カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ヤシカペンタJ(ジャガー)のカメラ修理

今日は「梨の日」だそうですよ。
「な(7)し(4)」(梨)と読む語呂合わせからだそうです。
本格的な梨の季節には少し早いですね
でも毎年梨の季節は楽しみにしています。
記念日を制定したのは
「二十世紀梨」で有名な鳥取県の
「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」です。
私の生まれ育った広島にも少し山の方へ行けば
梨園が多くあって秋には毎年のように
「梨狩り」に行っていた頃がありました。
少し酸味が強めの二十世紀梨も美味しいですが
甘みが強く水分豊富な「豊水」や「幸水」も美味しいですよね
梨を味わうのは夏の終わりまで
もう少し待たなくてはいけませんが
今の時期はなんといっても「桃」ですよね。
水分と甘みたっぷりの果物は
本当に美味しいし生活のアクセントになりますね。
そろそろ少し買いやすい価格になってる頃かな…
帰りのスーパーでチェックしてよければ買って帰ります!

さてさて

本日は「ヤシカペンタJ(ジャガー)」のカメラ修理を行っています。
1961年発売の一眼レフカメラです。
この「ジャガー」が出るまでは
ヤシカは独自のバヨネットマウントを採用した
ペンタマチックシリーズを発売していたのですが
その専用マウントを変更しねじ込み式の「M42マウント」を採用して
再出発したのが今回の「ペンタジャガー」です。
完全自動絞りには対応していないので
完全自動絞り対応のレンズを使う際には注意が必要です。
シャッターの最高速は1/500、スロー側は1/2までです。
「B」も装備します。
フィルムカウンターは自動リセットではなく手動セットです。
シンプルな一眼レフです。

お預かりしている「ジャガー」は一通りは動作しているのですが
やはり幕軸の動きが悪いようで
1/500、1/250だとシャッターが開かないまま走行してしまいます。
先幕の動きが悪く後幕に追いつかれてしまうような状態です。
1/125だと何とか開きますがやはり両端の露光差はかなり出てしまっています。
いたずらにテンションを弄るではなく
幕軸の動きを良くしてやることである程度は精度が出ると思われます。
その上でテンション微調整で精度を出していきます。

画像はまだ取り掛かり始めの状態でのモノです。
ここから分解を進めて幕軸や巻上の整備を行っていきます。
シンプルなカメラなので整備性は良好です。
結果から言ってしまうと幕軸の整備後に測定を行うと
今度は先幕が速すぎて開きすぎて染むようになりました。
おそらく以前に幕が開かないから
先幕のテンションを上げていたのかと思われます。
無駄に動きの悪いままテンションを上げると
幕軸のバネ自体が劣化してしまいますので
必要以上にテンションをかけるのは良くありません。
先幕を適正なテンションに緩めてやると
納得できる精度に落ち着きました。
加えて、これが本来の姿かと思いますが
巻上もテンションが下がったことで非常に軽快になりました。

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ニコンFE2のカメラ修理

今日は「ソフトクリームの日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
明治神宮外苑で行われた米軍主催の
「アメリカ独立記念日」(7月4日)を祝うカーニバルで
ソフトクリームの模擬店を立ち上げ
日本で初めてコーンスタイルの
ソフトクリームが販売されたことが由来だそうです。
本格的に暑くなるこの季節にソフトクリームは
本当にいいですね!
一般的なアイスクリームとは違った
あの口当たりの滑らかさは代わりはありません―――
あの柔らかさやのど越しを味わうためには
やはり「ソフツクリームフリーザー」で
目の前で作ってもらってその場で食べなくてはいけませんものね
幸いスフとクリーム作って売っているところは
あちこちにあるので
外出の際には必ずどこかで食べてきます…(笑
でも一番美味しいのは遠出した際に
道の駅やSAで食べるソフトクリームですよね。
紫いものソフトとか食べたいですねぇ…

