月別アーカイブ: 2020年7月

ニコンFEのカメラ修理

今日は「こだまの日」なのだそうです。
ここでいう「こだま」は
山でヤッホーというと返ってくるこだまとか
「こだまでしょうか」のこだまではなく
電車の「こだま」です。
鉄道のこだまというと新幹線を想像される方が
圧倒的に多いと思われますが
ここでいう「こだま」は新幹線登場前に
「ビジネス特急」として大活躍だった
「特急こだま」のことです。
私も国鉄時代の電車は子供の頃、好きだったので
151系電車の「こだま号」はもちろん知っていました。
(でも既にその頃「こだま」は新幹線に代わっていましたが)
151系や181系のボンネット型特急電車って
すごく当時憧れましたねぇ。。。。
実際に見に行くことはなかったのですが
図鑑の写真や萌希のカタログを見ては
「カッコいいなぁ。。。」いつも思っていました。
このタイプのボンネット型電車は
いろいろとモデルチェンジもされながら
2011年まで走っていたのですね
今となっては一度くらい間近で見ておけばよかった。。。(苦笑)
話がそれましたね。
なぜ今日が「こだまの日」かというと
いわゆる狭軌起動(日本でいう在来線)で
1959(昭和34)年に世界最高速の
時速163kmを記録した日なのだそうです。
当時としては非常に速かったこだま号ですが
当時の東京-大阪間は6時間50分
これでも画期的に速く、ちょっとせわしないですが
東京ー大阪間で日帰り出張ができるようになったのだそうです。
ちなみにそれからほぼ60年経った現在は
新幹線のぞみで東京ー新大阪間、最速で約2時間半です。
やはり随分早くなったのですねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年にそれまでのニコマートEL系
(最終モデルはニコンEL2)の後継機としてデビューしました。
OM-1や後のニコンEM系ほどコンパクトではありませんが
それまでのニコマートと比べれば随分コンパクトになり
取り回しは段違いの良くなりました。
兄弟機的なポジションになる
機械制御シャッターの「FMシリーズ」のほうが
正直なところ人気があり
それに比べるとFEの人気はイマイチかもしれません。
しかしながら確かに電子部品のトラブルの心配は
少しあるとはいえ正直なところFEのトラブルで
電子部品が原因で修理不可能なことはあまりありません。
反対にFM系のLED露出計のほうが
修理不可能になることが多いかもしれません。
(FEは追針式)
個人的にも非常に良いカメラだと思います。
たまにお客様にメーカーにこだわりなく
フィルムの一眼レフ機を始めたいのだけど
それがいいのか?という質問を受けることがありますが
好みや使い方によっていろいろな考え方があり
一概には言えませんはFEをお勧めすることも多いです。
やはりファインダー内情報がアナログながら優れていて
慣れないうちは絞り優先AEで露出だけでも楽することだでき
一通り何でもできるカメラだいうところがお勧めの理由です
比較的、中古で手に入れやすいというのもありますね。

お預かりしているFEは頻繁にミラーアップしたまま
固着してしまいます。
その状態になってもM90やBにするとシャッターが切れて復帰し
巻上直すとその後しばらくは普通に電子制御しゃったーでも動作します。
でもまた忘れた頃に突然ミラーアップしてしまう感じです。
ここでいうミラーアップは
横走りシャッター機でよくあるシャッターが切れた後に
ミラーが下りてこないパターンではなく
ミラーアップだけしてシャッターは動作しないというパターンです。
わかりやすく言えば電池を入れていないときと同様の動きです。
それなら電源周りが原因では?とやはり考えますが
今回は電源は安定して供給されているようです。
少なくとも露出計やバッテリーチェッカーは常に正しく動作しています。
マグネットへの電源供給がうまくいっていないか
物理的に吸着がおかしいのか。。。
あるいはSW類の接点が汚れているのではないかと思われます。
電気的な原因の可能性はありますが
基盤そのものの問題ではないと思われます。

ピンポイントで「ここだ!」いう原因は
突き止められてはいないのですが
考えられる原因を一つずつ潰していった結果
現在、仮組でテスト中ですが症状は出ないようです。
こういうのはテストしている間はOKでも
少し時間置いて再テストしてみると再発する場合もあるので
少し時間をかけてテストを行います。
分解時にシャッター羽根清掃等一通りの整備も行っているので
高速シャッターも非常に安定して動作するようになりました。
少し様子見をしながら細かいところまで詰めていこうと思います。

