月別アーカイブ: 2021年6月

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「パフェの日」だそうです。
そうあの甘くって美味し過ぎて
たまに無性に食べたくなるけど
なかなかひとりでは食べに行けないあの「パフェ」です。
この記念日の由来自体は
1950(昭和25)年のこの日に
巨人の藤本英雄投手が日本プロ野球史上初の
パーフェクトゲーム(完全試合)を達成したことで
洋風冷菓子の一つである「パフェ(parfait)」が
フランス語で「完全な(パーフェクト)」という意味があることから
「完全試合」に通ずるとして記念日とされたそうです。
いや、「パフェ」の美味しさは
まさに完全だと思います(笑)
いろいろな種類のパフェがあり
それぞれそのお店でアレンジもされることから
出会うたびに感動することも多いですよね
やはり王道の「チョコレートパフェ」か…
「バナナパフェ」もいいし
それなら、いろいろな果物が入った
「フルーツパフェ」もいいですよねぇ
…妄想が広がるのはいいのですが
「パフェ」ってさすがにおっさんひとりでは食べに行けません(苦笑)
コンビニスイーツで何か近いものを探してきます…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
最近、AE-1Pの修理依頼が少し多いような気がします。
まぁ、偶然だとは思いますが
つい1週間くらい前にもAE-1Pのブログ書いたような気が…
キヤノンAシリーズが1976年の「AE-1」で始まり
この「AE-1P」は5年後の1981年の登場です。
Aシリーズも円熟の域に入っており
「AE-1P」は非常に完成度の高いカメラになっています。
わからやすい機能的なことだけを言えば
SS最高速は変わらないし
基本的にSS優先AE機で「プログラムモード」が追加されただけ…
と意地悪な見方をすることもできますが
ファインダーの明るさやピントのキレは明らかに別次元ですし
露出計の応答性も格段にアップしています。
スクリーンも下からかんたんに交換することができ
A-1にまで存在していた整備には何かと邪魔にもなる
コンデンサレンズがついになくなりました
(必要ないほどスクリーンが明るくなったということです)
そして以前も書きましたが分解してい見ると
制御系はまさしく別物でこの5年間で
電子制御技術はめちゃくちゃ進歩したことがよくわかります。
でも確かに機械的構造はAシリーズは全て
最初のAE-1が基本なので持病のシャッター鳴きは
相変わらず起こりますし巻上のフィーリングや
シャッター音はある意味、「Aシリーズ共通の感触」ではあります。

結構、ゴリゴリの電子制御機ですので
基本的に電子部品自体にトラブルがなければ
年月が経っても比較的安定した動きを見せるはずです。
ただし、接点や摺動抵抗、機械的な部分は
定期的なメンテナンスが必要で
やはり汚れや油が古くなると動作不良を起こす可能性は高くなります。
お預かりしているAE-1Pは
保存状態自体はかなり良いほうで
余計な油切れもなく持病のシャッター鳴きも起きていません
巻上のフィーリングも悪くなく
外観も非常にキレイです。
ただ、各接点に接触不良が起きているようで
とにかく動きが安定しません。
まず電源そのものが不安定な上に
電源がしっかり入っていても
シャッターが切れたり切れなかったりしています。
電池室を始め各配線や接点、マグネットの清掃整備が必要です。

まだ現状を確認しただけの状態です。
トラブルの症状やその原因はある程度絞り込めたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
機械的な動きにあまり問題はないようですが
もちろん一通りの分解を行うので
シャッター鳴き等、定番トラブルの対策と予防は
施していきます。
装着されているレンズはタムロン35-70mmF3.5マクロで
この時代によくセットで販売されたレンズです。
クモリが若干見受けられますが
それほど影響はないかと思われます。
余談ですが、残念ながら当店では
ズームレンズの分解整備を行っていないことと
さらに当時のレンズメーカー製のレンズは
いろいろ理由もあり分解整備を行いません。

