カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「マウスの誕生日」だそうですよ。
ここでいうマウスは実際に生きている動物のマウスではなく
トムとジェリーのジェリーでもなく
パソコンで使う「マウス」のことだそうです。
1968(昭和43)年12月9日に
アメリカの発明家で「ITの父」ダグラス・エンゲルバートにより
マウスやウインドウ、ハイパーテキストなど
後のPCやインターネットの歴史の出発点ともなる
デモンストレーションが行われたことに由来しているそうです。
マウスの普及ってwin3.1あたりからですかね?
日本では1993年頃ですねぇ
この頃からパソコンにおけるGUI 機能が強化されて
今の形に近くなったのですよねぇ
もう随分昔のような気が…
まだまだPCの世界ではマウスは必須ですが
スマホやタブレットにタッチパネルが当たり前になったように
そのうちマウスも「昔はそんなもの付いてたねー」なんてことになるのかな…
ノートPCとかのポインティングデバイスもいま一つでしたし
まだ当分は大丈夫な気がしますが…
使われる道具…特にインターフェイス系のものは
時代ととともに変わっていきますよねぇ
いい歳になってくると
昔ながらのモノに固執したくなるのですが…(苦笑)
あ、でもマウスでできる操作の多くは
ショートカットキーを多用したほうが
慣れると早いし簡単なのですが…

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
「ペンD」の「D」は「デラックス」の頭文字です。
このあたりももはや時代を感じますね…
ペンシリーズはまず1959年に無印の「ペン」が発売され
その後、高級版の「ペンS」が追加となりました。
そして1962年に最高級版といえる「ペンD」がさらに追加となります。
Fズイコー3.2cmF1.9の大口径レンズを搭載し
シャッターユニットはコパルXで最高速は1/500
さらにセレン光電池使用の露出計まで搭載します。
この時代としてはハーフ判のみならず
レンズ固定式カメラとしては最上級の装備です。
ハーフカメラなのでさすがにピントは目測ですが
35mm判であればこれに距離計があればいわゆるフル装備ですね。
マニュアル系のペンとしては正に最上級のグレードになります。
その後、受光体はCdSに変更され「ペンD2・D3」へと
モデルも変遷しますが
セレン劣化の心配があるとはいえ電池不要の初代ペンDは
やはり魅力的なカメラです。

セレン光電池の劣化が心配…と書きましたが
今回お預かりのペンDは若干オーバー気味ではありますが
実用的には全く問題のないレベルです。
調整できる範囲も狭い上に
固体によっては全く起電できないモノも多いので
やはりここが一番のウィークポイントだと思います。
ただし、ペンDの場合はボディ側と全く連動がなく
露出計に表示されるLV値を読んで
絞り・SSリング連動のボディ側LV値を合わせる方式なので
露出計がダメならば外部露出計を使えば
ボディ本体側の機能には全く問題がないのは良いところです。
ただせっかく付いていてボディ上面に大きな表示窓がある
露出計が使えないとちょっと寂しいですよね(苦笑)
いずれにせよ今回はその心配はしなくて良さそうです。

ただ今回のペンDはおそらくかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていたものらしく
レンズやファインダーのカビ、外装の汚れ
シャッター、絞り羽根の動き等々
全体的にかなり問題も多い個体です。
致命的な破損個所とかはないものの
全体的に一通り整備を行い
リフレッシュしてやらないと快適には使えそうにない状態です。
もちろんモルトも全滅です。
ペンDに限らず底板を取り外すタイプのペンは
蓋側底部のモルトが劣化するとすぐに光線漏れを起こすので
今回の個体も普通には撮影できない状態と思われます。

これだけいろいろ汚れていると
ある意味やりがいがありますね!
でも凹みや大きなキズはないのです。
キレイに仕上げればかなり良い状態になるのではと思います。
まずは取り掛かったばかりですが
機械的な部分やレンズからしっかり清掃・調整を行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「クリスマスツリーの日」だそうですよ。
1886(明治19)年のこの日に
横浜・明治屋に日本初のクリスマスツリーが飾られたとされているそうです。
実はこれ以前にも日本においてクリスマスツリーが
飾られていたという情報もあるそうですが
はっきりした記録が残っていないようです。
子供の頃は家でクリスマスツリーの飾り付けに
夢中になりましたねぇ
いや…大人になっても若い頃は
結構喜んでやってたな(笑
いまや全く持って縁遠いものになってしまいました(苦笑)
でも街に出ると
あちこちで大きなツリーをみかける季節になってきましたね。
クリスマスを感じる…というのもありますが
「今年ももう年末かぁ…」と思ってしまいますね…
ほんと今年もあっという間に終わりそうです…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
M42マウントのペンタックス機を代表するカメラですね。
いろいろレンズ遊びができる…という点で
現在でも人気が高く使っている方も多いカメラだと思います。
でも現行モデルだった当時の人気はこんなものではなく
雑誌のフォトコンの入選作品のほぼ全てが
SPで撮られたものだった…なんてことも珍しくなかったようです。
絞り込み測光とは言え使いやすいTTL測光の露出計を内蔵し
交換レンズの豊富なM42マウントで
当時としては比較的お求めやすい価格…ということもあり
大ヒット商品となった一眼レフです。
そのため現存している個体数も非常に多いですが
コンディションは千差万別で
整備済みのバリバリに使えるものから
シャッターすら切れずボロボロになったジャンクまで
いろいろなものが市場に溢れています。

