月別アーカイブ: 2023年10月

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ。
熱々炊き立てツヤッツヤのご飯に生卵、そして醤油を少々
シンプルだけどめちゃくちゃ美味しいですよねぇ
「卵かけご飯」は日本特有の食文化とされています。
そもそも鶏卵を生で食べられる国は世界的に少ないのですね。
サルモネラ菌による食中毒が心配されることが原因ですね。
国内の衛生基準が卵を生で食べられる程に
厳格に整っていることに本当に感謝です。
生卵独特のあの触感とほのかな甘さが
熱々の白米と本当に合うのですよね
ご飯の熱で少し固まりかけてくると甘みも増し
醤油でなおのこと味が引き立つのですよねぇ…
こんなこと書いていると卵かけご飯が無性に食べたくなってきます。
今年の春頃に卵不足が酷くなって以来
あまり卵を買わなくなってしまったのですが
(お高いですし…
ダイエットや糖尿病対策でほとんど食べなくなっていました)
今は比較的安定して供給されてるのですかね?
ヒサビサに今日の帰りは
スーパーの卵売り場をチェックしてきます!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1P」の修理が比較的多く
昨日も「AE-1P」の修理ブログだったのですが
今日は「キヤノンAシリーズ」の基本形でもあり
第一号機の「AE-1」です。
発売は1976年です。
世界初のマイクロコンピュータ搭載機としても知られています。
このカメラの登場によって一眼レフのAE化はさらに大きく進み
それに加えて内部構造や生産の効率化も大きく進歩しました。
「Aシリーズ」の登場によって一眼レフの効率化や自動化に
ついていなくなったメーカーの淘汰が進んだような気がします。
AE-1だけではなくキヤノンはこういう業界を大きく刺激するカメラを
時代の節目節目に登場させることが多いメーカーだと思います。

お預かりしている「AE-1」は一応は動作しているのですが
いくつもトラブルを抱えてしまっている状態です。
全体的に機械的な動作が油切れや汚れで粘っていて
定番の「シャッター鳴き(実際はミラー駆動部鳴きですが)」も起こっています。
そのせいもありミラーの動きも緩慢で
さらに幕軸の動きも悪く高速シャッターでは精度が出ていません。
さらにマグネットの汚れのせいかと思われますが
「B」にセットしてもシャッターが普通に切れてしまいます。
レリーズしたままにしているのにシャッターが普通に閉じてしまいます。
電気的にも接触不良等もあるようで露出計の動きが非常に不安定です。
値そのものも随分オーバー目に動作しています。
さらに絞り制御部も粘っていてオート制御も不安定です。
こんな感じでいろいろと調べれば不具合が見つかっていくのですが
どれもAE-1でよくある症状で根本的には積年の汚れや油切れが原因です。
いいほうに考えれば致命的な破損や電子部品の不良はないようです。

画像は本格的作業に入る直前の上下カバーを
外しただけの段階でのモノです。
ここからプリズムを覆っているフレキをある程度外し
ミラーボックスを分離して本格的に整備に取り掛かります。
昨日のAE-1Pとは異なりフレキ上にリード線も多く
さらにはSSダイヤルから巻き戻し側摺動抵抗には
連動糸が使われています。
少々ややこしいですがそれでもこの類のカメラとしては
整備性は良好なほうだと思います。
分解して整備することを考えられている構造です。
さすがに何度も整備は行っているカメラなので
手順は資料を見なくても頭に入っていますが
それでも油断せずに集中して慎重に取り掛かっていきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「てぶくろの日」だそうですよ。
て(10)ぶ(2)く(9)ろ」(手袋)と読む語呂合わせだそうです。
うーん、なかなか厳しいものが…(笑
でもこれから寒くなって手袋の欲しくなる季節になっていきますね。
ただ、この「てぶくろの日」は一般的な手袋よりも
作業用の手袋を対象とした記念日のようです。
私も仕事がら部品を汚さないためや静電気防止のために
手袋をして作業することが多々あります。
(常にではないですが)
なのでクリーンルーム用手袋は身近なアイテムです。
作業用手袋といっても千差万別で
当店で使っているようなクリーンノール手袋から
軍手やゴム手袋、もっとごつい作業用革手まで
いろんなものが存在します。
素材を守るためのモノから手を守るためのものまで
目的も様々です。
身近な家庭用のもので言っても普通の寒さ防止のためのものから
洗濯・掃除のためのゴム手・軍手、各種のスポーツで使うグローブ類
意外と手袋って身の回りに多いような気がしますね
ふと思い出しましたが…子供の頃…
「てぶくろ」を反対から読んで!といわれて
6回ぶたれる…なんてことが定番だったなぁ…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
少し前にもAE-1Pのカメラ修理がありましたね。
初代のAE-1と合わせると意外とAE-1系のカメラ修理の依頼は多いですね。
あれだけ大ヒットしたカメラなので
現存台数が多いというのもありますが
当時も現在も人気のカメラだと思います。
前回のAE-1Pのブログでも書きましたが
機能的には最初のAE-1に「プログラムオート露出」が
追加されただけとも言えますが
ファインダーの明るさやキレも全く異なりますし
露出計表示もより現代的で
使いやすさの面でかなり進歩しています。
そして機械的機構部のベースはあくまでAE-1と同様ですが
電子制御部は全く別物でAE-1登場から5年経過で
かなり進化していることがうかがえます。
AE-1登場時にはかなり先進的で洗練されていたイメージの内部も
AE-1Pと見比べるとたった5年で結構古臭さを感じます。
でもAE-1の適度にアナログな制御部も
整備する立場ではわかりやすい部分も多く悪くはないのですが…