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ヤシカエレクトロ35CCNのカメラ修理

今日は7月29日ということで
「七福神の日」なのだそうです。
で、そこから派生して「福神漬けの日」でもあるのですね。
福神漬けという名前は7種類の野菜を
使用していることから七福神に由来するのだそうです。
基本的に漬物類はお米に合うことから非常に好きなのですが
(おかずが広島菜漬けや
野沢菜漬けだけであっても全く問題なし)
あまり酸味のきいたものは子供の頃は少し苦手でした。
そのため福神漬けもあまり好きではなかったのですが
大人になってからはカレーハウスとかで
大量につけるようになってしまいました’(笑)
大人になってから食べられるようになったものは
本当にたくさんありますね。
魚だって根菜の煮物だってシイタケだって
私の家ではばあさんが食事を作るので
頻繁に出てきますがやはりちょっと苦手だったのです
それがいつのまにやらどれも大好物です。
食事はお酒の肴と考えるようになってから
美味しいと思うものの幅が一気に広がったような気がします。
もちろん個人的な話で誰もがそうではないと思いますが。。。(笑)
福神漬けは単体で日本酒のお供としてもなかなかですが
やはりカレーライスですよねぇ。。。
今どきのカレーでももちろん良いのですが
妙に深いカレー皿にたっぷりのご飯とカレー、銀のスプーン
そして「真っ赤な」福神漬け。。。いいですよねぇ
真っ赤なのは最近あまり見ませんが。。。。
ちなみにじいさんがそうしていたので
私も子供の頃はカレーにソースかけてました(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CCN」のカメラ修理を行っています。
CCNは少々久しぶりですが。。。
「エレクトロ35」と大まかに括ると
きちんと数えていませんが
私のところはエレクトロの修理、非常に多いですよね。
無印・GT・GSが多いですが
毎月数台行っているような気がします。
完全な電子制御機ですし
積極的に修理・整備を行っているお店が少ないこともあるかもしれません。
基本的に絞り優先AE専用機なので
完全マニュアル機ほど簡単に撮影の幅は広げられませんが
逆に気軽にガンガン撮るには最適なカメラです。
エレクトロに搭載されているヤシノンレンズは
非常に写りの評価も高いのでそこを楽しむのもまた良いですよね。
CC及びCCNはエレクトロ35シリーズ中、
唯一の35mm広角レンズ搭載のモデルです。
それもF1.8の大口径です。
絞りの形状が変わっていることもありますが
積極的にボケを楽しむレンズではなく
光量の少ない場面でSSを少しでも稼ぐための大口径です。
これはCC(N)に限らずエレクトロ35シリーズ全般は
そういう考え方なのだと思います。
1970年に「CC」が発売され
1973年にマイナーチェンジ版の「CCN」が発売されました。
スペック的には大きな現行はありません。
CC&CCNに搭載されるコパルシャッターは他のエレクトロと異なり
最高速は1/250です、絞り羽根の2枚羽の独特なものです。
いわゆる後期のエレクトロに分類されるモデルなので
サイズもコンパクトでスナップ機としても
非常に良いカメラだと思います。

お預かりのCCNは電源供給が安定しないようで
バッテリーチェックランプも点いてみたり
点かなかったりという状態です。
当然シャッターを切ってみてもオートが効かないことがほとんどで
(電源が入たないと一定のSSで切れてしまいます)
たまに制御されて切れるといった感じです。
電池室内は一見キレイなのですが
分解してみるとマイナス側端子裏のハンダ付けが劣化していて
もはや断線寸前でした。これでは安定して電源供給できません。
電源が供給されてからやっと確認できたのですが
オート制御自体は動作しているのですが
やたらと不安定です。シャッターを切るたびに
露出量が2段近くずれることがあります。
各接点の清掃でおそらく安定するものと思われます。

ちなみにCC(N)の外装色はブラックのみです。
もちろん非常にカッコ良いのですが
エレクトロ35シリーズならではのギラギラした
シルバーもあってほしかったかな。。。とも思います。
それにしてもこの時代で35mmF1.8のレンズはすごいですね。
現在の基準で行っても大口径な明るいレンズです。
いつかは個人的に持って
いろいろ撮ってみたいカメラのひとつです。
(そういうのが多すぎてなかなか手にいられませんが(’笑))

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「スイカの日」だそうですよ
スイカって子供の頃にはめちゃくちゃ食べた記憶があるのに
大人になるとあまり食べない果物のような気がします。
あ、ちゃんと家族がいる方はそうでもないかな
私がずっと一人だからそう思うだけかもしれません(汗)
先程「果物」って書きましたが
園芸分野では「野菜」に分類され
青果市場での取り扱いや
栄養学上の分類では「果物」に分類されるのだそうです。
なかなか微妙な立場ですねぇ(笑)
昨年はカットされた状態で売っているスイカを少しだけいただきました
今年も梅雨明けしてスカッと晴れた日に
キンキンに冷やして一度は食べたいと思います。
スイカ食べるたびに
しむけんさんのスイカ早食いを思い出してちょっと笑ってしまいます。
あれ、実はすっごく薄く切られてるからあんなに早く食べられるのですね!
普通に切ったスイカで同じように早食いしようとして
とんでもないことになった記憶が。。。
(それも子供の頃とかではなくて結構いい大人になってから。。。(苦笑))
もちろん今はしっかり味わってゆっくり食べますよ

