月別アーカイブ: 2018年9月

ニコンFEのカメラ修理

今日は「クルミの日」だそうですよ。
そういえば数年前に
「クルミを毎日40gくらいずつ食べていれば
血管年齢を若く保つことができる」ってテレビで見て
当分、毎日クルミを食べていた時期がありました(笑)
こういうのって長く続けないと全く効果はないと思うのですが
やっぱりいつのまにか食べなくなってしまいましたねぇ。。。
お酒とか、甘いものとか、身体にあまり良くないものは
意識してなくても毎日口に入れてしまうのに。。。。不思議ですねぇ。。。。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
少し前にもFEの修理をしましたね。
やはり依頼件数の非常に多いカメラだと思います。
絞り優先オートで使ってもマニュアルで使っても
ファインダー情報表示が優れている性もあり非常に使いやすく
頻度がどのくらいあるかはわかりませんが
多重露光も非常に行いやすく
それでいて基本的には壊れにくく信頼性も高く
一眼レフの基礎を学ぶにも最適なカメラだと思います。
絞り連動爪が可倒式なので
非Aiレンズの装着が可能なのも嬉しいところですね
(絞り優先オートは使えなく絞込み測光になりますが)

お預かりしているFEは
ご依頼者様が高校生の頃から使っている
とても思いで深い1台とのことです。
基本的には普通に動作しているのですが
たまにミラーアップしたままになってしまうそうです。
現状チェックで何回かシャッターを切ってみたところ
15回に1回くらいはミラーアップしたままになってしまいます。
これが他のカメラ(特に横走りシャッター機)だと
シャッターの走行が終わってもミラーが降りてこないことが多いのですが
FEのような縦走り機の場合は
ミラーが上がったのにシャッターが走行せずにそのまま固まっている場合が多いです。
要は電池が入っていない場合の動きと同様ということですね
。。。ということは電圧がシャッターユニットに
かかっていない可能性が高いのだと思われます。
真っ先に疑うのは電池室ですが
電池室に汚れはほとんど見当たらず
念のため清掃を行っても状況はほとんど変わりません。
おまけにバッテリーチェックランプは常時安定しているので
電池室周りではないようですね。
基板周りのどこかで接触の悪いところがあるのかと予想されます。

まだ現状チェックを行っただけで
これから分解整備に取り掛かるところです。
ミラーアップの問題以外にもSSやオート・露出計も
調整が必要な状態です。モルトも要交換ですね。
でもリフレッシュしてしまえばまだまだ快適に
使うことができると思います。

余談ですがFEは5年間ほど生産され
かなりヒットしたカメラなので相当数が生産されています。
生産時期によって中身や使用に細かい変更もされています。
分解して中身を見なくてもわかる仕様変更も少々あります

例えば電池が入っていないときに

・M90・B以外のSSでもシャッターが切れるもの
(もちろんSSは一定で変化しません)

・ミラーアップするだけでシャッターが切れないもの

それから
オート露出時にSSが1/1000以上になってしまう状況で
(光量過多の状態)
そのままシャッターを切ると。。。

・シャッターは動作するがシャッターは開かず未露光になってしまうもの

・強制的に1/1000で切れるもの

等々。。。知っていたほうが良いと思われる仕様の違いがあります。
本当に余談でした(苦笑)
何かの参考にでもなれば。。。。

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ニコンFフォトミックFTNのカメラ修理

今日は「招き猫の日」だそうですよ。
招き猫といえば「招き猫発祥の地」と言われている
世田谷区・豪徳寺ですよね。
比較的、近いのに実は行ったことがないのです(汗)
以前から気になっているのですが
近日中に行ってこようと思います。
右手上げは「商売繁盛」、左手上げは「千客万来」ということですが
じゃ、「両手上げ」を祀っておけば。。。と思って調べたら
両手上げも手に入るのですね。。。
しかし。。。
「両手上げ」は欲張りすぎで「お手上げ状態」になる。。。とも言われているそうです(汗)

