月別アーカイブ: 2022年3月

ニューキヤノネットQL17のカメラ修理

今日は特にこれといった記念日がないですねぇ…
昨日は定休日だったので用事を済ませるついでに
中野通りや中板橋・石神井川のソメイヨシノを
見てきたのですがもうすっかり満開でした!
昨年に比べると少し遅れましたが
咲き始めるとあっという間に満開になり
そしてあっという間に散ってしまうのですよねぇ
この儚さも日本人がソメイヨシノに抱く
特別な思いの一因のような気もします。
昨日は雨こそ降らなかったものの
1日中薄暗いどんよりした曇天だったのが残念でしたが
それでも春らしさを楽しめました。
今日はまだ明るい曇りで時折陽射しも差すようなので
さくらを楽しむにはよさそうですね
明日の夕方から明後日にかけては雨模様の予報なので
散ってしまわなければ良いのですが…
もう花見でどんちゃん騒ぎをしたいとは思いませんし
あまり人出の多いところにも行きたくはありませんが
静かにゆっくりと眺めて楽しみたいですねぇ

さてさて

本日は「ニューキヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
従来のキヤノネットQL17の機能をそのままに
大幅にサイズをコンパクトにしたモデルです。
1969年に発売されたカメラです。
私と同い年ですねぇ(笑
F1.7の大口径レンズを搭載してこのコンパクトさは
相当がんばっていると思います。
ライバルはC35FDとなるのでしょうね
しかしながらニューキヤノネットは従来のキヤノネットと同じく
露出計こそオフになりますが
マニュアル露出も自由に使えるのですよね。
何でもこなせるといった意味ではリードしていますね!
普通に撮るときはSS優先オートで撮り
ちょっとオートでは難しい露出の場面や
あえて表現のために露出をコントロールしたいときには
マニュアルで撮る…なんてスタイルでいけるのは嬉しいですね

お預かりしているニューキヤノネットは
定番のシャッター羽根の粘りに加え
毎度これも書きますが小さなバネの力で制御する
絞り羽根の動きも粘っています。
さらにスローガバナにも粘りがあり動きが不安定です。
露出計は何とか動作していますが
電池室端子には緑青が見られるので
電池室裏の状況はかなり悪いと推測されます。
配線の交換等は必要になってくるかとと思われます。
そしてこちらもニューキヤノネットや同系のG-Ⅲでは
定番ですがレンズ前玉のコーティング劣化が見られます。
こればかりは清掃しても除去はできないので
コーティング劣化以外の部分をできる限り清掃していきます。
強い逆光だとやはりフレアは出やすくなるかと思われます。

機械的な部分は動作不良が多く見られるので
キチンと整備して良好な動きを取り戻し
レンズやファインダーは出きる限りの清掃を行い
露出計周りは接触不良や配線・ハンダ不良を
修理していきます。
きちんと整備を行なったニューキャネットは
現在でも非常に使い勝手の良い1台になると思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「三ツ矢サイダーの日」だそうですよ。
日付は「み(3)つ(2)や(8)」(三ツ矢)と読む語呂合わせからです。
子供の頃から慣れ親しんでいる炭酸飲料ですねぇ
いまだにちゃんと売られていることも嬉しいですねぇ
子供の頃、じいさんのビール1ケースと一緒に
三ツ矢サイダーの小瓶も1ケース毎月酒屋さんに届けてもらって
それを軽く洗って冷蔵庫に入れるのが楽しかったなぁ(笑
この頃の無色透明炭酸入り清涼飲料類といえば
三ツ矢サイダーとキリンレモンとスプライトですが
姿かたちは変われどもいまだに全部生き残っていますねぇ
個人的にはどれもあの頃の小瓶が
親しみがあって懐かしいのですが…
その中でも三ツ矢サイダーは今でも暑い時期になると
たまに一気飲みしたくなって500mlの缶を買ったりしますが
これが一気に飲めるのですよねぇ~喉痛くなりますが…
でも血糖値が爆上がりするので要注意です(苦笑)
だんだん話が逸れていきますが
小学生の頃に…
ニンジン、キャベツ、トマトを混ぜてできるジュースはなーんだ?って
なぞなぞがあって
答えは「三ツ矢サイダー!(三つ野菜だー)」なんてのがあったな…(笑

