月別アーカイブ: 2023年4月

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「図書館記念日」なのだそうですよ。
1950(昭和25)年のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来となっています。
10年ほど前までは割と頻繁に図書館に立ち寄っていたのですが
最近はずいぶんとご無沙汰になってしまいました。
私の場合、本を読むと言っても
小説の類には全く興味がなくって
科学雑誌とか写真集とかを見たくなって
図書館によることが多かったのですね。
今やちょっとしたことならネットで検索したほうが
早いというのもありますが
やはりちゃんとした紙の媒体でしっかり見たり
読んだりしたほうが良い場合は多いと思います。
今考えると図書館に比較的ふらっと立ち寄れたりしていた頃は
比較的時間に余裕があったんだな…と思います。
今は悲しいかなそんな感じでもないのですよねぇ
図書館だけではなくあまり目的もなく
町をぶらっと歩く…という機会が減っているような気がします。
暇…というか余裕のある時間は
積極的につくならないとダメですね。
そういう時間のなかからまたいろいろと新しいアイデアや
考えも生まれてくるものなのに…
でもこれもさじ加減が難しい部分もあって
あまり時間的余裕が多くあると
今度は考えてもしょうがないような余計な思いに
とらわれてしまったりするのですよねぇ
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ってことでしょうねぇ
あれ?図書館の話はどこに???(笑
ところで明日5/1から5/5までは当店もお休みをいただきます。
少しはのんびり過ごしたいと考えています!

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1960年代のミノルタ機をい代表するカメラでもあり
比較的早い時代に電子制御機に大きく方向転換したミノルタなので
ミノルタの機械制御機を代表するカメラともいえると思います。
SR-T101登場後もミノルタの機械制御機は
SR-TスーパーやSR505と「Xシリーズ」登場までまだ続きますが
これ以降のミノルタ機械制御機のベースは
全てこのSR-T101が基本設計となっています。
SR-T101の登場は1966年でミノルタ初のTTL測光機でもあり
最初の開放測光対応機でもあります。
開放測光に対応するためにレンズ群も従来のSRマウントに
絞り伝達爪を追加した「MCロッコール」にモデルチェンジされています。
マウント自体の変更はされていないので
それまでのSRマウントレンズ(オートロッコール)も
装着は可能ですが開放測光を行うためには
「MCロッコール」との組み合わせが必要です。
(もちろん後の「MD」レンズでも可能です)
現在の分割測光の起源ともいえる上下2分割測光(CLC)を備え
露出計周りに新しい機能が多いカメラでしたが
一番の魅力は丈夫な巻上やシャッター機構であり
快適なその使い心地ではないと思います。
ロングセラー機でもあるので現存台数も多く
それゆえに長い間、過酷な環境に放置された個体が多いとも思いますが
シャッターは意外と普通に切れている個体も多いと思います。
といってもそんな個体の多くも
動きにくい状態の中、何とかがんばって動作しているだけで
本来の軽やかな動きからは遠いものが多いと思います。

今回お預かりしているSR-T101もかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていた個体だと思われます。
今回も何とかシャッターは作動しているのですが
全体的な動きはかなり渋く
特にレリーズロックの解除の動きが渋いようで
たまにレリーズロックがかかったままスタックしてしまいます。
当然ながらシャッタスピードの精度は出ておらず
先幕後幕のバランスも大きく崩れています。
低速シャッター時にはお約束の「ミラーアップしたまま固着」なんて
症状も出ています。
露出計も何とか動作していますが接触不良もあり
かなり不安定です。

それでも致命的なトラブルを抱えているわけではなく
本来の軽やかな動きを取り戻せるように
各駆動部の洗浄清掃、注油を行えば問題ない状態に
復活できると思います。
SR-T101は7年以上生産が続けられたこともあって
内部には年代ごとに細かな変更が数多く行われているのですが
今回のSR-T101はかなり初期のモデルのようです。
連動糸の多いカメラとしても中身を触る方の中では有名ですが
正しい手順を踏まえて分解を行えば
それほど連動糸に悩まされることもありません。
ただし手順を間違ったりうっかりおかしなことをしてしまって
意図しない糸が外れたりなんかすると途端に
非常に面倒なことになるので注意が必要です。
気を付けるべきポイントが各所にあるので
そのあたりに留意して集中して作業を行っていきます。