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンF用の露出計内蔵ファインダーが
「フォトミックファインダー」ですが
最初のフォトミックファインダーは外光式で
次のフォトミックTファインダーでTTLとなり
さらに次のフォトミックTnでは中央重点測光となりました。
T、Tnのフォトミックファインダーは
レンズ交換のたびに装着したレンズの開放F値を
ダイヤルでセットする必要がありました。
それをレンズ装着時に絞りリングを一往復させるだけで
簡単にセットできるようになったのが
「フォトミックFTNファインダー」です。
いわゆるニコン特有の「ガチャガチャ」と言われる動作ですね。
フォトミックFTNファインダーは
それまでのフォトミックファインダーとは異なり
ボディ側の銘板も挟み込んで固定するようになりました。
そのためFTNファインダー登場以前のボディとは銘板形状が異なり
製造番号で690万番台未満のものは
銘板を変更しないとFTNファインダーを取り付けることができません。

お預かりしている個体はもともとアイレベルファインダーが
付いていたものに後から手に入れたFTNファインダーを装着したものとのことです。
ボディ番号は700万台なので問題なく装着することができます。

シルバーボディに黒のFTNファインダー、なかなかカッコ良いですね!
状態としては露出計は大幅にオーバー傾向
シャッター、巻上部、他各部に油切れの傾向が見受けられ
シャッタースピードの精度も出ていません。
ただ、致命的なトラブルを抱えているわけでもなく
分解整備で清掃・注油を行った上で調整すれば
問題なく使える状態になりそうです。

まずはボディ側から整備を行います。
写真に写っているのがFTN装着可能なタイプの銘板ですが
少し上部に切り欠きがあり幅が狭くなっています。
いつも思うことですがこの「Nikon」の銘板
結構厚みと重量感があって非常に質感高いのです。
外すたびにいつもそう思います。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

広島カープ優勝おめでとう!!!!
新井さんが引退を発表してから
なんだか勢いが一気になくなったような気がしていたのですが
とりあえず無事に地元で決まってよかったです!
昨日は広島市内は本当にお祭り騒ぎだったみたいですね~
昨夜だけでも広島市内で雰囲気だけでも楽しみたかったです(笑)
さぁ、次は悲願の日本一に向けてがんばってください!
西武との対戦となれば忘れもしない1986年。。。
3連勝で王手をかけた後のまさかの4連敗。。。
あのときのリベンジを是非!!!

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズの中でもちょっと異色の1台だと思います。
EEシリーズですから、当然、露出はプログラムAEで行います。
しかも「D」ですからデラックスバージョンの32mmF1.7です。
他のペンと明らかに異なるのは
そのデザインだと思います。
他のペンシリーズは基本的に丸みを帯びたデザインなのですが
このEEDだけは直線的なデザインです。
大きさもペンとしては少々大柄です。
しかしながらこのしっかりした四角いボディのおかげで
撮影時のホールディングは非常に良好です。
F1.7のレンズの本領を発揮する低輝度の撮影では
手ブレ防止にかなり効果があると思います。
シャッターはメカニカル制御ですが
オート時に光量が足りないとオリンパスお得意の赤ベロが出て
シャッターはロックされます。
発売は1967年、当時の価格は16,500円
これはこの時代の大卒初任給とほぼ同じなので
決してお安いカメラではありません。
カメラそのものがまだまだ高級品だった時代のものですね。

お預かりしているEEDはシャッターがロックした状態で
固着しています。赤ベロも出っ放しです。
当然、巻上もできない状況です。
露出計が動作していないことが直接の原因だとは思われます。
加えてセルフタイマーのロックが効かない状態です。
赤ベロが出っ放しなのはそのためですね。

