月別アーカイブ: 2019年12月

コニカC35FDのカメラ修理

今日は「音の日」だそうですよ。
豊かなオーディオ文化を広めましょう。。。ということで
制定された記念日のようです。
中学生くらいの頃に単品オーディオのカタログをやたら集めては
「やっぱりアンプはオンキョーでデッキはナカミチで。。。」とか
買えもしないのに組み合わせを妄想してましたねぇ(笑)
オーディオなんて現在でも凝り始めると
とんでもない世界なので足を踏み入れようとは思いませんが
自宅のオーディオは中途半端な状態で
ここ数年、放置されているので
今でも聴いたり観ることのみはかろうじて可能なのですが
普通にCDとレコードとラジオとDVDが楽しめる環境は一新したいですねぇ。。。
レコードやCDからポータブルプレイヤーに落とすことを考えたら
パソコンも必要なのですよねぇ。。。(現在、自宅にPCはない)
なんにしても少しまとまったお金が必要ですねぇ。。。
さぁ、気合入れて仕事しますか。。。(笑)

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」でお手軽コンパクトカメラとして
大ヒットしたコニカC35をベースに
38mmF1.8の大口径ヘキサノンレンズを搭載し
シャッタースピード優先AEを装備し
露出や絞りのコントロールも意識して行うことができるようになった
ノーマルC35に比べると少し上級者向けのカメラ。。。
それが「C35FD」です。
レンズが大きくなったためさすがにノーマルのC35に比べると
少し大きく重くなりましたが
それでも十分にコンパクトです。
キャッチコピーは「すご腕じゃーに~」です。

お預かりしている「C35FD」は人気のブラック塗装です。
シャッターはとりあえず動作してはいます。
シャッタースピード優先AE専用機なので
まずは電池を入れて露出計が動作しないと話にならないのですが
ファインダーを覗いてみると。。。
「露出計指針がありません(見えません)」
以前に指針が折れてしまっている個体を見たことはありますが
これも折れているのか。。。
露出計が動いているかどうかわかりませんが
シャッターを切ってみるとオート制御は全く効いておらず
常に絞りは開放で切れてしまいます。
仮に露出計が動いているけど指針が見えないだけとすると
さらに状況は心配です。
オート制御はファインダー内指針を挟み込むのではなく
中心を挟んで反対側の針を挟むのですが
その反対側の指針もない可能性が。。。
指針が折れているにせよ、何らかの理由で見えないにしろ
通常の状態ではこの状況は考えづらいので
まず間違いなく分解品、それも素人分解品の成れの果てと思われます。

何はともあれ、分解して状況を確認するのですが
やはり素人分解品であることは間違いなく
露出計指針はファインダーブロックの下で押しつぶされてました
ファインダー清掃か何かで
おそらくファインダーを外したのではないかと思われますが
組むときに露出計指針を挟み込んでしまったようです。
そのため挟み込み側も指針を挟み込めず常にオートは開放になってしまうわけです。
もちろんひん曲がってしまっている指針はできる限り修正しますが
不具合はそれだけでなく電池室やCdSのハンダ付けも酷いもので
あちこちで断線寸前です。
これもおそらく電池室に腐食があったため直そうとしたのだと思われますが
どこもかしこも酷い処置方法です
ご依頼者様がどういった経緯でこれを入手されたかまでは聞いていないのですが
(手に入れたばかりだということは聞きましたが。。。)
こういう酷い分解品は通常販売ルートでは出回ってほしくはないですねぇ。。。
オークション等でのジャンク品であればしかたないかもしれませんが。。。

とにかく前回分解時の再組み立て全てが雑すぎる。。といった個体でしたが
不幸中の幸いは致命的な部品破損や変形がなかったことで
もう一度分解して各部のチェックや整備・調整を行いながら
再組み立てすることで問題なく使える状態になりました。
かわいそうにちょっと酷い目にあってしまっていたC35FDでしたが
これでまたもう一度気持ちよく動けるようになったと思います。
悪い夢でも見たと思って新しいご主人様と
いろんな所に出かけていただければと思います。

