月別アーカイブ: 2019年4月

コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日は「昭和の日」ですね。
昭和天皇の誕生日で昭和天皇崩御の後
「みどりの日」としてそのまま祝日になり
2007年に「昭和の日」となり「みどりの日」が5月4日となりました。
GWとしてひとかたまりで見てしまいがちで
この辺はちょっとわかりにくいですね。
平成もあと1日少々で終わりますが
今上天皇の誕生日(12/23)は平日に戻るらしいですね。
ちなみに明治天皇の誕生日は11/3文化の日で
崩御15年後に祝日として復活しました。
大正天皇誕生日8/31は現在は休日とされていません。

ところで

明日(30日)~5月7日(火)まで
当店も休暇をいただきます。
久しぶりに墓参りに広島・呉に行ってこようかと思うので
少々長めにいただいております。
墓参りはともかく。。。
お好み焼き、呉の細うどん、フライケーキ、
巴屋のアイスモナカ、呉冷麺、海軍カレー。。。。
うーん、食べることばかり考えちゃいます(笑)

さてさて

今日は「コニカオ-トレフレックスT3」のカメラ修理を行っております。
発売は1973年です。
ニコマート等でお馴染みのシャッターユニット、コパススクエアを
機械式で制御します。
機械式シャッター一眼レフの場合、オート露出機構が付くことは稀なのですが
オートレフレックスT3はシャッタースピード優先AEをを装備しています。
これは当時コンパクトカメラ等で多く見られた
露出計の指針をレリーズ時に挟み込むことで
露出計の位置を把握し絞りを制御することで実現しています。
当時、レンズ一体式のオート露出コンパクトを数多くヒットさせていた
コニカならではの機能です。
1965年のオートレックスというモデルで同様の機能は搭載しており
続くFTA(1968年)にも継承されていますが
指針挟み込みの機能上、シャッターレリーズが非常に深いものでしたが
オートレフレックスに搭載された際には改善され
若干深めのレリーズではありますが
ほぼ違和感は感じない程度に変更されています。

シャッターユニットは非常に丈夫なことで有名な
コパルスクエアなのでお預かりしているオートレフレックスT3も
シャッターの動き自体にはさほど問題はないようです。
ただし、ミラー駆動部に動きの悪いところがあるようで
ご依頼者様のお話曰くシャッターが巻き上がった時点で
そのままシャッターが切れてしまう症状や
巻上ロックが起こるとのことです。
ただ、当店に来てからは一度もこの症状が出ないのですよね。。。
病院に行くと具合が良くなる子供のようですが(笑)
まぁ、よくあることです。。。
おそらくミラーチャージロックの動作不良か
シャッターユニット内の汚れが原因だと思われます。
どちらにしても分解整備なので関連する箇所をしっかり整備すれば
大丈夫だと思われます。
それよりも問題なのは露出計が6段近くアンダーで
これでは使い物になりません。
ご依頼者様曰く真っ黒な写真を量産したとのことですが
これだけアンダーだとそうなるかと思います。
アンダーというよりもほぼ振り切ったままに近い状態ですね。

写真は整備が一通り完了した状態でのものです。
レンズは当店のテスト用レンズです。
外観のコンディションは非常によく質感も非常に高いです。
コニカというと「C35」に代表される
ライトなコンパクトカメラのイメージが強いですが
一眼レフは非常に無骨で丈夫なカメラが多いですね。
このオートレフレックスT3がデビューした頃は
オリンパスOM-1の影響もあり
一眼レフもコンパクトなものにシフトし始めた時期ですが
やはりこういうがっしりした頼りがいのあるボディも魅力的です。