まだ現状チェックを行っただけで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
最初にペンEEDを見たときには
他のペンシリーズとは異なるデザインに
少々違和感を覚えた記憶がありますが
これはこれで当時でいう先進的デザインで良いと思います。
どちらかというとデザインは35シリーズに近いのですね。
そう考えると結構納得なデザインのような気がします。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「台風襲来の日」だそうです。
統計上、台風襲来の回数が多い日なのだそうです。
今、本土に近づいている台風はありませんが
南の海上には強力な台風、24号が少しずつ迫っています。
不謹慎な話ですが
子供の頃は台風が近づいてい来るというと
ちょっとワクワクしたものですが
今は迷惑以外の何者でもないですねぇ(汗)
あまり被害を出さずに通り過ぎてくれればいいのですが。。。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
いつも書きますが
当ブログでの登場回数が非常に多いカメラです。
非常にコンパクトなわけではありませんが
F一桁機と比べると相当に軽快に持ち出すことができ
ニコンらしく堅牢で信頼性が高く
絞り優先オートも使え、ファインダー内情報もわかりやすく
マニュアルでも使いやすい。。。とくれば
人気が高いのはうなづけます。
ただし、さすがにF一桁機と比べると
若干、華奢な部分もあります。
(価格も大きさも違うのだから当然ですし
それでも他メーカの中堅機種に比べると丈夫だと思います。)
兄弟機のFMに比べると電子制御シャッターということもあり
修理を行う業者も少ない。。。というのも
当店で依頼の多い理由かもしれません。

お預かりしているFEはシャッターを切っていると
数回に1回は巻き上げた瞬間にシャッターが切れてしまう
(巻上が滑るとかとも言われますね)症状と
まれにシャッターが開きっぱなしになってしまうそうです。
先程、FEは電子制御シャッターで
修理を行うところも少ないと書きましたが
FEのトラブルの大部分は機械的原因によるものです。
確かに稀に電子基板関連のトラブルはありますし
そうなれば修理不能なこともあるのですが
頻度としてはかなり少ないと思われます。
今回もミラー駆動部の動作不良と
シャッター羽根の動作不良だと思われます。
SSやオート露出は撮れないほどのレベルではないですが
SSは少し速すぎる状態で
露出計はオーバー気味、でもオートはアンダー気味といった感じです。
もちろんこれも整備後の調整で良い値にできると思います。

まだ現状チェックを行っただけで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
オーソドックスなデザインですが見飽きないですね。
いつ見てもカッコ良いカメラです。

キヤノンデミのカメラ修理

今日は「畳の日」だそうですよ。
考えてみると畳のある部屋に住んでいたことって
もう随分昔の話になってしまいます。。。
真夏に扇風機を付けたまま
畳の上で昼寝するのは最高に気持ちよいですよね~
そんなこと書いていると
やたらと畳の部屋が恋しくなってきました。
畳の間がある部屋に引越ししようかな。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
「デミ」はフランス語で「半分」を意味します。
英語に言い換えればそのものズバリで「キヤノンハーフ」ですね。
いわゆるハーフ判カメラといえば
やはり「オリンパスペンシリーズ」が最も有名で
人気も高いですが
「キヤノンデミ」も決して劣るところはありません。
贅沢にプリズムを使用した実像式ファインダーを備え
ハーフ判カメラとしてはめずらしく
きちんと巻上レバーを装備し
セレン式の露出計とプログラムシャッターで
オートではないものの素早く露出を決定することができます。

個人的にはレンズの真上に装備されたファインダーと
予想以上に滑らかに操作できる巻上レバーのポイントが高いと思っています。

お預かりしているデミは
明らかにかなり長い間、仕舞いこまれていて
放置されていたものだと思われます。
ボディにはサビや汚れがかなり目立ち
シャッターは全く切ることができません。
レンズ・ファインダーにはクモリ・カビが多く
大量に使われているフィルム室のモルトは
既に大部分が剥離してしまっています。
ただし、心配されるセレン光電池はそれなりに起電しています。
シャッターは切れないものの
おそらくシャッター羽根がかなり強烈な油汚れで固着しているだけだと思われます。
もちろん、汚れやサビで動きの悪いところだらけですが
清掃・洗浄を行うことで
ある程度は普通に動作するのではないかと考えます。