今回お預かりしているのはちょっとめずらしいブラック塗装のSPです。
外装はそれなりにスレやキズもありますが
かなりキレイなほうだと思います。
上カバーに比べて底板がかなりキレイなので
ほぼケースに入れて使っていたのではないかと思われます。
シャッターも一応は切れているのですが
低速シャッター時にミラーアップしたままになってしまいます。
ペンタックスM42機ではよくある症状ですね。
毎度書きますがミラー駆動部の動作不良の可能性も多少ありますが
大抵の場合はシャッター幕の走行不良が起因となっています。
後幕がキレイに走り切らないためミラーダウンレバーを
十分な力で蹴れないのが原因です。
先幕の力も借りて勢いのある高速シャッタ時には何とか蹴れても
スロー時にはうまく蹴れなくなる状態です。
そんな状況なので高速シャッターの精度も
当然ながら出ていません。
幕軸の清掃と注油を行い動きを良くしてから調整が必要な状況です。

いずれにしても修理・調整が必要だろうと思って
受付時には露出計のチェックを行っていなかったのですが
整備前に一応現状をチェックしておかなくては…と
まずは電池を入れようとしたら…
電池室の蓋が固着していてビクとも開きません…
これは力任せに無茶をすると蓋側を舐めてしまうので
溶剤と潤滑油を使って時間をかけて開けていくしかありません。
底板は外しておいてその間に他部分から取り掛かります。

SPもプリズム腐食の非常に多いカメラですが
今回はそこの心配は不要でした。
ただしシャッターのみならず
全体的に機械部分の動きが古い油や溜まった汚れで良くありません。
ここからさらに分解を進めて清掃整備を行います。
電池室の蓋はかなり時間がかかりましたが
まずは無事に外れました。
中から真っ黒に腐食した水銀電池が出てくるのではないかと思いましたが
幸運にも中は空でした。
ただし電池室蓋のネジ部にはびっしり緑青が付いていて
これが固着の原因になっていました。
当然ながら電気は通りません。
ここも普通に導通するように処置していきます。
配線にも若干の劣化はあり交換しますが
電池室の状況に比べると全然まともな状態です。
機械的な部分の整備を行った後に露出計の調整も行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「アルバムの日」だそうですよ。
一年最後の月の12月はその年の思い出を
アルバムにまとめる月。
そして「いつか時間が出来たら」「いつか子どもが大きくなったら」
「いつか、いつか…」と後回しにされることなく
アルバムづくりをしてもらいたいとの願いを込めて
その5日(いつか)を記念日としたものだそうです。
なかなか考えられた由来ですね。
制定したのはフエルアルバムでお馴染みの
ナカバヤシ株式会社さんです。
製本されたアルバムで保存することも時代的に少ないかもしれませんが
やはり紙の写真で残されたアルバムは味わい深いですね。
私も実家を引き払ったときにたくさんのアルバムを
自宅に持ち帰りましたが眺め始めるとキリがありません(笑
一生懸命私の写真を撮ってくれたじいさんにも感謝ですが
今となっては自分自身の写真よりも
一緒に写っている友達やクラスメイトの写真や
たまに写っているじいさんやばあさんの写真、
私のアルバム以外のじいさんの職場等での写真、
私の写真の背景の懐かしい風景や建物等に目が行ってしまいます。
何十年も経つと写っているもの何もかもが愛おしいですねぇ
残念ながらネガが残っているものはわずかだけで
プリント写真しか残っていないのですが
これからも大事にしまっておこうと思います。
たまに引っ張り出すのがまたいいのですよね…

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンは最初の一眼レフにトップモデルとなる
「F」を発売し、いわゆる普及機として
ニコレックスシリーズを発売しましたが
これがいろいろな意味で成功とは言えない結果に終わり
そのあたりの反省点を活かして誕生したのが
ニコマートシリーズとなります。
シャッタユニットはコストを抑える意味もあり
コパルスクエアを採用し
前板やミラーボックスの造りも簡略化されています。
しかしながら以前の一部のニコレックスとは異なり
開発製造は自社内で行われ
その結果、当時のニコンらしい非常に精度の高い堅牢なカメラとなっています。
ニコマートシリーズは機械制御シャッターの「FT系」と
電子制御シャッターの「EL系」に大きく二分され
今回は機械制御の最初の「FT」の
改良版にあたる「FTN」です。
開放F値補正操作(いわゆるニコンのガチャガチャ)が採用され
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了します。
(それまでは都度ダイヤル設定が必要)
加えて平均測光から中央部重点測光となりました。
「FT系」のニコマートの中で最も生産されたモデルです。
現存する台数も他のFT系モデルに比べても圧倒的に多いと思われます。
作動音が全体的に騒々しいのが少々玉にキズですが
元々のコパルシャッターの信頼性の高さに加え
ニコンクオリティの造りこみ精度の高さが加わり
F一桁機ほどではないにしろ非常に丈夫なカメラに仕上がっています。
登場から50年以上経過した現在でも
細かい精度はさておき
とりあえず動作している個体が多いことにも驚かされます。

