月別アーカイブ: 2019年8月

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は8月31日ということで
野菜(8・31)の日だそうです。
食べなきゃいけないと思っていても
ついつい食べずに過ごしていることが多いですねぇ。。。
自炊することもたまにはありますが
大抵、コンビニやお弁当屋さんで
食事を済ませてしまいがちで
気がついたときには野菜サラダを追加で買うようにしているのですが
絶対的に不足しているでしょうねぇ。。。
野菜(草?)は牛が食べているのだから
牛を食べていれば十分食べたことになればいいのに。。。(笑)
ちなみにカレンダー上で8/31の真上にくる
8月24日は「ドレッシングの日」なのだそうです。

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もOM-1の修理はコンスタントに入っていますね。
この数台後にも確か2台続けて入っていたような気が。。。
相変わらずの人気を誇るオリンパスを代表する一眼レフです。
オリンパスの一眼レフはOMより先に
ペンFが1963年に発売され
1971年(国内は72年)に35mm判一眼レフの「FTL」が発売され
OM-1の発売は1972年です。
他の大手メーカーに比べると35mm判一眼レフへの参入は
少し遅いほうだったのですね。
当時の他メーカーの一眼レフといえば
ニコンF2やニコマート、キヤノンF-1やFTb
ミノルタSRTスーパー、ペンタックスSPF。。。等々なので
やはりOM-1の軽さや小ささ、静かさは
群を抜いていると思います。
今も昔も大人気なのは当然と言ったところでしょうか。。。

お預かりしているOM-1はいわゆるMDモデルです。
ご依頼者様がフリーマーケットで入手したものだそうです。
外観のキレイなブラックモデルで
おいくらだったかまではお聞きしていませんが
フリーマーケットであればおそらくかなりお買い得だったものと思われます。
シャッターは一応、動作していますが
さすがに先幕と後幕のバランスは崩れていて
1/1000でシャッターを切ると
走り始めは1/1500、走り終わりは1/3000くらいの露出になってしまいます。
先幕の動きが悪く、走行中にスリットがどんどん細くなってしまうのですね。
1/125くらいの設定になると気にならない差になってきますが
スリットが細い高速シャッターになると
ちょっとこのままではよろしくないと思います。
加えて露出計は全く動きません。
生産時期的に電池室端子留めに
樹脂ネジが使われている個体だと思われますが
折れてしまっているようで端子がグラグラです。
これが原因で導通しないものと思われます。
他、定番のプリズム腐食は交換で対応し
ミラー先端も劣化したモルトの影響で
ミラー蒸着が剥がれてしまっているため交換で対応します。

おそらく長い間使われていなかった個体でしょうから
整備は当然必要ですが
元々は丁寧に扱われていた個体だと思われます。
一旦整備してしまえば当分快適に使えるようになりそうです。
ご依頼者様が新しいご主人となるわけですが
存分に実力を発揮してくれることと思います。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ニコンフォトミックFTNのカメラ修理

今日は「ハッピーサンシャインデー」だそうですが
天気は朝からシトシト雨模様ですね(笑)
ただ、ここでいう「ハッピーサンシャイン」は
「太陽のような明るい笑顔の人」ということなので
天気は関係ないのかな。。。
年齢を重ねてくるといつのまにか少しずつ偏屈になってきているようで
なかなか「太陽のような明るい笑顔」とはいきませんが(苦笑)
笑顔はやはり大切ですよね。
今日もがんばって明るく仕事します!

