カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ヤシカエレクトロGT(S)のカメラ修理

今日は「高血圧の日」らしいですよ。
イヤな記念日ですねぇ(苦笑)
「糖尿病の日」「世界脳卒中デー」「世界リンパ腫デー」と並んで
私にとってイヤな日四天王ですね(笑
一般的に「高血圧」とは
最高血圧140/最低血圧90mmHg以上なのだそうです。
生活習慣病の一つとされ
日本には高血圧の人が約4000万人いると推定されています。
しかし高血圧はサイレント・キラーと呼ばれ、
自覚症状がないことが多いため
実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人と言われています。
もうある程度の年齢になったら自宅に血圧計をおいて
頻繁に血圧チェックが必要かとは思います。
重度でなければ割と服薬で抑えられる場合が多いようです。
私も一時期は血圧高めでしたが
ここ数年は全く問題ない数値に収まっています。
でも生活習慣病ですからね。油断するとすぐに戻ってしまうので
日頃の体調管理が大事だと思います。
年齢を重ねるといろいろ気を遣う部分が増えるのはしょうがないですねぇ
食べ物なんて特にそうですが加齢によって
衰えた体に合った食生活が大事かな…と思います。
身体を作る元ですから気を遣うのが当然といえば当然ですよね

さてさて

本日も「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理です。
昨日は「GSN」でしたが本日は「GT(S)」です。
昨日の「GSN」のひとつ前のモデルにあたります。
発売は1970年です。
エレクトロのモデルネーミングも少々ややこしいのですが
まずは初代「エレクトロ35」
これをブラック塗装とした「エレクトロ35プロフェッショナル」
次が電気接点のロジウムを金メッキに変更した
「エレクトロ35G(ゴールドメカニカ)」
その「G」のブタック塗装が「GT」
そして「G」のレンズを新コーティングの「カラーヤシノンDX」に
変更したものが「GS」そのブラックバージョンが「GT(S)」
そして「GS」にホットシューがついたものが「GSN」
ブラックバージョンが「GTN」です。
ちなみに今回の「GT(S)」のボディモデルプレートは
「GT」となっていますがこれで正常です。
前の「GT」のままなのですね。
でもレンズ銘板に「カラーヤシノンDX」の刻印があるので
そこで区別は可能です。
昨日も書きましたが細かい中身の部品や部品形状の変更はともかく
基本的な構造・機能・外観形状は初代エレクトロのままです。
細かく変更を重ねながらも初代から7年製造されたのですから
もともとの基本設計が優れていたのだと思います。
改めてみると結構独自性の強いカメラで
存在感のあるカメラだと思います。

お預かりしている「GT(S)」はこれも致命的な問題はないのですが
レンズ・ファインダーにそれなりの汚れやカビがあり
やはり電源やオート制御が少々不安定です。
昨日と同じく各部の清掃。、特に接点・マグネットの清掃を
入念に行っていきます。

ただし…昨日と異なって今回はオート制御の不安定さが
なかなか改善されずかなり苦労しました。
結局は接触不良が原因だったのですが
ちょっと思ってもいなかった箇所が原因だったので
なかなか見つけるのに苦労しました。
それでも今回も電子部品自体には問題がなく
少々ホッとしています(苦笑)
モデル名からもわかりますが
いつもヤシカならではのギンギラシルバーではなくて
締まったブラック塗装です。
ヤシカならではの派手なシルバーもかなり魅力的ですが
やはりブラックも精悍でいいですね!