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
やはりOM-1の修理依頼は多いですね。
壊れやすいからとかそういうネガな理由ではなくて
それだけ使っている方が多く人気も高いことの証拠ですね。
先日も書きましたが
機械制御シャッターで軽量コンパクトで使用感がよく
メンテナンス性も良好…となると
正直なところOM-1くらいしか選択肢はないですものね。
確かにこれだけ小さく造るために独特な構造や
工夫が凝らしてあるために
登場から50年経過すると経年劣化もあり
さすがに華奢な部分も少々目立ちますが
それでもしっかり整備すれば問題なく使えるものが多いと思われます。

お預かりしているOM-1は製造番号や外装から判断して
最初期のものかと思われます。
M-1からOM-1に改名したばかりの頃のもので
中身はまんまM-1と同一かと思われます。
フィルム室には4本スタッド、圧板もそれに合わせて短いもの
接眼レンズ面は深さの浅いタイプです。
上カバーを開けてみてもいくつかの特徴があって
プリズム留めは4本バネ、巻上レバーも初期モデルのみの形状です。
露出計回路も若干異なります。
機能的には中期と全く変わりはしないのですが…
ただこの初期モデルは分解整備時には注意が必要で
当時の材質と経年劣化の問題かと思われますが
プリズムや露出計用基板、メーター、接眼部の樹脂製ベースが
ボロボロに脆くなっていてネジを緩めるだけでも
グズっと崩れてしまうことがあるのです。
軽量コンパクトに造るためにここがは樹脂製なのでしょうが
さすがにこの頃の樹脂は50年経つとかなり脆いです。
崩れてしまうと基本的に修復不可なので
細心の注意を払って取り扱っていきます。

抱えているトラブルは定番のプリズム腐食に
高速シャッターの精度不良、露出計の不良です。
上の画像でも少し見えていますが
グズグズになったモルトがプリズムを侵食しています。
露出計のトラブルは今回は電池室絡みではなく
基板上のハンダ付けの劣化で動きが非常に不安定になっていたようです。

これから各部の整備と合わせて
慎重に修理・整備を行っていきます。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
日付は「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
都内でもあちこちでソメイヨシノが咲き始めていて
一昨日の夜、見た感じでは
中野通りも中板橋・石神井川も
6~7分咲きといった様子でした。
今日あたりで一気に各地で満開となりそうですね!
しかしながら、ソメイヨシノって
4月の初めに満開になるイメージだったのですが
ここのところ3月中でほぼ満開になりますね。
今年なんて昨年より開花は遅いのに…
そっか…私が生まれ育った広島よりも
都内の方が開花が早いのか…それも不思議ですね…
温暖化の影響もあるのかもしれませんね。
これも時代に流れと言えるのでしょうか…
何にしてもソメイヨシノは日本人にとって
ちょっと特別な花ですよね!お花見行きたいなぁ…(笑

さてさて

今日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称がつけられ大ヒットしたカメラです。
それまでのコニカEEマチックの機能を
ハーフサイズカメラ並みのボディにまとめ上げた画期的モデルです。
このC35の登場と大ヒットにより
各社のレンズ固定型カメラのを小型化が一気に進み
対抗馬…というかC35フォロワーともいえるカメラが
次々と誕生しました。
F2.8クラスのレンズにオート露出、
ボディサイズはハーフカメラ並みといったカメラですね。
C35はそれでもしっかり距離計連動なのも立派ですね。
露出制御はしわゆる露出計指針挟み込み式です。
シャッターユニットがシャッター羽根と絞り羽根を共用する
プログラムシャッターなので必然的にプログラムオートとなります。
露出の過不足によるシャッターロックの類は一切なく
露出過多でもF14・1/650で切れますし
逆に真っ暗闇でも…いや電池が入ってなくて露出計が動いていなくても
1/30・F2.8で切れます。
ある程度、露出の知識がある方ならこれを逆手にとって
条件の悪いところでも強引にシャッターを切って
とりあえずは写す…という使い方もできますが
反対に露出計が振り切っていたり
電池がなくても切れてしまうので
知識のない方だと失敗写真を量産してしまう可能性もあります。
このあたりはシャッターを切る前にしっかりファインダー内で
値を確認するクセが付いていないと思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。
個人的には余計なシャッターロックはないほうが好みですが…

お預かりしているC35は一通り動作はしているようです。
ご依頼者様曰く
「露出計が妙にオーバー気味でいつも感度補正して撮っている」のだそうです。
測定器でよく使うであろうLV15やLV12の定常光をあててみると
確かに露出計指針は+1.5~+2段といった様子です。
そのままシャッターを切ってみると
やはり実際にフィルムに当たる露出量も+1.5~+2段です。
現在のネガであれば写るには写りますが
さすがに少々ハイキ―な仕上がりになるかもしれません。
今どきっぽいといえばそうでもあるのですが…(苦笑)
まぁ、そういうのは狙って補正して行うもので
デフォルト値はやはり正しくないといろいろなシチュエーションで困りますね。
シャッター羽根の動きが若干不安定な部分もあるので
合わせて一通りの整備調整を行います。