さてさて

本日は「ニコンフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンFはファインダー交換式で
装着されているファインダーによってモデル名が変わったりします。
フォトミックファインダーはいわゆる「露出計内蔵のファインダー」です。
今回の「フォトミックFTN」はレンズ交換時に
絞りリングを一往復させることでレンズの開放F値がボディ側に伝わる
「開放F値補正機構」(いわゆるガチャガチャ)が追加されたファインダーです。
ボディ側はいわゆる通常の「ニコンF」です。
ただし、これも少しややこしいのが
「フォトミックFTNファインダー」はどの「ニコンFボディ」にも
そのまま装着できるわけではなく
銘板の幅が広い初期~中期のボディには
銘板を交換しないと装着できません。
フォトミックFTNファインダーが装着時に銘板を挟み込む方式になっているためです。

今回の「フォトミックFTN」は
同じご依頼者様から2台お預かりしています。
1台はご依頼者様本人が昔から使われているもので
もう1台はご依頼者様のご兄弟が使われていたものだそうです。
兄弟でニコンF使いとはすごいですね。

製造番号から調べてみると右の個体は1971年製で
左は1973年製ではないかと思われます。
1973年製のほうはいわゆる「ニューF」と呼ばれるもので
巻上レバーやセルフタイマーレバーや外観上も異なりますが
内部の部品も変更されています。
1973年製ということはおそらくFとしては
最後の年に作られたものだと思われます。

どちらも随分長い間使われていないようで
一応動作するのはさすが「F」といったところですが
各所に油切れの兆候が出ており
高速シャッターでは先幕・後幕のバランスが崩れていて
精度が全く出ていません。
同じように両方ともスローガバナは固着気味で
1秒だと完全にシャッターが開いたままになってしまいます。
心配されるのは露出計ですが
どちらも電池を入れると作動するものの
動きが非常に不安定で値があっているかどうかも判別しづらい状態です。
正直に言って露出計は内部の摺導抵抗の劣化具合によっては
修理不可能の可能性も高いです。
まだ分解前なので何とも言えませんが
できる限りのことを行ってみようと思います。

整備完成後はご依頼者様のご子息様が
使用されるのだそうです。
こういうカメラが受け継がれていくのは
やはり嬉しいですね。
快適に使っていただけるようしっかり整備していきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

毎月29日は「肉の日」ですが
今日は8月29日ということで「焼き肉の日」です!
あぁ、焼き肉。。。いつ食べても美味しいですよねぇ~
ロース、ハラミ、ミノ、ホルモン。。。
たまに焼肉屋さんに行くとこのあたりを延々ループして食べています。
もちろん生ビールも!
本当は並行して白米もたっぷり食べたいのですが
それはさすがに最近はガマンです。。。
そういえば脂の乗りすぎているカルビは
あまり美味しく感じなくなりあまり食べなくなりました(笑)
でも脂の塊でもあるホルモン系は好んで食べるのですよねぇ~
やはりがっつり肉を食べなくちゃパワー出ないですものね。
。。。というわけでまた近日中に焼き肉食べに行ってきます!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖軽量コンパクトな一眼レフといえば
やはりOM-1ですね。
現在でも非常に人気が高く
当店でもここのところ修理依頼が一番多いのはOM-1だと思われます。
小さいのはもちろん魅力ですが
巻上の感触や上品なシャッター音とか
使い心地も非常に良いのですよねぇ。。。
この静かさや小ささを実現するために色々な工夫がされているカメラで
同じ時代の他の一眼レフに比べても
内部構造は随分独創的なものになっています。
さすがに一回り以上大きく重い他メーカーのフラッグシップ機に比べると
少々華奢。。。というか繊細な部分も多く
いったんトラブルとなかなか修理の手間がかかるカメラでもあります。

お預かりしているOM-1はいわゆるMDモデルと呼ばれていたもので
底板が変更されモータードライブが装着可能となっているモデルです。
基本的な構造は初期のOM-1と同様ですが
細かい部分は結構部品の変更とかも行われています。
ご依頼者様のご自宅で長い間、眠っていたものだそうです。
ご依頼者様は普段はペンFTを使われているそうですが
ハーフ一眼のペンFTも魅力的ですが
OM-1の使い心地も是非楽しんでいただきたいところです。
お預かりしているOM-1の状況としては
定番のプリズム腐食、露出計が非常に不安定
高速シャッターでの精度不良、低速シャッタースローガバナの粘り、等々
経年劣化でいろいろな不具合がでている状況です。
プリズムは腐食のないものと交換で対応いたしますが
他は清掃し動きを滑らかにした上で調整を行う
一般的な整備で何とかなるものと思われます。