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ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「缶ジュース発売記念日」だそうです。
昔ほどではないですが今でも自動販売機やコンビニで
缶ジュースは買ってしまいますよねぇ。。。
昔(私が子供の頃)は250mlの細長い缶が多かったと思います。
そのころはまだ瓶ジュースの自動販売機もかなりあって
コカコーラ系のジュースに付いていた
スーパーカー王冠とかを一生懸命集めていました。
今考えるといつのまにかなくなった(あるいは見かけなくなった)
ジュースもたくさんありますよね。。。
ミリンダとかHi-Cとかアンバサとかスコール
少し新しいものになるとメローイエローとかもかな。。。
考えていると当時の瓶とか缶まで集めたくなっちゃうな。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
「ペンタックスKシリーズ」は
それまで採用していたユニバーサルマウントM42から決別し
現在のデジタル機にまで繋がる独自のKマウントを
最初に採用したシリーズです。
1975年に「K2]「KX]「KM」の3モデルを同時に発売しました。
この中で「K2」のみが金属羽根縦走り電子制御シャッター機で
「KX」「KM」は以前のSP系をベースに進化させた
布幕横走り機会制御シャッター機です。
「KX」はSPDによる露出計やファインダー内表示等
新しい機能を積極的に取り入れたモデルです。
後の「Mシリーズ」に比べると少し大柄で重いですが
その分、機械的には余裕があり
整備性も良好なカメラです。

お預かりしているKXは後幕の動きが非常に悪く
例えば1/1000でシャッターを切ると
走り始めはほぼ1/500で
走り終わり付近では1/100になってしまいます。
後幕が遅いために
走行中にスリットがどんどん開いていってしまうのですね。
これだけ後幕の動きが悪いと
やはり低速時にはスローガバナをうまく動かすことができず
スロー時にはシャッターが開いたままになってしまうこともあります。

写真のレンズは当店のテスト用レンズです。
一通り現状の動きの確認を行ったところです。
シャッター周りを中心に機械的に駆動する部分は
清掃・注油を行います。
もちろん露出計も整備。調整を行います。
機械部分の清掃・注油でシャッターの精度は
かなり回復するとは思いますが
最終的には幕速調整で精度を詰めていきます。
中身はSPに近いものがありますが
ルックスも使い勝手も随分現代的な印象です。

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ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は「哲学の日」だそうですよ。
ソクラテスが亡くなった日に由来した記念日です。
うーん、哲学ねぇ。。。難しいことはわかりませんが。。。
とりあえず仕事があって
毎日美味しいものが食べられていればそれでいいかな(笑)
それよりも今日からゴールデンウィークですね!
皆さまお出かけされるだろうから
お店は意外と静かだろうと予想しています。
当店も30日~7日まで今回は長めにお休みをいただきます。
とりあえず久しぶりに呉に墓参りに帰ります。

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っております。
SR-7の前のモデルがSR-3で
いきなり次がSR-7になったのは
1962年に発売されたレンズシャッター機「ハイマチック」が
アメリカ初の有人宇宙船「フレンドシップ7号」に
撮影用カメラとして採用されたことと
マイナーチェンジを含めればミノルタの一眼レフとしては
7代目の一眼レフにあたるからだそうです。
ちなみに「ハイマチック」もフレンドシップ7にちなんで
2代目がいきなり「ハイマチック7」になっていますね。
「SR-7」は1962年の発売で
世界初のCDS露出計内蔵カメラなのですが
「ニューSR-7」はそのマイナーチェンジモデルで
1965年の発売です。
マイナーチェンジとはいいますが
この2モデルは全くの別物です。
SR-7はそれまでのミノルタ一眼レフと同じく
ベースはSR-1でシャッターユニットと
ミラーボックスがユニット化されている独特の構造ですが
ニューSR-7は次に発売となる
「SRT101」に近いもので
ボディダイキャストから変更されています。
外光式CDS露出計という点は同様ですが
それ以外は全くの別物といって良いと思います。

お預かりしている「ニューSR-7」は
元々丈夫なカメラだけあって一通り動作してはいるのですが
やはり相当動きにくい状況で一生懸命動いているようで
高速シャッターの精度は全く出ていません。
最高速1/1000が実際は1/500
1/500は1/300。。。といったところでしょうか。。。
1/125になるとそれほど問題のない範囲に収まるのですが。。。
加えて露出計が6段オーバーと
参考程度にすら使えない状態です。
電圧がうまくかからないのかCDSの劣化ではないかと思われます。