お預かりしている「AE-1P」は電子制御関連には
特に問題はないだろうと思われますが
機械的にはいろいろと問題を抱えてしまっています。
まず持ち込まれた時点では巻上が途中で止まってしまい
それ以上巻き上げられない状態でお預かりしました。
こういときに力任せで無理に回すのは絶対に厳禁です。
そんなことをするとほぼ間違いなく
重篤な破損を起こし最悪な場合、修理不可能な状態になってしまいます。
手で動かす部分が通常の力加減で動かなくなったら
決して無理はせずに修理に持ち込まれることをお勧めします。
もちろん今回は無理に操作された形跡はなく
固着した状態のままでお預かりすることができています。
原因はある程度分解してみてわかったのですが
巻上軸及び巻上ギアに泥の混じった砂のようなものが入り込んでいて
それがギアに噛みこんで動かなくなってしまったようです。
どこから入り込んだのかも大体予想がつきます。
結構奥深くまで入り込んでいて
ある程度除去したところで
巻上はできるようになったのですが
少しジャリジャリした感触が残っています。
本来のスムーズな動きになる状態に戻さないと
また同じようなことになってしまうので
奥深くまで入念に清掃洗浄し整備を行っていきます。

画像はそんな本格的な作業に入る前の
上下カバーを外しただけの状態でのモノです。
この類のカメラは本格的作業にいったん入ると
メモ代わりの最低限の画像以外を撮っている手間は
なかなかかけられないですし
集中して極力中断せずに一気に仕上げていきたいと思っています。
静電気等の問題もあるので分解した状態を
時間的にもなるべく短くしたいところです。
集中して一気に進めていきたいのは
この類のカメラに限らずどのカメラでもそうですね。
巻上トラブルは整備清掃にかなり手間はかかりましたが
原因が単純だったので問題なく改善されました。
動くようになってみるとそれ以外にも
定番のシャッター鳴きも起きていて
マグネットの吸着状況もあまりよくありません。
やはり全体的に汚れで動きが悪くなっているようです。
本来の動きと精度を取り戻すために入念に各部の整備を行っていきます。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「おだしの日」だそうですよ。
だしは和食の基本です。
これがまた西日本と東日本で
考え方も素材も味も大きく異なって全く違うのですよねぇ
どっちも美味しいのですが
このあたりは好みや育った環境にも左右されるかと思います。
これだけ流通が発達した現在では
どこに住んでいてもどちらの味も好みで選べることが嬉しいですね
個人的には西日本育ちの私は
やはりあっさりめの昆布だしが好みです。
使う醤油も薄口醤油がいいですね。
実は最初にこっち(関東)に来た時のインパクトが強くて
いまだにこっちでうどんやおでんを食べるのを
避けてしまいがちなのです…
その反動でたまに帰省すると
うどんばかり食べてしまいがちです(笑
まぁこの歳になって「懐かしい味」を
やたらと追いがちなせいもあるのですが…
そろそろお鍋やおでんの美味しい季節です。
お休みの日とかに自分で出汁にこだわって
作ってみるのも楽しいですね。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
キャノネットシリーズとしてもいろんな種類があり
最終モデルのG-Ⅲあたりが現在でも人気ですが
今回は記念すべき初代キヤノネットです。
キヤノン最初のコンパクトカメラとも言えますが
時代的に現在で考える「コンパクト」ではなく
少々大柄なカメラです。
45mmF1.9の大口径レンズを搭載し
セレン光電池使用の露出計を備え
シャッタースピード優先オートで撮影することができます。
露出計はオフになるもののマニュアル露出でも撮影可能です。
当然ながら距離計連動カメラです。
シャッターユニットはコパル製でB・1s~1/500をカバーします。
当時の一般向けカメラとしては最高峰ともいえる
性能を持ちながら当時の価格で18,800円という
価格破壊的な定価で発売され伝説的な大ヒットとなりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなったそうです。
あらゆる意味でブレイクスルーなカメラであり
1950年代に雨後のタケノコのようにたくさんできたカメラメーカーが
カメラの低額化・高機能化に付いていけなくなり
多くのメーカーが倒産・撤退するきっかけとなったと言われています。
業界の一部からはダンピングだと指摘されるほど
驚きの価格設定だったわけですが
決して安っぽいカメラではありません。
それまでの手工業的生産からライン製造を効率化し
部品点数もできるだけ少なく仕上げて作られたカメラです。
当時の素材が限られているせいもありますが
構成する部品そのものは非常にしっかりと精度高く作られています。
当時のキヤノンの技術力の高さが垣間見えるカメラだと思います。