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年発売のカメラです。
前身となる「FE」の発展型で
なんといってもハイライトは
最高速1/4000秒とシンクロ1/250のシャッターですね。
どちらもフォーカルプレーンシャッタとしては
同社FM2(NewFM2)と並んで当時の世界最高速です。
1/4000の数字の派手さが目を引きますが
ニコンとしては優先させて開発したのは
報道の現場からの要望が大きかった
シンクロ速度の向上で
それの副産物が1/4000の最高速だったようです。
それでいて従来のFE同様に
使いやすい露出計+ファインダー表示
電子制御機ならではの絞り優先オート搭載と
非常にバランスの取れた良いカメラです。
当時中学生の私もカタログを眺めてはため息をついていました
(もちろん買えませんでしたが…(笑))

お預かりしている「FE2」はミラーアップしたままで
固着してしまっています。
「FE」と同様に電源が入らないことによる
ミラーアップのトラブルの比較的多いカメラですが
その場合はM250か「B」、電源を必要としない
メカニカルシャッターに設定すると
シャッターが切れてミラーダウンするのですが
今回の「FE2」はそうしてもミラーアップしたままです。
マウント側の絞りレバーを手で動かして
とりあえずミラーダウン(レリーズ前の状態)にして
再度レリーズしても状況は変わりません。
電子制御云々ではなく機械的に問題があるようです。
シャッターユニットそのものに問題がある場合は
交換部品の調達ができないため
修理不能となってしまう可能性があるのですが
おそらくそうではないと思います。

画像は取取り掛かり始めの状態のモノですが
結論から言ってしまうと
原因はミラー駆動部の動作不良で
シャッター動作へのリンクが行われない状態でした
ほんのわずかな動作不良が原因なのですが
非常に精密な機械であるためにほんのわずかに
正しく動作しきれない部分があればそれは即スタックに繋がります。
動きを現状でいろいろ確認したのですが
登場から40年経過することもあり
やはり巻き上げやミラー駆動、シャッターの動きも
積年の汚れ等が原因で本来のスムーズさがない状態です。
ミラーアップしてしまう状態では確認できなかったのですが
幸運なことに電子回路に大きな問題はないようです。
ただ露出計はそれなりにズレてしまっているので
最終的には電気的に調整を行います。
まずは機械的な部分を本来の動きができるように整備を行い
最終的には電気的にも調整し精度を確保していきます。

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ユニオマットⅡのカメラ修理

今日は「ハーフタイム・デー」だそうですよ。
「一年間の折り返し地点となる日。一年も残す所あと半分となる日」
ということらしいのですが
正確に言うと平年365日の181日目に当たり
残り184日で「一年の真ん中の日」ではないですね。
一年のちょうど真ん中の日は7月2日であり
この日は「一年の折り返し日・真ん中の日」となっています。
でも一年12ヵ月のうち
この日で半分の6ヵ月の月日が経過したことになりますので
やはりキリの良い半分の日と言えますね。
「前半年の反省と後半年への希望を見極める日」
「これまでの半年間を振り返って
この一年の目標を再確認する日」などとされています。
この間、「新年だ!2025年だ!21世紀も1/4経過するで!」と
思っていたのですが…(笑
いや、それを言い始めると
24年前に「つ、ついに21世紀だ!」って言っていたのも
割と最近のことのように思えるのですが…(笑
過ぎ去ってみると時の経つのは早いですね…
残りわずかな人生…しっかり味わって生きなければいけませんねぇ

さてさて

本日は「ミノルタ・ユニオマットⅡ」のカメラ修理を行っています。
追針手動合致式露出計とマニュアルプログラムシャッターを
搭載した距離計連動機です。
搭載されているシャッターユニットはシチズンオプチパーユニで
レンズシャッターとしてはめずらしく最高速は1/1000です。
とはいえプログラムシャッターで
当時のフィルム感度の主力はASA100だったことを考えると
1/1000の出番はかなり少なかったと思われます。
それもあってこの時代のレンズシャッターでの1/1000搭載機は
かなり少ないと思います。
ユニオマット自体の登場は1960年ですが
良く1961年に中身はそのままに外観デザインのみを変更した
「ユニオマットⅡ」が発売されます。
今回のユニオマットはこの「Ⅱ」となります。