転がっているプリズムは腐食しているもので
写真ではちょっと変わりづらいですが
いつもの場所に腐食が見えています。
プリズム接眼側と接眼レンズ枠にかけて貼られたモルトは
ベタベタに劣化していてプリズムの蒸着まで剥がしてしまっています。
何回かシャッターを切っていて気がついたのですが
ミラー動作が少しおかしいようで
何回かに1回はミラーが上がりきる前にシャッターが開いてしまっているようです。
このまま写真を撮ると写真の1/4くらいが真っ暗になってしまいます。
これから本格的に分解を進めて
駆動部分もくまなくチェックしつつ整備していきます。

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キヤノンTLbのカメラ修理

今日は「テレビCMの日」だそうですよ。
日本初のテレビCMが
1953年のこの日に放映されたことが由来となっています。
初のCMは初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店の時報だったそうです。
精工舎(現セイコーホールディング株式会社)は
セイコーブランドの時計で誰もが知るメーカーですが
古いカメラのレンズシャッターでもお馴染みの時計メーカーですね。

さてさて

本日は「キヤノンTLb」のカメラ修理を行っています。
1976年の発売でFTbをベースに
機能簡略化を施したモデルです。
基本的な構造はFTbと同様の作りです。
機械制御シャッターでシンプルで使いやすいカメラですね。
お預かりしているTLbはまずファインダーを覗くと
一目瞭然なのですが視野内縦方向に
何か液体が流れた跡のような
大きなプリズム腐食が左右に2本見えています。
キヤノンFシリーズではよく見かけるタイプのプリズム腐食です。
少し話が逸れますがFTbやTLbだと
交換するための腐食のない中古プリズムが
比較的入手しやすいのですが
微妙にサイズの異なるFTbより前のFシリーズ
(FTやFP、FX等々)は腐食のない
プリズムの入手がかなり困難です。

お預かりしているTLbに話を戻しますが
今回のTLbはご依頼者さまの親御さんが
高校生の頃に入手されたカメラなのだそうです。
大切に保管してあったようで
外装も非常にキレイです。
動作も一通りは動作するのですが
さすがに各所に油切れの兆候があり
高速シャッターは精度不良、
低速シャッターはスローガバナに粘りがあり
1秒に設定すると最初の1回目は5秒近く
開きっぱなしになってしまいます。
再び切ると2回目以降はほぼ1秒で作動するのですが
また少し放置しておくとやはり1回目は5秒くらいかかってしまいます。
露出計も動作していますが
電池室にはほぼ新品のヴァルタ電池
(水銀電池と同じ大きさのアルカリ電池1.5V)が入っており
そのまま使用すると水銀電池より0.2V電圧が高いため
露出計は振り過ぎてしまい1.5段ほどアンダーになってしまいます。
今回は1.5Vで適正の値になるように調整いたします。

FTbでもお馴染みの露出計連動のノコギリ歯が見えていますね。
FTbとは異なり受光体(CdS)は
接眼レンズの上部に取り付けられています。
このため中央部部分測光ではなく
TLbの場合は中央部重点平均測光となっています。
まだ取り掛かかり始めですが
これから本格的に分解整備を行います。

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フジカST801のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジ開通記念日」だそうです。
今年で開通してから26年なのですね。
バイクやクルマ持っていたときには
お台場に行くことも多かったからよく通りました。
お台場から見るライトアップされたレインボーブリッジも良いのですが
レインボーブリッジ上から見る都内の夜景がまたいいのですよねぇ
お台場パレットタウンの観覧車の側に
今はもうないのですが大きなゲームセンタ-があって
一時期、夜中にやたらと行っていたことを思い出しました。。。
そういえばレインボーブリッジ、歩いて渡ったことはないですね。
遊歩道があるので一度は歩いてみようかな。。。