このC35以前のコニカレンズシャッター機同様に
整備性は非常に良いカメラです。
小さくまとめてあるのですが
どこにも無理な造りがないのはさすがという感じです。
ただ定番のシャッター羽根駆動部を筆頭に
動きの悪くなりやすいポイントがいくつかあるので
そのあたりを重点的に整備を行っていいます。
もちろんレンズやファインダーもできる限りの清掃を行います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
この記念日、前置きを書くと
長い上にややこしいので割愛しますが
要は1878年のこの日に「日本で初めて電灯が灯された日」と
いうことになっています。
グローブ電池50個を用いて
講堂の天井に設置されたこれまた50個のアーク灯を点灯したそうです。
(白熱電球がエジソンによって実用的に改良されたのはこの翌年です)
点灯の瞬間には目もくらむような青白い光がほとばしり
講堂をくまなく照らし出し
その場にいた来賓たちは
「不夜城に遊ぶ思い」と驚嘆の声を上げたといわれています。
現代こそ当たり前のようにいたるところで
昼間であろうが灯りがともります。
こうしてこのブログを書いている当店の天井にも
煌々と明かりが灯っていますし
作業机にもLEDスタンドが手元を明るく照らしています。
数日前に電力逼迫の心配がされましたが
電気って今の私たちの生活に欠かせない要素で
もっと電気が当たり前に供給されることに
感謝しなければいけませんね
とはいえ…電気代が上がるものも困るのですが…(苦笑)
電気だけではなくいろいろなインフラの整備に支えられて
今日もこうして普通に生活ができることに感謝です。
あ、昨日から当店の前で水道工事が始まっていて
道路は車両通行止めですが(歩行者は通行可)
当店は通常営業しています。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のニコン初のエントリークラスのカメラです。
そのコンパクトさと小粋なデザインに加え
絞り優先オート専用のシンプルな使い勝手の良さで
現在でも非常に人気のあるカメラです。
しかしながら前回のEMのブログでも書きましたが
発売当時にはそれまでの「高級機」主体のニコンのイメージにそぐわず
国内市場では販売的にかなり苦戦したそうです。
それに反して先行発売された海外では
かなり好評で好調なセールスを記録したのだそうです。
日本国内でEM人気に火が付いたのは
皮肉なことに生産が終了した後の話になってしまいました…
…とはいえ販売ボリュームのあるエントリー機なので
現存している台数はそれなりに豊富です。

お預かりしている「EM]は
写真の一部に黒い影が出てしまうということです。
整備に取り掛かる前に測定器で現状をチェックしたところ
どうやら高速シャッター時に
シャッターが開き切らないことがあるようです。
電子制御シャッター機ですが
今回はシャッター制御の問題ではなくて
シャッター羽根の動きが悪く
うまく高速で作動できないようです。
メカニカル制御のM90で測定しても
シャッターは開くものの妙に先幕・後幕の
バランスが崩れてしまっています。
シャッター羽根基部に汚れやモルト屑が
入り込んでしまっていることが原因かと思われます。

エントリー機とは言え80年代の電子制御機です。
ニコン機なのでそれなりに整備性に配慮されてはいますが
分解整備の難易度は比較的高いほうです。
これも毎度言いますが作業中の静電気には
細心の注意が必要です。
一つ間違えれば電子回路が全てパーとなってしまいます。
画像は上カバーを外しただけの状態ですが
まずはシャッターユニットの整備ができるところまで
分解を進めていきます。
カメラ本体はもちろんですが
装着されていたAiニッコール50mmF1.4sも絞り羽根に油滲みがあり
絞り羽根の動作に粘りがありますので
ボディ側整備後にそちらの清掃整備も行います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ホスピタリティ・デー」だそうですよ。
ホスピタリティ…もてなしとか思いやりですね
「もてなし」の方から言うと
サラリーマン時代に営業職だったので
ホスピタリティって言葉自体はイヤと言うほど
聞かされましたねぇ(苦笑)
売りたい側のエゴが強すぎる
うわべばかりのホスピタリティが多かったですが…
「思いやり」の方は
人間という動物が「ひと」であるために不可欠な要素ですよね
ただこれも自分自身にある程度は余裕がないと
なかなか自然には出てきにくくなってしまうのですよね
だからまずは精神的にも経済的にも
自分自身に余裕が出るように日々を過ごさなくては…
えっと…というわけで
まずは目の前にある仕事を一生懸命やるかな!(笑