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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「ちらし寿司の日」だそうです。
ちらし寿司って関東では
いわゆるすしネタ(生魚)を酢飯の上に
置いたもののことを言うのですね(江戸前ちらし)
私が思う「ちらし寿司」はいわゆる「五目ちらし」で
酢飯にいろいろな具
(干し椎茸やかんぴょう、茹でニンジン、
酢蓮根、タケノコ、チクワ、
かまぼこ、油揚げ等々)を混ぜ込んで
さらに刻んだ茹でたコやエビ、焼きアナゴ、
錦糸卵を乗せるって感じですかね
バラ寿司なんて呼ぶ場合もあります。
昔から家でのちょっとしたごちそうでしたよねぇ
子供の頃から好きだったなぁ
まぁ今ではたまにスーパーで出来合いのものを
買うくらいですが、それもまた美味しいのですよねぇ
混ぜご飯・炊き込みご飯系は昔から好きですが
うちの実家でたまに出されていた
「豆ごはん」(エンドウ豆を混ぜ込んで
塩と酒のみで味付けする)は
ちょっと苦手だったかな。。。(苦笑)
大人になってから食べたことがないのですが
今食べると素朴な味で美味しいのかな。。。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
当時、バカ売れしていた「リコーフレックス」に
ある程度ストップをかけたヒット作です。
「ヤシカフレックス」の登場の影響を受けて
リコーは従来のリコフレにダイキャストボディの
「ダイヤ」を追加することになったという話もあるようです。
もともとOEM製品として「ピジョンフレックス」の名前で
製造・販売していたものが「ヤシカフレックス」の前身です。
1953年から「ヤシカフレックス」として製造・販売されますが
多種多様なモデルが存在するのにも関わらず
全てモデル名は「ヤシカフレックス」で
これがまたどのタイプか判別に苦労するカメラです。
私は修理屋なのでモデル名云々は
本当はあまり気にしていなくて
搭載シャッターのメーカーがコパルだとかシチズンだとか
セイコーシャでその中でまたどのタイプか…くらいが
わかっていれば二眼レフの場合、あまり問題ないのですが
中古カメラ屋さんとかはモデル判別できないといけないし
場合によってはパッと見ただけで
わからないと困る場面もあるでしょうから
それは大変だと思います。
キヤノンのバルナック機なんかもそうですが
50年代のカメラのそういうところはややこしいですね

今回、お預かりしている「ヤシカフレックス」は
1955年発売の「C型」かと思われます。
(これも調べてわかりました。
パッと見で判別できるほど仕様を覚えてはいません(苦笑))
シャッターはコパル製で最高速は1/300
レンズは3枚玉のヤシコール80mmF3.5です。
セルフコッキングは非搭載で
シャッターチャージ、レリーズは
レンズユニット脇のレバー・ボタンで
独立して行いますが
フィルム装填はスタートマーク合わせの
セミオートマットで、巻き止め機構もあります。
比較的現存台数の多いタイプかと思われます。

この「ヤシカフレックスC型」。。。
まずシャッターが切れません。
チャージレバーでシャッターチャージし
レリーズボタンでチャージしたシャッターを
リリースしますが
チャージレバーが工程の半分くらいで止まって
そのまま固まってしまいます。
ちょうどシャッターが開く直前あたりです。
そこからチャージレバーはびくとも動きません
(もちろん無理に動かそうとすることは厳禁です)
羽根がガッチリ固着かな。。。と思ったのですが
羽根に粘りはありそうですが
これほどガッチリ固まるほどでもなさそうな気がします。
少し眺めていると、
セルフタイマーレバーが
引き起こされている状態であることに気が付きました。
おそらく原因はこれですかね。
セルフタイマーが固着していて
セルフ作動後にシャッターが作動するはずなのですが
セルフが動かないからシャッターもそれ以上動けないのですね
それにしてもセルフタイマーは強烈に固着しているようです。
これまた少し押してみてはみましたが
びくとも動きません。
(もちろんこれも無理に動かそうとするのは厳禁です)

原因の予想もある程度掴めたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
シャッター以外にもレンズはカビだらけで
ファインダーは汚れが相当酷く
ミラーは曇りまくっているので要交換です。
やはり一通りの整備が必要な状態です。
「ヤシカフレックス」は比較的当時としては
まだお求めやすい価格帯のカメラだったのですが
それもカメラ自体が当時は高級品ということもあり
非常に質感は高いです。
いつもいいますが50年代の二眼レフは
数えきれないほどの種類がありますが
どれも個性的で
中には例外もありますが質感も非常に高いです。
ヤシカフレックスも眺めているだけでも
楽しくなってくるカメラですね。

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リコーフレックスダイヤのカメラ修理

今日は「生酒の日」だそうですよ
生酒は「火入れ」と呼ばれる60℃ほどの加熱処理を
一度も行わずに出荷される日本酒ですね
いろいろな銘柄がありますが総じて
少し冷やしてフルーティーで爽やかな味わいを
楽しむ日本酒です。美味しいですよねぇ
飲みやすいものが多いため
気が付くと大量に飲んでしまってて
翌日に後悔することもあるかと思います。
私、ここ1年くらいで少しお酒に弱くなったようで
日本酒は少ししか飲めなくなってしまいました。
調子に乗って深酒すると翌日全く動けないほどの
二日酔いになってしまうのです。
まぁ量は少しでも美味しい食事に合わせて
それなりに飲めれば十分ですね。
生酒は加熱処理を行わないため
賞味期限もきちんと決められています。
大抵の場合が半年から1年弱かと思われます。
生貯蔵酒と呼ばれるものもありますが
これは生のまま貯蔵しておいて
容器詰めの際に一度火入れを行うのだそうです。
日本酒だけに限りませんが
お酒の種類って細かく分かれててそれぞれに風味があって
またそれが楽しいですよねぇ。。。