お預かりしている「キヤノネット」は
かなり長い間使われずにしまいこんであったものと思われます。
保管状況は決して悪くはなかったとは思われ
シャッターは若干粘りがあるものの
一通りは動作しています。
ただしケースに入れて保管していたせいか
湿気をため込んでしまったものを思われ
レンズ・ファインダーにはかなりのカビが発生しいて
とてもとても普通に写るとは思えない状態です。
露出計も動作しているもののファインダー表示は
正しい値の+3段あたりを指しており
セレンの劣化がかなり心配されましたが
実際に測定機でオートの精度を確認してみると
意外に絞り制御の数値は悪くないようです。
あとで分解してわかりましたが
ファインダー内指針の動きがかなり粘っていて
正しい値をさせなくなってしまっていたようです。
セレンの劣化だと対応しきれない可能性もあったので
少々安心いたしました。

画像は本格的に分解に取り掛かる前のモノで
上カバーを外しただけの状態です。
上カバー上にはレリーズボタンとフィルムカウンターしかありません。
巻上レバーも巻き戻クランクも全て底部に配置されます。
このすっきりした上カバーに筆記体でかかれた
「Canonet」の文字が何ともオシャレでいいと思います。
上カバーをあけるとゆらゆらと動く露出計本体の指針や
レリーズに連動する指針挟み込み機能、それに連動する
ファインダー表示、さらに光量不足時・光量過多時の
シャッターロック機構等が確認できます。
いつも思いますが非常によく考えられた構造になっています。
少し大きめのボディのため整備性も良好で
そのあたりも非常に優れたカメラだと思います。
この後で前板分離からシャッターユニット整備へと
本格的に分解整備取り掛かるのですが
シャッタユニットからボディ側への
SS伝達機構部等はかなり繊細な造りになっているので
注意が必要です。
これまで何度も分解整備を行ってきたカメラでもあるので
そのあたりはもちろん把握できていますが
油断せず細心の注意を払って整備を行っていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日…というか今夜は「十三夜」ですね。
旧暦9月13日~14日の夜「九月十三夜」を意味します。
旧暦8月15日~16日の夜「八月十五夜」の月
「中秋の名月」に次いで月が美しいとされ
「後の月(のちのつき)」とも呼ばれます。
個人的にはまだ夏の空気が残る「十五夜」より
すっかり秋の空気で澄んだ空となる「十三夜」のほうが
美しい月夜を楽しめるような気がします。
ひんやりとした空気も気持ち良いですよね。
八月十五夜の月は「芋名月(いもめいげつ)」と呼ばれるのに対して
九月十三夜は季節の風物として豆(枝豆)や栗を供えることから
この夜の月は「豆名月(まめめいげつ)」や
「栗名月(くりめいげつ)」と呼ばれるのだそうです。
十五夜と十三夜の両方の月を祝いますが
どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼び
縁起が悪いとも言われています。
また、旧暦10月10日~11日の夜「十日夜(とおかんや)」と合わせて
計三回の月見ができると、とても縁起が良いと言われています。
ちなみに今年の「十日夜」は11月22日(水)です。
さすがにその頃にはしっかり防寒しておかないと
夜は寒そうですね。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
「ペンF」も修理依頼の多いカメラです。
ハーフカメラは「オリンパスペンシリーズ」を筆頭に
各メーカーからもいろんなカメラが出ていますが
ハーフ判で一眼レフとなると
非常に種類は少なくなり
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かした
一眼レフとなると「ペンFシリーズ」のみかと思われます。
そういう意味でも「孤高の存在」と言えるカメラです。
ハーフ判でコンパクトにできることを生かすために
既存の一眼レフの考えではなく
非常に独自性の強い構造で造られています。
それが採用されたロータリーシャッターでもあり
ポロプリズムを使った独特のファインダー光路であったりします。
そうした構造もありデザイン的にも
ペンタプリズムの出っ張りがなく
巻き戻し側にレンズが大きくオフセットされた
独特のスタイルになっています。
この特異な機械的構造とデザインだけでも
非常に魅力的なカメラだと思います。