お預かりしている「ニコマートFTN」は
ご依頼者様が当時から所有しておられる個体です。
ただここ数十年は仕舞い込まれたままで
まったく動作させていなかったものと思われます。
それでもとりあえずシャッターはきちんと作動しているのは
やはり驚きですね。
しかしながらシャッタースピードの精度にさすがに難はあり
それよりも巻上が古い油や汚れが抵抗となり
非常に不自然に重いこととファインダー内にカビが大量に発生しています。
露出計はさすがに動きませんがこれもSW部等の接触不良とみられ
致命的な故障ともいえない状態かと思われます。
プリズムに劣化があり多少ファインダー内に影響が出ていますが
キレイに清掃すればそれほど気にならないレベルかと思われます。
いずれにせよ、一通りの整備を行えば
問題なく使用できる状態には仕上げられそうです。


ファインダー内のSS表示も「FTN」の特徴の一つですが
それが実際のダイヤルの値とはズレてしまっています。
(1.5段ほど)調整箇所はあるのですが
勝手にズレる箇所ではないのでおそらくはプーリーから
連動糸が外れているとかかな…と思いつつ分解したところ
やはり糸外れが原因でした。
今回の個体は過去に分解歴が全くないようなので異なりますが
余談ですが、これとは違うパターンでシャッターユニットのSSと
ダイヤルのSSがズレている場合があります。
(例えばダイヤル・ファインダー表示は
1Sなのに実際に切れるのは「B」とか)
それは以前の分解時(ミラーボックス脱着時)の再組立て時に
位置をずらしてしまっていることが原因です。
これもニコン機はこのあたりが良くできていますが
ミラーボックスを再び脱着しなくても
嚙み合わせが前板窓から調整できます。さすがですねぇ…

画像には写っていませんが装着されていた
35mmF2レンズもカビが大発生しており
できる限りの清掃を行います。
加えてピントリングが完全に固着していて
ビクとも動かない状態なので
ヘリコイドの整備も合わせて行います。
かなり長い間眠っていたダメージがそれなりにありますが
再び快適に使えるようにしっかりと整備を行います。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「血清療法の日」だそうですよ。
1890(明治23)年のこの日に
北里柴三郎とエミール・ベーリングが連名で
破傷風とジフテリアの血清療法の発見を発表したことに由来しています。
血清療法と言えば個人的にイメ―ジするのは
マムシやハブなどの毒蛇に咬まれた時…なのですが
ベーリングさんはジフテリア
北里さんは破傷風の研究をしていたのですよね。
私が幼い頃は「破傷風」ってまだまだよく聞く
怖い病気でした。
傷から破傷風菌が体内に入り感染するので
転んで膝や肘を擦りむいたりすると
「破傷風になったらいけんけぇすぐに赤チン塗って!」って
ばあさんによく言われていた記憶が…(苦笑
そりゃ子供だし真冬以外は半ズボンでいることが多いから
そりゃよく転んで膝を擦りむいていましたよ
当時の写真を見るといつも膝は赤チンで真っ赤でした(笑
破傷風は三種混合ワクチンの普及で
現在では先進国では発症の報告は少ないそうです。
でもそこら辺中の土の中に破傷風菌はいるのですよねぇ
そう考えると怖いですね…
これを書くために破傷風のことをちょっと調べたのですが
その発症後の症状や致死率を知って軽くショックでした…
そう考えるといろいろ自然界には
まだまだ怖い感染症はたくさんあるのですよね…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
前モデルのOM-1を含むと圧倒的に修理依頼の多いカメラです。
今月も数台予定が入っていますね。
「1N」は1979年に発売となった
「OM-1」のマイナーチェンジモデルです。
機能的には 専用アクセサリーシューとフラッシュ使用時に
フラッシュ充電完了表示確認、フラッシュ適正発光表示確認が
ファインダー内で可能になったくらいで大きな変更はありません。
内部機構的には結構な部品や露出計回路の変更等が行われていて
意外と「1」との互換性がない部分も多いです。
改「良」されているので良くなっているのは当然で
特にトラブルの多い露出計SW部は大きく変更されています。
ただ…いや独り言ですが…露出計のアース部分は以前の方が
整備性が良くて助かったかなぁ…
ちょっとアース不良も起こりやすいのですよねぇ(苦笑)
シャッターや巻上等の基本的な構造は以前の「1」から変更ありません。
ただしミラーボックスのリンク部等は一部変更になっているので
少しばかり注意も必要です。