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
最近はSP系の依頼が多くなってきましたが
それでもやはりコンスタントに
整備依頼の多いのはOM-1です。
軽量コンパクトな機械制御シャッター機と言うポジションでは
まさに王座に君臨して続けているカメラでもありますね。
70年代半ば以降、一眼レフにも電子化の波が押し寄せて
機械制御シャッター機はその数を極端に減らしていき
ライバルも少なくなってしまいました。
もう少し付け加えるならば
露出計も何かトラブルと修理の難しいLED式ではなく
昔ながらの指針式という部分も考えると
これほどシンプルで小さい一眼レフは他にはありません。
それでも正直なところ
新品部品の手に入らない現在では
修理不可能になる場合もあるのですが
比較的、何かあっても何とかなる可能性の高いカメラであることは
間違いないかと思います。

お預かりしているOM-1は中期のMD対応モデルです。
現存するOM-1で最も数の多いものだと思います。
しかしながら今回の個体も
これまで整備らしい整備はされたことがないと見られます。
まずは定番のプリズム腐食です。
上カバーを開けてみると
加水分解でベタベタになったモルトがプリズムに
べったり付着しています。
こうなるとプリズム内部まで間違いなく剥離してしまいます。
これはもうプリズム交換で対応するしかありません。
そしてこれまた定番の露出計トラブルです。
それも原因はこの生産時期のOM-1に非常に多い
電池室マイナス側端子留めの樹脂ネジ破損です。
OM-1の電池室マイナス側端子は絶縁の為、
金属ネジに絶縁ワッシャが使われているパターンと
ネジ自体が樹脂製の場合があるのですが
樹脂製ネジの場合はまず間違いなく経年劣化で折れてしまいます。
そしてこの樹脂ネジのサイズが少々特殊なサイズで
金属ネジ+樹脂ワッシャで代用ができません。
同じサイズの樹脂ネジを新たに切り出して
交換するのが無難な方法かと思います。
樹脂製なので加工はダイスさえあれば簡単です。
ただし今回の露出計不動の原因は樹脂ネジ破損のみならず
過去に水銀電池を長期に入れたままの時期があったらしく
端子自体は比較的キレイなのですが
配線が完全に腐食してしまっていて
遠く離れたボディ上部SW端子にまで腐食が広がっています。
これでは樹脂ネジを立てただけでは露出計は復活しません。
緑青の発生したハンダは磨いてハンダ付けをやり直し
配線は丸ごと交換を行います。

こうして内部の構造を見ると小さく造るために
あらゆる部分に工夫が見られる事が良くわかります。
通常の一般的な横走りシャッター機とは
いろいろと異なる部分も多いです。
それが故に多少、堅牢性が犠牲になっている部分もありますが
それはある程度、仕方がないことでしょうね
それでも普通に現行モデルの頃には
全く問題ないレベルでしかなく
あくまで50年近く経過した場合で見ると…という前提ですし…

それで樹脂部の非常に脆い最初期の場合は
いろいろ厄介な点も多いですが
中期以降のOM-1は致命的な破損がない限り
しっかり整備すれば
実用にはまだまだ全く問題ありません。
今回も非常に快適に使える状態に仕上がりそうです。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「ホットサンドを楽しむ日」なのだそうです。
もともと3月13日が1が3で挟まれている
(サンド1=サンドイッチ)ということで
「サンドイッチデー」とされており
それにサンドイッチを焼く音「ジュウ(10)」を足して
3月23日を「ホットサンドを楽しむ日」となっているようです。
よく考え付きますね(笑)
理由はともあれ普通のサンドイッチでさえとっても美味しいのに
それをt\焼いた「ホットサンド」が美味しくないわけがないですよねぇ
焼くことで加わった香ばしさもいいですし
やはり温かい食べ物はそれだけで美味しさアップです。
さらに普通のサンドイッチよりホットサンド向けの
加熱して調理するご在もいろいろ考えられていて
どれも美味しそうですよねぇ
市販のホットサンドメーカーさえあれば
それ用の簡単にできる具材も売っているし
簡単に自宅でもできるのですよねぇ…
イメージすればするほど美味しそうですね。
とりあえずホッツァンドメーカー買おうかな…(笑