ペンFは機械的構造自体は
それほどややこしいことはないのですが
その独特の構造のため
年月の経過した現在では未整備の個体だと
いろいろと動作不良が起きやすいカメラだと言わざるを得ません。
中でもミラー駆動部関連の動作不良は多く
今回お預かりしている「ペンF」も
ミラーアップしたまま固着してしまっています。
シャッターは走行完了後の状態かと思われ
最後のミラーダウンができない状態かと思われます。
ペンF系では非常に多くみられるトラブルです。

原因はやはり積年の汚れや古い油脂類による
動作不良だと思われます。
ミラー駆動部以外にも動きの粘っている箇所は
あちこちに散見され特に1/500以外の全SSを制御する
ガバナ―も動きが悪く
低速時には明らかな粘りでシャッターが
固着しそうになっています。
ミラー駆動部、シャッター駆動部、ガバナ、巻上機構
機械的な駆動部分を入念に清掃して
必要な部分委は最小限の注油を行っていきます。
その上で微調整を行って
各部の精度と安定sした動きを確保していきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ。
1936(昭和11)年のこの日に
ベルリンのドイツ放送で
世界初のラジオのリクエスト番組が始まったとされてるのだそうです。
ラジオのリクエスト番組…昔はたくさんありましたよねぇ
自分でリクエストしたことはありませんが
小~中学生の頃にはよくラジオ聴いていましたから
当時はかなりの数のリクエスト番組がありました。
ハガキによるものが多かったとは思いますが
電話リクエストの番組もありましたねぇ
「電リク」って言葉自体がかなり懐かしいですね!
それから一時期はファックスに移り変わり
今ではメールやラインだったりするのですかね…
そのあたりの通信手段は時代に応じて変わるでしょうが
それよりも「リクエスト番組」そのものが
もうほとんど残っていないみたいです…
これも時代の流れですかね

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
F2のボディに「フォトミックAファインダー」が
組み合わされたモデルです。
F2自体の発売は1971年ですが
「フォトミックA」の発売は1977年です。
F2発売当初からある「フォトミックファインダー」をベースに
いわゆる「Aiレンズ」に対応したファインダーです。
レンズの絞りとの連動にそれまでのニコンならではの
「カニの爪」を使うのではなく
Ai連動爪でボディ側と連動します。
それまでの非Aiレンズも装着は可能ですが
その場合、ファインダー側のAi連動爪が干渉してしまうので
引っ込めることができます。
ファインダー内絞り表示はそれまでの非Aiレンズ用の
フォトミックファインダーではファインダー内で
レンズと連動する絞り表示盤で表示していましたが
Ai対応となったことでレンズ側のファインダー表示用絞り値を
直読する方法に変更になっています。
これに関しては非Aiのフォトミックファインダのほうが
絞り値の字も大きく読み取りやすいような気がします。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
シャッターが切れず巻き上げもできず…という状態で
お預かりしています。
シャッターが切れない(レリーズができない)のか
巻上ができないのかで原因箇所が変わってきますが
幕の位置から判断すると
どうやら巻上ができない状態のようです。
巻上ロック機構の動きを確認してみると
本来レリーズされた時点でロック解除となる爪が固着していて
巻上ロックが解除できない状態になっているようです。
強制的に一度解除してみると
とりあえず巻上はできますが
またレリーズした時点でロックがかかったままの状態になってしまい
元の状態に戻ってしまいます。
巻上ロック機構だけでなく
機械的な部分の動きがかなり粘っている部分が多く
シャッターが切れたとしても精度が出ていない状態です。