まだ最中構造のカバーを取り外しただけですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはべったり固着してしまっている
シャッター羽根の清掃から取り掛かります。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「海王星の日」だそうですよ。
1846年のこの日に海王星が発見されたそうです。
地球の3.88倍の大きさで
太陽の周りを約165年かけて1周します。
。。。ということは。。。
もし人類が海王星に住むとしたら
(住めるようなところじゃないのはわかっていますが)
海王星時間での1年も生きられないのですね(汗)
でも自転周期は16時間で
地球の1日よりも海王星の1日のほうが短いのですね。
太陽からの距離は45億440万kmです。
全くピンときませんね。。。光の速さで4時間ほどのようです。
ちなみに地球は太陽から光の速さで約8分です。
この話を書き始めてから
ドリフが全員集合で学校か何かのコントでやってた
「すいきんちかもくどってんかいめい」が頭から離れません(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
他に比べるもののないハーフ判の一眼レフです。
一眼レフとはいえハーフ判なので当然小さいのですが
それだけに留まらず、ミラーを横配置として
正面から見てボディの左側に
メインのプリズムとシャッターユニットを備え
ボディ上部でさらにミラーで折り返し
接眼レンズの直前にもプリズムを配置する独特の構造です。
そのためペンタプリズムの突起がなく
低く横長なこれまた独特のフォルムを実現しています。

最初にペンFがデビューした後、
露出計・セルフタイマー付きのペンFTもデビューしましたが
個人的には2回巻きで巻上ストロークも短く軽快な
ペンFが好みです。FTに比べてファインダーが明るいのもいいですね。

ペンF系に多いのはスローガバナ関連のトラブルと
(構造上最高速以外のSS全てにガバナが関与します
だから「スロー」ガバナというのはあまり正しくないですね)
ミラー駆動周りの動作不良、そしてプリズム腐食です。

今回お預かりしているペンFは
レンズを付けるとシャッターが切れないという症状です。
ミラーアップすらしません。
レンズを外すと普通にシャッターは切れます。
こういう場合はまずはボディよりも
レンズ側の絞りの粘り或いは固着を疑うのですが
今回はレンズの問題ではないようです。
ミラーボックス側の絞込みレバーの動作不良が原因のようです。
負荷が何も掛かっていない状態では動作するのですが
レンズをつけて絞り込みレバーの負荷がかかると
もう全く動けない。。。という状況です。

それだけではなく
やはり全体的に汚れや油切れのため動作が悪いです。
ミラー周りだけでなくシャッターユニット、巻上部等々
動作部分の清掃・注油を行います。

やっぱり花文字付きのペンFはカッコ良いですね!
一時期、本気で欲しかった時期があったのですが
1台、お散歩用に今でもちょっと欲しいですね。。。
(欲しいもの全て手に入れていたら
膨大な数のお散歩カメラに囲まれそうですが。。。(苦笑))

写真は一通り整備完了後のものです。
新しい油が馴染んで動きが安定するまで
しばし様子を見て最終テストを行っていきます。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「国際ビーチクリーンアップデイ」だそうですよ。
世界中で海岸のゴミ掃除をしようという日です。
夏の間に大量のゴミが溢れてしまいますものね。。。。
山や海にゴミを捨てて帰る人は
そこで自然の恩恵を受ける資格がないと思うのですが。。。
少々、話が逸れますが
そろそろ海の水もより澄んできてキレイになる季節ですね。
山も海も中秋~晩秋が一番キレイだと思います。
写真撮りに行きたいですね~

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
初代ペンの高級バージョンとして発売されたのが
今回の「ペンS」です。
シャッターはコパルXで
速度も1/8からちゃんと一段刻みで1/250まであり
Bも備えます。レンズはD.ズイコー30mmF2.8です。
ピントはもちろん目測式です。
ハーフとはいえ写りに定評のあるカメラで
トラブルの元になりがちな露出計もなく
シンプルなマニュアルカメラです。
そのせいか現在も人気が高いカメラです。

お預かりしているペンSは
シャッターが全く切れません。レリーズは押せるのですが
全くシャッターが反応しません。
もうパターン的に予想されるかもしれませんが
シャッター羽根が固着してレリーズしても切れないのですね。
油や汚れによる固着です。
レンズシャッター機全般で定番のトラブルですが
ペンはビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に露出しているせいか
固着率がかなり高いような気がします。
羽根が露出しているので
とりあえず応急処置で少しだけクリーナーを羽根に付けると
シャッターが切れることもあるのですが
(あくまで応急処置なのでそのままではしばらくするとまた固着します)
今回はそういった応急処置では全く動きません。

