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オリンパスフレックスのカメラ修理

今日は12月8日…「御事納め」で
関連して「針供養」の日ですね。
ここのブログを始めてほぼ丸8年が経つのですが
毎年この「お事納め」の日になって
それに関するブログを書いていると
なんとなく年末感を感じてしまいます。
この日は農作業など一年の作業が終わる日であり
農事が終わることを祝って行った行事のことも意味するそうです。
この日には、里芋・こんにゃく・にんじん・小豆を入れた
「御事汁」を食べる風習があったそうです。
いいですね。御事汁…素朴な味であったまりそうです。
ちなみに御事納めに対応する御事始めは2月8日です。
この間はお正月あるいは年神さまをお迎えする期間になるわけですね。
そう考えると…昔のお正月…長いな…(笑
あくまで農作業的に御事納めなのでしょうが
ここから御事始めまでは厳しい寒さを耐え忍ぶ時期でもあるのですよね。
現在の社会ではこのあたりからが本格的師走で
年末に向ってラストスパートですね
仕事納めの28日までしっかりがんばります!!!

さてさて

本日は「オリンパスフレックス」のカメラ修理を行っています。
1950年代に到来した二眼レフブームですが
オリンパスはズイコーレンズを他メーカーの二眼レフや
フォールディングカメラに供給しつつ
自社でも二眼レフを発売していて
それが今回のオリンパスフレックスです。
オリンパスフレックスにもいくつか種類があるのですが
特に75mmF2.8の大口径ズイコーレンズを搭載したモデルは
当時としてもかなりの高級機です。

今回お預かりしてるのは最初に出た「Ⅰ型」「BⅡ型」から
少し機能を簡略化した「A2.8型」かと思われます。
搭載レンズは最大の特徴でもある自慢の
ズイコーF.C 75mmF2.8レンズです。
この時代のズイコーレンズは搭載カメラに関係なく
経年劣化で曇っているものが多く
またその曇りは修理不可な場合がほとんどなのですが
今回のオリンパスフレックスは前玉表面に拭き傷は多いものの
曇りはほぼ皆無な状況でコンディションは
かなり良いほうだと思われます。
シャッターはセイコーシャラピッドで
B・1s~1/200・1/400までをカバーします。
ただ、1/400は後のセイコーシャラピッドやMXの1/500と同様で
そのためだけに用意された別の強力なバネで駆動する
シャッタースピードのためリリース時でも1/400に入れるのは
少し重いですしチャージ後は重すぎて1/400に入れることは不可能です。
(もちろん無理に入れてはいけません)
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
「BⅡ」との大きな違いはSS・絞り設定がダイヤル式ではなく
レバー式になっていることとレリーズロックレバーが省略されています。
このため見た目で比較的簡単に判別できます。
レリーズボタンはビューレンズの脇にあり
少々独特ですね。慣れないとついつい探してしまいます。

全体的にはコンディションの比較的良い個体ですが
シャッターの動きに少し粘りがあることと
ファインダーやレンズにそれなりの汚れも見受けられるため
できる限りの清掃整備を行っていきます。
まだ現状を確認しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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キヤノンEFのカメラ修理

今日から3月ですねぇ…
やはり1・2・3月は一段と早く過ぎ去るような気がしますねぇ
ボーっとしてるとあっという間に4月になりそうです。
一部SNSではお知らせしていましたが
2月24日(金)の朝にPCがいきなり立ち上がりならなくなり
そのままメーカーに修理に出すことになってしまいました。
で、ここのブログもサイトも更新が止まっていたのです。
お金の動きから作業管理から納品書出力…
何もかもPCありきの業務だったのでさすがに参りました。
まぁメインの仕事であるカメラ修理整備だけは
黙々といつも通り進められるのですが…付帯業務は全滅です(苦笑)
メーカーさんが迅速に対応してくれたおかげで
週末のトラブルだったのにもかかわらず
昨日(火曜日)には修理完了で戻ってきたので
何とか被害は最小限で食い止められましたが
OS再インストールで
システムドライブはほぼ初期化されてしまったので
データドライブで保持していなかった一部データは完全に消失しました…
それほど深刻な事態にはなりませんが
ちょっといろいろとしばらくは不便になりそうです。
で、PC初期設定以外のアプリは全て再インストールです。
これが大変で昨日も休日返上で夜中までやっていましたが
まだ完全に復旧していません…
実はここのブログにログインするにも非常に苦労しました(苦笑)
バックアップ体制は再検討します。やはり大事ですね。
今日は3月1日で記念日も多いのですが
なんだか微妙なモノが多いですねぇ
そんな中、「未唯mie」の日なんてのがありますよ。
ピンク・レディーのミーさんの日ですね!
いまだにレコード聴きますよ
カルメン77が好きで好きで…(笑