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
最近、FTの修理がコンスタントに入ってきますね
今年に限って言えば「FTb」より多いと思います。
以前にも書きましたがキヤノンFシリーズは
プリズムが腐食している確率が非常に高く
交換が前提になることが多いのですが
Fシリーズ前期(FX、FP、FT)と
FTb以降の後期とではプリズムの大きさが異なり
互換性がありません(後期のほうが横幅が少し大きい)
で、前期のプリズムで腐食のないものは既にそう簡単に見つかりません。
今回のFTもお預かり時に腐食が少しばかりあるのは確認できていて
交換用プリズムの入手が困難なので
これに関しては現状のままで。。。と
お話させていただいていたのですが
実際に作業に入ろうとして確認すると
腐食じたいは少しなのですが位置が悪く
どうも気になって仕方ありません。
。。。というわけで今回も何とかキレイなプリズムを探し出し
交換で対処することにしました。
やはり一眼レフはファインダーの見えが重要な要素ですものね。
せっかく整備に出していただいているのですから
何とか対応していきたいものです。

結局、Fシリーズのプリズム腐食もモルトが原因です。
写真にも写っていますが白いプリズムカバーにも
プリズム押さえ金具に貼られているモルトが劣化して
張り付いています。
またそのプリズムカバーが隙間だらけなので
その隙間からプリズムまで腐食させてしまいます。
プリズム腐食以外の問題点は
高速シャッターでの精度不良と
露出計の精度不良・不安定さ
各部モルトは全滅といったところです。
どれも定番のトラブルですが
シャッター幕軸と調速カム部分の清掃を行うと
それまでは高周波の濁ったシャッター音だったのが
クリアな歯切れのよい音に変わりました。
Fシリーズはこういう変化がわかりやすいカメラです。
写真には写っていませんが装着されていた
FL50mmF1.8レンズはレンズそのものはそこそこキレイなのですが
絞り羽根に油シミが見られやはりその影響で
少し動きも粘っています。
キヤノンのレンズはFL、FD、NewFD、どの世代も
他メーカーに比べると絞り羽根の油シミは多い傾向にあるので
しっかりチェックしておくことが大事です。
もちろん今回も分解清掃で対応します。

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ニコンF2フォトミックASのカメラ修理

今日は「幽霊の日」だそうですよ。
子供の頃は本当にこういうの怖くって苦手でした
でも怖いもの見たさで
「あなたの知らない世界」とか土曜日のお昼に見ちゃうのですよねぇ
(すみません、同世代の方にしかわからないネタです)
もう今となっては生き物は死んだら
みんな何もなくなって終わりだと思っているので
幽霊とか霊魂とか全く信じてはないです。
亡くなった方をお墓に入れるのも法要を行うのも
全て残された人のために行っているものですものねぇ。。。
ただ、普段、目に見えない不思議な現象とかは
あってもおかしくはないと思っていて
それは私たちの知っている生き物の世界ではなく
蟲のしわざなんだろうなぁ。。。と思っています。
蟲が人の形をまねるようなものがいてもおかしくないだろうし。。。
あ、この話始めると止まらなくなるのでやめましょう(笑)
人は亡くなったら終わりでその意識みたいなものが残るとか
いわゆる「あの世」があるとかは一切信じませんが
それでもお店に飾ったじいさんばあさんの写真はよく話しかけてしまいます。
最近は「またカープ負けちゃったよ~ダメじゃん!」ばかりですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックAS」のカメラ修理を行っています。
昨日は「フォトミックA」で今日は「AS」です。
ボディ側に関しては全く同じでファインダーが異なるだけです。
「AS」はその名の通り「A」と同じくAi対応のファインダーで
Aiレンズと露出計を連動させます。
昨日の「A」は指針式の露出計でしたが
「AS」はLED表示の露出計です。
さらに受光素子もCdSより暗所に強く反応も良いSPDを使用します。
ファインダー内で+・〇・- の3つの表示で露出を表します。
昨日もちらっと書きましたが
LED式の露出計はLED制御部が壊れている場合
修理は不可能な可能性が非常に高いです。
F2だけではなくFMやFM2とかも同様です。
今回はLEDはちゃんと連動して動作していて
若干の調整のみで大丈夫そうなことは受付時に確認済みです。
F2の露出計トラブルはファインダー側より
ボディ側に原因があることのほうが多いのですが。。。
(電池室、SW部がボディ側のため)
ところでこの「ASファインダー」ですが
単にLED化されているだけではなくいろいろ小技が効いています。
まずアイピースシャッターが装備されています。
そしてそのアイピースシャッターが閉じているときだけ
露出が合ったときにファインダー上面の赤LEDが点灯します。
(ファインダー内で「〇」のみが点灯する状態のときのみ)
指針式のフォトミックやLED式でも「S」あたりだと
常に上面にも連動する表示があったのですが
ASはちょっと異なります。
ファインダー上面の表示は意外と実際の撮影では使わないので
これでも全く問題ありませんね。
さらにイルミネーター機能があり
ファインダー上面のスライドSWを操作すると
ファインダー内のSS表示窓に照明が点灯し
暗い場所でもファインダー内でSS設定が確認できます。
これで絞り表示も照明してくれればもっと良いのですが
残念ながら絞り表示側には照明がありません
(直読式ですしね)
このあたりの機能は説明書がないとわからないと思いますl。
でもなかなか良く考えられていて面白いですね。