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ミノルチナPのカメラ修理

今日は「缶ジュース発売記念日」だそうです。
1954(昭和29)年のこの日に
明治製菓株式会社が日本初の缶ジュース
「明治天然オレンジジュース」を発売したことが由来になっています。
まだこの頃の初期の缶ジュースには
プルトップは付いておらず缶切りで開ける必要があったのだそうです。
それはなかなか大変ですね。買ったその場で気軽には飲めないのですね。
オープナーが付いた缶ジュースはこの3年後に発売され
プルトップの蓋が付いたのは国内では1965年からだそうです。
でもこの頃はプルタプは切り離されるタイプで
ゴミの問題とかもあったのですね。
確かに昔はプルタプ切り離してましたね!
ちなみに現在のようなプルタプの離れないステイオンタイプの
蓋が登場したのは国内では1989年のことだそうです。
最初はプルトップが残ったままで飲み口に残るって
あまり清潔じゃないなぁ…なんて感じたのをよく覚えています。
それも慣れで今では全く気になりませんが…(笑
私が子供の頃にはまだ缶ジュースよりも瓶のジュースのほうが主流で
自動販売機も瓶ジュースのほうがまだ多かったのです。
自動販売機に栓抜きが付いていましたね!
当時コカ-コーラがやっていた瓶ジュースのスーパーカー王冠を
周り中の大人にも頼みこんで
箱いっぱいに集めていました…あれも取っておけばよかった…(笑

さてさて

本日は「ミノルチナP」のカメラ修理を行っています。
ミノルチナシリーズと言えばF1.8大口径レンズに
マニュアル露出の可能な「S」が根強い支持もあって
今でも人気ですが
「P」はロッコール38mmF2.8レンズを搭載し
さらにコンパクトにまとめられたカメラです。
当時35mm判でこの大きさのカメラは珍しかったと思われます。
シャッターの設定自体はマニュアルなのですが
搭載されるシャッターユニット「シチズンP」が
プログラムシャッターのためSSと絞りの組み合わせは
シャッターユニット任せになる「手動プログラム露出」です。
SS/絞りリングには当時、よく使われていたLV値が表示され
それと連動する指針をセレン光電池式の露出計指針に合わせることで
露出を決定します。レンジファインダーは非搭載で
ピント合わせは目測式です。
なかなかスタイリッシュなデザインのカメラで
発売当時はコンパクトなカメラのニーズがまだ高まっておらず
販売的にはかなり苦戦したようですが
今見ると非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「ミノルチナP」は
まずシャッター羽根が半開きで固着してしまっています。
巻上も当然ロックされている状態です。
この状態でLV設定リングを回しても絞り羽根も出てきません。
シャッター羽根、絞り羽根ともに
結構強力に張り付いて動かないものと思われます。
加えて露出計が全く動きません。
こちらのほうがかなり厄介な問題で
不動の原因がセレン光電池にあると
もはや交換しか修理の手段がないのですが
残念ながら交換部品としてのセレンは既に入手不可能です。

シャッター・絞り固着の原因は
やはり羽根に付着した油分と汚れが原因です。
とりあえず応急処置でいったん閉じることには成功し
これから本格的にシャッターユニットの整備を行い
シャッター羽根、絞り羽根ともに洗浄を行い
スムーズに動作するように修理していきます。

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ミノルタフレックスのカメラ修理

今日は「哲学の日」だそうですよ。
古代ギリシアの哲学者ソクラテスが
時の権力者から死刑宣告を受けて
刑の執行として獄中で毒を飲んで亡くなったことに
由来しているのだそうです。
それにしても「哲学」とはなんともまた曖昧な分野で
よくわからないですね。
考え方によっては宗教みたいなものですよねぇ…
ちなみにソクラテスの妻「クサンティッペ」が
悪妻として有名だったことから
今日は「悪妻の日」でもあるそうです。
これまた大きなお世話な話で(苦笑)
クサンティッペが悪妻だったというエピソードは
あとからとってつけられたようなものが多いことと
ソクラテスの言い方がいろいろと悪いのではないかと…(笑
本当のところは当事者しかわかりませんよね
いずれにしろ人間関係はいろいろ難しいもので
そこらへんを考えていると哲学的な思いに繋がりそうです(汗)

さてさて

本日は「ミノルタフレックス」のカメラ修理を行っています。
いろいろ諸説あるのですが
「ほぼ」あるいは「実質的に」日本初の二眼レフカメラが
「ミノルタフレックス」かと思われます。
最初の「ミノルタフレックス」、「Ⅰ」は
1937年に発売が開始されました。
その語、幾度ものモデルチェンジや小変更が加えられ
最終モデルは1954年発売の「Ⅲ」です。
今回お預かりしているミノルタフレックスもそのⅢ型です。

フィルム巻上はⅡB型からセミオートマットとなっています。
スタートマーク合わせの一般的なタイプです。
シャッターユニットはセイコーシャラピッドで
当時のものとしては最上級のスペックを誇るもので
最高速は1/500で1秒・Bまでカバーします。
レンズは当時から評価の高いテッサー型のロッコール75mmF3.5です。
フィルム室蓋はこれもⅡB型から
信頼性の高いダイヤルロック式になっています。
ピント合わせはその後のミノルタコードやオートコードで
お馴染みのレバーによる「ハラキリ型」ではなく
オーソドックスなノブ式です。
SSや絞りの設定はこのⅢ型からビューレンズ上部に
集中表示されるようになっています。
このあたりはさすがの使いやすさですね。
シャッターチャージはさすがにまだセルフコッキングではなく
シャッターチャージはシャッターユニット側で
チャージレバーの操作で行います。
そのチャージレバーがレリーズレバーを兼用しているタイプです。