ずっと使われずに仕舞いこまれていたカメラとのことですが
大切に保管してあったようでレンズ側に
問題のあるカビ等はありません。
ボディ側も多少のアタリがありますが
全体的にはキレイな状態です。
保管状況としては問題ない状態だったのですが
さすがに何十年も動かしていないと
動作部分に問題はいろいろ出てきます。
永い眠りから覚めて軽やかに動いてもらうためにも
一通りの整備をこれから行います。

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ミノルタハイマチック7Sのカメラ修理

今日は「4・26」ということで
「よい風呂の日」だそうです。
1週間に一度くらいはお店の帰りに
銭湯に寄ってゆっくり温まっていますが
ゆっくりのんびり入るお風呂は本当に気持ちよいですよね!
家でもしっかりお湯をためて入ればいいのですが
足伸ばして入れないし
近所に銭湯があるのだから
ゆっくり入りたければ銭湯に行ったほうが気持ちよいです。
たまには山奥の温泉とかにも行きたいですねぇ。。。
平日の人の少ないときに
そのうち行きましょう。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックシリーズはミノルタを代表する
コンパクトカメラのシリーズ名ですね。
初代ハイマチックの登場が1961年で
今回のハイマチック7Sが1966年の発売です。
1969年のハイマチック11あたりまでは
コンパクトカメラといってもこの時代なので
それなりに大きくて重いです。
そのかわり中身の構造には余裕があり
非常に丈夫にも作られています。
ハイマチック7Sに搭載されるレンズは
ロッコールPF45mmF1.7です。
SRTシリーズでお馴染みの上下分割測光である
CLCを採用しています。
シャッターユニットはセイコー製で
露出はプログラム露出とマニュアル露出が選択できます。
この時代の最新のスペックですが
マニュアルもあることで色んなシチュエーションに対応できると思います。

お預かりしているハイマチック7は
露出計も含め一通りは動作しているのですが
レンズにはかなりカビがあり
ファインダーも随分曇ってしまっています。
クモリのため見えにくいですが
二重像も縦横ともにズレてしまっています。
露出計は動作していますが
電池室には緑青も見られ
電池室からのリード線やハンダも
あまり良い状況とは言えません。
これからまた長く使うためには
一度キレイにリフレッシュする必要があると思われます。

まだ現状を確認したのみで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この時代のEEカメラはオート露出時には
露出計が使えてもマニュアル時には
自動的にオフになるものも多いのですが
ハイマチックはマニュアル時にも露出計が働きます。
(非連動でLV表示ではありますが)
オートで手軽に撮ることもでき
輝度差の大きい難しいシチュエーションでは
露出計を確認しながらじっくりマニュアルで
露出を決めることができるのはやはり魅力ですね。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「歩道橋の日」だそうです。
私の生まれ育った実家のすぐ近くにも
歩道橋があって、通園・通学に使うのはもちろん
その歩道橋の上から見た
夕日とか花火大会とかは未だによく覚えています。
私が小学校2年生くらいのときに
その歩道橋の下に歩行者用の信号機ができ
歩道橋を使う人は随分減ってしまったのだけど
大人になってからもたまに懐かしくなって
あえて歩道橋を渡ってみたりしましたね。
今は実家がなくなってしまったので
なかなかその歩道橋を渡ることはないのですが
今度の墓参りのときに渡ってみようかな。。。

さてさて

今日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
私くらいの世代の方であれば
カメラに興味がなくても
「今のキミはピカピカに光って~」のCMソングと
宮崎美子さんの水着姿のCMといえば
覚えている方も非常に多いと思います。
個人的には宮崎美子さんの水着姿も眩しかったですが
そのCMをパロディにしていた志村けんさんが
当時最高に面白くてよく覚えています(笑)