お預かりしているF2フォトミックASは
幕軸の汚れ等によって先幕・後幕のバランスが崩れており
高速シャッターの精度が全く出ていません。
露出計も調整が必要な状態で
ボディ側・ファインダー側、一通りの分解整備を行っていきます。
写っているレンズはマイクロニッコール55mmF2.8ですが
ピントリングががっちり固着していて全く回りません。
マイクロレンズで繰り出し量の多い
ダブルヘリコイドのため固着しやすいのです。
こちらもレンズ清掃も含め一通りの整備を行っていきます。

ちょっと余談ですがF2の巻き戻しクランクって
非常に凝った造りになっていて
巻戻し時に持ち上げると7~8mmほど持ち上げた状態で
巻戻しを行うことができます。
これが背の高いフォトミックファインダーがついている場合だと
非常に有効です。そのままの高さだと指がファインダー側に
ぶつかって非常に回しにくいと思います。
で、この時にフィルム室内のフォークまでは上がらないように
ちゃんとロックがかかっています。
裏蓋を開けた状態で同じように巻き戻しクランクを持ち上げると
フィルムが出し入れできるようにフォークまでしっかり上がります。
この機能のために裏蓋を閉めた時に押す爪が
普通にあるフィルムカウンター用のもののほかに
巻き戻しクランク側にも爪があります。
モルト交換時には要注意です。
こういうちょっとした使い勝手もこの時代のニコン機は
非常に良く考えられていると思います。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「かき氷の日」だそうで
食べ物の記念日があれば
すぐに食いつくところなのですが。。。(笑)
もうひとつ「はんだ付けの日」でもあるのですね。
電子制御カメラの修理時にはもちろん大活躍ですし
機械制御であっても露出計が搭載されていれば
はんだごてを使わないわけにはいきません。
カメラの修理もいろんな工具を使いますが
はんだごては必須のアイテムです。
でも修理を始めた中利の頃は結構苦手としていました(汗)
今でも得意というほどではないですが
まぁ問題なく使えているのではないかと思います。
私の使っているはんだごてはホーザンのHS-11という
11Wの小さなはんだこてです。
残念ながら数年前に生産中止になってしまっているのですが
こて先等の消耗部品がまだ入手可能なので
その間はこれを使い続けたいと思います。
某カメラメーカー工場での指定はんだこてだったのですよね。
11Wなんてはんだこてはこれ以外にはないと思うので
これは使えなくなると次期はんだこての選定には苦労しそうです。
まぁもうしばらくは大丈夫そうな気がしますが。。。
おそらく私は一般的に思われるよりは頻繁にこて先は交換します。
はんだのノリが悪くなったり
溶けるのに時間がかかるようになってきたら即交換です。
少し磨けばもう少し持たないことはないのですが。。。
特に細かいフレキ上のはんだ作業が多いときは
少しでも気になったらすぐに交換します。
やはり上手い下手よりもちゃんとした状態でちゃんとした道具を
ちゃんと使うというのが大事なのではないかなぁ。。。と良く思います。
ちなみに使い古したこて先を新品に交換すると
こんなにはんだ作業って楽だったっけ?と驚愕します。
はんだこてをつかう方でこて先をしばらく変えていない方は
是非、積極的にこて先を変えてください。
作業効率が激変します。

さてさて

本日は「ニコンフF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディはF2共通のものですが
組み合わされるファインダーによってF2はいろいろ変化するカメラです。
フォトミックファインダーというのは
露出計が内蔵されたファインダーのことです。
フォトミックAは最初の無印フォトミックファインダーを
Ai化したものです。もちろん露出計を連動させるには
Aiレンズとの組合わせが必須ですが
Ai連動爪を格納することもでき非Aiレンズでも装着は可能です。
ベースが最初のフォトミックなので露出計は指針式です。
ちなみにLEDを使用するSやASやSBだと
LED制御の不具合があると修理不可能な場合が多いです。
やはり露出計は指針式のほうがメンテナンス的には安心度が高いです。
(昔は指針式は衝撃に弱く壊れやすいなんて話が
まことしやかに話されていましたが衝撃に弱いのは
LED制御だって同じだと思います)
フォトミックファインダを使うとSSや絞り値が
ファインダー内で確認できるようになり
これだけでもフォトミックを使う意味があると個人的には思います。
Ai化されているのでSS表示は従来通りですが
絞り表示はレンズの刻印を直読する対応に変わりました。
ここだけは非Aiのフォトミックのほうが見えやすいですね。。。

お預かりしているF2フォトミックAはボディ側・ファインダー側共に
いくつか問題を抱えています。
まずは明らかに巻上が油切れでちょっと重苦しい手ごたえと
少々異音がしている状態です。
シャッター幕軸にも油切れの兆候が見られ
1/2000、1/1000はシャッターを切っても開かない状況です。
1/500でやっと半分開き、1/250で開ききりますが結構な露光ムラで
1/125でやっとそれなりに写るかなという感じです。
低速は低速で問題を抱えており
1/8まではよいのですが
それ以上のSSが1秒まで全て1/8で切れてしまいます。
この症状、FやF2でたまにありますね
ガバナとのリンク部分んぼ動作不良が原因だと思われます。
露出計はお預かり時には2段オーバーくらいではありますが
とりあえず動作していると認識していたのですが
今確認すると全く動きません。
どうやらF2お約束の電池室端子留め部の破損があるようです。
ファインダー単体でチェックすると動作はしているのですが
少々オーバー気味な上に不安定です。摺動抵抗部の汚れが原因かと思われます。