さてさて

本日は「リコーフレックスダイヤ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスといえばプレスボディの
軽くてシンプルなピント合わせが歯車になっているものが
有名ですが「ダイヤ」はそのリコフレとは全く異なるモデルです。
ダイキャストボディとし機能も当時の先端のものとしたモデルです。
少々ややこしいのは1955年に登場した「ダイヤ」と
さらに改良を加えられて1956年には「ニューダイヤ」が登場しています。
で、どちらも銘板は単に「RICOHFLEX」です。
不親切ですよねぇ(笑)
簡単な見分け方はフィルター枠がねじ込みのものは「ダイヤ」
バヨネットのものは「ニューダイヤ」というところでしょうか。。。
話を「ダイヤ」に戻しますが
80mmF3.5のレンズはスペック上はプレスボディの
リコフレと同じですがこちらは3群4枚となりました
シャッターはシチズンMXVでB・1s~1/400となり
ピント合わせはレンズボードの左右に出た振り子のような
レバーでヘリコイドを操作するものとなりました。
巻き止めも装備されましたが
これはプレスボディーのリコフレにアクセサリーで
用意されていたものとほぼ同じものを
装着したような感じです。
ダイキャストボディなので大きく重くはなりましたが
(あくまでプレスボディのリコフレに比べて)
その分、機能は充実し高級仕様となっています。

お預かりのリコーフレックスダイヤは
まずファインダーの汚れや劣化が酷く
とてもまともに覗ける状態ではございません。
できる限りの清掃と定番のミラー交換を行う予定です。
レンズもカビ・クモリが多く
このままでは非常に低コントラスト+
フレア・ゴーストになるかと思われますが
こちらもできる限り清掃を行っていきます。
シャッターは一応切れてはいますが
羽根に若干の粘りと
スローガバナは固着気味です。
巻き止め(オートストップ)も上手く作動しないようです。
全体的に整備が必要な状態です。

そういえば二眼レフ少しひさしぶりのような気がします。
まだ現状をチェックしただけの状態で
これから本格的に整備に取り掛かります。
外装も今はだいぶくたびれた感じですが
こちらもできる限りピカピカに仕上げていきたいと思います。

いつみても50年代の二眼レフはいいですね
たくさんメーカーも種類もあって
機能的にはさほど変わらないのですが
どのモデルも何だか個性的で眺めてても飽きません。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「UFOの日・空飛ぶ円盤記念日」なのだそうです。
1947(昭和22)年のこの日にアメリカで実業家ケネス・アーノルドが
自家用機で飛行中にコーヒー皿のような謎の飛行物体を目撃し
これが最初のUFO(unidentified flying object:未確認飛行物体)」の
目撃例とされていることが由来になっています。
うーん、まぁ、いないでしょうね(笑
当時ならともかくさすがに現代の情報化社会となると
本当にそういうものがいれば
もっと大騒ぎになっていると思うのですよねぇ
でも現代でもわからないものや
現象があることは否定しませんが。。。
そういいながら私も子供の頃に
空に浮かぶ大きな緑色の物体を銭湯の帰りに
歩道橋の上で見て
怖くなって走って帰ったことがあるのですよねぇ
あれはいったいなんだったのか???
UFO云々はともかくとしても
いろいろと不思議なことはまだまだあるのでしょうね

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」の修理を行っています。
ニコンの誇るフラッグシップ機F2に
露出計内蔵のフォトミックファインダーが装着されたカメラです。
フォトミックファインダーにもいろいろ種類があり
今回のフォトミックAファインダーは
露出計連動をいわゆる「カニの爪」で行うのではなく
Ai連動となったファインダーです。
それに伴ってファインダー内絞り表示もレンズ側の刻印を
直読する方式に変わっています。
ここに関しては従来の非Aiのほうが見やすかったですね
F2の直読式絞り値は私も老眼が進んできたせいか
小さくて見にくくって。。。(苦笑)
それ以外はいわゆる無印のフォトミックファインダーと変わりません。
フォトミックS系のようなLED表示等ではなく
従来からの指針式です。
修理する立場としてはこの指針式であることが重要です。
F2フォトミックだけの話ではないですが
LED表示の露出計は壊れると修理不能の場合が多いのです。