画像は分解整備に取り掛かる前の画像です。
まずは下から現在の状態や巻上位置等を確認している時点でのモノです。
これから本格的に分解の取り掛かり
巻上機構やシャッター幕軸、ミラー駆動部等の
ボディ側の機械的駆動部を一通り整備していき
電池室からの配線等の整備も行っていきます。
ボディ側がある程度整備が終わって組みあがったところで
ファインダー側の分解を行い
接点、摺動抵抗等の電気的部分の清掃整備
ファインダー清掃を行っていきます。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「おいもほりの日」だそうですよ。
日付は二十四節気の「霜降」の頃である10月23日とし
「おいもほり」の主役であるサツマイモは
霜が降り始めるまで太り続けるとされており
この頃が「おいもほり」のピークを迎えることからだそうです。
ただ今年の「霜降」は明日24日なのです。
二十四節気は年によって日付が前後しますからね。
いもほり…幼稚園年長の遠足で一度だけ体験した記憶が…
でもこのときのことは割と鮮明に覚えていて
さすがにどこの畑だったかは覚えていませんが
幼稚園児が歩いていけるほどの場所だったので
園からたいして遠くはなかったのでしょうね
園児なのでろくにほれはしないのですが
それでも一生懸命ほって小さくても何とか掘り出すことができて
何だかめちゃくちゃ楽しかった記憶が残っています。
意外と幼少期の記憶って断片的ながら
鮮やかに覚えているのですよねぇ…
いもほりはともかくとして
本格的に焼き芋が美味しい季節になってきましたねぇ
近所のスーパーでもそろそろ店頭で焼く頃かな…
今度見かけたら焼きたて熱々を買って帰りましょう!

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
前年に発売された「ハイマチックE」の
下位機種としての位置づけですが
それよりも大ヒットした「コニカC35」の対抗馬としての意味が
大きいカメラだったと思われます。
レンズスペックも「C35」に近いロッコール38mmF2.7を搭載し
露出もC35同様プログラムオート専用です。
何といってもC35同様、どこにでも持っていけるような
軽量コンパクトなボディで操作も簡単というところが
セールスポイントなカメラです。
ただC35と大きく異なるところはハイマチックFは
セイコーESL電子シャッターを搭載し
露出精度特に低輝度時にスローシャッターで対応できるという
強みを持っています。
レリーズのストロークの深さとそのフィールが独特なカメラで
「ジャキン」と切れる感じは他のカメラにはない感触です。
好みは分かれるかもしれませんが
個人的にはいい感触だと思っています。

お預かりしている「ハイマチックF」は
まず距離計がどうにもおかしなことになっているようで
ファインダー内二重像で1m弱のものにピントを合わせると
レンズ側指標ではすでに無限遠を指しているような状態です。
実際にはレンズ上の指標のほうが正しく
ファインダー内の二重像がおかしなことになっている状態です。
シャッターは一応は動作していますが
露出制御が妙にアンダーよりです。
ASA100・LV15(屋外晴天時)で測定機にかけてみると
3段近くアンダーに露出してしまうようです。
さすがにこれではネガでも影響が出るかと思います。
現在のネガは性能が良いので写らないことはないですが
さすがに写真はかなり暗めになるかと思います。