いろいろありますがどれもよくあるトラブルですので
ひとつずつ対処しながら整備を進めていきます。
ニコンのフィルムカメラというのは本当にしっかり作られていて
ダイキャストの精度も高いので内部モルトや
ワッシャが非常に少ないのです。
ただF2はミラーボックス横にちょっと大きなモルトが貼られています。
(写真では黒潰れしてしまって見えないのでですが)
これは遮光用ではなくミラー駆動のスプリングが
共鳴してしまうことを防ぐためのものです。
これがないと個体差もあるのですがシャッターを切った後に
キーンという共鳴音が残ることがあります。
もちろん実際の動作にが全く問題はないのですが。。。
もちろんここのモルトも交換しておきます。
分解するたびに思いますが
FとF2の機械的部分の精度の高さは本当に惚れぼれします。。

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ミノルタフレックスのカメラ修理

今日は「天ぷらの日」だそうですよ!
揚げたてサクサク熱々の天ぷらは
めちゃくちゃ美味しいですよねぇ~
揚げたてを食べさせてくれるお店なんて
長らく行っていないような気がします。
カウンターで目の前で頼んだネタを
さっと揚げてくれるようなお店にたまには行きたいですねぇ~
そういうお店でお腹いっぱい食べると
下手なお寿司屋さんより高くなったりしますが。。。
やっぱり海老が一番かなぁ。。。
いや、キスやコチみたいな白身魚も外せないし
野菜類ももちろん美味しいし。。。
揚げ物だからビールが合いますが
日本酒でもいいですよねぇ。。。
あぁ、おなかすきました。。。(笑)

さてさて

今日はミノルタフレックスのカメラ修理を行っています。
ミノルタの二眼レフといえば
国産を代表する機種でもあるオートコードが有名ですが
オーとコードはミノルタとしては
最後の二眼レフのシリーズで
今回のミノルタフレックスは最初にシリーズにあたるわけです。
その歴史は古く1937年の「ミノルタフレックスⅠ型」にまで遡り
これが国産としても最初期の二眼レフとなります。
ミノルタフレックスは何度も仕様変更を重ねながら
1953年にも次期モデルのミノルタコードの登場まで
生産され続けました。
もちろん同じミノルタフレックスでもいろいろなモデルが存在し
この時代のカメラはどのメーカーもそうですが
見かけ上はどれも同じモデル名で非常に判別が難しくなっています。

お預かりしているミノルタフレックスはおそらく
「ⅡB」型だと思われます。
レンズがテッサータイプのロッコール75mmF35
シャッターがコーナンラピッドで最高速は1/500という主要部分は
前モデルの「Ⅱ」と同様ですが
フィルム装填がスタートマーク合わせのセミオートマットになり
自動巻き止めが装備されました。
さらに裏蓋ロックが回転式になり、
ファインダーピントグラス中央部には凸レンズが組み込まれ
ピント合わせが容易になりました。
コーナンラピッドは構造的にセイコーラピッドにも似ていて
最高速の1/500には強力な1/500専用バネを利用します。
そのため1/500mを使う際にはチャージ前に1/500に合わせておきます。
リリース時にも1/500に入れるのは重いですが
チャージ後は重いなんてものじゃなく無理しても入りません。
トラブルの元なのチャージ後には1/500に入れようとはしないことです。
セイコーシャの場合も同様です。
そのコーナンラピッドのシャッターですが
シャッター音だけ聞いていると普通に動作しているように聞こえます。
しかしながらシャッタを見ていると音が良いのですが
シャッター羽根は全く開いていません。
レンズシャッターでは定番の羽根固着のようです。
加えてレンズの状態がかなり良くありません。
カビはもちろんですがクモリが酷く
レンズそのものの変質であれば
清掃ではあまり改善されないことも予想されます。
ファインダーミラーは二眼レフはいつものことですが
劣化が非道の出」こちらは交換で対応いたします。

まだ現状チェックを行っただけで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッタユニットとテイクレンズ周りです。
機械的な問題は何とかなりそうですが
レンズが少々心配です。
できる限りの処置を行い
何とか必要に十分耐えるレベルにはしたいと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大暑」です。
ここから「立秋」までは厳しい暑さが続くということですが
残念ながら関東地方はまだ梅雨明けもしていなくて
今日もはっきりしない曇り空です。
でも陽射しがないとはいえしっかり蒸し暑さはありますので
これから今年も暑くなりそうですね
先日もツイッターで少し書きましたが
昔は「夏がくる」と思っただけでワクワクしたものですが
いつからか全くそんな気持ちはなくなってしまいました(苦笑)
暑いのはもともと苦手なこともあり
今では6月半ばくらいから「早く秋にならないかな」と思っています。
まぁ、そりゃぁ、若いころは「夏」といえば
イベント盛りだくさんだったし
友達となんやかんや計画して遊びに行くことも多かったし
それはそれは楽しい季節だったような気がします。。。
それだけ年齢を重ねてしまったのですねぇ
これから1ヶ月半くらいは
標高の高い(2000m以上)の涼しいところで
のんびり暮らしたいですねぇ。。。
まぁそうも言ってられないので
今日もエアコンガンガン入れて仕事します!(笑)