お預かりのF2フォトミックAは露出計の機能に
今のところ問題はありません。
しかしながらF2の電池室トラブルは定番中の定番なので
お預かりしたからにはしっかりチェックしておかなくてはいけません
端子基部が弱っていればそれなりの対策をしていきます。
今回のF2はそれよりも巻上に問題を抱えています。
普通に巻き上げてもなぜかシャッターを切ることができず
巻上レバーを巻上側に引っ張っていれば
なぜか普通に切ることができます。
巻上完了時に少し巻上が戻ってしまうような感触が確認できます。
ちょっと原因はよくわかりませんが
巻上機構の何らかの動作不良かと思われます。
シャッタースピードも事前に確認しておいたのですが
これも問題ありで
後幕が先幕に比べて明らかに早く
1/2000だと走行中に後幕が先幕に追いついてしまい
途中で閉じてしまいます。
1/1000だと何とか最後まで開いたままで走行完了しますが
写真の両端で1段以上露光時間が変わってしまいます。
(中心~走り終わりまでが明らかにアンダーになる)
これは幕軸の清掃とあとは若干の調整で直るとは思われます。

本格的に分解整備に取り掛かる前に
まずは下から巻上の動きをじっくり確認しておきます。
うーん、詳しく書こうとするとややこしいので割愛しますが
何となく起こっている現象は確認できました。
巻上部の分解整備で何とかなりそうです。
まずは普通に巻上+レリーズができる状態にして
あとは各部をチェックしながらシャッター周りの整備
電池室+SW類の整備に取り掛かっていきます。
ボディ側が完了したらもちろんファインダーも
分解清掃していきます。

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キヤノンTLbのカメラ修理

今日は制定された記念日ではないのですが
1991年6月23日にルマン24時間耐久レースで
マツダ787が日本車として初めて優勝しています。
これってすごい快挙でした
当時はよくモータースポーツもチェックしていたし
この年のル・マンも注目していたのですが
終了3時間ほど前に
それまでトップを走っていたメルセデスがリタイアして
マツダがトップになりそのままチェッカーを受けました
ロータリーエンジンでは初の快挙というか
レシプロエンジン以外の優勝は初ということでしたね
この年を最後にレギュレーションが変更され
ロータリーエンジンの使用が認められなくなったことで
ロータリーエンジンが参加できる最後の年に
初の総合優勝を果たしたということです。
(その後の再び参戦可能にレギュレーション変更されています)
マツダが市販車でローターリーエンジンを作らなくなって
もう随分経ってしまいましたが
若い頃はRX-7(FC)に憧れました
なかなか縁がなくて手に入れることはなかったですが
世界でマツダだけが実用化に成功したロータリーエンジン
またいつか何らかの形で復活してほしいものですね

さてさて

本日は「キヤノンTLb」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売されたカメラで
いわゆる「キヤノンFシリーズ」の一員です。
最も売れ筋で中心機種の「FTb」をベースに
よりシンプルな仕様とされたモデルです。
「TLb」発売の前に「TX」という
輸出専用モデルがありそれをベースに作られ
国内発売もされたのが「TLb」です。
シャッタースピードの最高速は1/500に抑えられ
シャッターボタンロックやセルフタイマー、ホットシュー
バッテリーチェックが省略されています。
40年以降経過するカメラなので
修理する立場としては機能はシンプルなほうが
壊れる可能性は明らかに低くなるため歓迎です。
実際にFTbでは露出計SW周りのトラブルが多いのですが
TLbだとSW自体がないのでそのトラブルは起こりません。
それでも実際にシンプルで困ることはないくらいには
しっかり基本的な機能は搭載されています。
高感度なフィルムを使うと1段の違いとは言え
1/1000は欲しくなるかもしれませんが。。。
そこを言い出すとキリがないですものね

お預かりしているTLbは
巻上が完全にロックしてしまっています。
使われていない個体ではなく
普通に使用できていたのに
突然巻上ができなくなったようです。
推測ですがカウンター窓が脱落しており
それが巻上部に噛みこんでいるのではないかと思われます。
現在は確認できませんがご依頼者様曰く
スローシャッターに粘りもあるようです
撮影された写真には光漏れも見られたということで
巻上以外にも全体的な整備が必要かと思われます。