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にミノルタXシリーズの第一号機となる最高級機「Xー1」が
発売されそれに続く中級機といった位置づけですが
X-1とは全く違った性格を持つカメラであり
単なる普及機ではありません。
ライツ・コパル・ミノルタの3社で共同開発した
「ライツコパルシャッター」を搭載し
その構造上、巻上を非常に滑らかにすることが可能となり
他のカメラでは味わえない使い心地の良さを実現しています。
個人的には巻上に関しては 縦走りではこのXEが最高で
横走りならニコンF3だと思っています。
アキュートマット登場以前の機種なので
ファインダーの明るさはそこそこですが
ピントの山の掴みやすいスクリーンを搭載し
シャッター音も歯切れよい上に上品な音質です。
カタログスペック上ではそれほど目新しいものはなかったのですが
この時代にはめずらしくスペックに表れる部分より
「使い心地」をアピールしたモデルです。
初期の電子制御機なのでンボディは大柄で重いですし
正直言ってトラブルもそれなりに多いカメラです。
それでも使っているとその気持ちよさが何とも魅力的な1台です。

XEのトラブルはもはやどうにもできない持病である
プリズム腐食に始まり、シャッターや露出計等々
いろいろ弱点も多いのですが
今回お預かりのXEはその中でも代表的な
「電子制御シャッターで全てミラーアップ」となるという症状を抱えています。
機械制御の「X」や「B」では普通に動作しています。
シャッター自体は一応動作しますが
一定速でしかも全く開いてはいません。
要は電地が入っていないときと同じ状態です。
でも電源が入っていないわけではなく
BCは点灯しますし、露出計も動作しています。
これの原因は何通りかあるのですが
割合は少ないですが電子基板内部が問題の場合もあり
修理不能な場合もたまにあります。
他の原因は接点の接触不良だったり
ハンダ付けの劣化にしよる接触不良等が考えられます。

ミラーアップの原因をこれから探っていくわけですが
その前にプリズムを降ろしておきます。
(あとでファインダー清掃もありますし…)
ここがある意味、最大の難関です。
プリズム腐食が定番であることは先程もチラリと書きましたが
プリズム前面に貼られているモルトはまず間違いなく
加水分解でボロボロで
プリズムを降ろす際にプリズムの蒸着も
一気に剥がれてしまうことがあるのです。
このXEはファインダーで見る限りはプリズム腐食はなかったのですが
たまたま蒸着がかろうじて剥がれていないだけ…という可能性もあり
降ろすときには細心の注意を払います。
結果から言うとやはりモルトはボロボロで
プリズムの塗装面もかなり侵食しており
このままあと数年放置していれば
プリズムの蒸着も剥がれていたと思われます。
今回はかろうじてセーフです…
これ以上侵食が進まないように処置も行っておきます

肝心のシャッタートラブルはミラー周りの接点の
接触不良が原因だったようです。
こちらも基板内には問題はないようで何とか修理できそうです。
XEは実際に分解してみないとわからない部分も多くあり
なかなか修理・整備に苦労するカメラです。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「春分の日」で祝日ですね。
太陽が真東から昇って真西に沈み
昼と夜の長さがほぼ同じになる日とされています。
また、この日を境に昼の時間が長くなり
夜の時間が短くなります。
ただ、実際には「春分」では平均すると昼の方が14分ほど長いのだそうです。
二十四節気のひとつでもありますね。
加えて「春分」を中日とする前後7日間は「春の彼岸(ひがん)」であり
農事始めをする時期にあたります。
また、この日の前後に家族でご先祖様のお墓参りに行く習慣や
野遊びや山登りを行う地方も多いですね。
子供の頃は彼岸は必ずお墓参りでしたが
大人になってからはなかなかそうも言ってられないですねぇ
いまや墓所からはずいぶん離れてしまいましたし…
でもこの時期に墓参りで山に登ると
(うちの墓所は登山道の脇にある)
山には春の香りが立ち込めていて
何とも気持ち良いのですよねぇ…
たまにはこの時期や秋の彼岸に墓参り行ってみるかな…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
何だか今年に入ってから定番のOM-1より
SPのほうが修理依頼が多いのではないかと思うほど
コンスタントに依頼がありますね。
M42マウント搭載で使用できるレンズの多さは一眼レフとしては
圧倒的なため現在でも非常に人気が高いカメラです。
現行モデルだった1960年代半ばでは
現在よりもさらに圧倒的人気で大ヒット商品であり
フォトコンテストの入選作品のほとんどが
SPで撮られた写真だった…ということもよくあったようです。
世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵型カメラでもあります。
開発時にはスポット測光の搭載やバヨネットマウントも
検討されたそうですが
この発売時期であればM42マウント+絞込み測光で正解だったようですね。
この組み合わせでないとこれほどまでのヒットになっていないと思われます。
開放測光に慣れているとちょっと煩わしい部分がありますが
本来、絞り伝達機構を一切持たないねじ込みマウントでは
いたしかたなく、逆にこのシンプルなユニバーサルマウントだからこそ
楽しめるレンズもたくさん存在します。