さてさて

今日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っていきます。
1976年発売の絞り優先AE専用機です。
「ME」の発売される1ヶ月前に「MX」が発売され
「Mシリーズ」がスタートしたのですが
「MX」はシリーズ中唯一の横走りシャッターで機械制御
他の「Mシリーズ」のカメラとは異なるカメラです。
そうなるとこの「ME」こそが
「Mシリーズ」を代表するカメラではないかな。。。と個人的には思います。
最新の電子技術を搭載し無りなくカメラを小型化し
プラスチックを多用して軽量化も進めます。
操作系もシンプルにまとめた「ME」は
狙い通りのヒット作となります。
その後、より表現の幅を求めるユーザ層向けに
マニュアル露出と1/2000を搭載した「MEスーパー」へと発展していきます。
MEはヒット作だけあって現存する個体数も非常に多いのですが
過去のヒット作にありがちな
個体数の多さ故の中古市場での不遇な扱いも目立つカメラです。
使い心地も良くてオートも正確かつ安定してて
(整備されて本来の姿ならば、という条件付き)
非常に良いカメラだと思うのですが。。。
とはいえ、当店としては修理依頼はコンスタントに多いカメラでもあり
電子制御カメラとは言え電子部品のトラブルは少ないカメラなので
個人的にも非常に好きなカメラです。

MEといえばミラー駆動部のゴムブッシュ劣化に起因する
ミラーアップが定番のトラブルなのですが
今回、お預かりのMEにはその症状は今のところ見られず
一見会長にシャッターは切れています。
オート専用機なので露出計の精度とオート制御が肝なのですが
肝心の露出計の挙動が不安定です。
いいときにはそこそこの値(アンダー気味ですが)を見せているのですが
たまに「over(赤文字)」側に振り切ってしまいます。
いったんこうなるとしばらく戻りません、
もちろんこうなっているときはシャッターを切っても
大幅にアンダーで写真hが真っ暗です。
おそらく絞り連動の摺動抵抗か
ASA感度連動の摺動抵抗に問題があるものと思われます。
もちろん分解の際に
定番のミラーアップトラブルへの処置も行います。

まだ上カバーを外しただけの段階です。
フィルム室もそうですがモルトは全滅です。
ペンタックスは元来、内部モルトを多く使用するメーカーですが
Mシリーズは特に多いと思います、もちろん全て交換です。
加えて分解時に注意しておかなくてはいけにのが
これもペンタックスは元々そういう傾向ですが
あらゆるところに調整用のワッシャが多いのです。
MEあたりは数えきれないほど分解しているので
ほぼ頭に入っていますがワッシャがあると知らずに
無警戒に開けてしまうと再組立ての時に大変です。
ME系は他にもいろいろ気を付けるポイントも多いので
そういうところはしっかり押さえながら慎重に進めていきます。

今回はボディの跡に28mm/50mm/135mmレンズの
清掃もセットで行います。
この3本があれば整備後はかなり幅広い撮影に対応できますね。
ご依頼者様、もう少しお待ちくださいね。

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ニッカ5型のカメラ修理

今日は「ハンバーガーの日」だそうですよ。
1971年(昭和46年)のこの日に
銀座・三越デパート1階にマクドナルドの
日本1号店が開店したことに由来しています。
いろいろ賛否両論ありますが
マックのハンバーガー美味しいですし好きですよ
ポテトも美味しいのですよねぇ。。。
一時期、モスがてりやきバーガーを先駆けて販売して
非常に勢いのあった頃に(ずいぶん昔ですよ30年前くらい)
モスによく通っていた時期もあったのですが
あのホクホクした厚ぼったいポテトが馴染めなくて
すぐにマックに戻ってしまったことがありました(笑)
今は昔みたいに頻繁に行きませんが
たまに無性に食べたくなって出かけたついでに寄ることも多いです
ポテトとドリンクたくさん欲しいから
LLセットが多いかな。。。昔はそれだけじゃ足りなくて
単品でバーガーを追加していたのですが
今はLLセットだけでもちょっと重いかな(苦笑)
あ、あと今は季節じゃないですが
三角チョコパイも美味しいですよねぇ。。。
うーん、明日あたり中野か新宿のマック行ってこようかな。。。