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ヤシカエレクトロ35GSNのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
1689(元禄2)年5月16日(旧暦3月27日)に
俳人・松尾芭蕉が江戸を立ち
『おくのほそ道』(奥の細道)の旅へ旅立ったことに由来しています。
隅田川から日光街道を北へ進み
下野・陸奥・出羽・越後・加賀・越前など
彼にとって未知の国々を巡る旅は
全行程約600里(約2400km)に及ぶ徒歩の旅でした。
芭蕉は体が弱かったため困難も多かったが
2年後の1691(元禄4)年に江戸に帰ってきたそうです。
改めて聞くとすごすぎますよね。
私は文明の利器を利用して各交通機関を使っても
もうあまり見知らぬ土地への遠出は躊躇してしまいます。
日帰りできる近場であれば割とうろちょろするのですが…(笑
あとは数か月に1回の地元帰省で手一杯ですね…
予算と時間の都合もあり
なかなか実現しないですが
たまには完全非日常の旅でもしてみたいものですね。
いや…やはり…もう「めんどくさい」が勝っちゃうかな…(苦笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GSN」のカメラ修理を行っています。
レンズ固定型の35mm判カメラとしてはヤシカを代表する
カメラだと思います。
シリーズ化して様々モデルが存在ますが
初代は1966年発売です。
シリーズを通じて「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して
作られたカメラで暗所に強い大口径レンズ、
長時間露出性能の高い電子制御シャッター使用の
絞り優先EEを採用しています。
今回の「GSN」は1973年発売のモデルで
このモデルまではほぼ初代同様のデザインを踏襲しています。
機能的にも大きな変更はなく
このひとつ前の「GS」で新コーティングの
カラーヤシノンレンズに変更され
「GSN」にはさらにホットシューが装備されています。
このころにはコンパクトカメラの小型化の波が一気に
押し寄せてきていて次期エレクトロは大幅に小型化がすすめられます。
それでもこの少し大柄なエレクトロは基本性能に優れ
大きな変更もなく長く造られた名機だと思います。

電子制御機ということもあり制御系の状態が
心配されるカメラですが以外にも電子部品関連のトラブルは
少ないカメラだと思っています。
それでも接点の接触不良や電池室の状態等が
動作不良に直結するのは電子制御機の常ではあります。
今回も一通りは動作しているのですが
やはり動作は不安定でオート制御も精度的に問題が出ています。
ただ原因は電子部品ではなく接点等の接触不良だと思われます。
50年以上経過するカメラなので
接点等に汚れがありハンダが劣化するのは当たり前です。
そのあたりの電圧ロスをなくしてやれば
あとは調整で正常な状態になるかと思われます。
加えてレンズやファインダーに盛大にカビが発生していて
明らかにまともに写る状態ではありません。
そのあたりもできる限りの清掃で問題ないレベルに
クリアにしていきます。

時代的にしかたないのですが配線が非常に多く
その分、ハンダも多いのでいろいろなところで
接触不良が起きやすい…というのはあると思います。
それでも今回は電池室に深刻なダメージがなく
それに伴って配線等のダメージも少ないので
状態としては悪くありません。
預かった時に当時のHM-4N電池がゴロンと出てきたのですが
電池室のダメージがほぼ皆無なのは不思議です。
電池の個体差なんでしょうかね…
それでも接点の接触やハンダの不良は何か所かすぐに発見されています
このあたりが動作不安定の原因かと思われます。
GSNは初代からのこの形のエレクトロとしては最後のモデルですが
内部構造も基本的には変わっていないとはいえ
部品の形状や取り付け方法は細かく変更されていて
明らかに整備性にも良い方向に変更されています。
内部はやはり常に細かく改良されているということですね。

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マミヤ35クラウンのカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」だそうですよ。
1845年のこの日に
ヨーグルトを研究し、ヨーグルトが健康に良いと
世界中に紹介したロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ博士が
生まれたことに由来しています。
記念日の制定は「明治ブルガリアヨーグルト」でお馴染みの
明治乳業株式会社(現:株式会社明治)が行っています。
「明治ブルガリアヨーグルト」いつもお世話になってます。
詳しくは割愛しますが「ヨーグルト」に関する記念日は多くて
今日を含めて9日あるのです。
ヨーグルトは善玉菌の宝庫で腸内環境の改善に効果があり
そのほかにもいろいろな効用があるといわれています。
カロリーも低いので私もほぼ毎日ヨーグルトを
食べるようにしています。
ただ…プレーンヨーグルトはそのままだと食べにくいので
蜂蜜をかけていただいているのですが
甘いもの好きな私はついついかけすぎてしまう傾向が…
血糖値コントロールに本来良いはずの
ヨーグルトがこれでは本末転倒に―――――(笑

さてさて

本日は「マミヤ35クラウン」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のレンズ固定型レンズシャッターの
レンジファインダー機です。
「マミヤ35シリーズ」は1950年代から60年代に
様々なモデルが発売されるのですが
ちょっと困るのがメーカー名の刻印のみで
モデル名がボディに全く刻印されていないのですよね。
修理する分にはお預かりしているカメラそのものを
見ればよいだけなのでそれほど問題ではないのですが
修理の記録を取るうえでやはりモデル名と詳細なスペックは
あったほうがよいのでいつも困ってしまいます。
それでもそれなりに数を見てきたので
ざっくりとは判断はできるのですが
確信までは持てないのでいつも資料を引っ張り出しては
調べることになってしまいます(苦笑)

