オリンパス ペンF 世界初のハーフサイズ一眼レフ

ここではオリンパスペンFのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

オリンパス ペンF 写真はシルバーですがブラックもあります。

 

他のどこのメーカーもおそらく考えてなかった35mmハーフ判の一眼レフ
ハーフ判コンパクトのペンシリーズの成功を受けて発売されたモデルです。

もちろんこれが世界初ですが、その後も他メーカーからの参入も少なく
コニカオートレックス(35mmフルサイズとの切替)
京セラのサムライシリーズくらいではないでしょうか?
ハーフ判一眼といえば誰もがペンFシリーズを思い浮かべると思います。

そんなペンFシリーズですが当店への修理依頼もかなり多いカメラです。

ペンFシリーズには最初に発売されたペンF
露出計も内蔵されセルフタイマーのついたペンFT
ペンFTから露出計を省略したペンFVの3種類がございます。

ここでは最初に発売されたペンFを紹介します。

このペンFは画面が縦長になってしまうハーフ判を
うまく一眼レフ化するために色々な工夫が凝らされていますが
最大のものはロータリーシャッターという
いわゆるスチルカメラではあまり使われないシャッターを
採用しています。

 

上の写真がペンFから取り外したロータリーシャッターユニットです。
ここであまり詳細についてはあえて触れませんが
半円形の板が回転することによって
シャッター開閉を行うシャッターなのです。

その機構上、最速の1/500以外は全ての
シャッタースピードでスローガバナーで制御を行います。

上の写真がシャッターユニットからさらにスローガバナーを
取り外してみたところです。

このスローガバナーが調子の悪いことによって
シャッター関係のトラブルが多く出るのがペンFの
最も多い修理だと思います。

その他にもミラーの駆動部もこのカメラ独特の構造になっていて
それに不良によりミラーアップしたままになる・・・という
修理も同じくらい多いです。

どちらも機械的な部分の不具合ですので
修理は可能です。どうしても部品交換が必要な場合は
中古部品で対応することもできます。

ただ、写真そのものには影響ないですが
プリズム腐食でファインダー視野が
非常に見づらくなっているものも多いです。
これを直すためにはプリズム交換しかない状況です。

特異な構造を持つため少々華奢な部分もありますが
貴重なハーフ判一眼レフです。
電子部品などはないため、確実に整備のできるカメラでもあります。

是非、メンテナンス・カメラ修理の際にはご相談くださいませ。