CM効果もあって非常に売れたカメラです。
絞り優先AE専用機でボディ価格4万円弱と
当時、どのメーカーもラインナップしていた
入門機クラスですが
ミノルタらしい使い心地のよさも魅力のひとつです。

お預かりしているX-7は
オートが少し不安定です。マグネット吸着部の汚れ等が
原因かと思われます。
それは清掃と整備で改善されますが
一番の問題はこのカメラに非常に多いプリズム腐食です。
ファインダー視野内の真ん中横方向に
太い真っ黒な帯ができていてとてもこのままでは
普通に撮影に使える状態ではありません。
プリズム前面に貼られているモルトが加水分解し
蒸着を剥がしてしまうことが原因です。
世の中のX-7の8割くらいが
プリズム腐食を起こしているのではないかと思います。
X-7に限らずX系のカメラ全般に多いですね。
SRTの時代にも同じようにプリズム前面に緩衝材を貼っていたのですが
モルトではなく加水分解を起こさない材質だったのです。
そのためSRT系ではプリズム腐食はかなり少ないです。
コストの問題でしょうがこれのせいでX系のプリズムは
腐食したものが非常に多いのです。
まだX-7は腐食のない中古プリズムが比較的
確保しやすいので良いのですが。。。
(その点で一番困るのはやはりXE。。。。)

生産されたX-7のほとんどが旧ロゴのものなのですが
今回のX-7はめずらしい新ロゴのものです。
ミノルタのロゴ。。。新ロゴと旧ロゴ、どちらが好みかといわれれば
やはりレトロ感溢れる旧ロゴが好きですが
新ロゴのX-7は見慣れないので
これはこれで新鮮で良いですね。

これから本格的に分解整備一式に取り掛かります。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「植物学の日」だそうですよ。
植物学なんてそんな高尚なものではないですが
私も花や植物の写真撮るようになってからは
ほんの少しは植物の種類に詳しくなったかな。。。
まぁ、でも公園とかで説明があるところでは
「なるほど!」と納得しているのですが
何も説明のないところだと
「あれ?これ何だっけ?撮ったことあるのだけどな。。。」と
頻繁にわからなくなっているのでまだまだですな(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
いや、今月、本当にOM-1が多いですね。
2,3日に1台はOM-1の修理を行っているような気が。。。(苦笑)
それだけ「直して使いたい!」と思わせるだけのカメラだということですね。
確かに使い心地も大きさも他のカメラにない
魅力を備えたカメラだとは思います。
ただ、当時の他の一眼レフが軒並み大きくて重い中
これだけのコンパクトさを実現させたということは
それなりに少々華奢な部分があることも事実です。
華奢な部分。。。というとちょっと言い方が良くないかな。。。
定期的にメンテナンスを行わないと
不具合が出やすい箇所がある。。。といった感じでしょうか。。。
それでもOM-1の後に出たフォロワー的機種に比べると
やはり隅々まで考えられてしっかりできていると思います。
電子制御カメラ全盛期になるとこのくらいの大きさのカメラも
比較的多くなっていき
よくできたカメラもたくさん存在するのですが
またそれはそれで構造的には別ジャンルになってしまいますね。

お預かりしているOM-1は
MD対応になる前の前期のモデルです。
今月、整備しているOM-1のほとんどは
MD対応前のモデルばかりなのですよね。
これも偶然の巡り会わせというか。。。
存在する個体は前期も後期も同じくらいあるはずなのですが。。。
まず問題としては
シャッターが切れません。巻上ができません。
ミラーが中途半端な上がりかけの位置で止まってしまっています。
幕位置を隙間から確認してみると
チャージはされていないようです。
まずは底カバーを開けてみるとミラーチャージもされていません。
要は巻上ロックは解除されていなければいけないはずです。
で、その巻上ロックは確かにロック位置で
粘っていたのですがロック解除しても巻上はまだできません。
よく見ると底部三連ギアの位置関係がほんのわずかですが
ズレてしまっています。
ほんのわずかのズレですぐに引っかかって巻上できなくなってしまいます。
一時的に正しい位置に戻してやるとやっと巻上ができました。
シャッターも切れましたがミラー駆動には問題があるようで
まともにミラーアップはできません。
さらに一度シャッターを切ると再び巻上がロックされてしまいます。
やはり根本的に整備・調整が必要ですね。
加えて露出計も全く動きません。
電池室周りの導通には今回は問題がなく
露出計本体の断線等もないようです。
。。。となると最も疑わしいのはSW部ということになります。