お預かりしている「ミノルタフレックスⅢ」は
かなり長い間使われずに仕舞い込まれていた個体かと思われます。
それでも保管環境自体は悪くなかったようで
シャッターは定番の羽根固着もなくとりあえずは作動しますが
さすがに羽根に粘りはあるようです。
チャージレバー自体にも動きに粘りがあり
チャージした後にレバーが戻ってこないような状態です。
スローガバナーにも粘りが見受けられます。
レンズ自体は細かな拭き傷が少々目立ち多少のカビはあるものの
致命的な変質による曇り等はないようです。
これであれば一通りの清掃で申し分ない写りをしてくれそうです。
ファインダーはさすがに曇りや汚れが酷く
特にミラーは劣化も酷く交換が必要な状態です。

積年の汚れや劣化による動作不良が多少はあるものの
全体的な状態としてはそれほど悪くないと思います。
とはいえさすがに一通りの整備を行わなければ
安心して使えない状態ですし
快適な撮影もできません。
外装の傷み等はできる限りの修復しかできない部分もありますが
撮影に使う分には何の問題もないように
一通りの整備を行っていきます。
発売から69年が経過しようとしているカメラですが
非常に完成度は高くしっかり造られていると思います。
そのおかげである程度のメンテナンスを行えば
現在でも問題なく使える状態に仕上げられそうです。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は私にとって取り上げやすい記念日や
過去の出来事がびっくりするくらいない日ですねぇ(苦笑)
でもあきらめずにいろいろ調べていたら
今日は「寒の戻りの特異日」と言われているようです。
よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが
もう今日あたりは彼岸から1か月以上も経ってしまっています。
「特異日」というのは
「理由は不明ですがなぜかその現象が起こる日」なのだそうです。
他にも地域ごとに「晴れの特異日」とか「雨の特異日」とかがあるそうです。
単なる偶然と片付けるにはおかしいほどの確率で
その現象が起こる日ということですね。
で、「寒の戻りの特異日」は
「4月6日」、「4月23日」、「4月24日」なのだそうです。
私のわかる範囲で都内の気温は確かに
昨日今日と一昨日までの初夏のような陽気が一転して
肌寒い1日になっていて一昨日は「冷房入れようかな…」なんて
つぶやいてたのが今日は「腰と足にカイロ貼ろうかな…」と思うくらい
冷え込んでいます。すごいですね。当たってますね。
何にしても季節の変わり目で気温変化の激しい時期です。
ちょっとした油断で体調を崩すことも多い季節なので気をつけましょう。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売の中級機です。
同年にキヤノン初のプロ向けフラッグシップ機の
「F-1」も発売されていて
同じ時期に開発されたFTbにもF-1との共通点も
内部構造に見られます。
機能的にはそれまでの主力中級機であった「FT」を
FDレンズの登場に合わせて開放測光に対応させたカメラです。
スタイリング的にも比較的新しいエッセンスを取り入れ
これまでにないイメージのF-1とは異なり
前身のFTからのスタイリングを引き継いだ
オーソドックスなものとなっています。
FTbは登場から2年後の1973年にマイナーチェンジが行われいて
それ以降のモデルを「FTb-N」と呼ぶこともあります。
今回のFTbはそのマイナーチェンジ後の「FTb-N」です。
それまでの「FTb」との違いは
外観的には巻上レバーやシャッターボタン、
そしてセルフタイマーレバーの形状変更です。
セルフタイマーレバーが正面から見て一目で違いが分かりやすいポイントです。
機能的にはファインダー内表示に設定シャッタースピードが
表示されるようになりました。
ダイヤルとの糸連動で動作します。
これ…正直言うと分解時にかなり邪魔になります(苦笑)
でもファインダー内SS表示は確かに便利です。
これで絞り値表示もされるとファインダーから目を離さずに
露出設定が非常に行いやすくなるのですが…
F-1と同じような構造の追針式露出計は
もともと視認性もよくかなり使いやすいので
SS表示でより使いやすくなった印象です。
他は内部構造的にも大きな変更はありません。