まずはこれから巻上機構の分解整備から取り掛かり
並行して各部の整備に取り掛かりますが
まだはっきりとは言えませんが
巻上ロックは単純な部品の噛みこみではないようですね
何にしてもいろいろチェックしながら
まずは普通にシャッターが切れる状態に
修理していきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「夏至」で「スナックの日」らしいですよ
スナック。。。
カウンターにママがいて
揮発性の高い与太話をしながら飲むところ。。。じゃなくて
お菓子の「スナック」ですね。
かつて「夏至」のお祝いに「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
ふぅん、それならスナックというより
煎餅の日のほうが。。。(笑
まぁスナック菓子はビールのあてに欠かせないですし
ちょっとした間食にもいいですよね。
最近。やたらと「とんがりコーン」が食べたくなることがあって
帰りのスーパーで買ってしまうのですよねぇ
スナック菓子もポテチもシンプルな「うす塩味」が好きですねぇ
あ、でもこれも大好きなマスヤの「おにぎりせんべい」は
醤油味だ。。。これは本当に食べ始まると止まりません(苦笑)
思ってたよりスナック菓子好きだし
普段から結構食べてるなぁ。。。
食べ過ぎに気をつけなくては。。。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしてはこの辺りがギリギリで
これ以上新しいものになると当店では扱えなくなります。
(余談ですが同年に出たNewF-1は
当店では扱っておりません)
「AE-1P」の機械的な部分が基本的に「AE-1」と同一とはいえ
電子制御部に関しては「AE-1」とは全く別物と言っていいほどに
格段に進歩していますし
電子部品関連でトラブルがあると修理不能な場合もあるのですが
構造的に何とか一通りの整備は行えるといった状況です。
そのモデル名の通りに単純に
「AE-1にプログラム露出が追加された」なんてものではなく
ファインダー周りやオート制御部、シャッタースピード連動部等々
全く別物のカメラに仕上がっています。
使ってみると使い勝手の良さは「AE-1」と同様ですが
まずはスクリーンが非常に明るくなっていて
ピントのキレもよくここも格段に進歩しています。
露出計の表示もLEDとなり反応速度も段違いです。
でも機械的な可動部の構造は「AE-1」と同様なので
やっぱり定番の「シャッター鳴き」が起こるのですよねぇ

お預かりしている「AE-1P」もシャッターを切ると
「ギャイン」と派手なシャッター鳴きが起こっています。
いつも書きますが「シャッター鳴き」とはいいますが
異音の原因はミラー駆動部のギアです。
ここが油切れになることにより起こります。
異音だけならまだよいのですが
ミラーの動きも緩慢になっている場合が多いです。
今回も明らかにミラーの動きが遅く
シャッターに明らかなタイムラグを感じるほどです。
これを放置しておくと最悪の場合、ミラーが動かなくなり
シャッターが切れなくなります。
お預かりの「AE-1P」はご依頼者様のご自宅で
かなり長い間眠っていたものらしく
シャッター鳴き以外にもあちこちの動きが悪い状態です。
そのためオート制御もシャッタースピードも非常に不安定です。
さらにシャッターを切っていると
マニュアルで高速SS設定にも関わらず
たまにシャッターが開いたままになってしまいます。
おそらくマグネットの汚れ等が原因と思われますが
何にせよ、全体的な整備が必要な状態です。

まだ上下カバーを外しただけの状態ですが
これからさらに分解を進めて
ミラーボックスも分離させていきます。
そしてシャッターなくの原因となっているギア部の
清掃と最小限の注油を行います。
並行してシャッター幕軸等の清掃整備や
オート時の絞り制御機構の整備も行っていきます。
フレキの処理が面倒なのはこの類のカメラは
しかたないですが
それでもまだ「AE-1P」は楽なほうです。
ご依頼者様本人はこれが初めて使うフィルムカメラになるそうです
しっかり整備して安心して使える状態に仕上げて
お渡ししたいと思います。

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オリンパス35DCのカメラ修理

1960年のこの日に
日本初のロングサイズ(8.0cm)のたばことして
「ハイライト」が発売されていますね。
懐かしいねぇ。。。と思っていたら
今でも販売されているのですね。
私もタバコ止めて随分になりますが
吸い始めたのは吸っちゃいけない年齢の頃の話で
(ほらカッコつけたい年頃だから(汗))
その頃のハイライトのイメージは
土建屋系のおっさんが吸うタバコってイメージかなぁ
売れ筋のマイルドセブンあたりと比べるとかなり重いし。。。
でもラム酒フレーバーでちょっと良い匂いなんですよねぇ
いけん、いけん、こんな話していると
やめて随分経つのにもかかわらず
妙にタバコ吸いたくなるのですよ
もちろん実際に吸いはしませんが。。。
さすがにもう2度とタバコを吸うことはないと思いますが
(頭壊れかけてるし不整脈も酷いし怖くて無理です(汗))
ときどき懐かしく思い出すことはありますよねぇ
実家から持ってきたお香立て代わりや
蚊取り線香置き場にたまに使っている
昔ながらのごついガラス灰皿があるのですが
それを見ると親父やじいさんが
タバコ吸ってたのも思い出します
じいさん、私が隠れて吸い始めた頃には
もうタバコ止めてたけど
確か吸ってた頃はロングホープだったなぁ。。。
あ、そういえば今日は「父の日」ですねぇ
もうじいさんも親父も
とっくにいなくなっちゃって寂しいもんです。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは非常に歴史のあるシリーズですが
60年代の終わりに「トリップ35」が出て以降は
コニカC35の影響等もあり
70年代半ばにかけて小型化されたモデルが次々と発売されます。
「35DC」もその時代のカメラですが
(昭和46(1971)年発売)
名前の「DC」は「デラックス(D)なコンパクト(C)」
つまり小型高級カメラを意味します。
大口径の40mmF1.7レンズを搭載し
暗い被写体から高輝度の被写体まで
プログラム露出+プログラムシャッターで
簡単に撮影撮影できることを目指したカメラです。
逆に言うとカメラのプログラム任せなので
逆光補正機能はありますが
積極的に露出をコントロールするようなカメラではありません。
光が過不足するとシャッターロック機構が働きますので
電池が入っていなくて露出計が振れていないと
光量不足とみなされシャッターを切ることができません。
この類のシャッターロックはある程度露出についての知識が付いて来ると
逆にちょっと邪魔だったりしますが
「簡単に」「失敗なく」がコンセプトのカメラだと
やはり必須機能ではありますね。
そんな理由でシャッターは機械制御機であるにも関わらず
「DC」は電池がないとシャッターを切ることができません。