まずはレンズ及びシャッターユニットを分離します。
ペンの主要な機械部分はほぼこのユニット内に収まっています。
ボデイ側は巻上とカウンターのみです。
クモリの酷いファインダーは上カバー裏に取り付けられています。
後でもちろんこちらも清掃していきます。
これから本格的にシャッターユニット分解に取り掛かり
シャッター羽根、絞り羽根の清掃から行っていきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「世界アルツハイマーデー」だそうです。
うーん、まだ大丈夫だと思いますが
私が今発症すると「初老期認知症」(40-60歳)だそうです。
もうとっくに「若年性」ではないのですね。(ちょっとショック)
気がつけば。。。認知症だけじゃなくていろいろ何が起きても
おかしくない年齢なのですよねぇ。。。いやだいやだ(苦笑)
5年前には大病もあったし
もう少し健康に気をつけなくては。。。
でも今の私の身体の諸悪の根源は、やはり「太りすぎ」
1日中、座りっぱなしで甘いもの好きでお米大好きじゃ
それはダメですよね。。。本気で少し引き締めなくては。。。(汗)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
毎度、書いていますがニコンF2はファインダー交換式カメラのため
取り付けられたファインダーにより機能が変わります。
フォトミックファインダーは露出計が装備されたファインダーで
下記の4種類が存在します。
CDS受光体で指針式露出計の「フォトミック」
CDS受光体でLED式露出計の「フォトミックS」
SPD受光体でLED式露出計の「フォトミックSB」
「フォトミック」をAi化した「フォトミックA」
「フォトミックSB」をAi化した「フォトミックAS」
今回、お預かりしているのは
「フォトミックA」なので装着するレンズはAiニッコールが基本です。
非Aiレンズも装着できますが絞込み測光となってしまいます。

お預かりしているF2フォトミックAですが
後幕が引っ込んだまま全く動きません。
どういうことかというとシャッターをレリーズすると後幕が引っ込んだままだから
開きっぱなしになるという状態です。
レリーズすると巻き上げは可能です。
うーん、あまり見かけないトラブルです。
根本的に後幕にロックがかかってる。。。と考えていると
とりあえず原因はわかりました。
バルブの状態でそのまま後幕にロックがかかり外れないようです。
結局シャッター周りの油切れあるいは汚れ等による動作不良です。
とりあえずロックを解除すると
シャッター速度も全く精度が出ていなくスローガバナは固着といった状況です。
いつものように動作部分の清掃注油を慎重に行います。
露出計もトラブルの多い箇所ですが
そこは若干の調整で良い程に動作していました。
しかしながらボディ側の接点は一部腐食でボロボロでした。
よく通電しているな。。。といった状況です。
もちろん接点の清掃・磨きで対応しています。

写真は一通りの整備が終わった時点でのものです。
非常にスムーズに動作するようになりSSの精度もしっかり出ています。
F2の同時期のライバルといえば
やはりキヤノンF-1ですが
F-1がスマートでスタイリッシュなカッコよさであれば
F2フォトミックはちょっと武骨だけど頑健で迫力のあるカッコ良さですね。
F2アイレベルももちろん良いですが
ファインダー内でSSや絞りが確認できるフォトミックはやはり使いやすいです。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日はバスの日だそうですよ。
首都圏在住になってからは
電車・地下鉄が速くて安いから
バスに乗ることは少ないですが
私の生まれ育った呉では
鉄道は呉線しかありませんから
中学・高校の頃は毎日のようにバスに乗っていました。
まだ床が板張りのバスが多くて
雨の日はやたら滑って転びそうになったことをよく覚えています。
そういえば私がまだ小さい頃は一部の路線で
まだボンネットバスが走っていたのですよ。
普段使うような路線ではなかったので
数えるほどしか乗ったことはありませんが
まだ観光用で走っているのかな。。。