お預かりしている「FTb-N」は
全体的に動作部の汚れや油切れで
動きの悪い印象です。
巻上時の感触やシャッター音からもそれがわかりますが
実際にシャッタースピードを計測してみると
明らかに先幕後幕の幕速バランスは大きく崩れていて
特に高速シャッターの精度は写真に影響出るほどの状態です。
そしてスローシャッターではガバナの粘りが明らかで
1/2や1秒の設定だとときどきわずかに止まりながら
何とかシャッターが切れるという状態です。
さらに露出計SW部の接触不良もあり
露出計の動きが非常に不安定です。
たまにまったく指針が動かなくなることもあるようです。
どこかに致命的な破損等があるわけではないですが
一通りの整備をして本リアの動きを取り戻さないと
とても快適に使える状態ではありませんし
正確な露出で撮影に使用できる状態でもありません。

で、作業に集中していて分解時の画像を撮るのを忘れました…
画像は一通り作業が終わって再組立ても行い
幕速の微調整をこれから行うところです。
巻上のフィールからシャッター音を聞くだけでも
明らかに整備前とはことなりしっとりした良い感じになっています。
もちろん精度的にも問題ございません。
ただ、画像にはありませんが一緒に装着されていた
FD50mmF1.8s.cレンズにも汚れ等以外にも問題があり
こちらは絞り羽根が全く出てきません。
以前、分解品で羽根が出てこないな…と思って分解したら
そもそも羽根そのものがなかった!なんて酷いものにあたってから
羽根が全く出てこないレンズは思わず身構えてしまうのですが(苦笑)
今回はそんな妙な代物ではなく
単純に油滲みでがっちり羽根が固着していただけでした。
それにしてもベッタリと油が付着している状態でしたが
FD・FLレンズは比較的この症状が多いような気がします。
レンズ側もこれからしっかり羽根洗浄を行って
スムーズに絞りが開閉できるように整備を行っていきます。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「シジミの日」だそうですよ。
「シ(4)ジ(2)ミ(3)」と読む語呂合わせからだそうです。
食用として多く流通しているのは
汽水域に住む「ヤマトシジミ」で
日本各地に有名な生産地がありますが
中国地方出身の私としてはやはり「シジミ」といえば
島根県の宍道湖ですねぇ
佃煮とかもありますがシジミといえば
やはりお味噌汁ですね!
まさに身体の隅々まで染み渡る美味しさです。
昔から二日酔いにはシジミの味噌汁と言われていて
私も昔は何度お世話になったことやら…(苦笑)
すっかり年老いてしまった今では
そんな翌日に残るまで深酒するようなことは
極力避けていますが
二日酔い云々関係ナシでもシジミの味噌汁は美味しいです。
ここで食べ物の話をするとその食べ物を
やたら口にしたくなるのですよねぇ
シジミのお味噌汁か…コンビニのカップ味噌汁でもいいから
お昼用に買ってこようかな…(笑

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
当店で取り扱うカメラとしてはかなり新しいカメラです。
1981年に発売され
かなり長い期間、ミノルタのマニュアルフォーカス機の
頂点に君臨していたカメラです。
位置づけとしてはいわゆる中級機というポジションで
露出は絞り優先オートとプログラムオートを搭載します。
布幕横橋りのオーソドックスなシャッター構造ですが
ミノルタ独自の工法で横走り機では珍しいユニット化が行われています。
ミラー駆動部と一体化されたユニットとなっており。
これをX-700登場時に一新したフレームに搭載します。
1985年には社会現象ともなったオートフォーカス機「α-7000」が発売され
時代は一気にオートフォーカス機に傾いていくのですが
「X-700」はα登場後も生産が続けられ
18年間もの間、ミノルタMF機の最後の牙城として存在し続けました。
元々中級機でそれなりにコストも抑えられたカメラでもあるので
外装にプラスチックも多用しており
高級感はそこそこではありますが
過去のXEやXDほどではないにしろ使い心地の良いカメラです。
そして何といってもミノルタらしいのは
お得意のアキュートマットスクリーンを搭載し
明るい上に非常にピントのキレの良い
ファインダーだと思います。
MF機はやはりファインダーの見えが使い心地に大きく影響します。

電子制御シャッター機且つAE機ということで
電子基板関係のトラブルが気になるカメラではあり
場合によっては修理不能なことも多いカメラでもあります。
今回お預かりしているX-700は露出計やオートの制御に問題はないものの
明らかにシャッタースピードに異常があり
1/1000はほぼ開かない状態です。
1/500、1/250でも明らかに写真の片側が暗くなるような
露光ムラができてしまうような状態です。
カメラテスターで測定しても
制御的には正しく制御しようとしているのだと思われますが
先幕の幕速が明らかに遅く
走行中に後幕が追いついてしまいスリットが閉じてしまうような状態です。
幕軸の汚れや油不足の可能性もありますが
なにかゴミか異物が動きを邪魔しているような感じでもあります。