特に問題のあるところが大体把握できたところで
本格的に分解整備に取りかかかります。
ミラー駆動部の動作不良の問題が少しだけ大変かもしれません。
いつものことすぎて書くのを忘れていましたが
プリズムは腐食のため交換です。

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

「春眠暁を覚えず。。。」とはよく言ったもので。。。
今朝は久しぶりに寝坊してしまいました。
目が覚めると9時40分!
「ああああ、あと20分でお店開けなくては!
よりによって日曜日だし、朝イチのお客様いらっしゃるかも!!!」と
大慌てで準備をし、実際に店に着いたのは
10時5分。。。とりあえず実害はなかったかな。。。
ただ、開店直後にいらっしゃったお客様。。。
おそらくちょっとお待たせしてしまいましたね。
申し訳ございませんでした。
別に昨夜はそれほど夜更かししたわけではないし
深酒もしていないのですが
タイミング悪く意識のあまりないまま目覚ましを止めてしまったようです。
寝過ごすと誰も起こしてくれないから気をつけなければ。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っていきます。
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して作られた
ヤシカを代表するレンズ固定式カメラです。
安定した長時間露出を実現するため
電子制御シャッター「コパルエレク」を搭載し
高電圧を供給するHM-4N積層水銀電池を使用します。
このHM-4Nは当時、エレクトロのためにメーカーに作らせたと言われています。
既にHM-4Nは入手不可能なので
4SR44等の電池を電池アダプタを介して使用するのが一般的です。

古いタイプの電子制御シャッターということもあり
電子部品にトラブルを抱えていると修理不可能な場合もあります。
ただし、エレクトロ35は比較的、修理不可能なトラブルは少ないほうです。
お預かりしているエレクトロ35はいわゆる初代のモデルです。
当時としてはコンパクトカメラの部類ですが
今となっては大きく重い印象です。
総金属製だから重いのは当たり前ですが
その分、丈夫であり質感も高いです。
少々大きめのボディは内部の部品の配置にそれなりに余裕があり
メンテナンス性は悪くありません。
(ただしこのカメラ、リード線がやたら多くそこの処理は大変ですが)

今回のエレクトロ35、まずは電池室腐食で全く電源が入りません。
こうなると分解して電池室の処置をしてからではないと
電子基板が無事かどうか確かめられないのですね。
まぁ、おそらく大丈夫ではないかと根拠なく思ってはいますが。。。(苦笑)
ご依頼者様の家で長い間眠っていたカメラのようで
バッテリーチェックボタン周辺の部品は破損しており
外装、レンズ、ファインダー、等々全体的に積年の汚れがたまっています。
まずは電源を確保して動作できるかどうかを確認し
それから各部の整備・清掃を行っていきます。

まだ外装もお預かりしたままの状態ですし
そもそも画像だとわかりにくいのですが
この頃のヤシカのシルバーはやけにギラギラしたシルバーで
何とも良い感じです。
磨き上げてギンギンギラギラなヤシカのシルバーを見るたびに
「太刀魚みたいだなぁ。。。」と思ってしまいます。
でもこのシルバー個人的には大好きです。

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リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「穀雨」です。
「田畑の準備が整い
それにあわせて春の雨が降る頃」ということです。
次はもう「立夏」ですものね。
春がやっときたと思ったら既に夏の足音が聞こえてくるようです。
季節はめまぐるしく流れていきますね。
その前にGWです!
HPトップページでは少し前からお知らせしていますが
4/30~5/7まで今年は長めにお休みをいただきます。
久しぶりに呉に墓参りに行ってこようかと思っているのですが
ついでに広島・呉を撮り歩いてこようかと。。。
実家が既にないから泊まるところも考えなくては。。。
まぁ、身軽な一人旅だし地元だから何とでもなるかな。。。

