月別アーカイブ: 2019年10月

コニカC35EFのカメラ修理

今日は「日本茶の日」だそうですよ。
1日にかなりの飲み物を取っていますが
やっぱり日本茶が一番多いし飽きないですよねぇ。。。
まぁ、お店にいるとお茶パックばかりなのですが
熱いお茶を少しずつ飲むのは何とも美味しいし落ち着きます。
食事のお供なのは当然として
甘いものを食べながら飲むのも良いですし
毎日の句読点のような存在です。
あ、ご飯に日本茶をかけただけのシンプルなお茶漬けも大好きです。
菜っ葉の漬物(広島菜や野沢菜)が合うのですよねぇ。。。
これだけでどんぶり一杯分食べれるな(笑)

さてさて

本日は「コニカC35EF」のカメラ修理を行っています。
「EF」はエレクトロフラッシュの略で
世界初のフラッシュ内蔵カメラです。
C35と言えば「じゃーに~コニカ」ですが
このC35EFは「ピッカリコニカ」」の愛称でこちらも大ヒットしました。
これ以降のC35シリーズは全てフラッシュ内蔵です。
フラッシュを光らせる電気は電流自体は小さなものですが
非常に高い電圧がかかっています。
感電を防止するためにプラスチックボディとなりました。
シャッターは前期モデル(セルフタイマーなし)は1/60、1/125の2速
後期モデルはさらに1/250が加わった3速です。
プログラムシャッターで絞り、SSの選択はできません。
ピントは目測式のゾーンフォーカス
レンズは写りの評価の高いヘキサノン38mmF2.8です。
簡単で手軽にキレイな写真が撮れるお求め易いカメラという
コニカの得意なジャンルのカメラです。

実は当店では基本的にフラッシュ内蔵カメラは
あまり修理を行わないのですが(フラッシュ側のコンデンサ不良等があると修理不可)
今回のC35EFはフラッシュ機構には
問題ナシということだったのでお受けした次第です。
フラッシュは良いのですが露出計が全く動きません。
C35EFは機械制御シャッターですが
指針挟込み式のプログラムAEであるため
露出計が動かないと常に絞り開放1/60でシャッターが作動してしまいます。
さすがにその状態では普通に撮影することはできません。
電池室は非常にキレイで腐食の形跡も全くないのですが
分解してみると電池室裏のハンダは劣化で外れており
そこに繋がれていたリード線も腐食で非常に脆くなってしまっています。
電池室からのリード線は2本とも交換が必要です。
シャッター羽根の粘りもあるようで
オート露出が安定しない状況です。

シャッターユニット整備、レンズ・ファインダー清掃等々
各部点検整備一式を行っていきます。
フラッシュ内蔵カメラはコンデンサに電流がたまったままで
うっかりコンデンサの電極に触れてしまうと
まぁ、よっぽど条件が揃わない限り
死にはしないとは思いますが非常に痛い思いをします。
コンデンサの電流はしっかり放電してから整備に取り掛かります。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ
「TKG」ですね!
熱々のごはんにかける生卵。。。お好みで醤油を垂らし。。。
美味しいですよねぇ~たまに無性に食べたくなりますね。
大体が白米好きなのでたまごかけごはんも大好物です。
そういえば最近、何かで見たのですが
卵はM玉だろうがL玉だろうが黄身の大きさはほぼ同じで
白身の量が異なるだけだ。。。って知って軽くショックでした(笑)
じゃ、小さめの玉子2個使ったほうが
たまごかけごはんもきっと食べ応えあって美味しいはず。。。
こんなことを書いていると
またまたたまごかけごはんが無性に食べたくなってきました。。。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
使い心地の非常に良い五感に訴えるカメラです。
特にそのひたすら滑らかな巻上げ感は絶品です。
ミノルタのカメラは全体的に絶対的スペックよりも
こういう質感とか使い心地とかファインダーのキレの良さが
魅力的なカメラが多いですね。
XEは1974年の発売で前年に発売されたX-1に続く
Xシリーズ第二弾のカメラです。
正直言って大きく重いのは事実ですが
それを補ってあまるほどの魅力のあるカメラだと思います。
その魅力のひとつでもある巻上の滑らかさは
ライツ・コパル・ミノルタの三社で共同開発した
「コパルライツシャッター」の因る部分が大きいと思います。
ただし、比較的初期の電子制御シャッター機ということで
トラブルを抱えた個体が多いのも事実です。
場合によっては修理不可能な個体も多いと思われます。