まだ分解整備に取り掛かり始めの状態です。
なにはともあれ幕軸やシャッター幕の動き全体が
確認できるところまで分解して
先幕の動きの悪さの原因をい探っていきます。
原因がわかり対処できた上で
機械的な幕速の微調整や電気的な調整で
シャッタースピードの精度を確保し
そのうえでオート制御の微調整も行っていきます。
生産時期が長いカメラなので
その時期によって細かな内部変更もいろいろ行われていますが
比較的、電気的なトラブルは少ないカメラだとは思います。
そうはいっても分解時には非常に神経を使う箇所が多く
正直言うとなかなか疲れるカメラです(苦笑)
集中して注意深く整備を行っていきます。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「道の駅の日」だそうですよ。
103ヵ所の「道の駅」が
第1回登録された1993(平成5)年4月22日が由来となっています。
今では全国で「道の駅」の全国登録数は1173ヵ所もあるのだそうです。
(2020年3月時点)
クルマやバイクで遠出すると「道の駅」の存在はありがたいですよね。
休憩に持って来いですし
知らない土地に行くとその土地ならではの特産品が売っているところも
意外と見つけられなかったりするのですが
「道の駅」があると気軽に立ち寄れますし
食事だって気軽にできるところも多いです。
駐車場もわかりやすくて広さにも大抵余裕があり
立ち寄りやすいっていうことろが一番メリットかとも思います。
個人的には今はクルマも持ってないですし
そこまでメリットを享受することも少ないのですが…(苦笑)
身体も自由でクルマもあって元気もたくさんあった少し前は
山登りに長野や山梨に行った帰りに
あちこちの「道の駅」によって手土産を買って帰ってました。
本格的な登山はもう無理でもまたあの辺りには
近いうちにあちこち訪れてみたいですね!

さてさて

そんなちょっとした遠出のお供にも最適な
軽量コンパクトな一眼レフの代名詞、「オリンパスOM-1」の
カメラ修理を今日は行っています。
今回の「OM-1」は正確に言うと1979年に発売された
マイナーチェンジモデル「OM-1N」です。
機能的にはアクセサリーシュー4と専用フラッシュ使用時に
フラッシュ充電完了表示確認、フラッシュ適正発光表示確認が
ファインダー内で可能になったことくらいが変更箇所で
他の機能や操作系には全く変更はございません。
内部的にも基本的な構造に変更はございませんが
OM-1は「N」以前のものでも細かな内部変更は
数多くされいて「N」に変更なった際にも
かなりの細かな変更が行われています。
修理整備を行う立場で一番の変更箇所は
露出計SWの構造の変更ですが
これも正確に言うと「N」発売直前の「OM-1」でも
既に変更が行われていました。
他、露出計本体のアース箇所や
露出計・基盤・プリズムが載せられる樹脂性枠部分の構造にも
大きな変更がありこのあたりをしっかり理解していないと
露出計周りの修理にかなり戸惑うことになってしまいます。

今回お預かりの「1N」も露出計トラブルが最も大きなトラブルで
まずは露出計が電池を入れても全く動作しません。
こういったケースで一番に疑われるのが
電池室周りの端子や配線の不良ですが
今回はそのあたりに全く問題はなく
テスターであたっても基盤入り口までしっかり電圧は来ています。
…となると次に疑わしいのは露出計本体の異常で
本体がダメでメーター交換となるとOM-1の場合は
一気に手間が増えるのでできれば避けたいところですが
今回はメーター本体には特に異常は見受けられませんでした。
これもある程度分解してみないとわからないのが
なかなか難しいところです…
そうなってくると次に怪しいのはSW周りです。
OM-1は先述したように「N」になる直前に
SW周りに大きな構造変更が行われているのですが
従来タイプも新タイプも
SW周りのトラブルは正直言って「かなり多い」です。
今回も結局はSW接点の接触不良と
そこからの配線にも少々問題があって
電源が正常に露出計本体まで伝わらない状態でした。

原因がある程度確定したのである意味
「安心?」して整備修理に取り掛かります。
原因がよくわからないまま奥深くまで分解しながら
トラブルシューティングするのは
なかなか余計な神経を使うので
ある程度の段階で悪いところが把握できている…というのは
かなり助かるのです。
露出計周りだけでなくシャッターの精度やミラー駆動部にも
若干の問題を抱えているのが整備前のチェックで
わかっていますがそれらは単なる汚れ等による動作不良なので
通常の整備の中で改善して最終的に調整していきます。
ただOM-1はなかなかデリケートな部分も多いので
油断せずに慎重に慎重を重ねて整備を行っていきます。