さてさて

本日は「キヤノンEF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
一応、Fシリーズの仲間…という立ち位置ではあるのですが
非常に異端児的存在のカメラです。
FシリーズはEXあたりを含めても
全機種布幕横走りシャッター機なのですが
このEFだけはコパル製金属羽縦走りシャッターユニットを採用しています。
さらにFシリーズ本体では採用しなかったSS優先オートを搭載します。
(EXシリーズはSS優先オートを搭載しています)
さらに1秒以上のスローシャッターでは電子制御で
シャッターを開く時間をコントロールし
最長30秒のスローシャッターを実現しています。
逆に言うと1/2~1/1000までは機械制御なのですね。
実は電子的に制御しているのはこの1秒以上のスローシャッターだけで
SS優先オートも露出計指針連動の機械制御です。
当然、露出計が動作していないと動作できないのですが
制御自体は機械的に行います。
なんとも不思議な造りのカメラです。
構造的にも他のFシリーズと共通する部分が非常に少ないのです。
既に「QL」も省略されていますし…
次に大きなモデルチェンジを行い新しい「Aシリーズ」として
再出発する「AE-1」までの繋ぎと言われることも多いですが
ユニットシャッターを採用して短い開発期間と
比較的少ない開発コストで
オート搭載機を出しておきたかったのだと勝手に思っています。
でもスタイリングは「Fシリーズ」とも「Aシリーズ」とも異なる
非常にキヤノンらしいスタイリッシュなデザインで
文句なしにカッコいいと思います。
色もブラックのみで
ちょっと「F-1」のテイストが混じっている感じもしますね!

その特異な立ち位置とカッコよさもあり
意外とファンの多いEFは修理依頼も比較的多いカメラです。
しかしながら電子制御スローシャッター部に関しては
場合によっては修理不能の個体も存在します。
お預かりしている「EF」は電源が非常に不安定で
露出計が動作したりしなかったり…
スローシャッターも動作したりしなかったりです。
電子的制御ができない場合(電池切れも含め)は
1秒以上のスローは全て機械制御の1/2で切れるようになっています。
1秒以上のシャッターは「電子制御時間+機械制御1/2」で切れるので
例えばSSを2秒で設定すると
1.5秒を電子制御で開き、残りの1/2を機械制御(スローガバナ)で制御します。
こういうところもなかなか変わったカメラです。
ちなみに電子制御中(この場合最初の1.5秒の間)は上面の赤LEDが点滅します。
話が少しそれましたが
バッテリーチェックも同じく上面のLEDが点滅なのですが…
このEFはそこは全く点灯しません…
電池室そのものはキレイなので腐食はあまりないかと思ったのですが
底カバーをまずは開けてみると…
結構な腐食と緑青が全体に広がっています。
電源不安定やBC不点灯の原因はどうやらこれですね…

基盤周りや電子制御部にダメージはなさそうで一安心です。
とはいえ、機械的部分も汚れや古い油脂類で
動きが悪いところが多々散見されるので
やはり全体をキチンと整備する必要はあります。
高速シャッターの精度もそのせいでイマイチですし
露出計・オートの精度にも問題があります。
スローシャッターの電子制御部とLED制御部が何とか無事であれば
他は何とかなるカメラなので
電源周りの不具合を何とか修理して
問題ない状態に仕上げていきたいと思います。

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