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
フジカSTシリーズは元々、M42マウントを採用していて
露出計は絞込み測光だったのですが
STシリーズ第二弾となった「ST801」で開放測光機能が採用されました。
当然、通常のM42マウントでは絞り情報の伝達ができないので
開放測光に対応するためにレンズも
M42マウントに絞り情報伝達用のピンを備えた
「フジカSTマウント」のレンズが発売されました。
基本的な部分はM42マウントなのですが
絞り伝達用のピンが干渉しトラブルの元になることもあるので
M42マウントと考えないほうが良いと思います。
ST801ボディ側の話に戻りますが
1972年発売のカメラですがファインダー内露出計表示は
既にLEDが使われています。
機械制御シャッターの最高速は1/2000秒で
布幕横走りシャッター機としては唯一のものではないかと思います。

お預かりしているST801は
長年仕舞いこまれていたものをご依頼者さまが見つけてきたとのことで
かなり長い間使われていなかったものと思われます。
4LR44電池を使用する電池室は腐食して緑青がかなり付着しており
露出計は残念ながら動作していません。
ファインダーを覗くとおそらくプリズムに発生していると思われるカビが
はっきりと確認できます。
シャッターはとりあえず動作していますが
自慢の1/2000は1/750程度しか出ていない状態です。
装着されているEBCフジノン55mmF1.8レンズは
カビがびっしり内側まで付着していて
とてもこのまま普通に撮影できる状況ではございません。
全体的にリフレッシュが必要な状態ですが
整備していけば十分に快適に使えるようになると思います。

まだ現状を確認しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
意外としっとりしたシャッター音が非常に心地よいカメラです。
実は整備する立場としては
なかなか手のかかるカメラだったりしますが
がんばってしっかり整備していきます。

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ヤシカ35のカメラ修理

今日は「即席ラーメン記念日」だそうです。
世界初の即席ラーメン「日清チキンラーメン」が発売された日だそうです。
即席(インスタント)ラーメンといえば
ツイッターで何度か書きましたが
個人的には子供のころから親しみのある
イトメンの「チャンポンめん」がベストです。
あっさりした優しい味がとても美味しいのです。
ただ、スーパー等で売っているエリアが非常に少なく
(近畿・中国地方のごく一部)
こっちだとネットで買うしか方法がないのが困ったものです。
今年で発売57周年だそうで
今、限定商品でミルク味の「ホワイトチャンポンめん」が販売されているようです。
まだネットなら買えるみたいですね。
食べてみたいから注文しておこうかな。。。

さてさて

本日は「ヤシカ35」のカメラ修理を行っています。
ヤシカとしては最初の135フィルムカメラとなるのですかね。
1958年の発売開始です。
コンタックスⅡaをかなり意識していると思われるデザインです。
でも確かにカッコ良いですね。
レンズ固定式のレンズシャッター機で
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
もちろんレンジファインダーを装備します。
レンジファインダーはよくあるハーフミラーを使用したものではなく
贅沢にプリズムを使用したものです。
レンズはヤシノン4.5cmF2.8を搭載します。
(4.5cmF1.9搭載機も存在するようです)

お預かりしているヤシカ35は
非常にキレイな外観です。
動作も一応、一通りは動作しているようなのですが
シャッタースピードダイヤルが非常に重いです。
加えてシャッター、絞り羽根に若干の粘りがあるようで
絞りリングも少々重く感じます。
高速シャッターの精度も粘りの影響で
あまりよろしくはないですが
スローガバナは固着気味で
1秒のシャッタースピードでシャッターを切ると
20秒以上シャッターが開いたままになります。

まずはスローの不調とSSリングが異常に重いことの原因探るため
本格的に分解する前にシャッターユニットの動きを
確認しておこうと思います。
レンズを外してみてはっきりわかりましたが
意外とカビが多く発生しているようです。
一通りの確認後、シャッターユニットを降ろして
シャッター羽根、絞り羽根の清掃から取り掛かります。