XEといえば最も心配されるのは
プリズム腐食だと思います。
現存するXEの8割以上は腐食しているのではないかと思っています。
交換用にキレイなプリズムを確保しようにもそう簡単には見つかりません。
今回、お預かりしているXEは
めずらしくファインダー上では腐食は確認できません。
ただ、怖いのは腐食が見えないだけで
実際は蒸着が剥がれ落ちる寸前で
分解整備のためにプリズムを降ろそうとすると
ベタベタになったモルトと共に蒸着が剥がれ落ちてしまうこともあります。
今回もファインダー内にモルト屑等の汚れがあり
ファインダーを降ろさなくてはならないので
慎重な上に慎重を重ねてそーっとプリズムを降ろしました。
蒸着は無事でしたがやはりプリズム前面のモルトは加水分解しており
プリズム側にも結構張り付いていました。
プリズム表面の塗装には侵食しているものの
何とか蒸着は無事なようでほっとしました。
これもこのままもう数年放置していると確実にプリズムは腐食してしまうと思われます。
できる限り腐食が進まないように処理をして
ファインダー清掃も行い再び元通りに戻します。

実はそれよりも受付時からご依頼者様にご指摘いただいていたのは
露出計が大幅にアンダー(-7段くらいでほぼ振り切っている状態)且つ
不安定であることとバッテリーチェックランプが付かないことでした。
整備前に入念に動作チェックを行ったところ
高速シャッターも羽根のわずかな粘りのため不安定な部分があるようです。
シャッターユニットを整備し、シャッター羽根を清掃することで
シャッタースピードの問題はクリアになり
露出計のトラブルはお約束の巻戻しクランク下の摺導抵抗の汚れと
基板上の半固定抵抗の汚れ及びハンダの劣化によるものでした。
意外と苦労したのはバッテリーチェックランプの問題で
SW不良か単純にランプの玉切れかと予想していたのですが
どちらも不正解で巻上側直下の基板内不良が原因でした。
XEのバッテリーチェックは単純に電圧がかかれば点灯するといったものではなく
ある程度の電圧がないと点灯しないように制御されています。
それを行っているのが巻上側の基板の一部なのですが
どうやらそこの抵抗値がおかしいため点灯しないようです。
この結論に辿りつくまでに結構な時間を要しました。
今回は部品取り個体から基板を交換して修理しました。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
手前に転がっているのが交換した基板です。
シャッターユニットの整備や各接点の清掃等を行っているので
少し時間を置いて最終チェックを行い
問題がなければ完成です。
黒XEはやはり精悍でカッコ良いですね。
私も個人的に使うためにXEは持っています。
最近、少々出番がないので
たまにはしっかり使ってやらなくては。。。

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マミヤシックスのカメラ修理

今日は「読書の日」なのだそうです。
「読書週間」の1日目ということですね。
読書の秋とも言いますが。。。
私、いわゆる普通の読書(雑誌とかではなく小説や文庫本)なんて
おそらく40年近くしていないかも。。。(汗)
コミックなら何時間でも読むのですが。。。
活字自体は嫌いでも苦手でもないのですが
まぁ、何となく縁がないというか。。。。
たぶん、これからもあまり読むことはないのかも。。。
読書はともかく、ネットカフェとか行って
コミック読み漁りたい気がします。
昔は天気の悪い休日なんて12時間以上も読みふけっていたことが
よくあったのですが。。。最近はそんな時間取れませんねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「マミヤシックス」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「スプリングカメラ(フォールディングカメラ)」です。
中判カメラでありながら折りたたむと
コンパクトで持ち運びしやすいカメラです。
(出っ張りがないのがいいのですよねぇ)
マミヤシックスは他のメーカーと異なり
通常レンズを動かしてピント調整を行うところを
フィルム面を動かしてピント調節を行う
バックフォーカス方式を採用しています。
マミヤシックスにもいろいろ種類があって
なかなか判別が難しいのですが
今回、お預かりしているマミヤシックスは「Ⅳ型」かと思われます。
フォーマットは6x6判のみで645判への切り替えはありません。
フィルム装填は1枚目は赤窓でセットしますが
その後は自動巻き止めです。
レンズはオリンパスズイコー7.5cmF3.5
シャッターはセイコーシャラピッドで最高速は1/500
。。。余談な上に以前にも書きましたが
この時代のセイコーシャシャッターの1/500は
1/500のときだけに使う強力な別バネを使用します。
そのためリリース時でも1/500にセットするのは重いですが
チャージ後だととてもセットできる重さではないですし
各所に負荷がかかるので1/500を使用する場合は
必ずチャージ前に1/500にセットしてください。