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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「アルバムの日」だそうですよ。
ここでいうアルバムはCDやレコードではなくて
写真のアルバムのことです。
フエルアルバムでお馴染みのナカバヤシ株式会社が制定した記念日です。
昔のように写真をプリントしてアルバムに貼るという行為は
今となっては随分少なくなったとは思いますが
やはり大切な思い出はちゃんとプリントしてアルバムにしたほうが良いと思います。
ふとしたときに見返すのにアルバムはやはり便利です。
時間が経つとアルバムの大切さって再確認できると思うので
撮ったときにはついつい後回しにしてしまう
プリントやアルバム作業もなるべく行っておいたほうが良いと思います。
ディスプレイで見る写真とプリントした写真は
そもそも色味が全く異なるのでまずはプリントですね。
私もここ数ヶ月で撮った写真のプリント整理やポジ整理が
さぼりがちになっているので今年中には終わらせたいと思います。
たまたま私がそうだっただけかもしれませんが
2000年頃までの写真はなんだかんだとプリントが残っていて
(あまり整理はされていませんが)
たまに引っ張り出して「懐かしいなぁ。。。」と眺めることが多いのですが
デジカメが普及してきて私も使っていた
2003~2010年あたりのプリントしていない写真はPCの奥底に眠っているはずなのですが
なかなか見返すことがないのですよねぇ。。。
デジでもフィルムでもやはりプリントしてアルバムにしておくことは
記録と言った意味でも大事だと思います。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
ヤシカフレックスはこの時代のカメラにありがちではありますが
同じモデル名でも色々な種類が合って細かい判別の付きにくいカメラでもあります。
それでもキヤノンのバルナックカメラ程ややこしくはありませんが。。。
今回、お預かりしているヤシカフレックスは「新B型」とか
「B後期型」と呼ばれているモデルだと思われます。
1957年の発売です。
フィルム装填はスタート合わせ方式のセミオートマット
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
レンズ前面フィルター取り付け枠はバヨネット(Bay1)で
レンズの左右に絞り・シャッターのダイヤルが配置されています。
絞り値。SS値はダイヤルと連動して
ビューレンズ上部に表示され上から確認しやすい構造です。
レンズはヤシコール80mmF3.5で
当時としては最新のスペックだと思います。
現在、撮影を楽しむとしても非常に使いやすいスペックだと思います。

レンズシャッター機では定番ですが
やはり今回もシャッター羽根に少し粘りがあるようで
このままだと撮った写真が場合によっては真っ白になってしまいそうです。
この時代二眼レフはどれもそうですが
やはりファインダーミラーは劣化して曇っていて
お世辞にもファインダーは見えやすいとは言えません。
フィルムカメラのファインダーは
快適に撮影できるかどうかの生命線と言えると思いますが
スクリーン清掃と並行してミラーは交換いたします。
もちろんシャッターユニット全体の整備
巻上、巻止め部の整備も行います。

今回は外装のご依頼者様からのご要望で貼り革を全て交換しています。
非常に締まった印象となり気持ちよいですね。
ファインダーの見えも格段に良くなりました。
レンズ清掃も行いましたが若干の汚れは元々あったものの
非常にコンディションが良く映りも非常に期待できます。
これから心機一転で長くご依頼者さまの相棒となると思います。
私の使っているオートコードも中途半端に革張貼り替えしてそのままなので
キレイに貼りなおしたくなってきました。
中身が快調なのは当たり前の大前提ですが
外装がキレイになるとやはりテンションが上がりますよね。

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キヤノネットQL19のカメラ修理

今日はこれといって興味をそそられる記念日がないのです(苦笑)
。。。というわけで少々早めですが
年末年始のお知らせを。。。
HPトップで既にお知らせしてはありますが
年内は28日までの営業で来年は5日からの営業です。
少々ご迷惑をおかけして申し訳ないのですがご容赦願います。
今年の年末年始は地元・呉で過ごす予定です。
。。。とはいっても残念ながら既に実家はないので
ビジネスホテルを予約済みです。
お正月を呉で迎えるのは久しぶりですね。
これによりここ数年恒例になっていた元旦の丹沢登山は今年は中止です。
まぁ、丹沢は改めていつでも行けますしね。
お正月は地元の幼馴染とおっさん二人で
子供の頃を思い出しゲイラカイトをあげる予定です(笑)
ゲイラカイトは夏のうちに手配済みです。
結構楽しみなんですよ~良い天気だといいなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
社会現象となった初代キヤノネットに続くモデルです。
初代の後にキヤノネットジュニア、キヤノネットSと発売されていますが
Sは弟分的ポジションですし、Sが出て1年後にはQL17/19が出たので
実質的な後継機と言って良いと思います。
その名の通りクイックローディングを装備し
フィルム装填が非常に簡単になりました。
初代では底部にあった巻上レバーや巻戻しクランクは
一般的な上カバー部に移動され
露出計はセレンではなくCdSを受光体としています。
レンズはSE45mmF1.9の大口径です。
キヤノネットはシリーズ一貫してシャッタースピード優先AEで
マニュアルも使用可能(露出計はオフになる)ですが
それはこのQL19でも同様です。
そのあたりのメカニズムは基本的に初代と同様です。
シャッターユニットも初代と同じくコパルSVです。
少々独特だった初代と比べると
一般的な使い勝手が良くなったモデルだと思います。