お預かりしている「OM-1N」はまずシャッターが切れません。
フィルム室から幕位置で判断する限りシャッターはチャージされています。
レリーズボタンは押し込めない状態で
レリーズボタンを使わずに
底部から強制的にシャッターを切ろうとしても切れません。
OMでこういう場合はまぁ大抵そうなのですが
トラブルの多い底部三連ギアの位置関係を見てみると
やはりかみ合わせが狂ってしまっています。
幕位置的にはチャージ完了なのですが
巻上機構としてはチャージ完了に至っておらず
レリーズできない状態です。
三連ギアの位置関係が狂っていて後にも先にも動けないため
巻上が完了にならない状態です。
ここの三連ギアはOMの大きな特徴でもありますが
巻上完了時に瞬間的にギアの噛み合わせが外れ
巻き上げた分、三連のうちの二つのギアが
小さなバネの力で逆回転して元に位置に戻る仕組みなのですが
汚れ等でギアの動作不良が起こると簡単に噛み合わせが狂い
ジャムってしまいます。
動きが悪いからと言ってここに注油するのは厳禁で
逆に油の粘りでより動作不良を起こしてしまいます。
単純に汚れのないサラサラな状態で
動きの良い状態ではないとなりません。
このあたりはやはりOMはデリケートにできていますね…

高速シャッターが不安定な場合も三連ギアが原因の場合があります。
今回は幕軸も汚れがそれなりに溜まっていて
三連ギアの状況が良くなっても
高速シャッターで精度が出ない状態だったので
その辺りの整備を含んで一通りの整備を行っていきます。
露出計も前述したアースの関係で少々不安定なので
対策を講じていきます。
以前にプリズム腐食を対策した痕跡があり
心配されるプリズムの状態は問題ないようです。
当分安心して使っていただけるように
入念に仕上げていきます。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「カレンダーの日」だそうですよ。
1872(明治5)年に太政官布告で
太陽暦が採用されることとなり
明治5年12月3日(旧暦)が
1873年(明治6年)年1月1日(新暦)となったことに由来しています。
切替時は大変だったでしょうね…
いきなり暦が1ヶ月近く進んでしまうわけですから…
でもこのおかげで明治維新以後、
行き詰って余裕のなかった政府の財政回復ともなり
新暦に移行することで、その年は閏月を含む
2ヵ月分の人件費を削減することができたそうです。
このあたりも現在同じことが起きれば大パニックになるでしょうね
さすがに新暦以降から150年経過した現在では
もはや旧暦を意識することはほとんどないですが
昔ながらの年中行事等では旧暦の影響も多少残っています。
七夕なんて明らかに新暦7/7だと季節にそぐわないですものね(苦笑)
季節的に来年のカレンダーの準備も必要になってくる頃ですね
来年の壁掛けカープカレンダーは既に入手済みです(笑

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売の中級機です。
1960年代から70年代にかけてSRシリーズからSR-T系の
機械制御シャッター機で順調に推移していたミノルタ一眼レフですが
さらに次世代を見据えて機械制御のSRシリーズから
電子制御のXシリーズへと大きく舵を切っていきます。
そこで最初のXシリーズとして発売されたのが
ミノルタとしては初のプロ向け高級一眼レフとなる「X-1」です
その「X-1」登場の翌年に今回の「XE」が発売となっています。
「X-1」は、これまでのノウハウを有効に活用できる
布幕横走りシャッター機でしたが
「XE」は新たな試みともなる金属羽根縦走りシャッター機です。
それまでの縦走りシャッター機というと
ユニット化されたコパルスクエアを採用したカメラが
既に数多く出ていたのですが
「XE」はコパル、エルンスト・ライツと共同開発した
コパルライツシャッターを搭載しました。
このシャッターユニットのおかげで
「XE」ならではの心地よい使用感と高信頼性を得ています。
ミノルタ中級機としては初のAE搭載機でもあります。
抜群の使用感と使い勝手の良さが売りのカメラです。
この時代ならではの少々大柄で重いボディではありますが
非常に使っていて気持ちの良いカメラとして根強い人気のカメラです。
私も個人的にこの「XE」をメインに使っていた時期があって
出番は減ったものの今もしっかり所有しています。

今回お預かりの「XE」は正確に言うと北米輸出仕様の
「XE-7」です。モデル名ロゴが「XE-7」であること以外は
国内仕様の「XE]と違いはほぼありません。
これとは別に欧州仕様の「XE-1」もたまに見かけますが
こちらは生産時期によるのかもしれませんが
アイピースシャッターが省略されていたりするようです。
外観も非常にキレイな状態で
動作も一通りは動くのですが
「XE」最大の魅力でもある「巻上」がスムーズではなく
妙に引っかかるような感触があります。
そしてたまにですが巻上完了時に
レバーが戻ってこれなくなることもあるようです。
巻上機構部の汚れあるいは油切れによる動作不良と思われます。
そして露出計・オートもどうさはしてはいるのですが
少々不安定で値もあまりよろしくありません。
これはいつもの絞り連動・ASA連動の摺動抵抗の汚れと思われます。