お預かりしているマミヤシックスは
おそらく数十年使われずに仕舞いこまれていたものだと思われます。
シャッターチャージは異様に重く
シャッター羽根は粘っておりゆっくりとしか開閉できません。
さらに特徴であるバックフォーカスは完全に固着しており
背面のピントギアはびくとも動きません。
クモリで有名なこの時代のズイコーレンズはやはり曇っています。
ファインダーも盛大に曇っています。

とにかくあらゆるところを清掃・洗浄し
注油の必要なところには最小限の注油を行い
動きを調整していきます。
レンズの曇りはコーティングの劣化による部分が大きく
できる限りの清掃ですが
普通に撮影する分には支障のないレベルにはなったと思います。
ファインダーは非常にクリアになりました。
実は密かにかなり心配していた蛇腹には穴や破れもなく
ほっと胸をなでおろしました。

外装の傷みはできる限りの修復と清掃です。
しかしながら中身としては非常に快適に使える状態になったと思います。
中判スプリングカメラはやはり良いですよね。
修理・整備するたびに私も個人的に欲しくなってきます。

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フジカ35-SEのカメラ修理

今日は「柿の日」なのだそうですよ。
柿の実がなっているのを見ると
「あぁ、もう秋も深くなってきたなぁ。。。」と実感するのですが
23区内に住んでいるとなかなかそういう季節感は味わえませんね。
単純に気温と風でしか季節を感じない。。。
まぁ、こればかりはしかたがないか。。。(苦笑)
それはともかく柿のしっかり歯ごたえのある
ほんのりとした甘さも良いですよねぇ
一昨年は食べた覚えが歩けど昨年は食べてないな。。。
こういう記念日で思い出したときに
スーパーで買っておきましょう。。。
そういえば生まれ育った家の隣に
小さな頃から柿の木があって
この季節はうっかり下に落ちている実を踏んでしまって
靴が汚れるのがイヤだったなぁ。。。(笑)

さてさて

本日は「フジカ35-SE」のカメラ修理を行っています。
フジカ35シリーズは1950年代後半から
1970年代まで生産販売された
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
搭載されるフジノンの写りの評価が非常に高く
今でも根強い人気のあるカメラです。
35-SEは前身となる35Mや35MLを基本としますが
セレン光電池使った露出計を搭載し
シャッターの最高速が1/1000になったモデルです。
搭載されるフジノンレンズは4.5cmF1.9です。
フジカ35シリーズは操作系もなかなか独特で
巻上レバーは底部に配置され
ピント合わせは背面上部にあるダイヤルで行います。
巻戻しクランクも上カバーの側面に配置されます。
いわゆるライトバリュー式で
SSリングを回すとが絞りリングも連動して動き
一度設定したLV値を保持しようとします。
絞りリングは単独で回せますが連動範囲内でロックがかかります。
採光窓下にあるレバーを押しながら絞りリングを動かすと
連動外の絞りまで動かすことができます。

お預かりしている35-SEも
かなり長い間眠っていた個体のようです。
動作確認してみるといろいろトラブルがあるようです。
まず絞り羽根は粘っている上に一部外れてしまっています。
後で分解したときに思いましたが
このカメラの絞り羽根、
構造上少し外れやすいのではないかと思われます。
何度も書いていますが粘った状態で
絞りを動かしていると羽根が外れるだけでなく
破損して修理不能になる場合もありますので
粘った絞りは動かさず早急に修理に出していただければと思います。
もちろん、シャッター羽根にも粘りがあり
そのせいもありチャージ時にシャッターが開いてしまうこともあるようです。
心配されるセレンは問題なく起電しているようです。
距離計はファインダー内二重像がほとんど見えず
「あ、ハーフミラーの劣化の可能性が高いな。。。」と思ったのですが
よく考えたらこのカメラ、ハーフミラーでなく貼り合せプリズムなのです。
ということはバルサム切れか蒸着劣化が原因と思われます。
うーん、ちょっと困りましたね。
まぁ、せっかくお受けしたのだから極力何とかしたいと思います。