お預かりの「35DC」もシャッターが切れないということで
お預かりしたのですが
この個体の場合は新品の電池をちゃんと入れても
全くシャッターが切れる気配がありません。
露出計が全く動かないようです。
露出計本体は底部に配置されているので
(この手のカメラで底部に露出計が配置されているのはめずらしい)
底カバーを外してまずは露出計本体に直接
少しだけ電圧をかけてみて
指針が動くかどうかを確認します。
そうすると指針は元気に振れるので
露出計本体に問題はないようです。
。。。となるとやはり電池室からの配線に問題があるようです
もちろん電池室は一見キレイなのですが
マイナス側端子の根元にわずかに緑青が付いているのが確認できます。
。。。となると裏側は緑青だらけで
おそらく断線状態かと思われます。

電池室自体は下から外せますが
やはり完全に断線していました
リード線も腐食で導通しない状態なので
これからレンズボードを降ろし
電池室からボディ上部基板までの配線は交換で対処します。
もちろんその際にシャッターユニットの整備、レンズ清掃も行います。
「DC」は露出計周りに比較的トラブルの多いカメラで
指針の吸い込みや挟み込み部固着のトラブルも多くあります。
今回も指針の吸い込みが酷く
通電しているはずなのに
指針が動かないことがあることも後で発覚しました。
その辺りの整備も行いつつ
各部の整備調整を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「ベースボールボール記念日」だそうです。
1846年のこの日に公式の記録に残る
史上初の野球の試合がアメリカ・ニュージャージー州ホーボーケンの
エリシアン球場で行われたことが由来となっています。
日本国内のプロ野球は交流戦が終わり
昨日から通常のリーグ戦が再開しています。
我らが広島カープは交流戦は散々たる成績で
ぶっちぎりの最下位でしたねぇ
昨日はヒヤヒヤさせられながらも勝ちましたが。。。
私は広島・呉育ちなので小さなころから
カープの試合を常に気にしていて
常に応援する。。。というのが刷り込まれているのですよねぇ
たぶん広島で育ってなかったら
野球観戦なんて興味なかったかもしれません
それほど広島は野球=カープに関しては特殊な土地柄だと思います。
たまに帰省すると本当に感心しますが
街中にあれほどカープに関するものが
溢れているのもすごいですし
この令和の世にあんなに地上波でナイターの生中継やっているのは
おそらく広島だけではないかと。。。(笑
関東でプロ野球を地上波で見られる機会は
もうほとんどないですよ(汗)
私も広島を離れて既に20年近くになりますが
広島東洋カープはどんなに弱かろうとも応援します。
生まれ育った地元の球団だから嫌いになるわけないし
しかたないですよねぇ(笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
少しひさしぶりですかね?
F2フォトミック系もコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ある意味、全盛期のニコンF一桁機ですので
とにかく各部品がオーバークオリティで
普通に使っている限り
致命的に壊れることがほとんどないカメラだと認識しています。
分解すると本当に良くわかるのですが
特にFとF2に関しては
「この部品、なんでこんなに太くって頑丈なんだ?」と思う箇所が
シャッターや巻き上げ機構、ミラー駆動部、あちこちにあります。
それでいてしっかり清掃注油した状態での
巻上・シャッターの駆動部分の精度の高さには目を見張るものがあります。
現在のコスト・効率重視の世の中では
なかなかこういう機械はもう生まれないのではないかと思います。
いうなれば一種の過去の貴重な遺産なので
現存している個体は1台でも調子の良い状態で残ってほしいと思います。
先程、「致命的に壊れることがほとんどない」と書きましたが
それでも何十年も未整備でいれば油切れにはなりますし
動きの悪くなる箇所もいくつか出てきます。
特に仕舞い込まれていて何十年も動かされていない個体は
さすがにあちこちに固着も出てきます。
使っている数は少ないですが
いくつかの樹脂部品は劣化で破損する場合もございます。
でもFやF2は修理すれば大抵の場合直りますし
(プリズム腐食やフォトミックS系のLED関連はお手上げですが)
精度もかなり出るのです
こうしてみるとやはり元々の「出来の良さ」に感心させられます。