お預かりしているキヤノネットQL19は
キヤノネットシリーズ全般に多い絞り固着のトラブルを抱えています。
それからこのタイプのキヤノネットに非常に多いのですが
電池室内部に当時の水銀電池が入ったままで
まずは電池室蓋がビクとも開きません。
当然、電池室及び電池室からのリード線は腐食していて
露出計は全く動きません。
加えてファインダー内のブライトフレームを映し出している
ミラーが外れているらしくブライトフレームが視野に対して
斜めに見えています。

この電池室の蓋を開けるのに実は相当苦労しました(苦笑)
中は当然、緑青だらけでですがマイナス端子自体はそれほど
問題ないようです。それでもこれではアースが全く導通しません

ちょっとわかりにくいですが電池室裏側もびっしり緑青が付いています。
水銀電池や酸化銀電池はガスを発生させるので
液漏れがなくても周り中を緑青だらけにしていきます。
実は電池室からのリード線が繋がっている
メーター上の可変抵抗も少し緑青が出ています。
もはやキレイな電池室は非常に入手困難です。
幸い今回の場合は清掃と磨きで何とか再利用できそうです。
ただし端子の一部と蓋部分は交換します。
その後、露出計が生き返って発覚したのですが
CdSも劣化しているようで抵抗値が非常に大きくなっており
強い光をあててもほとんど露出計指針を振ることができません。
こちらは問題ない中古CdSが在庫にありましたので
交換で対処します。
もちろん絞り機構、シャッターユニット整備、レンズ・ファインダー清掃と
一通りの点検整備一式も並行して行います。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」だそうですよ。
いわゆる「善玉菌」です。腸内環境って大事ですよねぇ
善玉菌といえば「乳酸菌」もそうなのですが
腸内に住んでいる数が全く違うそうで
ビフィズス菌は乳酸菌の100倍から1万倍住んでいるのだそうです。
ビフィズス菌や乳酸菌といえば
やっぱりヨーグルトですよね。
ヨーグルトを食べることは良いことばかりで
一時期毎日食べるようにしていたのですが
あまり続きませんでした(汗)
またチャレンジしたいと思います!
ほんと、カメラのメンテばかりじゃなくて
自分の身体のメンテをもっと積極的にやらないと。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作ペンタックスSPから露出計を省略したカメラです。
少し前にキヤノンFPのブログでも書きましたが
この時代ではまだまだ「内蔵露出計」の信頼度は決して高くなく
(精度的に大きな問題があるわけではないですが)
本格的な撮影は単体露出計を使う。。。という考えが強く残っていました。
そのためあえて露出計を搭載していないモデルというのも
多く存在しました。SLもそんなカメラのひとつです。
今となっては古いカメラはCdSの劣化や抵抗の劣化で
トラブルを抱えているカメラも多く
それなら最初から露出計のないカメラのほうが良いという考えで
なかなか人気のあるカメラでもありますね。
確かにシンプルで潔くメンテナンス性も良いカメラです。
少々、話が逸れますが。。。
私も個人的には昔からあまり内蔵露出計って使わないほうです
それでもネガであれば内蔵露出計に頼りますが
ポジの場合はやはり外部露出計を使うことが多いです。
画面内で輝度差がある場合は特に。。。
昔はスポットメーターで輝度差のある場合はひとつひとつ丁寧に
計っていましたが今は露出計代わりにコンデジを使っています。
これも実は万能ではなくて背面モニターの再現性のクセや
コンデジそのものの露出傾向がある程度使い慣れていないと
大失敗することがあるのですが。。。
露出は突き詰めていくとなかなか難しいものですが
結果が安定して得られるのであれば
どんな形であれ自分にあった方法で良いかとも思います。