過去に落下したことがあるらしく
蝶番部に変形も見られます。
さすがに完全に修復はできないのですが
通常使用に問題ないレベルには修復していきたいと思います。

いかにもこの時代らしいルックスと
独特の使用感がなかなか楽しいカメラです。
フジノン4.5cmF1.9の写りは非常に期待できます。
ご依頼者さまにも存分に楽しんでいただきたいと思います。

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プリモフレックスのカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ。
「な~み~だ~のりくえ~すと♪さいご~の~り~く~え~すと~♪」が
思い浮かびますね(歳が出ているなぁ(笑))
ラジオ聴くこともめっきりなくなったので
最近はわかりませんが昔はリクエスト番組も多かったですよねぇ。。。
小学校~中学校の頃に何度かハガキでリクエストも出したことがあるなぁ。。。
まぁ、今とは違ってレコードを買うか借りるかしないと
音源がなかなか手に入らなかった時代だから
本気でかけてほしいと思っている曲をリクエストしてました。
で、番組はしっかりエアチェックする。。。
残念ながら読んでいただいたことはありませんが。。。(苦笑)
大人になって少しばかり自由なお金があることもありますが
今は何でも音源が手に入りますねぇ。。。
私もipodクラシック(古いな(汗))は
多感な時期に聴いていた懐メロで溢れています(笑)

さてさて

本日は「プリモフレックス」のカメラ修理を行っています。
プリモフレックスは東京光学(後のトプコン)が作っていた
二眼レフカメラです。
この時代のカメラはモデル名が銘板でわかったとしても
同じ名前で色々な種類があって
なかなか判別が難しいのですがプリモフレックスも同様です。
私も型番そのものにはそれほど詳しくないのですが。。。(汗)
今回のプリモフレックスはフィルム装填は赤窓式(巻止めなし)
レンズは3枚玉のトーコー75mmF3.5
シャッターユニットも東京光学製で最高速は1/200
そのあたりから判断してⅠ型かと思われます。

今回のプリモフレックスもかなり長い間放置されていたものと思われます。
古い二眼レフでピントノブ・レンズボードドが固着して
ピント合わせが全く動かないというのはよくある話ですが
今回は固着した状態で思い切り回そうと試みたのか
ピントノブがするすると空回りしている状態です。
二眼レフのピント(レンズボード)固着はなかなか苦労するものに
たまに巡り会うのですが
今回は正にその典型的な例で少々、溶剤を入れようが
力を込めてよい状況で思い切り回してみようが
暖めてみようが、ビクとも動かない状況でかなり参りました。。。
結局、溶剤を入れてかなり時間をかけてとりあえず動くようにしました。
まずは動くようにしないと整備に取り掛かれません。
で、動くようになってから分解してみると
見事に固着した真っ黒なグリスが出てきました。。。
レンズボードだけではなく稼動部分は全て
ひたすら洗浄・清掃して、注油あるいはグリスアップを行います。
レンズにももちろんかなりのカビが発生しており
こちらもカビ取り清掃していきます。
最後になりましたがシャッター羽根はお約束の粘りがありましたので
こちらも清掃の上、整備調整を行いました。

レンズにもともとあった若干の拭き傷と
コーティング傷みは残りましたが
実際の撮影には支障のないレベルだと思われます。
外装はできる限りの清掃ですがなかなか良い状態だと思います。
肝心の動きはピントノブやシャッター、ファインダーの見えも含め
全く問題ない状態になりました。
トーコー3枚玉は写りに定評のあるレンズです。
きっとステキな写真をたくさん撮ることができると思います。
おそらく何十年ぶりかになるのだと思いますが
外の風景をこれか存分に切り取っていってほしいと思います。