基本的にはシンプルなカメラですが
製造されて60年近く経過するカメラです。
当然その状態の個体差はかなり激しく
使いっぱなしで未整備の個体はそれなりに
トラブルを抱えているものがほとんどです。
お預かりしているSPはシャッターチャージ状態ではあるものの
レリーズできない状態になってしまっています。
調べてみるとシャッターはチャージされているのに
ミラーチャージができていない状態です。
こうなるとレリーズしてもまずはミラーが動かないことには
シャッターは動作できませんから
後にも先にも行けない状態になってしまいます。
本来は巻上レバーで巻き上げることによって
フィルム巻き上げ・シャッターチャージ・ミラーチャージを
同時に行うわけですが
ミラー駆動部の動作不良でミラーチャージができなかったものと思われます。
分解して確認してみるとチャージ時の動作が確かに粘っていました。
この個体自体はおそらく以前にも整備はされているものと思われ
巻上フィールとかは良い感じです。
しかしそれも随分以前のことと思われ
シャッター精度にも狂いが出ていて幕軸の動きもいま一つです。
露出計の精度も1.5段以上狂っています。
やはり全体的に整備が必要な状態です。

この時代のカメラですからそれほどコンパクトでもありませんが
無駄に大きなわけでもなく上手くまとまられています。
それでいて整備性も悪くありません。
分解して整備することを前提に考えられている設計です。
絞込測光のためTTL露出計といえどもマウント周りは非常にシンプルです。
これが開放測光対応のSPFになると
かなりややこしくなってきます。
これから本格的にシャッター、ミラー駆動部、巻上機構の
整備に取り掛かっていきます。

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アイレスフレックスのカメラ修理

今日は「LPレコードの日」だそうですよ。
「LP=Long Play」ですね!
毎分約33回転(33 1/3rpm)、標準は直径12インチ(30cm)で
収録時間は片面最長で約30分。直径10インチ(25cm)のものもあります。
それまでの材質がシェラック(樹脂)のSP盤(Standard Play)に対し
素材がポリ塩化ビニールとなったことで
丈夫で薄く軽くなり高密度で長時間の録音が可能になりました。
最近はまたレコードブームでちょっと言い方を変えて
「ヴァイナル」なんて呼びますね。
これも要はビニールってことでポリ塩化ビニール素材の
レコードのことを指すのですが…
さすがに私はSPレコードの世代ではなくて
モノ心ついた頃に普通にLPがあって
シングル盤は7インチ45回転のEP(Extend Playing)盤ですね。
中心の穴が大きいものは「ドーナツ盤」と呼ばれます。
私は買い始めた頃はLP2,800円、EP700円って感じでした。
子供の頃から少しずつ集めたレコードは私のところではいまだに現役で
結構頻繁に聴いています。
クリーナを盤面に吹きかけ拭き取り
針を掃除してレコードをセットし針を落とす…この一連の流れがいいですよねぇ
ある意味、フィルムカメラに通ずるものがありますね。

さてさて

本日は「アイレスフレックス」のカメラ修理を行っています。
〇〇フレックスとくれば大抵の場合、二眼レフです。
アイレス写真機製作所は東京にあったカメラメーカーで
前身は1949年に設立されたヤルー光学です。
アイレスになってから二眼レフブームも追い風となり
アイレスフレックスシリーズで成功し
その後、35mm判レンズシャッター機の
アイレス35シリーズを展開し
さらに一眼レフの開発・発売も行いましたが
残念ながら1960年に倒産してしまいました。

アイレスフレックスもたくさんの種類があるのですが
この時代の二眼レフにありがちな話で
銘板は基本的にどれも「AIRESFLEX」としか表記がありません
(一部輸出用に「AIRES REFLEX」も存在)
でも今回お預かりしているアイレスフレックスは
まだわかりやすいほうで
シャッターユニットに当時の最高級シャッター
「セイコーシャラピッド」が搭載されていることから
「アイレスフレックスZ」かと思われます。
「Z」には搭載レンズが3種類存在し
「日本光学・ニッコールレンズ」、「オリンパス・ズイコーレンズ」
そしてアイレス傘下の「昭和光機・コーラルレンズ」の場合があり
今回お預かりしている個体はコーラル75mmF3.5レンズを搭載します。
1953年発売のカメラです。