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キヤノン7のカメラ修理

今日はピンとくる記念日がないですねぇ…
それでは…と過去の4/21にあった出来事を調べていたら
1934年4月21日にイギリスの新聞がネス湖で撮影された
ネッシーの写真を掲載しています。
これがネッシーの写真として長らく代表的な写真とされてきた
「外科医の写真」といわれるもので
私と同じくらいの世代の方は
ネッシーの写真と言えばこの写真をイメージされる方も多いと思います。
首長竜が水面に首をもたげているように見える写真ですね。
しかしながらこの写真、後の1993年に撮影者本人から
「トリック写真だった」との証言が出ているのですねぇ
かなり以前からトリックではないか?とは言われていたのですが…
ネス湖は長さが約35キロメートル、幅約2キロメートルで
非常に細長い湖なのですね。
大きさ的には琵琶湖のほうが圧倒的に大きいのですが
水深は最も深いところで230mもあるそうです。
(ちなみに琵琶湖の最深部は約100m)
まぁ小さな生物ならまだしもそんなに大きな生物であれば
さすがに見つかっていますよねぇ…
でもこういう話は真偽はさておきロマンがありますね。
ネッシーに便乗して日本国内でも「クッシー(屈斜路湖)」とか
「イッシー(池田湖)」とかの存在がまことしやかに噂されていました
懐かしい話ですねぇ

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のLマウントレンジファインダーカメラで
数多くあるキヤノンレンジファインダー機の
完成形あるいは最高峰ともいえるカメラです。
それまでのキヤンLマウント機はモデル名に
ローマ数字が使われていたのですが
この「7」ではアラビア数字になりました。
セレン光電池使用の露出計が内蔵され
35/50/85/100/135mmの5種類のブライトフレームを
切り替え表示できる採光式ブライトフレームファインダーを搭載しています。
シャッター幕はキヤノンお得意のステンレス製で
P型で一新されたシャッター機構をベースにさらに改良が進んでいて
非常に安定した精度で動作する完成度の高いカメラです。
生産効率を高めることによるコストダウンも一気に進み
機能を考慮すると大ヒット作となった普及機「P型」よりも
お求めやすい価格に設定されました。
この「7」の発売で国産のレンズ交換式のレンジファインダー機は
まさにキヤノンの独壇場となりました。
しかしながら時代はレンジファインダー機から
一眼レフに移り変わる移行期でもあり
この「7」が発売されたあたりから
主流は一気に一眼レフへと傾いていきます。
皮肉なことにこの「7」のヒットがキヤノンの一眼レフ参入への
足枷となってしまうような結果になりました。

お預かりしている「7」は
比較的状態もよく一通りの動作はできるのですが
全体的に少々油切れ気味で
巻上やシャッターの動きに渋いところがあるようです。
そのため高速シャッターの精度は出ておらず
1/1000に関しては今にもスリットが閉じてしまいそうな感じです。
露光量は1/2000以下となってしまっています。
スローガバナは当然のごとくスムーズには動かず
1秒で作動させるとところどころで止まりながら
何とか切れるような状態です。
そんな状態なのでこちらの露光量は1秒時に2~3秒開いてしまいます。
心配されるセレンの状態は良好で
微調整のみで普通に信頼できる精度を確保できそうです。
セレンに関しては劣化して起電が弱いあるいは
全く起電しないものに関しては残念ながら当店では修理不可能となります。

相変わらずの最中構造ですが
バルナックタイプと違って裏ブタ開閉式なのは本当に助かります。
裏ブタのないタイプはSS測定するだけでも一苦労なので…
でも整備性は非常に良好なカメラで
最中構造の外枠を外せばシャッターや巻上の動きの詳細が
簡単に確認することができます。
ここからさらに分解を進めて
機械的駆動部分の清掃整備を一通り行っていきます。
もちろん上カバーも外してファインダーや
距離計の清掃整備調整も行います。
ダイキャストボディになってからもⅥ型あたりまでは
バルナックタイプの面影を内部構造に割と色濃く残していたのですが
P型以降は内部も一新されかなり現代的に進化しています。
機能的にも内部構造的にも完成形と言えるカメラだと思います。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「珈琲牛乳の日」だそうですよ。
神奈川県平塚市の守山乳業さんが
王冠で栓をした瓶入りの「珈琲牛乳」を
1923(大正12)年4月20日に
東海道線国府津駅で販売を開始したことが由来となっています。
コーヒー牛乳と言えば
駅というより銭湯のイメージですねぇ
私の生まれ育った家にはお風呂がなく
毎日のように銭湯通いだったので
お風呂上がりのコーヒー牛乳やラムネの美味しさは
記憶にしっかり刻み込まれてますねぇ(笑
さすがにコーヒー牛乳やフルーツ牛乳は
もう紙パックだったような気がしますが…
ラムネやコーラ、ミリンダやファンタは瓶でしたね
昔ながらの引き戸の冷蔵ショーケースで冷やされていて
その脇には栓抜きやラムネ用の玉押しが
紐で繋がれてぶら下がってました…懐かしいですねぇ
現在では「コーヒー牛乳」という商品はなく
正確には「コーヒー入り乳飲料」となり
実際の商品名には「カフェ・オ・レ」「カフェ・ラッテ」
「ミルクコーヒー」などの名称となっていますね
でもあの昔ながらのコーヒー牛乳って
今飲むとめちゃくちゃ甘すぎるのですよね
子供にはうける味だったとは思いますが…