さてさて

本日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
リコーといえばこのブログでもお馴染みの
「オートハーフシリーズ」のフルサイズ判ともいえるカメラです。
オートハーフと同様にゼンマイ仕掛けの自動巻上です。
裏蓋内側にたっぷり貼られたモルトとか
構造もオートハーフを少し大きくしたような感じなのですが
ハイカラーではピントは固定焦点ではなく目測式となります。
露出もプログラムオートではなく
シャッタースピード優先オートとなり
マニュアル露出も可能です。
構えてシャッターを押すだけだったオートハーフに比べると
少し写真の知識が必要なカメラとなります。
その代わり撮影の自由度はオートハーフより断然高いということですね。
搭載されるレンズは35mmF2.8です。
広角レンズなのは使いやすそうですね。
ピントも目測ですし、ある程度絞るようなシャッタースピードにしておいて
ピントは2.5m付近の二重丸位置に固定して
気楽にパシャパシャ撮るというスタイルが合いそうです。

お預かりしているハイカラー35は
まず電池を入れても露出計が全く動かず
オートも全く効きません。
電池室は見かけ上はキレイなのですが
電池室裏側の腐食か露出計の断線か。。。といったところだと思います。
加えてピントリングが2.5m付近のグリーン二重丸で
がっちり固まったままビクとも動きません。
完全に固着してしまっているようです。
これ、ハイカラーでは結構多いトラブルですね。

まだ現状を確認した程度なのですが。。。
先にまずはピントリングの固着を何とかしておこうと
溶剤を使って少しずつ動かしていったのですが
外れた際に中からズルッと出てきたのは
既に固体化しかけているグリスでした。。。
これでは回らないのも納得です。

ピントリングの件が目処がたったところで
シャッターユニット整備から取り掛かっていきます。
ボディの大きさに余裕があるため
オートハーフに比べると整備性もよく
各部もしっかり作られている印象です。
オートハーフはそのデザインのせいで今も昔も大人気ですが
ハイカラーももう少し見直されても良いカメラだと思います。

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オリンパスOM-1nのカメラ修理

今日は「地図の日」だそうですよ。
寛政12(1800)年旧暦閏4月19日に
伊能忠敬が蝦夷地の測量に出発したことが由来になっているそうです。
以前にも書いた気がしますが
子供の頃から地図を見るのが好きで
外に遊びに行けない日は家で住宅地図や
地図帳を開いては眺めていました。
今でもちょっと気になることがあったりすると
グーグルアースを開いてすぐに調べ始めます。
そのうち最初に調べていたことはどっかにいってしまって
気の向くままにいろいろなところを見始めるのですが。。。
最近、山はご無沙汰ですが
登山の際にはできる限り1/25000の地図を
持っていくのですが
実際に登山に行く前にこれを見ながら
いろいろイメージするのも楽しいのです。
地図っていろいろと夢が広がりますね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1n」のカメラ修理を行っています。
怒涛のOM-1ラッシュが続いています(笑)
OM-1nは従来のOM-1に
アクセサリーシュー4と純正フラッシュとの組み合わせで
ファインダー内でフラッシュ充電完了確認ランプが
点灯するようになりました。
他、細かい点が変更されたマイナーチェンジモデルです。
修理する立場としては従来のOM-1で
トラブルの多かった露出計スイッチの構造が
改められています。(正確には一部のOM-1も)
でも正直なところ1nのスイッチ部も
それなりにトラブルは起こるのですが。。。

お預かりしているOM-1nは精悍なブラックボディです。
露出計は全く動きません。
シャッターは高速時にかなりバランスが崩れていて
露光ムラが出ています。
プリズムはいつものごとく内部モルトが原因で腐食しています。
加えて巻上部に汚れが多いためか
巻き上げた時に巻上レバーが自力で戻ってきません。