やはり心配されるのはセレンの劣化ですが
今回お預かりしている「ユニオマットⅡ」は
その点に関しては心配不要なようで
明るさに対して元気に指針が反応します。
精度もほぼほぼ問題ないレベルです。
しかしながらかなり長い間、それもあまり環境のよろしくないところで
保管されていたらしく全体の汚れがなかなか大変なことになっています。
ボディの汚れは徹底的な清掃である程度はなんとかなりそうですが
問題はレンズとファインダーです。
ファインダーは二重像が全く見えないほど曇ってしまっています。
特に接眼レンズの汚れ・カビが酷いようです。
最初は「ん?ミラーか何か脱落してて全く二重像が見えないのか???」と
思ったのですが二重像自体はハーフミラー上に映っているのですが
汚れがひどいせいで見えないことが判明しました。
レンズもなかなか深刻な状態で
3郡4枚のレンズすべてに盛大にカビが発生していて
バルブで覗いても向こう側がロクに見えない状態です。
多少のカビ跡が残るかもせいれませんが
とにかく入念に清掃するしかない状況です。

これから本格的に分解清掃整備を行っていきます。
シャッターユニットの取り付けにガタがあることと
ピントリングがグリス劣化でかなり重くなっているので
それも含めて細かく入念に整備を行っていきます。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「ビートルズの日」だそうですよ。
1966(昭和41)年のこの日に
当時人気絶頂のビートルズが初来日したことに由来しています。
来日翌日から東京・日本武道館で3日間5回の公演を行ったそうです。
学校をさぼってかけつけた高校生ら6520人が警察に補導されたが
ケガ人は1人も出さなかったそうです。
さすがに私の生まれる前のことなので
当時の熱狂ぶりはわかりませんが社会現象的に盛り上がったのでしょうね
洋楽は中学生頃から聴いていますが
ビートルズはさすがに世代的にリアタイではないので
それほど詳しくありません…有名な曲はもちろん知っていますが…
当時は高校生を中心に熱狂的だったのだと思いますが
10代の頃に出会ったものって音楽でも他の趣味のモノでも
年取っても記憶に刻まれますよねぇ…
そういえば私も先日、4月末に
10代の頃に強烈にハマったシンディローパーのライヴを観に
武道館に行ってきました…やっぱりよかったですよ

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
ペンタックス初のカメラでもある「アサヒペンタックス」からの
流れを引き継いてでいるカメラで
この世代のモデルの集大成ともいえるカメラです。
次に出てくるのは完全新設計の「SP」となりますね。
「AP」「K」「S2」「S3」と続いてきたペンタックス機ですが
この「SV」は「S3」をベースにセルフタイマーが搭載され
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
TTL露出計内蔵は次期「SP」で、となりますが
それ以外はマニュアル機として一通りの機能を搭載し
これ以降の時代と比べても決して不足ないカメラともいえます。
内部機構も「K」や「S2」と比べると
基本は同じですが細かいことろは随分洗練されていて
整備性も間違いなくよくなっています。
M42マウント搭載のシンプルなカメラということもあり
現在でも根強い人気のあるカメラです。

お預かりしている「SV」はミラーアップしたまま固着した状態で
当店にやってきました。
55mm標準レンズが装着されていたのですが
ミラーアップしたままということもあり
絞り込み機構が噛みこんでしまって
レンズも外せない状態で詳細な状態が
受付時には全く掴めませんでした。
ミラーアップはこの手のカメラでよくある
後幕走行不良でミラーダウンできない…というパターンではなく
そもそもチャージ状態からシャッター幕は先幕も走り出していないようです。
幸い「SV」は前面のネジ4本だけで簡単に前板がマウントごと外れるので
前板を外してとりあえずレンズは外すことに成功
現状を細かく見ていくと
まずレリーズされて最初のアクションである
ミラーアップが駆動部動作不良によってきちんと完了しないようで
そのまま固まってしまっていた状態のようです。
とりあえずミラーを強制的にキチンと上げ切ると
とりあえずシャッターは走りましたが
今度は後幕が完全に走り切らずやはりミラーアップしたまま…
でもこれはいつもの症状ですね。

