ここではキヤノンFTbのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。
キヤノンFTb シルバー この時代の一眼レフらしくちょっと大きく重めです。
こちらはブラック。当時のフラッグシップF-1に負けない存在感ですね。
今回のキヤノンFTbはいわゆる「Fシリーズ」の後期のモデルにあたり
このクラスしてはキヤノンとして初めて「開放測光」を可能としたカメラです。
キヤノンの機械式シャッター機としては最も使いやすいカメラではないかと思います。
このFTbというカメラ。基本的にはなかなか丈夫です。
しかしながら販売開始から40年以上経過していることもあり、さすがにくたびれた個体を
多くみる機種でもあります。
まずは露出計関係のトラブル、シャッター回りの不調が多いですが
フルメカニカル機ということもあり中古部品をうまく使い正しい調整を行えば
当時にかなり近い感覚で稼動させることが可能です。
このFTbと同時期に発売された「キヤノンF-1」から交換レンズも
「FDマウント」に切り替わりました。
このFDマウントのレンズ群は当時から発色もヌケも良く非常に評判のよいレンズだったので
FDレンズを使う機械式カメラという意味でもこのFTbは魅力的です。
ただひとつ心配事があるとすれば、このFTb、プリズム腐食の非常に多いカメラです。
ファインダーの中に明らかな黒い線や何かが流れたような後があるものがそれです。
ファインダーから少し離れてみるとさらにはっきりと見える場合は
まず間違いないと思われます。
ゴミで汚れているわけではなく腐食によって鏡面が剥がれているわけですから
ファインダー清掃ではキレイになりません。プリズム交換しか有効な方法はないと思います。
当店では中古ではありますが腐食のないプリズムをある程度確保しています。
しっかりしたメンテナンスやカメラ修理と合わせて是非ご相談くださいませ。