画僧は本格的な分解に取り掛かる前に撮ったものです。
XEといえば最も心配されるのは最大の持病ともいえる
プリズム腐食ですが
今回の「XE-7」はファインダー内もキレイで
おそらく以前に対策済みなんだろうな…とプリズムを降ろしてみましたが
肝心のプリズム前部には腐食しかけたモルトが貼り付いていて
全然対策済みではありませんでした…(汗)
何はともあれ腐食する前に対策できて良かった…
おそらく随分以前にモルトは交換されているものだとは思われます。
でもこのまま放置していると
環境にもよりますがあと数年でプリズムに影響が出そうな状態でした。
今回はもちろん腐食しない素材で貼り直します。
ちなみにもはや当店でも
腐食のないXEのプリズムは既にご用意できない状況です。

電気的に少々デリケートな部分もあるカメラなので
慎重に整備を行っていきます。
もちろんこの季節は特にですが
作業中の静電気帯電は厳禁です。
なので無防備な状態はできるだけ短く集中して作業を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」だそうですよ。
腸内環境を整えるのに欠かせない善玉菌ですねぇ
摂取するために真っ先に思い浮かぶのは
やはりヨーグルトですよね。
ヨーグルトって無糖であれば本当に
悪いとこがひとつもない食物ですね。
できるだけ毎日ヨーグルト食べるように心がけていたのだけど
最近、頻度が少し下がっていて
いつのまにか数日に1回になってしまっています(苦笑)
これを機会にまた改めなければ!
そういえば子供の頃には
毎日ヤクルトが家に届けられていて
ビフィズス菌といえば「ヤクルトミルミル」でしたねぇ
本家のヤクルトほどベッタリした甘さじゃなくって
飲みやすくて好きだったなぁ…
今でも売ってますよね?今度買ってみよう!
おそらく30年以上は飲んでない気が…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
絞り込み測光機だった「FT」の後継機で
開放測光に対応したモデルです。
開放測光対応のFDマウントレンズも同時期に発売されました。
同じ時期にフラッグシップの「F-1」が開発され
F-1の技術がフィードバックされている部分もあるようです。
…「F-1」も内部機構を見ていると「FT」系を基本に
より堅牢に安定性高く動作するように突き詰めたカメラでもあるので
もともと共通項は多いような気もします。
ウィークポイントでもある幕ブレーキの構造は
F-1もFTもFTbもほぼ同様です。
FT以来キヤノン一眼レフの特徴ともなっている
コンデンサレンズハーフミラー組込みの
CdS測光による中央部部分測光もFTbでも同様です。
やはり個人的には中央部重点測光より使いやすいと思いますし
キヤノンらしい凝った造りになっています。
プロ向けといえるF-1とは異なり
FTbにはこれもこの時代のキヤノンお得意のQL(クイックローディング)も
搭載されフィルム装填が非常に簡単確実です。
基本的な機能や使い心地も評価の高いカメラで
機械制御機としてはキヤノンを代表する中級機かと思います。

お預かりしている「FTb」は
マイナーチェンジ後の「FTb-N」とも呼ばれるモデルです。
従来のモデルと比べて最も大きな違いは
ファインダー内にSS設定の表示がされるようになったことです。
やはりファインダー内でSS確認できるのは便利です。
他にもデザイン的に巻上レバー、レリーズボタン
セルフタイマーレバーが変更されています。
外観上で一番わかりやすい違いはセルフタイマレバーでしょうね。
ファインダー内SS表示はSSダイヤルと糸連動して
ファインダー枠に設置されたSS表示回転盤を回す仕組みですが
これがあるせいで整備性は少々ややこしいことになってきます。
単純にファインダー枠が外せなくなったので
従来のFTbのつもりで分解しようとすると
この連動糸の処理に四苦八苦することになります(苦笑)
それ以外は内部構造的にも大きな違いはありません。
幕ブレーキ動作が悪かったり幕軸の油切れだったりで
シャッターの調子が悪い個体が多いのも特徴ではありますが
今回の個体も明らかにシャッター動作音に異音が混じっており
非常にシャッタスピードの精度が悪く
特に後幕の動きが不安定です。
シャッターバウンドまではしていないものの
これでは正確に露出を測っても全く意味がなくなってしまうほどです。
さらに露出計・BCはSW部の接触不良で
こちらもかなり不安定で指針が踊っている状態です。
そして定番のプリズム腐食が発生しています。

「FTb」のプリズム腐食の原因は
大抵の場合、プリズム抑えの裏に貼ってあるモルトの加水分解です。
プリズムにカバーはかけてあるのですが
隙間があってそこから腐食が進んでしまいます。
今回もプリズムカバーにモルトが貼り付いた状態になってしまっています。
簡単に取れるのですが付着してるモルトはボロボロです。
FTbのファインダー内で中心から少しずれた位置左右に
2本の縦線が出ている場合はこのモルトを起因とする腐食です。
今回もそうですが致し方ないので交換で対応します。