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ニコマートELのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
お菓子作りや料理に使う方も多いとは思いますが
まぁ、一人暮らしのおっさんが使うのはパンに塗るくらいです(笑)
。。。そりゃね、やっぱりバターが美味しいとも思いますが
マーガリンだって十分以上に美味しいし
ある程度、冷蔵庫で保存することを考えたら
やはりマーガリンのほうが圧倒的に使いやすいですよね。
普段、あまりトーストとか食べないのですが
たまに無性に焦げ目のついた焼き立てのトーストに
バカみたいにたくさんマーガリンを塗りたくって食べたくなるのですよねぇ。。。
そのために食パンとマーガリンをたまに買うのですが
数日続けるとブームが終わってまた当分食べないので
マーガリンがそのまま半分以上残した状態で
賞味期限を迎える。。。ということをここ何回か繰り返しているな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
同じニコマートでもFT系の修理はコンスタントに入ってくるのですが
EL系は比較的少ないです。
FTとELは同時期のカメラと思われがちですが
ELはFT系に比べるとだいぶデビューは遅く
最初のFTがデビューしたのが1965年であるのに対して
ELは1972年発売なのですね。
FTnが1967年でFT2が1975年なのでちょうどその間でデビューしたことになります。

ELは初期の電子制御シャッター機ということもあり
修理不能の場合も正直言ってたまにございます。
FT系とEL系は基本的には同じコパルシャッターユニットを使った
兄弟機なのですが制御の違いだけではなく
結構細かい違いもいろいろあります。
電子制御だから当然と言うこともできますが
絞り優先オートを備え、4秒までのスローシャッターが使えます。
(ちなみに非Aiレンズでオートが使えるのはELとELWのみ)
単純に指針を真ん中に合わせるだけのFT系の露出計に比べ
その後、FE系にも引き継がれる露出計は
ファインダー内情報は2針式で
露出計が指す値と現在セットされているSSが
一目で確認できる秀逸なものです。
スクリーンが完全に固定式でスクリーン清掃のためには
プリズムを必ず降ろす必要のあるFT系と異なり
ELはミラー側からコンデンサレンズごと取り出すことができます。
(手馴れていない方が簡単にできるほど楽なアクセス方法ではないですが。。。)
ただ苦心の結果、仕方なくこうなったのだろうなぁ。。。と思うのは
電池室の場所。。。
ミラーボックスの下側に4LR44(4SR44)を格納します。
初めてELを触ったとき教えてもらうまでは
探しても探しても全く電池室が見つけられなかったのが
今でも鮮明に思いだされます(笑)

お預かりしているELは
ご依頼者様のお父さまが使われていたものだそうです。
おそらくここ最近は全く使われていなかったものと思われますが
保存状態は悪くなく一応、一通り動作しています。
オート。露出計共に結構アンダー気味な上に
不安定な挙動を示します。
でもこれだけ動作するようであれば
電気関係上の致命的トラブルはないと考えてよいと思います。
(それでもこの時代の電子制御機は
何が起こるかわからない部分はありますが)
ニコマートはファインダースクリーン枠まわりに
結構な量のモルトを使っていますが
それが既に腐食してボロボロでファインダー内は屑だらけです。
ファインダー内のみならまだ良いのですが
結構あらゆるところに屑が入り込んでいると思われます。
羽根汚れによるシャッター羽根の若干の動作不良もあるようなので
やはり全体的に分解整備が必要な状況です。

まだ現状チェックを行って上カバーを外しただけの状態です。
詳しくは省略しますが上カバーを外す際も
ちょっと一癖あってなんの予備知識も持たずに取り掛かると
それなりに時間がかかることになると思います。
一箇所回しにくいところがあるのですよねぇ。。。
今回もちょっと時間がかかりました。。。
プリズム上に鎮座する電子基板を見ていると
やはり時代を感じますね。
後のFE系とは異なりバルブ露出時にも電気で制御します。
電池がない状態でもシャッターは動作しますが
無条件に1/90で動作します。
これから本格的に分解整備に取りかかり
一通りの点検整備一式を行っていきます。