搭載されているレンズは
マミヤセコールFC4.8cmF1.9で
シャッターユニットはセイコーシャMXLです。
当時のスペックとしては最高級なものになります。
お預かりしている「マミヤ35クラウン」は
ファインダーは濃霧の中にいるような雲りようで
まともに対象物を見ることができません。
レンズにも盛大にカビが発生しています。
そして当然のようにシャッター・絞りに粘りが見られます。
加えて巻上やSS・絞りリング、ピントリング
全ての操作系がとにかく重いです。
何十年も使われないまま放置され
あらゆるところに汚れがたまり
粘りや固着を引き起こしているようです。
それでも致命的な破損はなく
入念に整備清掃を行えば
普通に使える状態にはできそうです。

まだまだ取り掛かったばかりの段階です。
リング類の固着粘り等は様子を見ながら
少し時間をかけて行っていきます。
レンズ・ファインダーは通常の清掃で
かなりクリアになりそうです。
構造自体はシンプルなカメラで整備性は良いカメラです。
長い時間をかけて凝り固まった汚れが
動きを邪魔している部分が多いので
焦らずに慎重に作業を行っていきます。
こういう作業は本当に焦りは禁物です。

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コニカSのカメラ修理

今日は「温度計の日」だそうですよ。
1686年のこの日に水銀温度計を発明し
華氏温度目盛りに名前を残す
ドイツの物理学者
ガブリエル・ファーレンハイトが生まれたことに由来しています。
実家に昔、水銀温度計がありましたね
アルコール温度計しか見る機会があまりなかったので
めずらしくてよく覚えています。
でもファーレンハイトといえばやはり「華氏(℉)」ですよね。
日本では全く馴染みがありませんが英語圏では
いまだに多く使われる温度の単位です。
日本ではやはりセルシウス度(摂氏(℃))ですよね。
ふと思ったのですが長さや重さの単位は
日本古来の単位(貫とか尺とか)が存在するのに
温度には私の知る限りないのですよね…
昔の人は温度に関して「暑い・寒い・熱い・ぬるい・冷たい」くらいで
充分だったのですかね…
まぁ充分か…加えて「お湯が沸いた」「水が氷った」があれば
事足りますね。。。(笑

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のレンズ固定式のカメラです。
それまで「コニカⅠ・Ⅱ・Ⅲ」と続いてきた
レンズシャッター機のシリーズを大きくモデルチェンジして
登場したカメラです。
直線的でそれまでとは全くイメージの異なるカメラになりました。
コニカⅢMで取ってつけたような露出計が装備されていましたが
「S」ではスマートに内蔵されました。
ただやはりセレン光電池の露出計なので
セレンは劣化して起電しないものが多いようです。
今回、お預かりしている「コニカS」も露出計は全く動きません。
加えてシャッター羽根にも定番の粘りがあり
ファインダーも汚れで曇って非常に見えづらい状況です。