距離計の動作不良の原因は
鏡胴を抑えているネジが緩んでいて
距離計のピンを必要なところまで
押し込めていないことが原因でした。
明らかに位置関係がおかしかったので
そのあたりかとは思っていましたが
ここが緩んでも意外と鏡胴は大きくぐらつかないので
ちょっと気づきにくいかもしれません。
露出精度の問題は各接点の清掃、
マグネットの吸着部の清掃整備を入念に行った上で
最終的には電気的な微調整で何とかなりそうです。
直接の原因はやはり接点の汚れかと思われます。
他機械的駆動部分も含めて
一通りの整備を行い安定した動きを確保していきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「図鑑の日」だそうですよ。
日付の由来は日本で最初に「図鑑」の書籍名称を用いた
『植物図鑑』の初版が発行された
1908(明治41)年10月22日にちなんでだそうです。
幼い頃に家にあった子供向けの図鑑を
時間さえあれば眺めていた時期がありました。
「動物図鑑」「植物図鑑」「昆虫図鑑」
「乗り物図鑑」「恐竜図鑑」「人体図鑑」…
他にもあらゆるジャンルの図鑑が
確か12冊セットだったと思うのですが…
本当にボロボロになるまで何度も何度も
出しては片づけを繰り返していたと思います。
だからいまだにその頃にみた図鑑の絵面や写真で
頭に残っているものもあります。
あまりにもよく使ってボロボロにしてしまうので
年齢にも合わせて何回かセット丸ごと
買いなおしてもらったんですよ…
今調べてみるとそれなりの値段がするのですよねぇ
ほんまじいさんばあさんには感謝しかありません…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしては
このあたりが最も新しいモノになります。
…といっても40年以上前のカメラになりますが…
巻上、シャッター、ミラー駆動部等の機械的構造は
最初の「Aシリーズ」でもある1976年発売の
「AE-1」がベースにはなりますが
要ともいえる電子制御部分は5年もあれば相当進化しています。
制御部に関してはもはや最初の「AE-1」とは全く別物です。
大きな機能としては「プログラムオート」が追加されただけであり
一見さほど違いはないのではないかと思われがちですが
動作の安定性やファインダーの明るさ、露出計の視認性の良さ等に
明らかな違いがあり使い勝手の良さや動作の信頼性では
1978年発売のAシリーズトップモデルの「A-1」をも上回ると思います。
ただし、電子制御が進化した分、
もはやちまちまと手作業で
整備調整できる部分は制御部に関しては少なく
電子制御関連にトラブルが出た場合は修理不可能になる可能性もあります。
…とはいえ先述した通り信頼性に関してもかなり向上しているので
普通の環境で使われている個体はそう簡単に電子制御部に
トラブルは出ないかとも思います。

お預かりしている「AE-1プログラム」は
電池室の腐食が激しく電源が全く入りません。
電池を入れたままで仕舞い込んでしまった期間が
相当長かったものと思われます。
「電池なければただの箱」とこの時代の電子制御機を
揶揄する言葉が当時からありましたが
まさに電源が入らなければ
このカメラはシャッターも何も動きません。
それでも比較的簡単に強制的にシャッターを切る方法はあり
チャージ状態だったので強制的にシャッターを切ってみると
やはり派手なシャッター鳴きの異音も確認できました。
電池室の修復と機械的な動作部分の一通りの整備は必須で
電子制御的に致命的な問題がないかどうかは
電源が入るようにある程度電池室を修復してみないと
確認することもできない状況です。

画像は分解整備に取り掛かり始めのモノですが
電池室の蓋も端子の腐食の影響から樹脂が脆くなって
一部破損しており外れたまま閉められない状態です。
マイナス端子側のバネで出たり引っ込んだりする端子は
引っ込んだままの状態です。
それほど激しく腐食していなくてもここが引っ込んだままに
なっている個体は「旧AE-1」を含めて多いです。
今回は引っ込んでいるだけでなく端子自体が黒く変色していて
さらに端子裏側は緑青でびっしり覆われていて
完全に朽ちてしまっています。
ここは部品交換しないともはや通電させることは不可能です。
結果からいうと中古部品を使って端子交換で
電源は復活し、調整は必要なものの電子制御には
大きな問題もありませんでした。
あとは機械的に動きの悪い部分を整備して電気的にも調整を行っていきます。
今回も何とか快適に使える除隊に復活できそうです。

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オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「あかりの日」ですね。
1879(明治12)年のこの日に
発明家トーマス・エジソンが
世界で初めて実用的な白熱電球を完成させたことに由来しています。
秋も深まってきて少し肌寒い夕暮れ時に
家々のあかりが何とも暖かそうに見える季節ですね。
当たり前のようにあかりがあるおかげで
日が暮れても普通に生活できますし
当店なんてあかりが点かなかったら
昼間でもほぼ真っ暗で仕事も何もできません。
本当に普通にあかるのある生活に感謝ですね。
エジソンが白熱電球を発明してから
150年も経っていないのですよね…意外と最近の話です。
それより前は行灯や石油ランプってことですね。
まぁたまにはそれも風情があっていいですが
生活するには暗すぎますよね…
しかしお店の電気代がここのところ
高止まりしているのが少し悩みの種です(苦笑)
空調ももちろんですが照明もかなり電気食うのですよねぇ…
(LEDじゃなくて天井組み込みの蛍光灯だし…)