これから分解を進めまずがは機械的部分の動作不良を改善していきます。
それから露出計周りの電気関係の整備と
ファインダー清掃を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は12月1日ということもあって
たくさんの記念日が制定されています。
何と言っても「映画の日」ですよね
今は映画の通常料金は1,900円ですが
今日は多くの映画館で1,000円です!
先日、ひさしぶりに新宿のミニシアターで
観たかったドキュメンタリー映画を鑑賞したのですが
やはり映画館で観る映画はいいですよねぇ
私が行くのは平日の昼間なので
それほど混むこともないですし
じっくり集中して鑑賞できます!
都内には小さなミニシアターがいくつもあるので
大手配給の映画ではなくて
また何かあまり知られていないようなものの中から
何か見にいってみようと思います。
他にも「一万円発行の日」「カイロの日」「いのちの日」
「手帳の日」「鉄の記念日」等々たくさんの記念日がありますが
そんな中に「着信メロディの日」なんてのもありますね。
今や携帯に電話がかかってくることなんて
滅多にないのですが
私の携帯の着信はもう長らくドリフの「盆回り」ですねぇ(笑
何せかかってこないのでめったに聞くことはないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフカメラであり
伝統のFマウント初採用のカメラであり
今や伝説のカメラでもありますね。
一眼レフカメラ及びいわゆるシステムカメラを
世に知らしめたカメラであると思います。
約100%のファインダー視野率、
ファインダー交換機能、ミラーアップ機構搭載、
自動絞りなど非常に機能的なカメラで
また豊富な交換レンズ群、アタッチメントやアクセサリーなど周辺機器を
システム体系として供給し、それらから選択し活用することで
いろいろな撮影場面に対応することができたカメラです。
これらはその後の世流れでは当たり前になっても行くのですが
やはり最初に大きく1歩を踏み出したのは
ニコンFだと思います。
さらにその優れた堅牢性も当時としてはずば抜けていて
報道分野等のプロユースでも非常に多く活躍しました。
ニコンの…というより日本製カメラを大きく世界に広げたという意味でも
記念碑的なカメラだと思います。
先述したように基本構造が非常に丈夫なカメラで
よほど無茶なことをしない限り
シャッターや巻上に致命的な故障を抱えていることは
少ないと思われます。
ただこのカメラの性格上
非常にハードな使い方をされている個体も少なからず見かけることがあり
そういう個体だとシャッター周りや巻上等に
大きなトラブルを持っているものもあります。
あまりにも外観の傷みの多いモノは気をつけた方が良いかと思います。

お預かりしている「F」はアイレベルファインダーを装着しています。
機械的な構造は非常に堅牢にできていますが
さすがにファインダープリズムは腐食しているものが多いです。
今回のアイレベルファインダーは内部モルトも当時のままで
かなり劣化してボロボロな割にはプリズムへの影響は少なく
それほど大きな目立つ腐食はない状態です。
よくこれでこのくらいですんでいるな…と感心するレベルです。
フィルム室にはモルトを使用していないのに
プリズム接眼レンズ周りにはモルトを使っているのですよねぇ…(苦笑)

シャッターは動作していますがさすがに高速シャッターでの
精度は今一つといったところです。
そして「F」では比較的定番ですが
スローガバナが固着してしまっており
1/8以上のスローシャッターではシャッターが開いたままになってしまいます。
さすがにここは寄る年波は勝てないですね。
でもしっかり整備を行えば問題なく動作する状態かと思われます。

全体的に油切れの兆候も見えますので
キチンと一通り整備を行っていきます。
毎度「F」の整備時には書いてしまいますが
各部の部品の強靭さとその精度の高さには
いつも感嘆させられます。
ちゃんと整備してスムーズに各部の部品が動く状態にし
ゆっくりラチェットの音を味わいながら
巻き上げているとその精密感に心奪われます。
もおうこの素晴らしいカメラの台数が増えることはありえませんが
世の中に存在する「F」ができる限り長く
撮影に使われ続けることを
祈ってしまいたくなるようなカメラです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「本みりんの日」だそうですよ。
「いい(11)み(3)りん(輪=0)」と読む語呂合わせと
鍋物や煮物、おせち料理などで
「本みりん」を使う季節であることからだそうです。
個人的には煮魚によく使うイメージかな…
味が染み込みやすくなって
煮崩れしにくくなるのですよね。
ばあさんがやたらと煮魚好きで
この季節になるとメバルの煮つけが
やたらと食卓に並ぶのですよねぇ
メバルの旬は一般的には春先ですが
瀬戸内の黒メバルは秋口から年明けまでが旬ですね
広島のスーパーではメバルがたくさん並んでいるでしょうねぇ
実は子供の頃は煮魚少し苦手だったのですが
これも大人になって日本酒飲むようになると
一気に大好物へと変貌しました(笑
話を本みりんに戻しますが
スーパーには酒税のかからない1%未満のアルコールに
みりんの風味に似せて旨み調味料や水飴などの糖分その他を加えた
「みりん風調味料」も多いですよね…
でもやはりここはアルコールが14%くらい入って
しっかり熟成された日本の伝統的調味料「本みりん」ですよね
キッチンに常備はしていますが
メバルの煮つけは少々ハードルが高いので
(でもそのうちちゃんと休みの日にでも自分で作ります!)
とりあえず鍋物で使っていきます。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
ミノルタ初のTTL測光の一眼レフ機で
さらにミノルタ初の開放測光機でもあります。
このカメラの開放測光に対応するために
レンズ群もTTL露出計に絞り値が連動するMCロッコールレンズ群に
モデルチェンジされました。
それまでのSR-2からSR-7までのノウハウもあり
機械制御シャッター機としても非常に完成度の高いカメラです。
その基本設計の良さがSR-T101を7年以上のロングセラー機へと
押し上げ、さらに後継のSR-TスーパーやSR505/SR101へも
基本設計はほぼそのまま受け継がれます。
大ヒット商品でもあるため現存する台数も非常に多いですが
台数が多い分コンディションが千差万別です。
しかしながら分解品や水没品、ショック品でもない限り
致命的なトラブルを抱えている個体は少ないと思います。
さすがに未整備でそのまま使えるものは少ないとは思われますが
精度やフィールはともかく一応は動く…という個体が多いと思います。
ただその動きにくい身体で
健気に動作している様子を見ると
何だか切なくなってしまうことも多いですね(苦笑)