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
最近、ニッカの修理多いですね
この類のカメラのお手本は本家・バルナックライカですが
戦時中とかにライカの入手が非常に困難になったことから
軍からの要望もありライカコピーが作られるようになり
戦後になると各メーカー独自の工夫を凝らして
単なるライカコピーとは言えない領域に進化したと思います。
当店ではライカを筆頭とする海外メーカー製のカメラは
基本的には取り扱わないので
このタイプのカメラというと
ニッカ、キヤノン、レオタックスとかになります、
どのメーカーも時代が進むにつれて
独自の進化を遂げています。
しかしながらどのメーカーのバルナックタイプも
シャッター幕の劣化が深刻です。
今回もリボンが切れてシャッターがまともに動作しない状態です。
シャッター幕自体は過去に交換されている形跡があるのですが
(それでも結構昔だと思われます。)
前回のニッカもそうでしたが接着剤の処理が悪く
リボンは完全に外れており幕も剥がれかけです。
どちらにしても完全に幕は張りなおしですので
幕交換で今回も対処します。
他にも巻上ノブの組間違いやら一部部品の欠損が
発見されましたので
その辺りも修正しながら分解整備を行いました。

何だか一見妙なアングルの写真になってしまいました(汗)
いややはりニッカ5といえばこの裏蓋が
最大の特徴だからと思ったのですが。。。
バルナックタイプのカメラといえば
やはりフィルム装填が面倒というのが短所のひとつで
これは普通に装填しようとすると
スプロケットにフィルム上側のパーフォレーションが
引っかかってしまうためで
やはり無難な対処法は10cmくらいフィルムを細く切ることです。
他にもカードか何かを差し込んでおいて装填することか
タイムを使ってシャッターが開いた状態で
装填するとかいくつかの方法があります。
しかしながらニッカ5の場合は底板を外した状態で
裏蓋を開けることできるので
しっかし目でスプロケットへの噛みこみを
確認しながら装填できるのですね。これは安心感が段違いです。
いくらフィルムを切ったりカードを使っても
目で確認できないから不安だし失敗の可能性も結構あります。
それがニッカ5だと失敗する可能性が劇的に減ると思います。
それから前にも書きましたが
ニッカ5だと分解しなくても測定器でシャッタースピードや
露光量が計測できるのですよねぇ。。。これは本当に助かります(笑)

話がそれましたがお預かりのニッカ5型は
非常に安定した動きをするようになり
シャッタースピードも高速~低速まで
ばっちり精度も出るようになりました。
もう少し時間をおいてから最終チェックで完成となります。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
まさに桃の出荷のピークですね。
スーパーに行っても山梨産の桃が
たくさん売られています。
数日前にやっと今年の初の桃を買って帰りました。
ついでに勝沼産の辛口の白ワインも買って帰り
両方とも軽く冷やしてから
非常に美味しくいただきました!
桃や梨に白ワインは合うのですよねぇ~
まだ数は少ないですが梨も少しだけ売っていました。
なかなかお高かったので旬を待ちますが。。
今は桃の最盛期ですからたくさん楽しむことにしましょう
山登りに頻繁に言っていた頃は
八ヶ岳や南アルプスの帰りに
この時期は果樹園直営店とかで桃をたくさん買って帰っていました。
桃を食べると夏が来たなぁ。。。と感じますね!

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売の中級機ですが
使い心地のよさで現在でも非常に人気のあるカメラです。
デビュー前年の1973年にフラッグシップのX-1が発売され
翌年にXEが出たことにより
これ以降のミノルタ一眼レフは電子制御シャッター機の
Xシリーズに徐々に移行してくことになります。
(機械制御のSR系もこの時点ではまだ併売されていて
根強い人気を誇っていました
1973年SR-Tスーパー発売、1975年SR505&SR101発売)
かなり前衛的なデザインのX-1よりも
現在となってはXEのほうが魅力的に見えるのでは。。。と個人的には思います。
X-1はフラッグシップ機らしく交換式ファインダーや
豊富に用意されたファインダースクリーン、
信頼性の高い横走りシャッター等、もちろん魅力的な部分も多いのですが。。。
XEは縦走りシャッター機ですがシャッターユニットも
専用の「コパルライツシャッター」を搭載します。
当時提携関係にあったライツ社とコパル、ミノルタ3社で開発したものです。
ミラーチャージ部分等なかなか凝った造りのシャッタユニットです。
XEの美点の一つでもある巻上の滑らかさは
このシャッターユニットに因るところが非常に大きいと思います。
こんぼXEをベースにして
ライカR3が生まれたのも有名な話ですね。

使い心地等の魅力の多いXEですが
比較的初期の電子制御機ということもあり
正直言ってトラブルは多いカメラです。
電子部品の劣化が原因のこともあり
颯の場合は当店でも修理不能と判断することもございます。
ただ、比較的電子基板内の問題は少ないとは思います。
お預かりしているXEは電子シャッターは
全てミラーアップしてしまう状態です。
「X」・「B」の機械制御シャッターだけが動作する状態です。
要は電池切れのときと同じ状態です。
一見、電池室はキレイなのですが
端子部分には随分前のものと思われますが
液漏れの跡も見られます。電池室裏のハンダか配線が
腐食してしまっているものと思われます。

それよりもXEをお預かりするとまず気になるのが
プリズムの状態です。
今回はファインダーで見る限りは腐食は見当たらないのですが
XEはそれで安心はできません。
何も処置されずに劣化したモルトもそのままで
プリズムを降ろす際に
蒸着が一緒に剥がれ落ちてしまうようなものもあり
油断ならないのです。
今回も案の定、プリズムに接しているモルトは
加水分解でベタベタでプリズム前面の塗装にダメージもありました。
ただ今回は運よく蒸着面には達していないようです。
これ以上腐食が広がらないように処置をして
モルトの代わりに腐食しない素材を使って補修します。
XEの腐食のないプリズムは今や貴重品です。
当店にも腐食の全くないプリズムの在庫は既にありません。