さてさて

本日も昨日に続いて「オリンパスペンS」の
カメラ修理を行っています。
もちろん昨日とは別の個体です。
今度は「ペンS3.5」ではなく
Dズイコー3cmF2.8搭載のモデルです。
レンズ以外は昨日のペンS3.5と何ら変わりはありません。

今回のお預かりのペンSは
まずファインダー内のブライトフレームが
大きく傾いてしまっています。
ペンSはこのタイプのカメラで定番の
採光式ブライトフレームで
ファインダー光路の隣に
スリガラスを介した採光窓を配置し
そこにフレーム枠を設置して
そこを透過したブライトフレームをミラーで反射させ
ファインダー内のハーフミラーで結像させる方式です。
フレーム自体や結像している部分が傾ているわけではなく
ファインダー内へと反射させるミラーが
欠落しかかっているのがフレームが傾いている原因です。
実はこれもペンSで比較的多い症状です。

加えて別の問題で
巻上が一コマ分の巻上で止まらずに2コマ分進んでしまうことがあるようです。
これもここでも何度か書いている症状で
ペン系には多い症状です。
巻上機構側のトラブルではなく
シャッター羽根が粘っていてシャッターを切った後に
完全に羽根が最後まで閉じておらず
(見かけ上は閉じていて遮光もちゃんとされています)
巻き上げた際にシャッター走行が完了していないために
巻上が止まらずそのまま進んでしまうのです。
今回は巻き上げている内にそのちょっとした振動で
羽根が完全に閉じるため2コマ目には巻上が止まりますが
これが症状が酷いものだと
延々と巻上が止まらずにいつまでも巻上ができてしまう症状になります。
羽根清掃やシャッターユニット内の清掃整備が必要な状態です。

昨日と同じく分解時の画像を取り忘れました…
画像は整備完了後で非常に歯切れよく巻上もできるようになっています。
ブライトフレームはもちろんまっすぐくっきり見えており
ファインダー内もクリアです。
他、レンズ清掃、モルト交換等々
一通りの整備を行い快適に使える状態に仕上がっています。
これから最終テストを行い
問題なければ完成となります。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「良いきゅうりの日」だそうですよ。
「よ(4)い(1)きゅう(9)り」(良いきゅうり)の
語呂合わせからですね。
この記念日を制定した「西三河冬春きゅうり部会」では
通常は夏が旬のきゅうりを
温暖な気候と豊富な日射量
そして高い栽培技術を生かして
冬春キュウリの「三河みどり」を生産していて
そのアピールのための日なのだそうです。
イメージ的にはやはりきゅうりは夏ですが
今は1年中いつでも美味しく食べられますね。
全体の約95%が水分で「栄養素がほとんどない野菜」なんて
言われることもあるのですが
もともと野菜の多くは90%以上が水分ですし
淡色野菜の割には、ミネラル類を比較的豊富にバランスよく含んでいて
決して「栄養のない野菜」ではないと思います。
加えて非常に低カロリーなんですよね
生のまま味噌やもろみをつけてそのままかじれる気軽さもあり
味もよく食べ応えもあって個人的にも好きな野菜です。
やはり旬の通りに暑い季節に特に合いますよね!
…なんてことを書いていると
きゅうりの漬物とか食べたくなってきました(笑
帰りにスーパーで買って帰ります!

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
「ペン」というとハーフサイズカメラの
代名詞とも言えるカメラですが
シリーズごとに特徴も異なっていて
セレン光電搭載の簡単撮影のEEカメラ
「ペンEEシリーズ」の人気が非常に高い一方で
露出計非搭載で少々玄人好みのシンプルな「ペンSシリーズ」も
根強い人気があり当店での修理依頼も多いカメラです。
最初に登場した「ペン」の高級版という位置づけで
1960年に発売開始されました。
シャッターは2枚羽根から5枚羽根になり
B、1/8-1/250秒の6速と進化しています。
その機能やスペックからしてある程度の撮影知識のある方だと
なかなか魅力的なカメラだと思います。

ペンSは当初Dズイコー3cmF2.8のレンズを装着して
発売されましたが1965年に
初代ペンと同じくDズイコー2.8cmF3.5搭載の
「ペンS3.5」が追加発売となっています。
今回お預かりしているのはその「ペンS3.5」です。
通常の3cmF2.8付と比べると少しばかり珍しいモデルです。
レンズの違い以外は通常のペンSと違いはありません。
シャッター羽根にお約束の羽根粘りがあり
レンズ・ファインダーにカビ・曇りがある状態です。
羽根粘りもありますがシャッターユニットの動きが
全体的にいろいろ悪い感じがします。
モルトはもちろん全滅です。