お預かりしている「F2フォトミック」は
とにかくかなり長い間眠らされていたものだと思われます。
それも保存環境は決してよくはなかったと推測されます。
まず外装がかなり汚れています。
使い込まれたキズやスレ、凹みではなく
湿気の多いところに
仕舞い込まれていたことによる汚れ・カビ・サビです。
レンズはニッコールオート35mmF2.8が装着されていますが
当然のごとくレンズはカビだらけです
ただ小さくて濃い点カビや曇りになるようなものは
ないようなので清掃でかなりキレイになるかと思われます。
さらにピントリングはヘリコイドグリスが抜けてしまっていて
スカスカです。正確に言うとスカスカだったり少し重いところがあったりと
ムラがかなりあります。
ボディ側はレンズ同様、ファインダーコンデンサレンズ、接眼レンズ
ミラーは、プリズム表面はカビだらけです。
さらに露出計は全く電源が入りません。
数少ない樹脂パーツである電池室及び端子留め部が破損していると思われます。
これはF2では定番のトラブルです。
ただし若干の油切れはあるものの
シャッター、巻上、ミラー駆動には大きな問題がありません。
精度も調整は多少は必要ですが大きな狂いもありません。
さすがとしかいいようがありませんね

実はレンズを先に清掃してしまいました
どこまでキレイにできるかウズウズしてしまったのです(笑
で、全く問題ないほどにキレイになりました。
いくつかカビ跡は残るかも。。。と思いましたが
それも杞憂に終わりカビ跡も皆無です
ピントリングももちろん滑らかスムーズになっています。
これから本格的にボディ側の分解整備に取り掛かりますが
とにかくバラシてできる限りの清掃・洗浄です。
その上で必要最小限の注油を行い各部の調整を行います。
外装の錆取りは限界がありますが
見違えるほどキレイに仕上げてお渡しできればと思います。

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フジカ35オートMのカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
コンビニおにぎりだったり
お弁当の中に入ってたりするおにぎりだったり
口にする機会は多いですが
やっぱり熱々炊き立てのご飯で
自分で握る塩むすびが一番美味しかったりしますねぇ
まぁでも本当は子供の頃から慣れ親しんだ
ばあさんの握るおにぎりが一番美味いのですが
もう味わうことができなくなって随分経ってしまいました
おにぎりって実際に手で握るものだから
ばあさんのおにぎり以外だとかなり抵抗があったんですよねぇ
それだと逆に工場で作られる
コンビニおにぎりのほうがいいぐらいで。。。
ところで同じようなことを
割と最近書いたような気がするなと思ったら
1月に「おむすびの日」があったのですよね
本当は私も「おにぎり」よりも「おむすび」と呼ぶ方なのですが
今回はせっかくの「おにぎりの日」なので
あえて「おにぎり」で統一します
(おにぎりとおむすびの違いについては諸説あり)
あ、直接関係ないけど
マスヤの「おにぎりせんべい」は美味しいですよねぇ
レギュラーサイズはなかなか見ませんが
ミニであれば最近は都内のスーパーでも見かけるようになりました。
ビールのお供にも最適です。

さてさて

本日は「フジカ35オートM」のカメラ修理を行っています。
知る人ぞ知るちょっと通なカメラですよね。
搭載されるフジノンレンズの優秀さでも有名ですが
操作系がかなり独特で
ピントはボディー背面のギアを回すことで行い
フィルム巻き上げはボディ底面レバー
フィルム巻き戻しはボディ側面のクランク等々
なかなか普通のカメラでは見かけないパターンになっています。
(今回のオートMはピント調整に関しては
通常の鏡胴上にあるピントリングで行います)
正直なことを言うと
一連のフジカ35シリーズは比較的トラブルが多く
特に通常のフジカ35系に搭載されるシチズンシャッターは
スロー関係でトラブルがあると修理不能な場合が多く
現在では場合によっては修理をお断りしている機種でもあります。
で、今回のフジカ35オートMは通常のフジカ35とは異なり
これまた変わった「コパルマジック」と呼ばれる
シャッター速度優先オートで露出が連動範囲外になると
シャッター速度が自動的に変更される
という複式プログラムを備えるシャッターなのです。
おまけに連動するセレンにもトラブルが多いということで
これもシャッター周りや露出計周りに致命的なトラブルがある場合は
修理・整備を見送ることの多いカメラなのです。

今回はお預かり時に少し念入りにチェックも行い
オート関連、シャッター関連に致命的なトラブルがなく
通常整備で精度が確保できるということが
確認できたうえでお預かりすることになりました。
実際、セレンは非常に良い状態です。