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コーワシックスのカメラ修理

今日は「津軽弁の日」だそうですよ。
津軽弁そのものには全くご縁はないのですが
方言っていいですよねぇ。。。
私は広島・呉出身なので
やはり広島弁に馴染みがありますが
感情を込めて話しやすいのは
やはり多感な時期に使っていた地元の言葉だったります。
。。。とはいえ普段はほとんど出ていないと思いますが。。。
(さすがに言葉尻には出ていないですが
微妙なイントネーションはやはり違うと未だに言われる(笑))
そういえば。。。
昔、「みちょる、たっちょる、すわっちょる、呉のちょるがまたきちょる」って
呉の人が「ちょる」を多発することをからかった言葉があったのですが。。。(笑)
今、聞くとなかなか面白いですねぇ。。。
でもさすがに今では「ちょる」ってあまり地元の人でも使わないと思いますが。。。

さてさて

本日は「コーワシックス」のカメラ修理を行っています。
コーワは「コルゲンコーワ」とかでお馴染みのあの医薬品メーカーのコーワです。
ケロちゃん、コロちゃんのカエルのマスコットでも有名ですよね。
現在でもスポッティングスコープや
フォーサーズ用レンズのプロミナーブランドで
レンズを作っています。
1950年代~70年代にかけては
カロフレックス(二眼レフ)、カロワイド、コーワSW等
魅力的なカメラをいろいろ生産していました。
コーワシックスはレンズシャッター式の6x6判一眼レフカメラです。
いくつか種類があるのですが
今回お預かりしているのは最初の1型と呼ばれるモデルです。
発売は1966年です。
発売当初から220フィルムにも対応しています。
19mm~500mmまで豊富なレンズ群やアクセサリー群も
用意されシステムカメラとしても非常に魅力的なラインナップです。
レンズシャッター機なのでシャッター機構は当然レンズ側で
いずれのレンズもセイコーSLVシャッターを搭載し
1/500~1秒・Tのシャッタースピードです。
レンズシャッターなのでもちろん全速シンクロが可能です。

お預かりしているコーワシックスは
アルミ製のシルバーの外装色がまた魅力的な
85mmF2.8の標準レンズが付いていますが
レンズが外れなくなってしまったようです。
当然、シャッターを切ることもできません。
レンズシャッターの一眼レフではお約束ですが
コーワシックスもシャッターがチャージされた状態でなくては
レンズの取り外しができません。
で、コーワシックスは巻上機構が固着するトラブルが比較的多く
今回のようにレンズも外せないシャッターも切れないという
パターンになることも多いのです。
さらにその状態で無理に巻き上げたりレンズを外そうと
ガチャガチャやっているとラチェットの爪が破損したり
ギアが欠けてしまったり収拾の付かない状態になることもあるので
同じような症状のある場合は決して無理に動かさずに
修理に出していただければと思います。
今回のコーワシックスはご依頼者様が基本的に非常に
扱いの丁寧な方で固着した状態で無理なことを全くしていないようで
分解して確認してみたところ部品の破損等もなく
ホッと胸をなでおろしました。

巻上部・ミラー駆動部の清掃整備、ファインダー清掃、モルト交換
レンズシャッターの清掃整備、ヘリコイド分解グリスアップ等々
一通りの点検整一式を行いました。
非常に軽快に動作する状態になったと思います。
グリップが装着されているので少々大きく見えますが
6x6判一眼レフとしては非常にコンパクトです。
私が個人的に使っているRB67に比べると
大きさは雲泥の差です。
使い心地もよく根強いファンが多いのが納得できるカメラです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
「あかり」のありがたみを再認識する日だそうです。
停電になったりすると本当にありがたさを痛感しますよね。。。
夜はもちろんですが昼間でさえ
今は電気が止まると普通に生活はできないですものね。
「あかりの日」が今日である由来は
エジソンが世界初の実用的な白熱電球を完成させた日とのことです。
1879年のことだそうです。
そういえば昔、部屋のあかりを全て白熱電球にしてた友達がいたなぁ。。。
今や、LED照明で色も調整できてしまいますが
タングステンのフィラメントが光る白熱電球は
やはりLEDとは違って何とも温かみがあって良いですよね。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
もはや毎回書きすぎてOM-1の成り立ちや特徴は
ここで書く必要もなくなってきたような気もしますが。。。(汗)
それまでの一眼レフの常識を覆す
小ささと軽さで大ヒットしたカメラです。

