ここではキヤノンAE-1のカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
キヤノンAE-1 シルバー 実は上カバーは樹脂製なのですが知らなければ気づきませんね。
こちらはブラック。やはりキヤノンの一眼レフはブラックが似合いますね。
タイトルにもあるように世界初のマイコン(死語?)を搭載した1976年発売のカメラです。
このカメラ以降、各メーカーのカメラの自動化・電子化が一気に進みます。
電子シャッター機である宿命ですが基盤上の電子部品が壊れてしまうと
修理不能になる可能性があるカメラではありますが
このAE-1につきましては基盤はなかなか丈夫で分解品や水没品でない限り
ほぼカメラ修理は可能です。
トラブルで有名なのは、まずはキヤノンAシリーズ全般に見られるシャッター鳴き。
他にもAE不調、電子シャッターならではのマグネット不良によるレリーズロック等が
ございます。
キヤノンAシリーズで良く言われるシャッター鳴きとは、シャッターを切った瞬間
「キャイン」と甲高い音を発しながらシャッターが切れる症状です。
シャッターユニット内の油切れが原因ですが、ほっておくと次第に他のトラブルも
引き起こします。鳴きの始まっているAE-1をお持ちの方はお早めにご相談くださいませ。
写真はミラーボックスを取り出した後、横から撮った写真ですが
このミラーボックス横のギアの油切れでシャッター鳴きが起こります。
他にも比較的多いのが巻き上げる時に鳴きが起こるパターン。
これは原因の箇所は全く違いますがこれも「油切れ」が原因で起こります。
AE不良あるいはAEが不安定になる症状はAE制御レバーの作動不良によるものが
ほとんどです。当店に依頼されたAE-1の9割がたはこの症状が少なからず出ています。
マウント部脇にあるこのレバーがオート時には瞬間的に動作して絞りを制御するのですが
ここの動きが悪いためにAE不良が起こります。
写真は上カバーを開けたところですが、この時代のカメラになると
いわゆる「フレキシブル基盤」というものでプリズムはびっしり覆われています。
さらにシャッターダイヤルからの情報伝達には糸が使われています。
ファインダー清掃をするにも一苦労です。
こちらは下カバーを開けたところです。ボディ上部からここまで基盤が繋がっています。
こちらにマグネット(ソレノイド)が二つありこれでシャッター幕の開閉を
制御しています。汚れ等によりマグネットの吸着が不十分、または吸着しなくなると
即、シャッターのトラブルとなります。
キヤノンAE-1は爆発的に販売されたカメラです。家の押入れで眠っている個体も
多いと思われます。使用感も悪くなくとても使いやすいカメラです。
さすが記録的に売れたカメラですね。
そのままではかなり心配な点が多いですが
しっかりメンテナンスさえ行えば現在でも立派に使えるものがほとんどです。
是非、メンテナンス・カメラ修理の際にはご相談くださいませ。