さてさて

本日はミノルタXEのカメラ修理を行っています。
XEの修理、しばらくぶりですね。
ちょっと大柄で重いですが
軽やかな巻上で非常に使い心地の良いカメラです。
昔、BMW直6エンジンがそのスムーズさで
シルキーシックスと言われていましたが
(そのフィールに惚れ込んで何台か乗りました)
XEはシルキー巻上ですね。
そのシルキーな巻上を実現している要因は
ライツ・コパル・ミノルタの3社で開発した
コパルライツシャッター(CLS)です。
その後、発売されたライカR3のベースとなったカメラでもあります。
発売は1974年です。ミノルタXシリーズのカメラとしては
X-1に続いて2台目のモデルとなります。

XEは初期の電子シャッター機ということもあり
長らく未整備で放置されている個体には
何らかのトラブルを抱えているものが非常に多いです。
今回、お預かりしているXEも
シャッタースピード、オート共に不安定です。
加えて露出計は3段以上アンダーとなっており
巻き戻しクランク下の摺動抵抗の劣化が疑われます。

さらにXE。。。というかXシリーズ全般に見られる
プリズム腐食が発生しています。
プリズム前面に貼られたモルトが加水分解することが原因です。
実はSRTも同じ場所に緩衝材を貼っているのですが
Xシリーズとは違い腐食しない材質を使ってあります。
今更ですがXシリーズもモルトではなく
何故この素材を使ってくれなかったのかと思います。
XEのプリズムは子プリズムが接着された形状で
他のモデルからの代用は一切できません。
プリズムにキレイなXEはいまや絶滅危惧種です。

まだ現状チェックを行っただけで
整備はこれから取り掛かります。
外観は非常にコンディションの良い状態なので
中身をしっかりメンテナンスしてやれば
非常に気持ちよく使えると思います。

自慢のシルキー巻上も油切れで
少々、フィーリングが良くないので
そこもできる限り対応していきます。

付属の50mmレンズもカビが見受けられる上に
最小絞りが妙に大きい(1絞り半ほど)ので
今回はレンズの分解整備清掃を行います。

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ミノルタSRT102のカメラ修理

今日は「苗字の日」だそうですよ。
私の苗字は「迫田(さこだ)」です。
西日本では割とある苗字なのですが
どうやら関東ではあまり見かけない苗字らしく
こちらにきてからやたら「追田」と間違われます。
(こっちのほうがまず見かけない苗字かと。。。(笑))
メールでも間違われることが結構あります。
「さこだ」で変換すると出てくるはずなのですが。。。(汗)
ちなみに「迫田」が多い都道府県1位は鹿児島県で
2位は私の出身地の広島県。3位は大阪府だそうです。
「山間の小さな谷にある田んぼ」という意味らしいです。
すみません、個人的な話を長々と続けてしまいました。。。

さてさて

本日は「ミノルタSRT102」のカメラ修理を行っています。
「101」じゃないですよ。「102」なのです。
この頃のミノルタカメラは海外にも相当な台数を輸出していますが
そのときにネーミングを変えて輸出したものがいろいろ存在します。
中には国内モデルにない仕様だったりするものもあります。
今回の「ミノルタSRT102」、ネーミングからして
「SRT101の輸出モデルかな。。。」と思ったのですが
よく見ると「SRT101」ではなくて「SRTスーパー」のようです。
ペンタプリズム周りのデザインがまるっきり「SRTスーパー」で
絞り直読窓も付いており、スクリーンはスプリットです。

お預かりの「SRT102」は
ご依頼者様が最近入手されたもので
非常に外観の状態の良い精悍なブラックボディです。
シャッターは一応動作していますが
油切れの兆候が見受けられます。
露出計はアンダー気味で
今回、整備するにあたり1.5Vの電池使用で
適正な値になるように調整いたします。
加えてスクリーンに結構なキズがあるようなので
ご依頼者様と打ち合わせの上
状態の良い中古スクリーンと交換することになりました。

ちなみにこの頃のカメラ内蔵の露出計は
電圧調整回路等もなく
基本的に電池室からダイレクトに電圧がかかります。
そのためもともと水銀電池で1.3Vで調整されているものに
1.5VのLR44等をそのまま使用すると
1.5段ほどアンダー気味になってしまいます。
回路的には1.5Vで何も問題はないので
こういう整備の際には指定していただければ
1.5V仕様で調整いたします。

まだまだ途中ですが
これからさらに分解を進めて各部点検整備一式を行います。

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