おそらくかなり長い間仕舞い込まれていた個体かと思われます。
まずシャッターはチャージレバーは動き
チャージは完了するもののレリーズしても
うんともすんともシャッター羽根は動きません。
さらにシャッタースピード設定レバーも
絞り設定レバーも強烈に固着していて
全くビクとも動きません。
シャッターが開かないのは定番のシャッター羽根の固着かと思われます。
設定レバーが動かないのはレバー動作部自体が固着しているようです。
それに加えてSSが1/500でチャージ状態のため
(セイコーシャシャッターの1/500は別バネ使用で
一旦設定してチャージすると非常に重くなります
さらにチャージしてから1/500に入れることも
重すぎてほぼ不可能です。負荷がかかるので
チャージ状態から無理に動作させることはお勧めしません)
なおのこと動かないものと思われます。
ファインダーミラーはこちらも定番で
劣化してクモリが酷い状態です。
スクリーンもかなり汚れています。
テイクレンズ・ビューレンズそれぞれにも
やはりカビがかなり発生しています。
きちんと全体を整備しないととても使える状態ではありません。

レバー類の固着はやはりレバーそのもの固着でした。
画像の状態にして直接絞り羽根動作部分を動かすと
粘りでスムーズではないもののとりあえずは動きます。
SSの方はまずシャッター羽根の固着を解消しないと
無理には動かせない状態です。
いろいろとトラブルは抱えてはいますが
致命的な部品の破損とかはなく
経年で動作不良をあちこちで起こしている状態です。
つまりは動きやすい状態にさえしてやれば
問題なく使用できる状態になると思われます。
レンズはカビこそあったものの
変質によるクモリとかはなく
元々ある細かい傷とかは残りますが
撮影に問題ないレベルのクリアさに清掃できました。

整備後の動きは快調で
クリアなf大ンダーでのピント合わせも快適です。
ご依頼者様はまだこのカメラのまともな状態を
体験されていないと思われますので
是非、本来の姿で撮影を楽しんでいただきたいと思います。

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リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
1839年のこの日にフランスの画家・写真家の
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが写真機を発明しました。
この写真機は発明者の名前をとって
「ダゲレオタイプ(daguerréotype)」と呼ばれ
長時間露光させるため写真機の前で
長い間じっとしていなければならなかったが
大変な人気を集めました。
ダゲレオタイプは銀メッキをした銅板などを
感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれます。
この頃は日中屋外でも10分~20分の露光時間が必要だったそうです。
初期の写真機はその手間や準備、事後の処理も大変ですが
これが最初の一歩だったわけですね
感光材料はその後、写真湿板、写真乾板、そしてついにフィルムへと進化し
写真機もそれに対応して進化していくわけですね。
それから考えたら現在のデジタルカメラなんて
正に夢のようなアイテムなのですよね!
この200年弱の間にこれだけ進化したと思うと
少しばかり感慨深いですね!
そんなことにも思いを馳せながら
今日もカメラに触れていきたいと思います。

さてさて

本日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
簡単にいうとここでもよく登場する
リコーオートハーフのフルサイズ版とも言えるカメラです。
最初はオートハーフと同様にセレン光電池を使用した
「オートショット」が1964年に発売され
その後の1968年に露出計受光素子をCdSとした
「ハイカラー35」が登場します。
基本的な構造はこの時代に多い指針挟み込み式の
SS優先オートですが
SSはオート時に1/125固定の為
実質的にはシャッタスピード固定のプログラムオートとも言えます。
フラッシュモード時にはSSは1/30に固定となり
絞りは任意で設定が行えます。
ピントは目測ゾーンフォーカスで
レンズは3群4枚のリケノン35mmF2.8を搭載します。
そして何といってもオートハーフ同様にゼンマイ式の自動巻上です。
ただし、このゼンマイ巻上機構、基本的にオートハーフのものと共通で
オートハーフではゼンマイをめいっぱい巻いておくと
20数枚自動巻上が行えますが
35mm判でフィルム送りが倍となるハイカラーでは
10枚ちょっとでゼンマイを再度巻く必要があります。
致し方ない部分でもありますがちょっと手間が多いような気もします。
それでもこの自動巻上げは十分に楽しいのですが…