お預かりしているSR-T101は
これも一通り動作はしている状態です。
本当にこのカメラはタフですね…
さすがに巻上や幕軸、ミラー駆動部等の動きはあまり良くはなく
高速シャッターの精度も出ていません。
露出計もSW周りの接点が悪いようで少々不安定なことと
SR-T系ではお馴染みのハンダの劣化もあり
かなり値がオーバー目に出てしまっています。
それでもやはり致命的なダメージはなく
一通りの整備でかなり快適に使える状態になると思います。

シリアルナンバーやSSダイヤル基部の形状から判断して
比較的初期の個体かと思われます。
プリズム前面の遮光にはモルトではなくコルクが使われており
プリズムに悪影響もありません。
SR-T系では初期モデルのみここにコルクが使われていますが
それ以降の個体でもモルトではなく
加水分解しにくい素材がここに使われています。
これは後のX系にも同様の仕様で行ってほしかった部分です…
さすがにファインダースクリーンには汚れも酷く
この時代ならではのコンデンサレンズには
カビがびっしり生えています。
ここも含めてしっかり清掃して調整を行っていきます。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「太平洋記念日」だそうです。
1520年のこの日に
ポルトガルの航海者フェルディナンド・マゼランが
後に「マゼラン海峡」と命名される
南米大陸南端の海峡を通過して太平洋に出たことが由来になっています。
「マゼラン艦隊の世界周航」ですね。
出発時のクルーは237人で船は5隻
それが約3年もの過酷な地球1周で残った船はビクトリア号1隻
クルーはたった18人になってしまいました。
指揮官のマゼランも残念ながら現在のフィリピンで
戦死してしまいました。
この時代の航海なので調べれば調べるほど
壮絶な状況だったことがわかるのですが
輝かしい功績と併せて立ち寄った土地での
略奪行為や現地住民への改宗の強制など
侵略者としての1面も垣間見え
なかなか複雑な心境になりますね…
マゼラン海峡を越えて太平洋に出た後に
天候が良く平和な日が続いたため
この海を「Pacific Ocean」
(平和な・穏やかな大洋=「太平洋」)と名付けました。
天気は穏やかだったもののこの太陽横断時にも
食料の不足や壊血病に悩まされ大変な航海だったようです。

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年に発売されたカメラで
長らくミノルタのMF最上級機の座に君臨したカメラです。
それまでのXG系のフレームから脱却し
基本構造から完全新設計された機種であり
この時代なのでプラスチッキーな質感ではありますが
ミノルタらしい使い心地の良さと
非常にキレの良いファインダーでMFが楽しくなるカメラです。
クラスでいうと中級機相当のカメラではありますが
いわゆるX3桁シリーズの中では最上級のモデルでもあり
1999年まで販売され、登場から18年間もの間存在し続けました。
これはあのオートフォーカス機の先駆者「αシリーズ」が登場してからも
MF最上級機として君臨し続けていたということなのですね。
初期の国内向けも出るのはAEロックがないヴァージョンだったのですが
すぐにAEロック付きの「ニューX-700」に切り替えられました。
「ニュー」にはシルバーボディが存在しないため
現存する数は少ないのですがシルバーボディのX-700は
AEロックのない初期のモデルとなります。
その使い心地の良さから根強いファンも多く
電子制御機としても洗練された時代の製品の為
電気的トラブルも比較的少ないカメラです。

お預かりしているのもブラックの「X-700」ですが
AEロックのない初期モデルです。
見かけることが多いのは圧倒的に「ニュー」なので
初期のX-700はひさしぶりに見たような気がします。
ご依頼者様が昔から使っていた個体だと思われますが
近年は使われずに仕舞い込んだままだったと思われます。
若干、電源が不安定でそれに関連して
露出計・オート制御が不安定です。
それとは別の問題でシャッターの動きも少し悪く
高速シャッターのバランスは狂っており
このまま撮影すると高速SS時には左右の露光バランスが
崩れた状態になるかと思われます。
さすがにモルトも全滅でその劣化したモルトの為
裏蓋の淵まで少々腐食してしまっています。
ファインダー内も劣化したモルト屑でゴミだらけです。
動かないわけではないですが
このまま使うのはかなり問題がある状態です。
全体的に動作部をリフレッシュして動きを良くし
電気接点も一通り清掃が必要な状態です。

