ここではミノルチナSのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
ミノルチナS 写真はシルバーですが精悍なブラックもあります。
別頁で紹介している「ミノルチナS」に
少しだけ先駆けて販売開始となった「ミノルチナP」
ミノルチナSに対して距離計を省略しピントは目測式
レンズは38mmF2.8、
手動プログラム露出・・・ともいえるLVリングを回すことで
露出を合わせ「S」よりも気軽に使えるコンパクトカメラです。
「S」同様、まだ小さいカメラはあまり市場に受け入れられず
この「P」も現存する数は比較的少ないと思われます。
グリーンの指針が見えますが
左の指針はピント合わせ用で
わかりやすくグラフィックに表示合わせるようになっており
右の指針は赤い針とグリーンの針が
重なるようにLVリングを回していけば
露出はOKという操作法です。
非常にわかりやすく今でもとっつきやすい
「ミノルチナP」ですが
他の「セレン光電池」使用カメラと同様
セレンの劣化によって使えない、あるいは
非常に使いにくい状態になっているものが多いと思います。
調整で何とかなればベストですが
無理な場合は状態の良いセレンと交換するしか手段がありません。
20W程度の蛍光灯スタンドに近づけてみて
上4/5あたりに赤い指針がくるのがほぼ正常な状態ですが
そこまでいかなくてもある程度上に上がるようであれば
調整で何とかなる可能性はあると思います。
他はレンズシャッター機特有の
シャッター羽根の粘り・固着がやはり多く
加えて「プログラム露出」ですから
LVリングで決めた値通りにキチンと精度がでているかどうかも
大きな問題になってきます。
調子の良い個体は巻き上げも軽く
「シャコン」と、とても軽快なシャッター音が聴けるはずです。
写真は上カバーを開けたところですが
距離計が存在しない分、ファインダーもコンパクトなので
ピント表示や露出計表示には余裕がありますね
セレンの問題こそあれ、それ以外は何とか修理できるカメラです。
個人的に当時もっとたくさん売れて
今でも入手しやすければ嬉しいのに・・・と考えてしまうカメラです。
現在お持ちのオーナー様は
末永く使っていただくためにも
是非一度、メンテナンスや修理を考えてみてはいかがでしょうか