とにもかくにも油切れや蓄積した汚れで
あちこちの動きがスムーズに行えない状態なので
とにかく分解して駆動部を徹底的に洗浄整備していきます。
画像はまだ取り掛かり始めですが
これから分解を進めていきます。
心配されるのは劣化の可能性の高いシャッター幕ですが
ずいぶん昔のことだとは思いますが
過去に幕交換が行われているようです。
シャッター幕は明らかに当時のモノではなく
普通にしなやかな状態を保っています。
「SV」は幕交換が前提となる場合がほとんどなのですが
今回は魔無孔管の必要はなさそうです。
それであれば集中して各駆動部の動きをスムーズに行えるよう
整備を行って最終的に微調整で仕上げたいと思います。

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ニコマートFTのカメラ修理

今日は「パフェの日」だそうですよ。
甘いもの好きな私としてはそれを聞いただけで
パフェが食べたくなりますねぇ…(笑
コンビニスイーツとかでも十分に美味しいし
食べ応えありますが
やはりたまにはお店に行って
豪華に盛り付けられたパフェを堪能したいものです。
視覚で楽しむ美味しさってのもありますものね!
本格的に暑くなるこの季節にもピッタリです。
冷房の効いた部屋で旬のフルーツや
ガツンと甘いシロップ、チョコ、アイスが入ったパフェを
ゆっくり楽しんで少し身体が冷えたところで
熱いブラックのコーヒーで締める…いいですねぇ…
いかん…仕事中止して喫茶店行きたくなってきました…(笑
ちょっと気合い入れなおしてスイッチ入れなくては…

今日は「ニコマートFT」のカメラ修理を行っています。
1965年発売の中級機です。
前板とミラーボックスのダイキャストとを一体化し
シャッターはユニットシャッターである
コパルスクエアSを採用、各部のコストダウンを行いながらも
以前、OEMで失敗したニコレックスシリーズの失敗を踏まえ
開発製造はニコンで行い
高い精度と堅牢性を持ち合わせたカメラとなりました。
F一桁シリーズには及ばないとしても
実際に使用してみても非常に丈夫なカメラです。
機能的にも開放測光のTTL露出計を内蔵し
普通に使うには全く必要十分なカメラです。
ニコマートFT系というと現存台数としても
当店に依頼が多いのも後に出た「FTN」が多いのですが
今回は最初に発売されたFTです。
基本的な構造はほぼ変わらず、違いといえば
開放F値補正操作(いわゆるニコンのガチャガチャ)がなく
若干、レンズ交換の際の開放F値設定が手間なことと
ファインダー内にSS表示がないくらいです。

お預かりしている「ニコマートFT」は
やはりかなり長い間、使われずに眠っていた個体と思われます。
それでもさすがというかシャッターは精度はともかくとしても
一通り作動しています。
ただしやはりシャッター羽根の汚れのせいか高速の精度は
あまり出ていません。
電池もキチンと抜いて保管してあったようで
不安定ではあるものの露出計も動作しています。
ただ一番気になるのは異様に巻上が重いことです。
フィルムを装填していない状態でもかなり重いので
実際にフィルムをいれるとさすがに普通には使えない重さかと思われます。
おそらく巻き上げ機構部の油切れや
積年の汚れが原因と思われます。
細かく見ていくとミラー駆動にも粘りが見られるので
やはり本来のスムーズさや精度を取り戻すためには
一通りの整備が必要な状態です。
当然ながら内部も含めたモルトは全滅です。