いけん…また分解時の画像を撮っておくのを忘れてしまいました…
特にこういう電子制御カメラはそうなのですが
分解している状態ってフレキも接点も露出している状態で
非常に無防備でリスクの高い状況の為
集中して短時間に分解して一通りの整備を行って
一気に組み立ててしまいたいのですね…
で、画像とか撮ってる場合ではなくなってしまう…と…
まぁそれも単なる言い訳なのですが…(苦笑)

何はともあれ一通り機械的な整備を行い
電気的調整も行ったので現在の動きは非常に安定しています。
シャッタースピード、オート制御の精度も
全く問題ない状態になっています。
このミノルタの新しいロゴや「X-700」のロゴも
電源SWやSSダイヤルの配色も
妙に80年代を感じさせて何とも懐かしい気分になります。
個人的にも非常に好きなカメラなので
ご依頼者様にはまた再びこのカメラを
ガンガン使っていっていただければとも思います。

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トプコン35Lのカメラ修理

今日は「組立家具の日」だそうですよ。
「組立家具」となると今でも
いろいろな種類のものがホームセンターで売っていて
便利なものも多いですが
意外と組み立てに苦労したりするのですよねぇ…
ただここの記念日で言う「組立家具」は
私あたりの世代では懐かしく感じる
「3段カラーボックス」のことなのだそうです。
今でもあるにはありますが
当時のように「グリーン」や「オレンジ」なんて
カラフルになものは見かけることがなく
ほぼ「白」一択みたいですねぇ
登場したのは思っていたより古く
1967年に発売開始だそうです。
「家具にもカラフルなオレンジやグリーン、
赤色の物があって良いのでは」との発想で
大手紙メーカー協力のもと当時の色紙を薄いベニヤに貼って合板を作り
特殊加工で軽い三段ボックスの「カラーボックス」を作ったことが始まりです。
フラッシュ合板のものが多く
軽くて使い勝手が良いのですよねぇ
私が小中学生くらいの頃は
どの友達の部屋に遊びに言っても
カラーボックスのひとつやふたつはあったような気がします…
カラフルなカラーボックスを部屋に並べるだけで
70年代風の部屋のインテリアになりそうですね!

さてさて

本日は「トプコン35L」のカメラ修理を行っています。
トプコンブランドは東京光学が作るカメラ製品のブランドです。
トプコン35シリーズはレンズ交換の可能な
トプコン35Aから始まりましたが
1956にはレンズ固定式のトプコン35Sにモデルチェンジされ
さらにSS/絞り設定をライトバリュー式にしたものが
今回のトプコン35Lとなります。(1957年発売)
2年弱しか生産されなかったため
意外と現存台数の少ないカメラでもあります。
写りの評価の高いカメラで
装着されるレンズはトプコール4.4cmF2です。
シャッターは当時の国産最高級シャッターといえる
セイコーシャMXLを搭載し最高速は1/500です。
そして何と言っても魅力なのは贅沢な造りの
等倍ファインダーで反射面にはこの類の
レンジファインダー機でよくあるハーフミラーではなく
シールドプリズムを採用しています。
パララックス自動補正のブライトフレームも備えます。
巻上はダブルストロークでちょっと独特なフィーリングです。
外装の質感も非常に高くこのカメラを好きな方が
多いのもわかる気がします。

お預かりしているトプコン35Lは
レンズシャッター機の定番トラブルともいえる
シャッター羽根の粘りを抱えており
シャッターを切っても非常にゆっくり羽根が開いて
ゆっくり閉じていくような状態です。
当然普通に撮ろうとした写真は全て真っ白になってしまいます…
シャッター羽根がそんな状態なので
絞り羽根にもやはり油滲みがみられ
こちらは絞りリングに連動して一応は動いているのですが
やはり粘っていると思われます。
これが悪化すると動作させた際に絞り羽根を破損させる可能性も
高くなってしまうのであまり動かさずに早急に対処していきます。
最大の魅力であるファインダープリズムの状態は悪くなく
接眼部・対物部の清掃のみで問題ない状態にできそうです。
レンズにはやはりカビや汚れが散見されるので
こちらもできる限り清掃を行っていきます。

画像は一通り整備が完了した状態のモノです。
分解時に1枚画像を撮っておこうと思ったのに
作業に集中していてまた忘れてしまった…(苦笑)
外観の特徴はやはりファインダー対物レンズ部が
薄い金色にミラー反射しているところですね。
これがいいアクセントになっていて文句ナシにカッコ良いです。
鏡胴やボディのメッキ処理も非常に質感高く
眺めているだけでも楽しくなってくるカメラです。
当時流行ったライトバリュー式の露出設定は
今となっては多少使いにくさを感じる部分もありますが
これも慣れてしまえばそれほど意識することもなくなります。
巷ではLVでない「S」の方が人気が高いそうですが
個人的にはどちらでも良いような気がします。
羽根洗浄も含めシャッターユニットにかなり手を入れているので
動きが落ち着くまで少し様子見をしている段階です。
明日か明後日あたりに最終テストを行って
問題なければ完成となります。

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