お預かりしている「ハイカラー35」は
露出計が全く動いていないようです。
露出計周りの接触不良が原因かと思われます。
加えて目測ピントリングが固着していて全く動きません。
シャッターユニットも含めて
やはり全体的に整備の必要な状態です。

オートハーフとはまた違った感じで独特のフォルムです。
今回のハイカラーはレリーズボタンが前面にある
初期モデルです。中期以降のモデルは上カバー部に
レリーズボタンが移設されます。
結果的に露出計は問題なく動作してオート精度も問題なくなったのですが
露出計が動作するようになってもCdSの劣化のため
どうにも精度が確保できなかったので
今回はCdSを中古良品に交換して対処しています。
他、レンズやファインダーは清掃で問題なくクリアになり
シャッタユニットの整備で
シャッターも非常にスムーズに動作しています。
もちろん巻上部の整備も行い快適にゼンマイ自動巻上も行えています。
オートハーフとはまた違う感じで
このハイカラーも使っていて楽しいカメラです。
快調になったハイカラーで
ご依頼者様にも存分に楽しんでいただければと思います。

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は「春の睡眠の日」なのだそうですよ
世界睡眠医学協会が定めた
3月の「世界睡眠の日」(World Sleep Day)に合わせて
3月18日を「春の睡眠の日」に
「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから9月3日を
「秋の睡眠の日」と制定されているそうです。
わかりにくいのですが3月第3金曜日は
「世界睡眠デー」でもあるのですね。
私もついつい早く寝ればいいのに夜更かし気味で
昼間に眠気を感じていることが多いですが
本当に睡眠は大事ですね。
しっかり睡眠がとれているときはまず集中力に
雲泥の差があります。
多少の睡眠不足でも気合である程度集中できますが
その持続力が全く異なりますねぇ
睡眠7時間確保できるように努力はしているのですが
これが意外と難しいのです。
仕事もプライベートもそれなりに毎日やることはたくさんありますし…
でものび太の名言ではないですが
暖かい布団でぐっすり寝るのは本当に最高ですね。
今日こそは早めに眠るようにします…(苦笑

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
1950年代の「二眼レフブーム」の中心となったカメラです。
トレードマークでもあるギアで行うピント調整になったのは
1950年発売の「リコーフレックスⅢ」からで
それ以降は基本的な構造やレンズには変更はなく
細かい使い勝手の部分やシャッターユニットの変更等が行われて
1958年発売のリコーフレックスニューミリオンまでこの形で続きます。
全盛期には国内生産のカメラの半分以上はリコーフレックスと
言われるほどの大ヒット商品となりました。
お求めやすい価格を実現するために機能は最小限にとどまっていて
フィルム装填も最もシンプルな赤窓式
3枚玉のレンズ、フィルム装填時に中枠を外す構造等々
リコフレならではの特徴も多いカメラです。
現在となってはそのシンプルさとプレスボディで
ダイキャストの他の二眼レフに比べても
軽量でコンパクトなことも
魅力になり非常に人気の高いカメラでもあります。
「Ⅶ」は1954年の発売で
前モデルのⅥのファインダーフードに
アイレベルのコンツールファインダーを組み込んだモデルです。
これまた生産台数の非常に多い人気モデルで
現在でも数多く見かけることができるカメラです。

お預かりしている「Ⅶ」は固着まではいかないものの
やはりピントギアの回転委ムラがあり
古いグリスが固まってしまている部分があるようです。
シャッターにも若干の粘りがあり
レンズにはカビが見受けられ
二眼レフ定番トラブルのファインダーミラーはやはり劣化で曇っており
交換が必須の状況です。
以前に整備歴のある個体だとは思われますが
それも随分以前のことと思われます。

画像は一通りの整備を終えて再組立てした段階でのものです。
各部ともに非常にスムーズに動作する状態になっています。
他の多くのカメラが2万円以上していた時代に
本格的なカメラとしては破格の6,800円で発売されたのが
リコーフレックスシリーズで当然ながら爆発的に売れました。
お求めやすい価格を実現できたのはシンプルな機能もそうですが
ベルトコンベアーを導入するなど生産を合理化して
実現できた価格でありその造りそのものには
安っぽさは微塵も感じられません。
こういう部分がまたこのカメラの魅力化と思います。
レンズ周りのメッキの美しさや
整備されたピントギアの滑らかな感触を確かめるだけでも
何とも嬉しくなってくるようなカメラです。

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