取り掛かったばかりの状態ですが
やはり内部は古い油脂類と埃が混じったような
汚れがかなり見られます。
これからミラーボックスを外してシャッタユニットも降ろし
できる限りの清掃整備を行っていきます。
心配されるマイラー抵抗の状態は良好な様子です。
大きさに余裕があることもあり
整備性は非常に良いカメラです。
コパルスクエアもシンプルなシャッターユニットなので
細かい部分まで清掃整備ができる構造になっています。
しっかり手を入れればまだまだ長く使えるカメラだと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「生酒の日」だそうですよ。
老舗日本酒メーカーの月桂冠株式会社が制定しています。
同社が本格的な「生酒」(なまざけ)を発売したのが
1984(昭和59)年6月25日だったことが由来となっています。
超精密ろ過技術の応用で常温流通が可能になった生酒。
これにより蔵元でしか味わえなかったしぼりたての美味しさを
全国どこでも楽しめるようになろました。
生酒は、「火入れ」と呼ばれる60℃ほどの加熱処理を
一度も行わずに出荷される酒のことです。
そのため、しぼりたてのフレッシュな香味を楽しむことができ
冷やして飲むのに適しています。
常温流通可能な月桂冠「生酒」の賞味期間は
製造年月から約8ヵ月となっています。
生酒に限りませんがキリっと冷やした
日本酒の美味しい季節になってきましたね。
お酒は全般的に何でも好きですが
やはり魚介類には日本酒が一番合うと思っています。
これからの季節、お刺身に冷酒は最強の組み合わせですねぇ
もう今は食べる方も飲む方もちょっとだけで十分なので
少し良いお酒とお魚を晩飯に少しだけ味わうくらいでちょうどよいです。
少量だからゆっくりしっかり味わうし経済的でもあるので
食欲の衰えやお酒に弱くなるのも案外悪くないですね(笑

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を目指した
「ペンタックスMシリーズ」の中心機種です。’(1976年12月発売)
異端児的な「MX」を除く他のすべての「Mシリーズ」の
基本となっているカメラです。
「キヤノンAシリーズ」における「AE-1」的存在のカメラとも言えますね。
ただ、「ME」は絞り優先オート専用機で
マニュアル露出での設定は行えません。
マニュアル可能になるは後に出る「MEスーパー」の登場まで
待たなければいけません。
(マニュアル専用機であれば「MX」がありましたし)
なかなか使い心地の良くコンパクトなカメラなので
オートで気軽に撮るのに非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「ME」は
MXを除くMシリーズ共通の定番トラブルである
「ミラーアップしたまま固着」という状態でやってきました。
これは以前のSPやMXで見られる
「シャッター走行不良が原因でのミラーアップ」ではなく
ミラー駆動部そのものが原因のミラーアップです。
ミラー駆動部に使われているゴムブッシュが溶解し
動きを妨げてしまうために起こるトラブルです。
非常に発生頻度が高いため既に修理方法も確立されていますが
発生個所にたどり着くためにはそれなりの分解が当然ながら必要で
やはり分解整備一式となってしまいます。
今回の場合はそれに加えて巻上軸が巻上完了の位置から返ってこないようで
巻上レバーもスカスカの状態になっています。

ミラーアップした状態のままだったので
電気的な制御の善し悪しは分解するまで判断できなかったのですが
ここに落とし穴がありました(苦笑)
電池室は一見キレイだったのですが
裏側…とくに基盤ソケット部の腐食が酷く
腐食で脆くなったソケット部のプラスチック部分が割れてしまっています。
これでは機械的駆動部を修理しても正常に動くわけがありません。
基盤自体にまで腐食が拡がっていないのが
不幸中の幸いですがソケット部は中古良品の部品を使って
修理を行っていきます。
最終的には電気的調整も行ってオート制御の精度を出していきます。

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リコー500GXのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
1861(文久元)年のこの日付の英字新聞
「ザ・ナガサキ・ショッピングリスト・アンド・アドバタイザー」に
長崎出島の外国人居留地に日本初のボウリング場が
開設されたと掲載されたことにちなんだものだそうです。
私の生まれたころに「ボウリングブーム」が巻き起こり
そこいら辺中にボウリング場が建設されました。
私が子供の頃にはまだ余波でたくさんのボウリング場があり
私が覚えているだけでも生まれ育った呉市に
(当時は人口のピークで30万人)
7か所のボウリング場がありました。
じいさんも親父もボウリング好きなうえに上手くて
アマチュアの大会で優勝してくるほどでした。
それもあって家の中にはボウリングのピンやボールが
普通に置いてあったりしました
高校生の頃になると友達が集まるとボウリングに行くことが
多くなりました。その頃にはボウリング場も減っていましたが
今よりはまだまだたくさんありました。
そんな感じでボウリングに関する思い出は多いですねぇ…
もう何十年投げていませんが…
足が少し不自由になったからもう無理でしょうねぇ
身体が自由に軽く動く頃が懐かしいです(笑