シャッターや駆動部のトラブルは原因が明らかですし
通常整備をしっかり行えば改善できるので
まずは露出計の状況を詳しく調べていきます。
セレン光電池は取り外して単体で調べても
全く起電しない状態です。
通常はセレンの交換は部品が確保できないので
修理不可能とさせていただくことが多いのですが
今回はたまたまコニカSのセレンで
そこそこ起電するものが在庫にあったので
それと交換で対処していきます。
しかしながら今回の問題はそれだけで終わらず
露出計本体も内部で断線しているようで
電圧をかけても全く動作しません…
これも中古良品と交換で対処します。
さらに加えて絞りリング・SSリングの摺動抵抗の状態も悪く
露出計が全く安定しない状態です。
ここは抵抗体が剥がれ落ちないように慎重に清掃して
できる限りの調整を行っていきます。
さすがにこの時代の露出計はなかなか一筋縄ではいきませんね
それも今回は何とか使える状態にはなりそうです。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「ザリガニの日」だそうですよ。
1927(昭和2)年のこの日に
神奈川県の養殖業者により
アメリカ・ニューオーリンズから
アメリカザリガニが持ち込まれたことに由来しています。
アメリカザリガニは鎌倉食用蛙養殖場(現:岩瀬下関防災公園)に
食用カエル(ウシガエル)の餌として持ち帰ったもので
アメリカで出荷された際は100匹であったが
無事に日本に到着したのはわずか20匹だったそうです。
そのアメリカザリガニから養殖池から逃げ出し
その後、爆発的に広まったとされています。
1960(昭和35)年頃には九州でも確認されるほどになり
現在では沖縄を含む日本各地で確認され
国内では最もありふれたザリガニとなっています。
そのアメリカザリガニを餌として与えられた
ウシガエルもアメリカザリガニと同様に
ウシガエルも養殖場から逃げ出して、または捨てられて
日本各地に分布を広げたとされていまする。
こちらは各地の養殖場から逃げ出したようです。
アメリカザリガニ…いたるところにいましたね(笑
子供の頃には格好の遊び相手だったので
その辺のどぶ川にいるやつをよく釣って遊びました。
タコ糸に煮干しで簡単に釣れるのですよね。
いまでもそこら辺中にいるんでしょうね。
あ、そういえば比較的最近、近所の公園の池で見かけました。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「C35」にもいろいろな種類があって
当店で扱うのはフラッシュ内蔵以前の
古いタイプの「C35」です。
今回の「C35」は1971年発売の「C35E&L」です。
初代C35をベースとして距離計とセルフタイマーを
省略しよりシンプルなものとしたカメラです。
その他は初代C35とほぼ同じです。
露出がプログラムオート専用で簡単に撮れるカメラなので
目測としてより簡単に撮れる方が
キャラクター的にはあっているような気がします。
目測式となったためファインダーから
ピントリングのポジションが直読できるように
確認窓が追加されています。これは便利ですね。

「C35」のトラブルの多くは露出計に関係するものと
シャッターの粘りがほとんどなのですが
今回も電池を入れても露出計は全く動きません。
露出計連動プログラムオートで
露出不足の場合もシャッターはロックされないので
とりあえずはシャッターは切れますが
常に開放・1/30で切れてしまいます。
日中屋外であればほぼすべての写真が真っ白になるかと思われます。
シャッターは粘りもほとんどなく元気に作動していますが
フィルム室のモルトは劣化でほぼ剥がれ落ちていて
レンズやファインダーのカビ・汚れもひどい状態です。
露出計以外の部分も全体的に整備が必要な状況です。

電池室は一見キレイだったのですが
外して裏側まで確認すると
緑青が結構付着していてハンダは完全に劣化していて
配線は断線していました。でもほぼ予想通りです。
緑青は配線を伝ってCDS基部や露出計本体の端子にまで及んでいます。
各端子の磨きや清掃と配線の交換を行います。
「C35」は比較的CDSの劣化も多いカメラなのですが
今回はCDSはそれなりに働いてくれる状態のようです。
電源さえ復活すれば調整で精度は出せそうです。
シンプルな構造なこともあり
見慣れていることもありますが
整備性は極めて良好です。
整備する際のポイントも把握しているので
普通に長く使えるるように入念に作業を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「袋物の日」だそうですよ。
これも「母の日」に関連した記念日で
ハンドバッグなどの袋物の需要を高めることが目的だそうです。
また、「母の日」→「お袋の日」→「袋物の日」と
連想をしてもらい、「母の日」にはハンドバッグを贈る習慣を
広めることで袋物のアピールをしたいとの考えによるものだそうです。
いろいろ考えますねぇ…
女性ものに限らずバッグやかばんは生活必需品ですものね。
若い頃はいろいろ手荷物が多いのが嫌で
ポッケに財布だけ入れて出かけることも多かったのですが…(笑
バッグに関しては流行り廃りもいろいろあって
20代の頃はセカンドバッグ全盛期で私も小脇に
小さなバッグ抱えて歩いていましたね
高校生の頃は「巾着袋」が定番で
お弁当だけを小さな巾着袋に入れてそれだけで通学していました(苦笑)
中学生の頃は学校指定の白いたすきカバンで
やたらとタスキを長くして前に持ってきて
膝で蹴りながら通学していました…
帆布製のたすきカバン…今でも当時と近いものが売られているのですよね
定期的に欲しくなるアイテムのひとつなのですが
「いや、それ、買って本当に使うのか???」と自問自答して
いつも思いとどまっています(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
最近少し依頼数が減ってきたような気もしますが
相変わらず機種別依頼数の多さでは
トップクラスのカメラです。
元祖・軽量コンパクト一眼レフといえるカメラです。
機械制御シャッター搭載機としては
現在でもこのジャンルでは「OM-1」が
一番にイメージされると思います。
同時期の他のメーカーがやらなかった
軽量コンパクトさを実現するために
内部には様々な工夫が凝らされた構造となっていて
さすがに整備性は少々ややこしい部分もあり
現在となっては様々な劣化の影響もあり
少々華奢な部分もありますが
しっかり整備を行えばまだまだ遠慮なく使えるカメラです。
小さなことも魅力ですが独特の心地よい巻上感や
静かで上品なシャッター作動音も非常に魅力的なカメラです。

