くために
久しぶりにEFをいろいろ動作させたのですが
使いやすいしカッコ良いし
本当にいいカメラだと思います。
メンテナンス・カメラ修理の際には
是非、お声掛けくださいませ。