画像は一通りの整備が終わった状態でのものです。
貴重な純正フィルターが付いていますが
お預かり時にもそうでしたが
これ強く締めすぎると取れなくなってしまうことが
多々あるのでご注意ください。
固く締まっているものを無理に回して外そうとすると
絞りリングが一緒に空回りしてしまって
非常に厄介な状態になってしまいます。

シャッター周りの一部部品(バネ)が
欠落していたりとかがあったので
過去に分解歴のある個体かと思われます。
足りない部品は補充して動きの悪い部分も
入念に整備して羽根粘りも解消し
非常に快調に動作する状態になっています。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「なすび記念日」だそうですよ
日付は「よ(4)い(1)な(7)す」と読む語呂合わせと
なすびが好物であった徳川家康の命日にちなんだものだそうです。
なすび美味しいですよねぇ~
品種によって料理も変わりますが
浅漬けもいいですし
麻婆茄子や焼きナス
煮びたしなんかもいいですよねぇ
その成分のほとんどは水分で
ミネラル分は少ないながらも
まんべんなく含まれています。
野菜の中でも低カロリーなものに分類されます。
またナスにはコリンという機能性成分も含まれているそうで
コリンは血圧やコレステロールを下げる、
動脈硬化を防ぐ、胃液の分泌を促す、肝臓の働きを良くするなどの作用が
認められ夏バテ防止の働きがあるのだそうです。
これはナスを積極的に食べなくちゃいけませんね(笑
元々好きな野菜なのでスーパーで見かけると買うことが多いのですが
これからもバランスよくいろいろな料理で使いたいですね!
(その前に自炊回数をもっと増やさないと…(苦笑))

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
初期のミノルタ一眼レフを代表するカメラですね。
そのモデル名からミノルタ最初の一眼レフで
トップモデルをイメージしてしまいますが
ミノルタ最初の一眼レフで当時のトップモデルは
1958年発売の「SR-2」なのです。
(当時は数字の大きいほうが上級モデル…という
ネーミングも多かったのですね)
「SR-1」はそれから9ヶ月後の1959年に
「SR-2」の普及モデルとして発売されました。
普及モデルとはいえ基本的な構造はSR-2と全く変わらず
差別化のためにSS・1/1000秒が省略され
最高速が1/500になっているだけの違いです。
トップモデルの「SR-2」はその後、モデルチェンジのたびに
モデル名も変わり「SR-3」、「SR-7」へと変化していきます。
「SR-1」もそれに伴って中身は変化していくのですが
モデル名に関してはずっと「SR-1」のままだったのです。
そのため「SR-1」は外観のボディ形状だけでも
4種類の「SR-1」が存在し、少々ややこしいことになってしまっています。

今回お預かりしている「SR-1」は
着脱式連動露出計ソケットが装備されており
さらにフィルムカウンターが巻上側にあることから
SR-7がベースモデルとなっている「SR-1」だと判別できます。
SR-7がベースモデルなので内部機構も
SR-7ならではのユニット化されたシャッター・ミラー駆動部が
搭載されています。
ちなみに中身がほぼSR-T系となる「ニューSR-7」をベースとした
「SR-1」も存在しこちらは「ニューSR-1」と呼ばれることが多いようです。
さらに1/1000をも搭載したSR-T101の普及版となる
「SR-1s」も存在します。
このあたりのミノルタ一眼レフのモデルもなかなかややこしいのです。
話が少しそれましたので元に戻ります。
お預かりの「SR-1」は何とか一通り動作はしているのですが
全体的にかなり動きが重く
やはりシャッタースピードの精度は全く出ていません。
お決まりのパターンで先幕後幕の幕速バランスも崩れており
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーアップしたままにもなってしまいます。
スローガバナも少々粘り気味ですが
それ以上にセルフタイマーは完全に固着しており
セットしようにもレバーがビクとも動かないような状態です。
やはり全体的に動きを良くする整備が必要な状態です。
さらにファインダーや装着されている標準レンズにも
盛大にカビが生えている状態ですので
清掃も入念に行う必要があるようです。
どこかが致命的に壊れているわけではないですが
そのままでは普通には使えない状態です。

SR-1には露出計は装備されていませんが
元となるSR-7が外光式露出計を備えるため
そのための巻きもしクランク側のスペースが妙に
空いているのがわかります。
先代までのSR-1であれば
ここにフィルムカウンターがあったわけですね
例の独特のシャッターユニットの関係もあり
整備性に関しては少々やっかいな部分もあります。
いや、考え方によってはユニット化されていて
整備性は良いと思える部分もあるのですが…
画像ではまだ上カバーを開けて
プリズムを降ろしただけの段階ですが
これからミラー駆動部と一体となった
シャッターユニット部を分離して整備を行っていきます。

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