お預かりしている「OM-1」は
シャッターは切れているものの
まず裏ブタが全く開きません。
巻き戻しの部引き上げに伴って
裏ブタ留めの爪も引きあがるはずなのですが
爪が動作不良でうまく解除できないようです。
そしてシャッターは高速では制度不良
低速ではガバナの粘りが見られます。
いずれも駆動部の汚れ等による動作不良が原因です。
トラブルの多い露出計はとりあえずは動作していますが
SWオン時にSWを触ると指針が激しく上下します。
SWの接触不良があるようです。

いずれのトラブルも原因の予想がつきやすいものなので
それぞれ対処しつつあらゆる動作部の整備を行っていきます。
今回の「OM-1」はかなり後期のモデルで
露出計SW部等は「OM-1N」と共通の構造になっています。
従来のSW部も接触不良のトラブルが多く
この形状に変更されたのだと思うのですが
私の感じる限りではこちらの新しいタイプのほうが
接触不良のトラブルが多いような気がします(苦笑)
構造的には明らかに新しいものの方が良さそうなのですが…
心配の多いプリズムはずいぶん昔に
腐食対策がなされているようで非常に良いコンディションです。

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ミノルタSR-2のカメラ修理

今日は「コットンの日」だそうですよ。
「コッ(5)トン(10)」と読む語呂合わせと
木綿(コットン)が夏物素材として使用され
5月に店頭販売の最盛期を迎えることからだそうです。
木綿のシャツとか肌触りが良くて
気持ちが良いですよねぇ…
初夏の気持ちよさが感じられてよいですね。
そういえば子供の頃に
「木綿のランニング」(死後(笑))を着せられて
それ1枚と半ズボンで外で遊んでましたねぇ…
なんか懐かしい景色が
いろいろと頭に浮かんできてしまいます(笑

さてさて

本日は「ミノルタSR-2」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のカメラです。
ミノルタ初の一眼レフ機です。
「SR-1」のほうが後の登場で
「SR-2」のほうが上位モデルとなります。
数が大きい方が上位モデル…ということですね。
シャッター速度はB・1秒~1/1000秒で
シャッターダイヤルは一軸不回転式ではありますが
不等間隔の持ち上げ式です。
この辺りは時代を感じます。
絞りも完全自動絞りではなく
レリーズで絞り込まれ巻上で開放になる
「半自動絞り」です。
多少クセのあるカメラですが
慣れてしまえば問題ないレベルかと思います。
余談ですが私のじいさんも
ニコンFを手に入れる前に
「SR-2」をメインで使っていたようです。
さすがに私の生まれる前ですが
その「SR-2」はちゃんと今でも手元にあって
元気に動いています。

お預かりしている「SR-2」はシャッター切れず
巻上できずで固着している状態です。
幕位置から判断してチャージはできているものの
レリーズできないという状態のようです。
レリーズボタンは押し込めない状況です。
「SRシリーズ」もプリズムの腐食が多いカメラですが
今回の「SR-2」も激しく蒸着が剥離しています。
プリズムに接するモルトを起因とするものです。
ファインダー内には横方向に太い黒い帯が出ていて
視野をかなり邪魔しています。
「SR-2」や「SR-3」前期の「SR-1」は
フィルム室には全くモルトを使わなくて
裏ブタやボディの形状で遮光しているのに
プリズム周辺にはモルトを使っているのですよね…惜しいですね(苦笑)