さてさて

本日は「リコー500GX」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のコンパクトカメラです。
40mmF2.8のレンズを搭載し
シャッターはB・1/8~1/500をカバーします。
マニュアル露出も可能ですが
露出計に連動したシャッタースピード優先オートでも使用できます。
コンパクトな割には何でも一通りこなせるカメラです。
1972年発売の「500G」やその翌年に出た「500GS」が同じ系列のカメラで
「500GX」が最終モデルにあたります。

お預かりしている「500GX」はまず露出計に問題があるようです。
全く動かないわけではなくて電池をいれて
かなり明るい光にあてれば少しばかり指針に反応があるのですが
ほとんど動かないといっていいほどの状態です。
シャッターは一通り切れていますが若干の粘りあり
レンズ・ファインダーにはそれなりにカビや汚れがあるようです。
おそらくかなり長い間、使われずに
しまい込まれていたカメラだと思われますが
いずれにしても普通に使うためには修理整備が必要です。

同社のオートハーフでも見られるような
アルミカバーで前後を覆うモナカ構造で作られています。
フィルム室を裏ブタの形状での遮光を行わないため
より薄くコンパクトにできますが
その分遮光は大量の遮光材(モルトプレーン)に頼ることになります。
画像ではわかりにくいですが裏ブタに大量に貼られた
モルトはもちろん劣化でボロボロで遮光の役目は果たしておりません。
もちろん交換で対応いたします。
これから分解を進めて露出名のトラブルの原因も
確認していきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「夏至」ですね。
いよいよ本格的な夏が近づいてきていますね…うんざりです(笑
「夏至」に関連して今日は「スナックの日」とされています。
ここでいう「スナック」はスナック菓子のことですね。
スナックという字面をパッと見て
繁華街の雑居ビルに入っているような
場末の飲み屋を真っ先に連想してしました(笑
昔はそういうところにも頻繁に飲みに行った時期がありましたが
今や全く縁がなくなりました…
話を戻して…「スナックの日」はかつて「夏至」のお祝いに
「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
とはいいますが現在のスナック菓子にそんな固いものはないですよねぇ
ちなみに現時点ではJAS法によるスナック菓子の定義は存在しないため
製菓業界が漠然と区分しています。
原料にトウモロコシ、米粉、いも類、豆類などの炭水化物を用い
それを食用油で揚げている菓子類をスナックと呼んでいます。
一方、小麦を原料とするビスケット類は
ビスケット菓子と呼ばれて区分されます。
また、一部の煎餅、あられなどの米菓は炭水化物を原料として
油で揚げる共通点があるものの米菓として区分されるのだそうです。
まぁ難しいことはさておき
スナック菓子はビールのつまみにもいいですし
食べだすと止まらなくなるのですよねぇ
糖質制限的にあまり食べないように気をつけています…美味しいけど…(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
圧倒的に修理依頼の多いカメラなので
ここのブログにも頻繁に登場するので
聞き飽きているとは思いますが
1972年発売のカメラです。
オリンパスは35mm判一眼レフへの参入はかなり後発で
通常の一眼レフよりも構造的にももっと奇抜な存在である
ハーフ判一眼レフ「ペンF」のほうが先に登場しています(1963年)
35mm判一眼レフとしては1972年国内発売の
M42マウントの「FTL」が最初のモデルで
そのすぐ後に「M-1(OM-1)」が登場します。
モデル名についてゴタゴタあったのはここでは割愛しますが
1973年5月にはモデル名も「OM-1」となります。
現在になっても小型軽量の機械制御機としては
一番にイメージされるカメラだと思います。
単に小さいだけではなくシャリっとした上質な巻上感
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いカメラでもあります。