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
「ペンD」のDはデラックスのDですね。
最初のペンが出た翌年に高級型の「ペンS」が追加され
3年後に「プロ仕様のペン」とされる
「ペンD」が追加されました。
F1.9の高性能大口径レンズ、高速1/500秒シャッター、
LV値直読式内蔵露出計を装備したまさに最高級機です。
さすがにF1.9の大口径レンズや露出計(セレン)搭載のため
最初のペンに比べると少しだけ大きく重くなりましたが
それでもハーフカメラならではのコンパクトさです。
デザインの秀逸さもあって現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ペンD」はまず巻上が上手くできません。
正確にいうと巻上はできるのですが
シャッターチャージが上手くいかず
巻上った瞬間にシャッターが切れてしまい
また次のコマに巻き上げられてしまいます。
たまにうまくチャージできても巻止めは効かず
次のコマに巻き上げられてしまいます。
今回のようにいつまでも巻き上げられてしまったり
巻上が二コマずつ進んでしまうような症状は
ペンシリーズ全体でよくあるトラブルの一つで
原因の多くはシャッター羽根が粘っていて
きちんと最後まで閉まりきっていない場合が多いのですが
(隙間は開いていなくても最後まで閉まっていない)
今回はそれに加えてシャッターユニットチャージレバーの
動きも悪いことが症状を悪化させてしまっているようです。


これからシャッタユニットを分離して
シャッター周りの整備から取り掛かっていきます。
おそらくかなり長い間使われていなった個体と思われ
レンズやファインダーもカビや汚れで
かなり曇った状態ですので
そちらもできる限りの清掃を行っていきます。
心配されるセレン光電池の状態は悪くなく
露出計にはさほど大きな問題はないようです。
ペンに限らずレンズシャッター機は
小さなバネ力で駆動する部分が多く
ちょっとした汚れや古い油脂でも動きが悪くなってしまいます。
登場して50年以上経つ個体が未整備であれば
当然ながらまともに動くわけがありません。
今回も入念い整備を行ってっ本来の動きを取り戻していきます。

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キヤノンFXのカメラ修理

今日は「海外旅行の日」だそうですよ。
「遠(10)くへ行く(19)」と読む語呂合わせからだそうです。
今の私にとっては都内から出るだけでも
結構な「遠くに行く」だからなぁ…(苦笑)
いいですね。海外旅行…非日常的な気持ちを味わえますね!
でも海外旅行なんてもうたぶん行くことはないかなぁ…
今までだって昔勤めていた会社の報奨旅行とかでしか
海外なんて行ったことないですし
そんな感じだからたいしたところにも行ったことがないのですが…
数十年前なら「いろんな遠くに行ってみたい!」という気持ちも
強かったですがさすがに近年はそんな気持ちが起こりません(笑
それでも頭いかれちゃう少し前までは(5,6年前)
1泊2日程度で行ける登山にはかなり行ったから
それが私の中では結構な旅でもあり冒険だったかな…
もう今はたまに墓参りに帰省する広島旅行が
一番楽しいしそれでもう充分ですねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
1964年登場のカメラです。
いわゆる「キヤノンFシリーズ」の最初のカメラであり
FLマウント機としても最初の1台です。
成功とは言えなかった前身の「Rシリーズ」から
絞り連動機能を一新して改良したのがFLマウントであり
「Fシリーズ」ともいえます。
シャッター周りや巻上機構もかなり改良されていて
このFXでの機械的構造を基本として
後の数々の「Fシリーズ」や「F-1」が登場します。
露出計は内蔵されますがまだTTLではなく
外光式の露出計を搭載します。
受光体はCdSで明るさに応じて指針が動作し
その指針が指す絞り指示板がSSダイヤルと連動して動きます。
CdSの感度はHigh/Lowの2段切り替えとなっています。

お預かりしている「FX」は
まずシャッターが切れず(レリーズボタンも押し込めない)
巻上もできず…といった状況です。
幕の位置から判断すると一応巻上はできていて
シャッターはチャージ状態かと思われます。
外装にも一部緑青が出ている部分があり
かなり各部の動作も悪いものと予想されます。
露出計は電池を入れれば一応動作しますが
指針は露出計時/BC時共に非常に不安定で
指針がかなり踊っているような状態です。
プリズムはかなり腐食が進んでいて
こちらも交換しないとまともにファインダーも見えないような状態です。