上の画像にピンボケで写っていますが
巻き戻しクランク下の摺動抵抗にかかわる
露出計トラブルが多いのもXEの特徴ですが
今回も完全に振り切っているわけではないですが
露出計が妙にアンダー気味です。
一見、抵抗面はキレイに見えるのですが
これも本来のキレイさではありません。
本来は白っぽい金色なのですが
それに比べるとちょっと茶色っぽい感じです。
電気的調整でも何とかなりそうですが
抵抗をきちんと磨いてからの微調整で処置したいと思います。
いろいろ問題も多いXEですが
きちんと本来の姿で動作している個体は
本当に気持ち良いのですよねぇ
私も個人的に使う個体を2台持っています。
(最近あまり出番がないのですが。。。(苦笑))

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オリンパスOM-1のカメラ修理

7月18日。。。何となく響きが良いから
記念日もたくさん制定されているかと思いきや
話のネタになりそうな記念日がないですねぇ。。。(汗)
制定されている記念日ではなくて何かないの?と思って探していたら
今日は浜田麻里さんの誕生日なのですね。
さすがに最近の楽曲は聴いていないけど
今でも現役で歌ってっらっしゃるのですね!
私が高校生~20代半ばくらいまでは
「これでもか」というくらい聴いていました。
初期の作品は当時の仲間と作っていた
バンドでコピーした曲もたくさんありました。懐かしいですねぇ
特にデビューアルバムのインパクトは強烈でした。
今聴くと良い意味で「古臭い」のですけどね
後にB’zでブレイクする松本さんが
サポートメンバーとして参加しているアルバムも何枚かありました
ハードロック色がだんだんと薄れていっても
またそれは違った魅力が聴き続けていたけど
「Persona」より後の作品は聴いていないのですよねぇ
これを機会に最新アルバム買って聴いてみようかな。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月のように何台かは修理・整備を行うカメラです。
それだけ今でも人気があり使っている方が多いということですね。
同じようなことを何度も書きますが
この時代にこの軽量コンパクトな一眼レフというのは
本当に例がなく革命的なカメラです。
今となっては同じような小さな一眼レフは
何台かありますし、特に電子制御化されて
外装がエンプラになってからはOM-1より軽いものもあると思います。
でも質感や使い心地を考えると
やはりこのジャンルの一眼レフはOM-1が一番かな。。。とは思います。
他メーカーが同時代にこの大きさ軽さになっていないということは
当然、オリンパスはOM-1に相当の工夫や独自の構造を採用しています。
そのためどうしても50年以上経過した現在となっては
強度の足らないところや不具合が出やすくなっているのも事実です。
OM-1の楸瑛・整備依頼が多いのはそういう部分もあるかもしれません。
それでも基本的には整備を行うことで
トラブルは回避できるカメラだとも思います。

お預かりしているOM-1は
まずは定番のプリズム腐食です。
こればかりは温溜とがプリズム周りに貼られている以上
定期的にモルト交換を行わなければ避けられないトラブルですね。
加えてこれも定番の露出計不動
今回は端子や配線のトラブルではなくSW部の接触不良のようです。
シャッターは一見、普通に動作しているように見えたのですが
測定器にかけてみるとシャッタスピードが異様に不安定です。
同じシャッタースピードでも切るたびに
大き値が変化し、ひどいときだとシャッターが開かないときもあるようです。
各部の汚れによる動作不良もあったのですが
後幕蹴とばし部の部品に変形も見つけられました。
部品の変形を修正し、幕軸、三連ギア部等の清掃を入念に行ったところ
シャッタスピードがようやく安定し
その上で若干の幕速の調整を行い問題ない精度を出すことができました。
スローシャッターもガバナの粘りに加え
蹴とばし部の変形の影響もあって
ガバナが作動せず普通のSSで作動してしまう現象が見られたのですが
それも改善しています。

写真hが一通りの整備が完了した後のものです。
外装もできる限りキレイに磨き上げました。
装着されているレンズはGズイコーオートS50mmF1.4ですが
今回はレンズのほうもカビ取り清掃等を行っています。
OMシステムのズイコーレンズは
毎回なかなか苦労の多いレンズです。
まず非常に開きづらい構造で作られています。
とにかくレンズを外すためのリング類が回らないのです。
今回はそれほどではありませんでしたが
前玉ユニットを抜くために1日以上かかることも多いのです。
さらに後玉に変質によるクモリがあるものも多く
これはもうどうにも取れません、
今回もうすーいクモリが後玉に残りましたが
これは残念ながらここまでが限界のようです。
ただ、実際の撮影にはほとんど影響のないレベルにはなっています。
OMの。。。というかズイコーレンズ
は二眼レフやスプリングカメラの時代の頃から
クモリに苦労させられることが多いですねぇ。。困ったものです(汗)

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