まだ取り掛かり始めの段階です。
わかりにくいですがプリズムの剥離も写っていますね。
プリズムは交換で対応します。
シャッターが切れない原因はレリーズ機構から
シャッターへの連携が動作不良によって
できないことが原因用です。
いったん巻上機構等も含めてある程度分解して
戦争整備の上、組み立てて調整することで解決しそうです。
シャッターの精度も出ていなさそうなので
そのあたりの整備調整も並行して行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
1964(昭和39)年、アイスクリームのシーズンが始まる
連休明けの時期である5月9日を「アイスクリームデー」と決め
東京アイスクリーム協会が記念事業を開催し
都内の施設や病院などにアイスクリームをプレゼントしたそうです。
このことがきっかけとなり、以後、同協会では5月9日を
「アイスクリームの日」として
各地でイべントやプレゼントなどのPR活動を実施しているのだそうです。
確かにアイスがより美味しく感じられる季節ですよね!
私はガツンと甘いものが好きなので
少し酸味の効いたさっぱり系のアイスより
濃厚な味わいで冬でも食べたくなるようなタイプのアイスが好みです。
それにしても昔に比べると
近所のスーパーやコンビニで気軽に手に入れられる
アイスの種類は増えましたよね。
「何かアイス食べたい!」と思ってコンビニに行っても
その種類の多さとどれもそれぞれ美味しそうで
ついつい悩みこんでしまうことが頻繁にあります(笑
今日も夜のウォーキングが終わったら
夕食後のデザートに何かアイスを買って帰ります!

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
当店にも修理依頼の多いカメラでありますが
当時の大ヒットモデルでもあります。
世界で二番目の発売となるTTL露出計内蔵型カメラで
それ以外の部分でも非常に使いやすい優れたカメラです。
M42マウント採用のためレンズ側からの絞り情報伝達機構がなく
測光は絞り込み測光となりますが
それも慣れてしまえば大きな問題ではありません。
反対にM42マウントなのでペンタックス純正レンズ以外にも
様々な世界のメーカーのM42マウントレンズが使用でき
撮影を楽しむという点でも非常に魅力的なカメラです。

お預かりしている「SP」は
その当時の最大のセールスポイントであった露出計が
電池を入れても全く動作しません。
「SP」は絞り込み測光でもあることから
マウント脇の絞り込みSWが露出計SWを兼ねています。
これをオンにしても露出計に反応はありません。
露出計本体のトラブルの可能性は低いので
配線か接点の接触不良が原因かと思われます。
加えて高速シャッタの精度は
やはり先幕後幕の幕測バランスが崩れていて
特に高速シャッタでは全く精度が出ていません。
これも幕軸の汚れや古い油脂が原因かと思われます。

既に一通りの整備は完了していて
動きが馴染むまで少し様子見をしている段階です。
露出計トラブルの原因はやはり電池室裏の接点の
腐食が主な原因でそれに関連して
そこからの配線にも腐食が見られ
ほぼ断線状態になっていることも原因でした。
巻上・シャッター幕軸、調速カム、ミラー駆動部等の
動作不良が起きやすい箇所は入念に清掃を行い
最小限のちゅゆを行って上で調整を行っています。
最高速から低速シャッターまで精度も問題ございません。
巻上フィールも良好で軽快に操作ができる状態になっています。
これから最終チェックを行って
問題がなければ完成となります。

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オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「紙飛行機の日」だそうですよ。
紙飛行機…まだ幼い時にじいさんに作り方を教わって
やたらと作っては飛ばしていた時期がありました。
材料は折り紙とか上等なものではなく
もっぱら新聞の折り込みチラシでしたねぇ…(笑
でも正方形より長方形の紙のほうが作りやすかったりもします。
何種類も教えてもらいましたが
飛ばすとくるんと宙返りするタイプのものがお気に入りでした。
今でも折り方まだ覚えてますねぇ…
紙飛行機とは少し話がそれますが
当時、新聞の折り込みチラシって最高の遊び道具で
紙飛行機や折り紙の材料にするのはもちろん
切ったり貼ったりでいろんなものを作って遊んでいました
そしてボロボロになったチラシはぎゅうぎゅうに丸めて固めて
さらにテープでぐるんぐるん巻きにして
最後はボールにして今度は外でそれで遊びます。
手元にあるもので楽しく遊んでいましたねぇ…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
「D」はデラックスの「D」ですね。
ペンシリーズの最高級版として登場したカメラです。
ペンDシリーズには「D」「D2」「D3」「EED」がありますが
今回は最初に登場した「D」です。
1962年発売のカメラです。
Fズイコー3.2cmF1.9にお大口径レンズを搭載します。
シャッターも最高速1/500から1/8・Bまでカバーする
コパルXを搭載します。
さらにセレン光電池式の露出計も内蔵します。
露出計は内蔵しますがボディ側との連携は全くなく
単体露出計がボディに組み込まれているイメージです。
当時一般的だった「LV値」を表示し
それを鏡胴側絞り・SSを設定して合わせる方法です。
鏡胴側にも絞りSS設定によってLV値が表示されています。
露出計絡みのトラブルが多くなりがちですし
セレンの劣化もありますから
露出計が非連動なのは現在となっては便利なことの方が多いかと思います。
SS・絞りリングと摺動抵抗等で連動するタイプは
露出計本体が問題なくても抵抗体の劣化とかもありますし…