ただし、ファインダー側にいろいろ問題がありました。
お預かり時にファインダー内にカビが多く
場合によってはハーフミラーは交換か。。。と思われましたが
ハーフミラーにはそれほど大きな問題はなく
ブライトフレームを映し出すミラー部が
劣化によりどうしようもなく曇っていることが判明
劣化で曇っているので清掃ではどうにもならず
そこは新たにミラーを切り出し
交換することで対応しました。
ファインダー内のカビもキレイに除去することができました。

シャッターユニットは羽根洗浄を含む一通りの整備を行い
その際にもちろんレンズ清掃を行い
オート関連は精度はそれなりに出ていたので
余計なことはせず通常整備と微調整で対処しています。
外装、ファインダーは清掃の甲斐もあり
お預かり時とは見違えるほどキレイになっていいると思います。
特にファインダーは二重像合わせが楽しくなるほどだと思います。

おもしろいカメラなのですが
これほど独自性が強いと修理・整備はなかなか大変です。
手間もかなりかかります。
フジカのカメラはこういうパターンのものが比較的多いですね。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ
1874(明治7)年6月17日に日本ではじめて
巡査制度が開始されたのに合わせて
警察官(おまわりさん)という職業が誕生
同年、交番制度もはじまったことに由来しているそうです。
ただ、これ誰ともなくいつからか言われている
記念日で何かイベントがあるわけでもなく
いわゆる日本記念日協会による認定登録も
されてもいないようです。
昔に比べると特に地方では交番も
ずいぶん減ったような気がします
子供の頃にも近所に交番があって
何度か落とし物とか届けに行ったことがあるなぁ
ちょっとおっかないところ。。。ってイメージだったかな
中学生・高校生になっていくと
いろいろ見つかっちゃいけないところ。。という感じになり(笑
大人になってからは
「いざというときには頼りになるけど
あまりお世話になってはいけないところ」ってイメージですかね?
今は本当に物騒な世の中で
想像を超えるようなできごとや事件もあると思うので
本当に警察官って大変な仕事だと思います。
何かあったら通常の人以上に叩かれるでしょうし。。。
先程も言ったように頼りにはしていますが
余計な手を煩わさせることのないように
慎ましく暮らしていかなくては…と思います(大袈裟かな(笑))

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
つい数日前にも「MX」の修理ブログでしたね
OM-1ほどではないですが
やはりMXも修理依頼がコンスタントにあるカメラです。
先日はブラックのMXでしたが
今回はシルバーのMXです。
つい先日書いたばかりなので
MXの成り立ちやスペックに関することは割愛しますが
軽量コンパクトな機械制御シャッター一眼レフという
立ち位置は元祖OM-1とこのMXがやはり2大巨頭というところだと思います。
前回も書きましたが
他大手メーカーがあまり手を出してないジャンル…ということは
それなりに難しさが当然あるわけで
特に誕生から40年以上経過した今となっては
少々華奢な部分や脆い部分があって当然かと思います。
同じ年代でもっと大きくて重い一眼レフでは
あまりないようなトラブルも正直なところ発生します。
そういう部分も含めて軽量コンパクトな一眼レフというのは
長所・短所それぞれ併せ持っていると思います。

お預かりしているMXは
「写真に幕のようなものが写りこむ」とご指摘いただいています。
こちらでテストしてみた分にはその症状自体は
確認できなかったのですが
やはりシャッター幕(先幕・後幕)のバランスは大きく崩れており
例えば1/1000で測定すると
走り始めは1/2000、写真真ん中で1/1000
走り終わりで1/500といった感じです。
これが酷くなると写真の一部が
黒くなってもおかしくはないかなという感じです。
さらに整備を始めてわかりましたが
過去に分解歴があるようで
それもおそらくプロの仕事ではないかと思われます。
(詳細は書きませんがいくつか問題点あり)
ただ、致命的な問題を抱えているわけではなく
こちらでしっかり整備すれば通常の精度は何とか確保できそうです。
MXといえばLED式の露出計もセールスポイントのひとつですが
今回のMXはこれも全く動作していませんでした。
単純にSW等の接触不良によるものでしたが
いわゆる指針式のものに比べると
トラブルを抱えると修理不可能な場合も結構あるので
個人的にはここは指針式が好みではあります。
何にせよ今回はここも通常の整備修理で問題ない状態に直せそうです。

外装もできる限り清掃したので
見違えるほどにキレイになりました。
ブラックも精悍で良いですが
やはりシルバーもかなりいいですね。
シャッタ幕軸の清掃・注油等も行っているので
少し落ち着くまで様子見をしている段階です。
これから最終チェックを行い
必要であれば微調整を行い完成となります。
非常に気持ちよく使える状態になっていると思います
ご依頼者様にも存分に撮影を楽しんでいただけることと思います。

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