ペンタックス MX 小型軽量だが密度の濃いメカニカル機

ここではペンタックスMXのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

写真はシルバーですがブラックも存在します。

オリンパスから始まった一眼レフの小型化ですが
ペンタックスとして真っ向から対抗した1台がこのMXではないでしょうか
もちろん同社のMEとかもそうですが
メカニカルシャッターでマニュアル露出のみの本格派として
ペンタックスの中でも孤高の存在です。

このMX、今でも人気が高く程度のよい中古は
なかなかの値段が付けられています。

さて、MXが登場したのは
1970年代、10年近く生産されましたから
現在、保管状況のよしあしで随分程度の差があるみたいです。
このMXのウィークポイントとなるのは露出計
従来の指針式なら修理対応も比較的容易なのですが
MXのようなLED式の場合、修理不能となる可能性もあります。
中古部品で対応できる場合も多いので
まずは相談していただければと思います。

シャッターそのものは横走りの機械制御なので
丈夫な上、メンテナンスも比較的行いやすいカメラです。
ただ、ME系ほどではないですが
ミラーアップ関連のトラブルも多いと思われます。

これは私の個人的見解ですが
このMX、他のカメラと比べても
シャッタースピードの狂いによる
露光ムラの症状をよく見かける気がします。
カメラテスターで測定すると
フィルムひとコマの右端と左端で1EV異なることも多いようです。
もちろん、修理・調整で対応できますので
心当たりのあるMXのオーナー様は
是非、ご相談ください。


上の写真は上カバーをまずは外したところです。
巻き戻し軸上に腐食した大きなモルトが見えますね。

ここにモルトがあるのも比較的珍しいですが
MXはいわゆる内部にモルトを使用している箇所が多いカメラです。
普段、目にできるフィルム室のモルトがボロボロになっていると
間違いなく内部のモルトもボロボロになっています。
そのモルトの屑がいろんな所に入り込み
大きなトラブルを招く原因となります。

MXは機械式のカメラではありますが
定期的に正しいメンテナンスを行わないと
本来の性能を発揮できないカメラでもあります。

特に内部モルトやシャッタースピードの問題は
普段使っていても危険信号に
気づかない場合が多いと思われます。

長い間、使いっぱなしになっているMXをお持ちの方は
せっかくの良いカメラですので
是非、メンテナンスや点検を行ってみてください。
もちろん、当店でも承りますので
お気軽にご連絡くださいませ。