本題に戻ります。
お預かりしているSLは高速シャッターの精度が全く出ていません。
先幕・後幕のバランスが崩れていて
1/1000だとほぼ開きません。わずかに走り始め1/5くらいが開く程度です。
1/500でも開ききらないことが多く
1/250でやっと安定して開きますがもちろん両端で露出差がかなり出ている状況です。
先ほどの露出計の話ではないですが
いくらきっちり露出を計って正しい値を導いても
シャッタースピードやレンズの絞りが正しく調整されていなければ
何の役にもたちません。
SP系のカメラは発売されてからかなりの年数が経っていることもあり
未整備の個体だとシャッターは切れていても
まず高速シャッターの精度は出ていないのが当たり前だと思います。
全体的に狂っているのならネガであればまだ問題ないかもそいれませんが
写真の両端で露光差がある場合はネガだろうがポジだろうが
確実に影響が出てしまうので
やはり何年かに1回はシャッタスピード点検は行ったほうが良いと思います。
(こう言っておいて何ですが
あまり神経質になりすぎることもないとは思いますが。。。)

シャッター幕軸の清掃・注油でSSの問題はクリアできると思います。
もちろん一緒にミラー駆動部、巻上部等、各部の清掃も行います。
一緒にスーパータクマー50mmF1.4もお預かりしているのですが
レンズ側にはまったく問題はないのですが
ファインダー上でのピントが少しズレているようで
無限遠が出ないようです。
(フィルム面では問題なし)
合わせてこちらの調整も行っていきます。
露出計がないことも合ってSLは非常に整備性の良いカメラです。
機能もデザインもシンプルで非常に良いカメラだと思います。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日から12月ですね。
本格的な冬の到来ということもあり
本日は「カイロの日」なのだそうです。
カイロといえば今は使い捨てカイロが多いのですが
私は昔ながらの「ハクキンカイロ」を使っています。
これがとても暖かくて冬場には手放せません。
確かにベンジン入れる手間や多少の手入れは必要ですが
使い捨てカイロよりずっと暖かくて良いですよ~
使ったことない方は是非一度使ってみてくださいませ
一度使うと手放せなくなると思います!

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年にフラッグシップのF-1と
新マウントのFDレンズが発売され
その技術をフィードバックした中級機というポジションで
発売されたのがFTbです。
基本的仕様はF-1との共通点も多く
非常に良くできたカメラです。
基本的にはFDレンズとの組み合わせで開放測光を行いますが
従来のFLレンズとの組み合わせでも絞込み測光が可能です。
F-1と同様にコンデンサレンズの後方に
CdSを配置して中央部部分測光となります。
この時期のキャノン機お得意のクイックローディングも装備し
フィルム装填も簡単に行えます。
セルフタイマー部はF-1と同様に
絞り込み機能やミラーアップ機構も組み込んだ独特の仕様です。
当店でも修理依頼の多いカメラですが
基本的には非常に丈夫なカメラです。

お預かりしている「FTb」は
まず1/1000、1/500でシャッターが開きません。
先幕の幕速がかなり遅いようで
後幕とのバランスが大きく崩れていることが原因です。
1/250でやっと開きますが
その場合でも写真両端でかなりの露出差が出てしまっています。
原因は幕軸の汚れ、油切れによる動作不良と思われます。
露出計は動作してはいますが全く精度は出ておらず
今回は使用電圧を1.5Vとして調整しなおします。
同時に50mmF1.4と28mmF3.5のFDレンズもお預かりしているのですが
こちらもかなりカビが発生しているので
レンズ清掃を行い、ピント精度等の調整・整備も行います。

まずはボディ側の整備から取り掛かります。
キヤノンFシリーズもプリズム腐食の多いカメラで
今回はお預かり時にファインダーを覗いたときには
大丈夫かと判断していたのですが
プリズムを降ろして改めてチェックしてみると
やはり縦方向に流れるような腐食が見つかりました。
それほど酷いものではないのですが
この機会ですから交換で対応します。
FTbはFXやFPに比べると腐食のない中古プリズムの入手が容易です。
それから今回は大丈夫でしたが
キヤノンFシリーズは幕ブレーキの劣化を原因とする
シャッターバウンドが発生していることが多いカメラです。
幕ブレーキ部分も入念にチェックを行います。

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