コニカ オートS2 明るいレンズでオート露出搭載

ここではコニカオートS2のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

しっかりした大きさで重量感もあり、なかなか質感高いです。

今回ご紹介するコニカオートS2は1964年の販売開始で
それまで存在した「コニカSシリーズ」に
シャッター速度優先オートが搭載された機種です。

このカメラ、意外と修理依頼が多く
長年愛用されている方も多いと思われます。

メインはオートで撮影されるようにできていますが
いざとなればマニュアルで使うこともできます。
(その場合、露出計は使用不可)

F1.8と明るいレンズがついているので
いろんなシチュエーションで使い勝手は良いと思いますが
肝心のオート・・・というより露出計が
作動不良、あるいはまったく不動といったトラブルが多いです。

ここの各機種の紹介ページで
「電池室自体あるいはその周辺の配線腐食による
露出計・電源不動」のような言葉を良く使いますが
このオートS2も腐食による断線が非常に多い機種です。

オートS2以外でもそうですが
これはカメラ側に問題があるのではなく
当時の電池がやはりよく液漏れを
起こしてしまうというのが原因です。
私も子供の頃に記憶にありますが
水銀電池に限らず
懐中電灯やおもちゃに入れた乾電池が
よく液漏れを起こしていたのを覚えています。
あるいは液漏れまでいかなくても
長期間電池を入れっぱなしにしてると
電池から発生するガスのせいで
接点や配線が腐食することも多いのです。

なにはともあれ
オート露出がセールスポイントのカメラで
露出計が不動だと当然オートも不動になりますので
ここはしっかり直しておきたい部分です。

写真はシャッターユニット部分を取り外した状態ですが
やはり、長年の汚れ等による
シャッター羽根、絞り羽根の固着は多いです。
もちろん、洗浄・調整で修理可能です。
加えてレンズも随分汚れていることが多いので
ここもしっかりクリーニングを行いたいところです。

いずれにしても
オート露出は針押さえ式の機械的な制御であり
露出計以外に電気回路も存在しないので
大抵の場合は修理可能です。
家の物置から出てきたのがこのカメラだった・・・
なんていう話も多いと思います。

正しく使うためにはまず正しく整備することが必要です。
お手元に長らくしまいこんであったカメラをお持ちの方は
是非、お気軽にご相談くださいませ。