キヤノン EX 独自のシステム性を持つ一風変わった一眼レフ

ここではキヤノンEXシリーズのカメラ修理でよくある症状等をご紹介します。

キヤノンEXee この「ee」が先に発売されました。

こちらはEXauto。基本的に「ee」と変わりませんが、使用するレンズの開放値入力が自動化されました。

 

タ今回取り上げた「キヤノンEXシリーズ」はその後の一眼レフと比べると

なかなか独創性の強いカメラです。

まずはレンズ。もちろん交換式なのですが交換するのはレンズ前群のみ。

レンズ後ろ半分はボディに固定されていて前群のみを交換します。

もちろん当時のFLマウントと全く別物のEXマウントです。

販売されたレンズは標準の50mmF1.8、35mmF3.5、90mmF3.5、125mmf3.5の

4種類でした。

当初、レンズ交換をした際、ボディ側に「現在どのレンズがついているか」を伝える機構を

持たなかったので最初の「EXEE」には今、付いているレンズの開放F値を

感度ダイヤルに設定してあげる必要がありました。

上写真が「EXEE」のダイヤル部。ASA感度を設定する目盛りが「1.8」と

「3.5」の2箇所あります。F1.8のレンズを使用しているときは「1.8」の目盛りに

フィルム感度を合わせ、それ以外のレンズでは「3.5」に合わせます。

写真はASA感度100を「1.8」に合わせている状態です。

後期の「EXAUTO」ではこのレンズ開放F値の設定が不要になりました。(写真下)

個人的には前期の「EE」のシルバーのダイヤルが好きではありますが、

設定しなくていよいのは便利ですね。

もうひとつ独特なのは「空中像式」といわれるファインダー

通常のフレネル面(すりガラス状)を持たないためとっても明るいです。

原理的に「素通し」で見ている状態なので気持ちよい明るさです。

ただしフレネル面を持たないためピント合わせは中央のスプリットでしか行えません。

 

そんな独創的な「EXシリーズ」ですが使用感は悪くなく当時の入門機ではありますが

安っぽい部分は全くなく非常に軽快に撮影を楽しめます

基本的には「シャッタースピード優先オート」で撮影するカメラですが

このオートの精度が大きく狂っている個体が多いです。

さすがに50年近く経過しているカメラなので他にも油切れによるシャッターの動きの悪さ

シャッタースピードの狂い、ファインダーもかなり汚れているものが多いです。

ただし機械式のカメラなのでメンテナンスは可能です。

ショック品や分解品でない限りきちんとカメラ修理を行い復活させることが可能です。

 

きちんと整備された「EX」は軽快でとても小気味良く使いやすいカメラです。

是非、お手元に「キヤノンEX」をお持ちの方は当店でカメラ修理を行い

当時に近い感覚で撮影を楽しんでいただければと思います。