シャッター不動…というよりレリーズ不良の原因は
巻上軸の汚れ等による動作不良にあり
巻上完了しているはずなのに
巻上軸が正しい位置で止まっていないような状態でした。
とりあえずはシャッターが切れるように応急的に
処置してみたところ何とか動作はしたのですが
巻上軸以外もシャッター幕軸やミラー駆動部等々
いろんな部分がまともに動けないような状態で
軋んだような異音も随分聞こえてきます。
機械的動作部分をひとつひとつ入念に洗浄清掃する必要があるようです。
その上で精度が出せるように調整を行っていきます。
プリズム腐食は視野中心の縦線は蒸着が単純に弱いところが
剥離したと思われ周辺部の大きな水の流れた跡のような腐食は
プリズム抑え内側に貼られているモルトの
加水分解の影響からできた腐食かと思われます。
上画像にもプリズム抑えとプリズムカバーに付着した
劣化モルトが写っています。
機械的にも露出計回路的にも全般隅々まで整備調整を行っていきます。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「冷凍食品の日」だそうですよ。
便利ですよねぇ…
いつもいつも冷凍食品のお世話になっているわけではありませんが
ちょっとしたときに冷凍食品と電子レンジで
簡単に済ませることができるのは助かります。
ハンバーグやギョーザとかのおかず系から
チャーハンやパスタ等の主食系まで
今はなんでもありますよねぇ~
晩酌のお供に何か簡単にできるものってときにも助かります。
ちなみに日付は10月は食欲の秋であり
また「れいとう(10)」(冷凍)と読む語呂合わせ
18日は冷凍食品を保存するのに適した温度が
マイナス18℃以下であることからだそうです。
保存温度のマイナス18℃は0℉(華氏0度:ファーレンハイト度0は
セルシウス度-18)に由来するのだそうです。
さらに温度を下げれば、魚に寄生するアニサキスのような
寄生虫を殺すこともできます。
また、マイナス18℃以下の温度は
長期保存においてビタミンCなどの栄養素を保つ役割もあるのだそうです。
利点はいろいろ多いわけですね!

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
ペンタックスカメラ1号機である「アサヒペンタックス(AP)」や
フラッグシップの「K」に続いて
普及機クラスとして登場したカメラです。
生産ライン・工程の効率化が大幅に進められ
価格も比較的お求めやすく設定され大ヒットしたカメラです。
普及機ではありますがスクリーンにはマイクロプリズムが使われ
シャッターダイヤルも後に主流となる「一軸不回転式」となり
低速~高速までひとつのダイヤルで設定できるようになりました。
シャッター最高速こそ1/500までですが(後に1/1000も搭載)
機能的には当時のフラッグシップの「K」を超えた部分も多く
非常に使いやすいカメラとなりました。

「SV」以前の「アサヒペンタックス系」のカメラは
全てそうなのですがそれまでに未整備の個体の場合
ほぼ間違いなくシャッター幕交換が必須となります。
今回お預かりした「S2」もシャッター幕が開いたまま
レリーズしても何も動かず
もちろん巻上もできないという状態でした。
予想はしていましたが分解してみると
既に幕を引っ張るリボンは劣化でバラバラに千切れていて
引っ込んだまま出てこない後幕も
硬化してボロボロに裂けている状態でした。
先幕も一部がすでに完全に切れていました。
幕をそのままの形で取り出すことすらままならない状態で
これまでにやったことない機種であれば
幕の寸法採りもできずに苦労するパターンですが
「アサヒペンタックス系」の幕交換はこれまでも
何度も行ってきているので
寸法データもありそこは問題にならずにすみました。

強烈にクルクル巻き癖が付いているので
撮影のためにテープで留めていますが
幕はご覧の通りなかなか悲惨な状態でした。
いずれにしても交換なのでどんな状態でも一緒ではありますが…
幕は新たに切り出して作成し
慎重に位置合わせをしながら幕軸に貼っていきます。
先日の他機種の幕交換のブログでも書きましたが
取付位置次第で後からどんなに調整しても
シャッタースピードの精度が出なくなるので
そのあたりは慎重に行います。
それでも貼った後でうまく精度が出せずに
貼り直しになることも多々あります。
そのへんは根気よく取り組んでいくしかありません。
幕交換はもちろん重作業ですが
定期的に入ってくる作業でもあるので
慣れた部分もありますが油断せずに細心の注意を払って行っていきます。

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