お預かりしている「ペンD」はシャッタと巻上に
問題を抱えています。
シャッターにはレンズシャッターお馴染みの
シャッター羽根の粘りが見られ正常に動作しない状態です。
明らかに羽根の動きが緩慢です。
巻上も一コマではとまらず頻繁に二コマ分進んでしまいます。
これも突き詰めると羽根粘りが原因だったりします。
内部の汚れや古い油脂をいったん除去して
スムーズに本来の動きができるような整備が必要です。

画像はすでに整備が一通り完成した時点のモノです。
巻上は軽くスムーズになりしっかりひとコマ分で止まります。
シャッター羽根も明らかにスムーズに
「パシャっ」と歯切れよく動くようになりました。
劣化すると修理不可能になってしまう
セレン式露出計も問題ない値を示しています。
安心して存分にお楽しみいただける状態になりました。
新たに最小限の注油も行っていいるので
動きが落ち着くまで少し様子見をしている状態です。
これから最終テストを行って
問題なければ完成となります。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「コナモンの日」だそうですよ。
「こ(5)な(7)」と読む語呂合せからで
たこ焼き・お好み焼き・うどん・そば・パンなど
「粉」を使った食品「コナモン」(粉もん)の魅力を
PRすることが目的だそうです。
昨日までGW休暇だったわけですが
墓参りがてらに帰省して(もう実家はありませんが)
「呉の細うどん」、「呉冷麺」、「お好み焼き」と
コナモンを存分に満喫してきました。
やはりどれも私にとってはかけがえのない
ソウルフードで今回も力をいただいた気がします。
それにしてもコナモンって多岐にわたるので
なんだかんだと頻繁に口にしていますよね
生活にもかけがえのない存在ですね!

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
シャッターや巻上、ミラー駆動等の
機械的駆動部は基本的に「FX」から受け継いでいます。
しかし、露出計は時代を反映して外光式からTTL測光となっています。
まだレンズマウントがFLマウントなので
絞り込み測光です。開放測光はこの後の
「FDレンズ+FTb」登場で採用となります。
機能としてはTTL測光ですが
この後のキヤノン機の特徴ともなる
CDSをコンデンサレンズ背後に配置する方式が
採用されています。コンデンサレンズを斜め45度に切断し
切断面にハーフミラーを仕込んで
視野率の中央部12%の光を背後のCDSに反射して
測光を行う方式です。
外部の光に影響されることも少なく
より正確に測光できる構造になっています。
後のFTBやF-1にも同様の測光方式が引き継がれていくことになります。
構造上、他メーカーで多い「中央部重点測光」や「平均測光」ではなく
中央部12%の「部分測光」となります。
構造がわかっていればスポット的にも使え
露出のシビアな輝度差の大きい場面等でも非常に使いやすい測光方式です。

お預かりしている「FT」はミラーアップしたまま
固着してしまっています。
シャッターは幕位置から判断してチャージ状態で
よくある「シャッター走行後にミラーが降りてこない」のではなく
シャッターを切ろうとしてミラーはあがったけど
シャッターが走らない…状態だと思われます。
シャッターのストッパーの固着か
レリーズからのリンクがうまくいっていないものと思われます。
ミラーアップしたままで確認ができず
心配されるプリズムは後から確認できましたが
今回は大丈夫なようです。

画像は取り掛かり始めのモノで
この後でいろいろ分解を進め確認していくと
やはりレリーズからのリンク部が汚れや古い油脂で
固着してしまっていたようです。
それ以外にも幕軸や幕上げ部の動きは非常に悪く
積年の汚れを徹底的に除去してから
各部の調整を行う必要があります。
それでも部品の損傷等のダメージがあるわけではないので
整備が仕上がれば快調に動作するようになりそうです。

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