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ニコンFE2のカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうです。

「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり」

酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の誕生日が由来となっています。
牧水は毎日1升ほどお酒を飲んでいたそうです。
私もお酒は好きですがとてもとてもそんなには飲めません(汗)
日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキー
世の中には色々なお酒があり、どれも美味しいですが
私が一番好きなのはやはり日本酒かな。。。
香り高い大吟醸酒をチビチビ楽しむのも良いですが
やはり美味しい食べ物(特に海産物)と合わせて飲む
純米酒が一番好きかもしれません。
何にせよ、量はほどほどに。。。
若山牧水の主な死因も肝硬変で
夏の暑い盛りに亡くなったのに
しばらくたっても遺体から腐臭がせず
そのままアルコール漬けになっているのでは?と医師を驚かせたそうです。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に発売されたカメラです。
史上初の1/250シンクロを備え、シャッターの最高速は1/4000
当時としては非常に画期的なスペックを誇ります。
シャッタースピードやシンクロ速度に関しては
当時のフラッグシップであったF3を越える性能であり
当時、私は中学生だったのですが
カメラ屋さんからカタログをもらってきて
毎日眺めていたのを思い出します。
既にカタログはもう持っていないのですが
カタログに載っていた作例写真がどれもカッコ良くて
コレを手に入れればこんな写真が撮れるのかぁ・・・と考えていましたね
(実際はそんなに甘くはないですが。。。(笑))
前モデルである「FE」同様に
指針式の非常に使いやすい露出計を装備し
絞り情報を含めたファインダー情報はマニュアル露出でも
抜群に使いやすいと思います。
Ai連動爪はFEと異なり固定式になってしまったので
いわゆる非Aiレンズの装着はできないのでそこは注意が必要です。

お預かりしているFE2は外装もキレイで
一通り動作はしています。
シャッター速度は全速で問題ないレベルですが
露出計+オートはオーバー傾向でここは調整が必要です。
モルトはやはり全滅で内部モルトも含め交換を行います。
何故かセルフタイマーレバーが欠損していて
セルフタイマーが使えない状況なので
これは中古部品を使って補修します。

まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

性能もさることながら
ニコンらしい端正なデザインも非常に魅力的です。
フラッグシップF3に比べると華奢な部分もありますし
ハニカムエッチングのチタンシャッター羽根は
カシメ部分の強度が少し足りないようで
耐久性に不安な部分も正直ありますが
使い心地や性能、技術的な部分も含めて
1台は持っておきたいカメラのひとつだと個人的には思います。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
暑さが峠を越えて後退しはじめる頃、ということです。
今日の都内は朝から雨降りで
暑さもそれほど感じません。
晴れればそれなりに暑いのでしょうけど
これから一雨ごとに涼しくなっていくでしょうね。
夏が苦手な私としては大歓迎ですが
強烈に暑い夏の日々は今年は短かったような気もします。
早く朝の空気がピンと張り詰めるような
秋らしい気候になってほしいですねぇ。。。
でも冬はまた寒すぎるからずっと秋ならいいのに。。。(笑)
ま、それだとメリハリなくてまた物足りないのでしょうが。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作の「SP」に開放測光機能を追加したモデルですね。
(対応するSMCタクマーレンズ使用時のみ)
加えてレンズキャップをして光が入らないようにすると
露出計のSWがオフとなり、光が入るとオンになるという
「フォトスイッチ」と呼ばれる独特の露出計SWを搭載しています。
1973年発売のカメラです。
機械的な構造や造りはほぼ「SP」と同様です。
ただし、開放測光を採用したため
レンズからの絞り情報を受け取らなくてはならないため
露出計及びその回路に関しては全くの別物です。