今回は同じご依頼者さまから2台のOM-1をお預かりしてます。
シルバーのモータードライブ非対応のOM-1と
ブラックのモータードライブ対応いわゆるMDモデルです。
OM-1も細かい変更を繰り返されながら生産されていたので
生産時期によって細かな違いがいろいろあるのですが
大きく二つに分けるとすれば
やはりMDモデルかそれ以前のモデルかといったところだと思います。
MD対応かどうかは底部の端子の有無でしかないのですが
それよりもミラーボックスの形状が微妙に異なっていたりするので
内部も結構違いがあったりします。

お預かりしている2台はどちらも非常にキレイな外観ですが
似通ったトラブルを抱えています。
まず、定番のプリズム腐食
高速シャッターの精度不良、露出計が不動、といった3点です。

まずはシルバーのMD非対応モデルのほうから取り掛かります。
露出計不動の原因はこれもOM-1でよくある
電池マイナス側端子を留めている絶縁樹脂ネジ破損と
その部分のハンダ付け劣化です。
電池室端子留めに樹脂ネジを使用している個体は
これも生産時期によるのですが
今回はブラックのMDモデルも樹脂ネジを使ったタイプです。
ただ、ブラックのほうは樹脂ネジもハンダも問題ない様子なのです。
もしかしたらメーター本体のトラブルかもしれません。
そうだとしたらちと厄介です。
取り掛かっているシルバーのほうは
メーター本体は元気に針が振れることを確認しているので
とりあえず一安心です。
プリズムは中古良品と交換で対応します。
シャッター精度の問題は幕軸の清掃や
底部三連ギアの清掃でおそらく解消できると思われます。
もちろん多少の微調整は必要です。
ちなみに今回はご依頼者様と相談の上
露出計は1.5Vで調整します。
先日も他のカメラのブログで書いたばかりですが
元々の1.3Vで正しい状態のところに
1.5Vの電池を入れて露出計を駆動すると
指針が振り過ぎておよそ1.5段アンダーとなってしまいます。
回路的には0.2Vの違いは問題ないのですが
1.5Vで使う場合にはそれに合わせて
調整していかないと正しい値にはなりません。
まずはこれから本格的にシルバーのほうの幕軸清掃や
ミラー駆動部の清掃あたりから取り掛かっていきます。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「頭髪の日」なのだそうです。
気がつけば白髪が随分増えてきました(汗)
親父やじいさんは60歳手前でかなり頭髪がなくなっていたので
私もこれからそうなるのかなぁ。。。
今のところは大丈夫そうですが。。。
まぁ、もはや今更髪の毛があろうがなかろうが
あまり関係ないのですが
髪を上げると随分老け込んで見えるので
なくなったら一気にじいさんっぽくなるのでしょうねぇ。。。
そういえば少し昔に
薬の副作用で髪の毛が一気に抜け落ちたことがあるのですが
髪をかきあげるたびに数十本抜けていったり
朝起きて枕元に抜けた髪の毛がたくさんあるのを見るのは
かなりショックでした(苦笑)
みるみるうちに薄くなった髪の間から頭皮が見えるようになってくるし。。。
まぁ、たいしたケアはしていませんが
なるべく頭髪も大事にするようにします。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tス-パー」のカメラ修理を行っています。
機械制御シャッターのミノルタ一眼レフはSRシリーズのみなので
その中でも非常に完成度の高い人気のモデルです。
大ヒットしたSR-T101の発展型といえるカメラで
スクリーンはスプリットに変更され
ファインダー内で絞り値が確認できるようになりました。
シャッタースピードはSR-T101の頃から
ファインダー内表示が既にあったので
このSR-Tスーパーで絞りもSSもファインダー内で確認できるようになり
露出の設定がファインダーから目を離さずに非常に行いやすくなりました。
SRシリーズ全般がそうですが
ポジション的には中級モデルなですが
非常に丈夫なカメラで当時から使われっぱなし未整備の個体でも
とりあえず動作しているものも多いと思います。
ただ、それはいつも書いていますが
動きにくくなった状態で健気に無理矢理動いている状態のものがほとんどなので
軽やかに動けるようにやはり整備をしてあげたいところだと思います。

お預かりしているSR-Tスーパーも
とりあえず一通り動作はしています。
しかしながら測定機を使って幕速等をチェックしてみると
やはり高速シャッターの精度は出ておらず
シャッター幕軸の動きは悪い状況です。
シャッター音にも油切れの兆候が見て取れます。
モルトはもちろん全滅で
ファインダー内にカビも見受けられます。
リフレッシュすることで現在でも
きちんとした撮影ができる状態になると思います。