お預かりしている「OM-1」はまず電池を入れても
露出計が全く動きません。
電池室を見るとマイナス側の端子がグラグラになっており
この段階で「絶縁樹脂ネジが折れてるな」とわかります。
そのため接触不良が起きてしまっています。
底カバーを開けてみるとやはり樹脂ネジが折れていて
以前にそれを直そうとしたのか
ボンドでネジ頭を接着した跡が見られます。
さすがにそれでは負荷のかかるネジは留まりません…
配線にも一部ダメージが見られますので
配線交換と樹脂ネジの交換を行います。
露出計の精度にもかなり問題があるので調整も行います。
加えてシャッタースピードの精度にもかなり問題アリです。
後幕の動きが悪いようで高速シャッターはかなり開き気味です。
1/1000時に1/250ほど露光してしまうようです。
それでもガバナーは駆動していますし
ミラアップすることもないので使えなくはないですが
厳密な露出が要求されるような場面ではかなり問題になると思います。
幕軸清掃の上で調整を行っていきます。

電池室の件でもわかりましたが
過去に手を入れられた形跡があります。
そのときの処置のおかげでプリズムの腐食はなく
ファインダーは一通りの清掃でかなりクリアになりそうです。
おそらくさほどの分解はされていないようで
幕軸や巻上の深い部分には手がついていないと思われます。
OM-1はその小ささを実現するために
いろいろと独自の工夫がされている場所も多く
整備性自体は悪くないのですが
かなりデリケートな部分の多いカメラです。
頻繁に手にするので見慣れた内部光景ではありますが
慎重に整備を行っていきます。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ペパーミントの日」だそうですよ。
ペパーミント…ハッカですね。
記念日制定したのはハッカ(ペパーミント)が特産品の
北海道北見市まちづくり研究会で
6月はこの月の北海道の爽やかさがハッカそのものであることから
20日は「はっか(20日)」と読む語呂合わせからなのだそうです。
ハッカ…ガムのイメージかな…スーッとする気持ちよさが
癖になりますよねぇ…
でも子供の頃はあまり好きではなかったかもしれません
ドロップス(飴)の缶にハッカ味ばかり
残ってしまっていたような記憶があります(笑
飴やガムの他は…歯磨き粉やタバコですかねぇ
タバコ吸ってた頃は長年メンソール(ハッカ)でした。
でもすぐに慣れてしまってスーッとしなくなるんですよね。
そんなこと考えていると
とりあえず強烈なハッカ味のガムを噛みたくなってきました。

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
このブログでも頻繁に登場する
「ペンタックスSP」から露出計を省略したモデルです。
1968年発売のカメラです。
この少し前の時代から外光式やTTL露出計内蔵のカメラが
出始めるわけですが
まだまだ実績の少ない新機能ということで
一部のユーザーからは懐疑的な目で見られることも多かったようです。
精度や傾向の問題もありますが
「余計なものが本体に内蔵されているとトラブルの元」という
考えもかなり根強かったようです。
そんなユーザーの声に応えるために
あえて露出計を省略したモデルというのも各メーカーに存在しました。
今回の「SL」や「キヤノンFP」「ニコマートFS」あたりですね。
登場から50年以上経過した現在となっては
経年劣化によって露出計の精度に問題がある場合も多いので
現在でもこういう露出計レスのモデルは根強い人気があるようです。

お預かりしている「SL」は外観は非常にキレイな
ブラックモデルです。黒はちょっとレアですね。
シャッターは一通り切れているのですが
高速域のシャッターに問題があって
1/1000は開かないようです。
1/500も一部開かず写真を撮ると写真の端が黒くなってしまうようです。
1/250以上のSSだと開きますが精度にはやはり問題がある状態です。
幕軸の古い油脂類の汚れ等で先幕後幕の幕速バランスが
崩れてしまっていることが原因です。
先幕が遅いと今回のようにシャッターが開くなくなり
後幕が遅くなるとSP系でよくあるミラーアップの原因になってしまいます。
こういった状態のカメラを幕テンションを単に上げることで
とりあえず回避したとみられる個体をたまにみかけますが
無理にテンションを上げて使っていると
今度は幕軸のバネ自体がバカになってしまって修理不能となってしまいます。
根本的に幕軸の動きを良くして最低限のテンションで
スムーズに動くように整備を行っていきます。
なんでもそうですが力づくで無理に動かすことは禁物です。