お預かりしているSPFは
ご依頼者さまのお父さまが使っていたカメラだそうです。
外装を見る限りでは非常に良いコンディションで
大切に使われていたことがわかります。
ただし、さすがに経年劣化に伴うトラブルはいろいろあるようで
まずSP同様に持病とも言えるプリズム腐食が発生しています。
これはプリズム周りに巻かれた遮光用のモルトが
加水分解しプリズムの蒸着にも侵食してしまったもので
SP&SPFの場合はファインダー視野内に黒い横線が
見えるようになっていまいます。
今回はまだそれほど撮影の邪魔になるほどではないのですが
ご依頼者様と打ち合わせの上、今回はプリズム交換で対応します。
加えてシャッターは1/1000~1秒まで一通り作動はしていますが
幕軸の汚れや油切れの影響があるようで
高速シャッターでは全く精度が出ていません。
さらに少し時間を置いてシャッターを切ると
ミラーが上がりきらずシャッターが動作しないことがあるようです。
一旦、動作し始めるとしばらくは大丈夫なのですが
また数時間おくとまた上がりきらなくなってしまいます。
比較的、トラブルの多い露出計は
やはり問題ナシとはいかず
電池を入れると明るさに関係なく常に振り切ってしまっている状態です。
SPFの露出計は少し変わった構造で
電圧がかかっていないときは指針はほぼ真ん中にきます。
露出計からはリード線が3本出ていて
1本はアースで1本は受光体(CdS)経由で指針を引っ張ろうとしています。
残りの1本はシャッタースピード、絞り設定の抵抗を経由していて
指針を反対側に引っ張ろうとしています。
これのバランスが取れたところが適正露出となるわけですね。
今回はおそらくSS・絞り情報からの電流が何らかの原因で
きていないのではないかと思われます。

まだ、現状を確認したのみでこれから本格的に
分解整備に取り掛かります。
装着されているSMCタクマー50mmF1.4レンズも
内側にかなりカビが発生しているので
清掃を行います。
ご依頼者さまご本人はこのカメラを使ったことがないそうなので
納品時には簡単に使い方からご説明する予定です。
気持ちよく撮影を楽しんでいただけるように
きっちり整備していこうと思います。

オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうです。
「チンチン電車」=「路面電車」のことですが
これとは別に6月10日も「路面電車の日」なのですね。
「チンチン電車」の由来はいくつかあるようなのですが
車掌さんが運転手にベルを鳴らして
(「チン」と1回だったり「チンチン」と2回だったり)
合図を送っていたからという理由が個人的には
しっくりくるような気がします。
でも現在の路面電車内ではベルで合図をすることは
さすがにもう少ないのではないかと思います。
(5月に広島で路面電車に乗りましたが
さすがにベルの合図は聞かれませんでした)
昔はよく聞いていたと思います。
広島市内ではまだ昔ながらの路面電車が結構残っていて
そういう電車に乗るだけでも
ちょっと懐かしい気分に浸れます。
また時間があったら乗りに行きたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
機能的にはOM-1NはOM-1MDに
フラッシュ充電表示確認や
フラッシュ適正発光表示確認が追加されたモデルです。
他は機能的には変わりないのですが
電源SW部や露出計基板、ファインダー枠等々
中身もかなり改良されています。
とはいえ、シャッター周りや巻上部等、主要な機械部分は
OM-1(MD)とほぼ変わりません。
相変わらず軽量コンパクトで使っていても気持ちよいカメラです。

お預かりしているOM-1Nは
ご依頼者様が昔から使っていたものなのですが
最近、落下させてしまったそうです。
外装はあちこちに凹みやキズがついてしまい
レンズに装着していたフードは大きく変形してしまい
レンズから外れなくなってしまいました。
もうフードはどちらにしても使い物にはなりませんが
まずは何とかして外さなくてはなりません。
さらに落下以来露出計が全く動かなくなっているようです。