露出計は配線の腐食が不動の原因のようです。交換で対応します。
プリズムも腐食のない中古プリズムに交換します。
他はひたすら清掃で動きをよくすることで
後は微調整で対応できそうです。
巻上部には汚れがいろいろ溜まっているようなので
よりしっかり清掃していきます。

。。。ボディ側はまぁいつものメンテナンスで済みそうですが。。。

付属しているズイコーMCオートS50mmF1.4も
カビだらけのため今回は清掃を行います。
ズイコー50mmF1.4は
Gズイコー標記のものもMCも、どれもそうなのですが
絞り前後のレンズユニットが外れにくいことで有名です。
ねじ込みされているリングが接着剤でしっかりロックされていて
単純に力任せではまず間違いなく緩みません。
溶剤を上手く使って接着剤を緩ませるしかないのですが
今回は特に苦労しました。。。
ここを緩めるだけでボディ側修理の倍以上の時間がかかりました。。。(汗)

絞り前側のユニットがやっとこさ外れたところです。
後ろ側も同様にガッチリ接着されています。

絞りの前後はレンズ内部で最もカビが発生する場所なので
ここが外れないと清掃になりません。
毎回のことですがズイコー50mmF1.4には苦労させられます。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「お香の日」だそうですよ。
昔は自分の部屋でよくお香を焚いていました。
香りの種類もいろいろあるのですが
どれもお香独特の香りで好きだったのですよねぇ。。。
それでも煙が出るものはやはり避けようかな。。。ということもあり
その後はアロマディフューザーを使うようになり
さらにそれから
それほど部屋でまったりする時間もなくなってきたので
今やアロマディフューザーもお香たても
部屋の隅に追いやられています。。。(苦笑)
でもたまには良い香りに囲まれて
部屋でゆっくり映画でも見て過ごしたいですねぇ。。。
アロマ用のお香だけじゃなくて
昔ながらの線香の匂いも好きなのですよ
何だか今はなき昔の実家を思い出す。。。(笑)

さてさて

今日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズといえばいわゆる「EE系」と
この「ペンS」が圧倒的な人気を誇りますね。
EE系がオートで手軽に撮れるハーフカメラの代表格であれば
このペンSは露出計もなく
しっかり自分で露出を決めて積極的に自分から撮るカメラです。
。。。とはいえ現在のネガフィルムや現像技術の高さを考えると
露出はある程度アバウトでピントも3mに固定して
街撮りやスナップにガンガン使うなんていうのも良いと思います。

シンプルな造りのカメラなので
トラブル箇所はある程度限られることが多いのですが
ペンSの場合はシャッター羽根粘りの症状を
抱えている個体が非常に多いと思われます。
シャッターが開かないあるいは開きっぱなしになるというのは
わかりやすい症状ですが
巻上が止まらなかったり
シャッターボタンを押しても何も起こらないというのも
ほとんどの場合、シャッター羽根の粘り・固着が主な原因です。

今回、お預かりのペンSは
シャッターが切れたり切れなかったりするそうです。
お預かり時によく羽根の動きを見ていると
明らかに羽根粘りが原因かと思われます。
実は今回の場合、それ以外にも問題があり
過去に結構派手に落下させてしまっているようなのですが
そのためにボディのあちこちに歪みがある状態です。
裏蓋が妙に開きにくかったり
巻上ダイヤル下の黒い部品も根元が割れてしまっています。
(ここが破損していると光線漏れが起こることが多い)
上カバーの歪みのため
フィルムカウンターもきちんとカウントされません。
一度歪んでしまったカバー類は完全には元に戻せません
何とか機能に影響が出ない程度に
修正してみようと思います。

まずはシャッターユニットの整備・レンズ清掃から行います。
レンズユニットごとゴロンと外してしまえば
ボディ側は巻上機構のみとなります。
メンテナンス性は非常に良いのですが
シャッターユニットは非常に小さくてなかなか大変です。

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