まだ取り掛かり始めの段階ですが
ここからさらにミラーボックスを取り外して
シャッター周りや巻上機構の清掃整備を入念に行っていきます。
露出計がないので中身はシンプルです。
フラッシュ接点制御以外の配線はありませんし
電池室もASA感度設定ダイヤルもありません。
整備性はもちろん非常に良好です。
SP系で心配されるプリズム腐食は
随分昔かとは思いますが対策が取られているようで
心配ない状態です。
今回しっかり手を入れてあげればまた当分の間
何も心配せずに長く撮影を楽しめます。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「元号の日」らしいですよ。
645(大化元)年のこの日に
蘇我氏を倒した中大兄皇子(後の天智天皇)が
日本初の元号「大化(たいか)」を制定したことに由来しています。
「大化」以降、248の元号が定められています。
もちろん今は「令和」ですね。
ついこの間始まったばかりの元号だと思っていたら
もう「令和」も「6年」なんですよねぇ…
時の流れって気づかぬ間に確実に残酷に進みますねぇ(苦笑)
私が生まれたのが昭和44年…その後、平成・令和と続き
現在の元号から数えて昭和って二つ前なんですよね。
年数がそれぞれ違うので一概に言えませんが
私が子供の頃に二つ前の元号といえば…「明治」
当時でも「明治生まれ」といえばもうかなりのお年寄り…
そりゃ私がじじいになるはずだわ…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。
ペンの最上位シリーズである「ペンDシリーズ」の一員とも
いえなくはないですが他の「ペンD」とは全く異なるカメラです。
とはいえ、「ペンEEシリーズ」とも中身は大きく異なるので
「EED」はペンの中でもちょっと異端児的なカメラです。
「D」ということもありレンズはGズイコー32mmF1.7の
大口径レンズを搭載します。
シャッターはコパルではなくオリンパス内製のプログラムシャッターです。
シャッター羽根と絞り羽根を二枚羽根で兼用としたタイプで
それをCDS使用の露出計と連動して露出を決定します。
誤解されることがたまにあるようですが
シャッターそのものは機械的に駆動します。
そのため露出計と連動しないフラッシュモードだと
電池がなくても駆動することができます。
ただオート露出モードだと露出計が振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかるため
現実的には電池を入れて露出計を動かさないと
普通に撮影に使用することはできません。

露出計が不動となって
撮影不可能になっている個体が多い印象ですが
お預かりしている「EED」は電池を入れると
露出計はとりあえず動作するようです。
ただし精度に問題があって
かなりオーバー目に制御されてしまうようです。
この状態で日中屋外等で撮影に使用すると
かなりハイキ-な写真を量産することになりそうです
それはそれで面白いといえば面白いのですが
やはり現実的にちょっと困りますね。
ペンEEDはフィルム室のモルトも最小限で
基本的には裏ブタの構造で遮光するコストのかかったタイプです。
ただし隙間の空きやすい丁番部と
反対側端の開口部にはモルトが使われています。
そしてやはりモルトは全滅です。
加えてファインダーやレンズには
それなりにクモリやカビが発生しています
さらに巻上が油切れか堆積した汚れのせいで
妙に重くなってしまっています。
やはり本来の使い心地でキレイな写真を撮るには
一通りの整備が必要な状況です。

これから分解を進めてまずはシャッターユニットを分離して
シャッターの整備を行っていきます。
そして外したレンズは入念に清掃を行い
シャッタユニットの外された本体側は巻上の整備と
露出計電気回路の点検整備を行います。
おそらく配線やハンダに劣化が見られると思うので
それを改善するだけでもオーバー傾向はある程度改善すると思われます。
その上で最終的には電気的に調整を行っていきます。
「EED」は構造的にも他のペンと共通項が少ないですが
デザイン的にもかなり独自性が強いと思います。
二枚羽根プログラムシャッターのためシャッター音も独特です。
なかなか個性が強くて面白いカメラだと思います。

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