通常は露出計不動となると
電池室からの配線やSW部をまず疑うのですが
今回は落下させるまでは使用できていたということなので
真っ先にメーター本体が動作するかどうかをチェックします。
上カバーを外してメーター本体に直接電圧をかけてみますが。。。
うーん、やはり全く動かないですね。
おそらくメーター内部で断線しているものと思われます。
メーターは交換前提で修理していきます。
もちろんSW部、配線等も入念にチェックしていきます。

通常、こういう場合には外装の修復は大きな凹みに関しては
できる限りの修復で、たいしたことはできないのですが
今回はご依頼者様が用意した外装部品と交換していきます。
上カバー、底カバー、裏蓋なのですが
なんと全て交換用部品の未使用品です。
まだ探せば手に入るものなのですね。
整備完了後には新品のような外観になると思います。
気分も新たに気持ちよく使っていただける1台になると思います。

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コニカAcom-1のカメラ修理

今日は「パーフェクトの日」だそうです。
1970年に中山律子さんが女子プロボウラー初の
パーフェクトゲームを達成したことが由来となっています。
中山律子さん、懐かしいですねぇ。。。
じいさんがボウリング好きだったこともあって
うちにも中山律子さんのでっかいパネルが飾っておりました。
中山律子さんがパーフェクトゲームを達成した年は
さすがに私はまだ1歳なので全く記憶はないですが
物心ついた頃もまだボウリングブームの余波が残っていて
人口20数万人の呉市内に今ざっと思い出しただけでも
7箇所のボウリング場がありました。今は2箇所のみですね。
ちなみに野球のパーフェクトゲーム(完全試合)を記念した
「パフェの日」も6月28日に制定されています。
「パフェ」っていうと甘党の私としては
スイーツのパフェを連想してしまいますが
スイーツの「パフェ」も語源はフランス語の「Parfait(パフェ)」で
意味は「完全」、「完璧な」ということだそうです。
初めて知りました(笑)

さてさて

本日は「コニカAcom-1」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売された一眼レフです。
コニカオートレックスから続くお得意の指針挟み込み式の
シャッタースピード優先AEを搭載します。
大柄だったオートレックスやFTAあたりに随分軽量コンパクトになり
シャッター音もマイルドな感じになりました。
巻上レバーにちょっと特徴があり
巻上レバー下のスイッチを押すと
レバーが完全に格納され露出計の電源も切れ
シャッターロックがかかります。
引き出せば露出計電源オンでスタンバイ状態となります。
貼り革は本革で手触りが柔らかく快適ですが
経年劣化で縮んでしまうのはどうしようもない部分です。

お預かりのAcom-1は露出計にトラブルを抱えています。
全く動かないわけではないのですが。。。
例えば、最初は薄暗い光源に向けて
ファインダー上でF2.8を指針が指す位置だったとします。
少しずつ光源を明るくしていくと
指針もF4、F5.6、と上から下がっていきます。
で、F8に達したところでそれ以上明るくしてもしばらく動かなくなります。
それでも光源をどんどん明るくすると
あるタイミングでいきなり一番下の赤エリアにはりが飛び込んでしまいます。
言葉で書くとややこしいのですが
現象を見れば一目瞭然で明らかに途中で針が引っかかって
F11~F16あたりを指すことができないようです
針挟み込みAE搭載のカメラでは稀に見る症状ですね。
毎回挟み込んでいるわけですから
微妙に針が変形しているのではないかと予想します。
コニカオートレフレックスやAcomでは比較的良く見る症状です。

後から気がついたのですがマウント部にある
AE切替ピンの戻りが非常に悪く
マニュアル時にレンズを絞らない。。。という症状も確認できました。
もちろん露出計のトラブル共々解決済みです。
他、AE調整、ファインダー清掃、モルト交換等々
各部点検整備一式を行いました。
これから少し時間をおいて様子見です。
装着されているヘキサノンAR40mmF1.8は
ご依頼者様のものですが
このレンズ、コンパクトでAcomに非常に似合いますね。

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