ニコマートFTN  ある意味「F」より頑強な中級機

ここではニコマートFTNのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

ニコマートFTN シルバー ニコマートといえばこのイメージですね。

こちらは比較的見かけないブラック。もちろんこちらもカッコ良い!

 

ニコマートはニコンのカメラです。でもペンタ部にはニコマートとあります。

この頃のニコン(日本光学)はF一桁シリーズ(この時代は主にニコンF)に

「Nikon」のブランド名を与え、中級機には「ニコマート」のブランド名で

商品展開していました。

ニコンは昔から最新技術をまず中級機に与え、実績を重ねてから最高級機に採用するという

方法を取っていました。

この「ニコマートFTN」の場合はやはり「コパルスクエアの縦走りシャッター」でしょう。

 

ちなみにニコマートFTシリーズには下記の5種類がありますが基本的な部分は

共通です。カメラ修理に関してもどのモデルにも大差はございません。

ニコマートFT ・・・ 最初に発売されたニコマートFTシリーズ

ニコマートFS ・・・ FTから露出計とミラーアップ機構を省略したモデル

ニコマートFTn・・・ FTに開放F値補正機構を追加し、露出計は中央部重点測光方式に

            変更したモデル。おそらくシリーズ中、最も売れたモデル。

ニコマートFT2・・・ FTnに固定ホットシューを追加。水銀電池から酸化銀電池へ変更

ニコマートFT3・・・ FT2をAi化したモデル。


中級機とはいえこの「ニコマートFTシリーズ」はニコンらしく非常に頑強なモデルです。

露出計付の「ニコンFフォトミック」あたりと比べると露出計の丈夫やプリズム腐食の少なさで

ニコマートFTnの方が壊れにくいのではないかと思うこともあります。

(実際はボディの頑強さ・シャッターの信頼性等でFの方がさすがに上だとは思いますが

 通常の使用状況では決してニコマートFTシリーズは堅牢さで負けないと思います。)

 

・・・とはいえ・・・さすがに発売開始から50年を経過しようかというモデルですので

何十年も放置された個体にはトラブルも多くあります。

 

よくあるのは2点

・シャッター羽根の固着によるレリーズロック・シャッターロック

  どうしても薄い金属羽根を重ねて使用する縦走りシャッターには固着は付きものです。

  無理に作動させようとするとさらに壊してしまうこともあるので早めにカメラ修理を

  行うことをお勧めします。

・露出計が全く合っていない、または動かない。

  これにはいくつか原因が考えられます。プリズム部にある小さな基盤の不良、CDSの

  劣化、マウント部にあるマイラー抵抗の劣化・・・等々です。

どちらのトラブルにしてもしっかりメンテナンスを行うことでカメラ修理することができます。

 

ニコマートFTシリーズは現在でも比較的入手し易く、

これからフィルムカメラを使ってみたいと考える方にもお勧めのモデルです。

あるいは当時、かなりの数が売れたため、

家の押入れに眠っていたりすることも多いと思います。

お手元にメンテナンスのされてないニコマートをお持ちの方は

是非、当店にまずはご相談されてみてはいかがでしょうか?