SR-T101以降のSRシリーズは
露出計連動の糸があちこちにあり
少々注意が必要です。
今でこそSR-Tあたりの連動糸では何とも思いませんが
修理を始めたばかりの頃はその処理に苦労しました。。。
SR-Tシリーズは露出計に本来、水銀電池を使用します。
水銀電池の電圧は1.3Vなので
電圧変換型の電池アダプタも市販されていますが
今回はご依頼者様からとのお話で整備の際に
1.5Vで最適な値が出るように調節します。
0.2Vの違いではあるのですが
この時代の露出計は電圧調整とかもなく
電池からの電圧がダイレクトに露出計に入ります。
本来の状態の露出計に0.2V高い電圧がかかっても
回路的には全く問題はありませんが
露出計は1.5段ほどアンダーに振り過ぎてしまいます。
ネガであればともかくポジだと致命的な露出差となってしまいます。

ところで、SRーT系の露出計トラブルで
指針はかろうじて反応していても
明るさに対して変化が少なく大幅にオーバー傾向。。。といった個体を
たまに見かけます。
他のカメラであればCdSの劣化を疑うのですが
SR-T系の場合はまずCdSの足のハンダ付けを疑います。
見た目に何ともなくてもここのハンダ付けが劣化していて
上記のような状態になることが結構あるようです。
今回は症状はありませんが
SR-T系は分解整備でお預かりした場合、
必ずCdSの足のハンダは一度完全に除去して
再度ハンダ付けしなおします。

話が少し逸れましたが
これからシャッターやミラー駆動部の整備に本格的に取り掛かります。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は「スウィーテスト・デー(Sweetest day)」だそうですよ
小さな親切やちょっとした思いやりに対して
感謝の印にキャンディーやグリーティングカードを送る日だそうです。
アメリカ・オハイオ州で始まった行事だそうです。
「sweet」って「甘い」という意味だけではなくて
「優しい」という意味もあるのですね。
生きている以上、いろんな人のお世話になっているので
感謝の気持ちを伝えるきっかけになる日だと思います。

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは1948年から始まる
35mm判レンズ固定式カメラのシリーズで
いろいろな種類があるのですが
1960年代後半からの各モデルはどれも非常にコンパクトで
今でも人気の高いカメラが多いですね。
RCは1970年に発売されたカメラで
そのモデル名から「リチャード」という愛称で呼ばれていました。
このタイプのレンズシャッター機にしてはめずらしく
上カバー場にシャッタスピードダイヤルが付いています。
レンジファインダー搭載の
シャッタースピード優先AEですが
マニュアル露出も可能です。
オート時には露出計が振れていないとシャッターロックがかかってしまうので
電池は必須ですがマニュアル時には露出計は連動しないので
電池ナシでも撮影可能です。
凝っているなぁ。。。と感心するのはファインダー情報で
オート使用時には連動する絞り値をファインダー内下側指針で指し
マニュアル時にはマニュアルで設定している絞り値を指します。
さらに設定しているシャッタースピードも
ファインダー内上側指針で指し示します。
本格的なサブカメラとしても使ってください!というメーカー側の思いが
伝わってくるようでなかなか好印象です。

お預かりしている「35RC」は露出計が全く動きません。
シャッター羽根の動きもイマイチなようです。
まずは露出計不動の原因を探っていきます。

電池室は一見、キレイなのですが
過去に修復した形跡が見受けられます。
端子裏のハンダと配線が腐食していたようで
配線は一部だけ継ぎ足しされています。
継ぎ足し部分は通電しているのですが
電池室側の端子と裏側のハンダ付け部分までが
全く通電しないようです。
端子を留めているネジとナット部分が腐食のため
通電しないようです。
配線もこの機会に継ぎ足し部分も撤去し張り直します。
その後、シャッターユニットやレンズ清掃等々
各部の整備も行ったのですが
仮組みしてテストしてみると通電状況は良いのですが
全く精度が出ない状況です。
抵抗やCdSの劣化があるのは年代を考えると当然なのですが
それにしても調整範囲を大きく超えています。
さて、どうしたものか。。。。
ちょっといろいろ試して解決策を探してみることにします。

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