月別アーカイブ: 2021年11月

ミノルタALSのカメラ修理

今日は「フランスパンの日」だそうですよ。
美味しいですよねぇ
小麦粉・塩・水・イーストのみという
とてもシンプルな材料で職人の高い技術によって作られます。
フランスパンの特徴はやはりその硬さで
フランスパン独特のパリパリとした食感と
クラムの柔らかさと豊潤さ
その香りが何とも言えませんよねぇ…
形や大きさによって代表的なものでも
バゲットやバタール、
ブール、パン・ド・カンパーニュ、シャンピニオン、
エピ、クーペ等々、いろいろな種類が存在します。
バゲットを紙袋に入れて食料品の買い物しているのが
めちゃめちゃお洒落だと思っていた時期もありましたが
さすがに独り暮らしだとバゲットは大きすぎて
食べきれません(笑)せいぜいバタールまでですね
それでも数日間毎日パンになってしまいますが…(苦笑
いろいろ美味しく食べるレシピもありますが
単純にトーストしてオリーブオイルだけで
フランスパンそのものの食感と味わいを楽しむのもいいですよね!
こんなこと書いているとやたらとフランスパン食べたくなってきました
近所のスーパーにバタール残ってたら買って帰ります!

さてさて

本日は「ミノルタALS」のカメラ修理を行っています。
ミノルタのレンズ固定式レンジファインダー機は
先行してハイマチックシリーズが既に発売されていましたが
性能を犠牲にせずにできる限り小型化した
「ミノルチナシリーズ」を開発し発売しました。
距離計を装備し40mmF1.8の大口径レンズを装備しながら
非常に小型に造られた「ミノルチナS」と
プログラムシャッターで目測式とし38mmf2.8レンズを搭載した
「ミノルチナP」との2本立てでスタートしました。
今回の「ALS」は「ミノルチナS」の後継機で
露出計受光体をセレン光電池からCdSに変更したモデルです。
1966年に発売開始となりました。
今の感覚で言うと大口径レンズ搭載なのに小型で
特にそのボディの薄さは特徴的で
スタイリング的にも端正で高級感があり
下手をすると同時期のハイマチック7ssや11より
人気が出そうな気がするのですが
現実はなかなか販売成績は苦しい展開だったようです。
この時代にはまだまだ
「マニュアル機はある程度の大きさ、重さがないと高級感がない」という
考えや雰囲気が残っていて小型軽量なミノルチナ系は
市場ではミノルタ側が思うほどのリアクションを得られなかったようです。
現在の感覚で行くとミノルチナもこのALSも
非常に使い勝手の良い小型機として魅力的なカメラです。
私も個人的に非常に好きなカメラのひとつです。

お預かりしている「ALS」は
まずレンジファインダーに問題がいくつか散見されます。
まず二重像、ブライトフレームが非常に薄く
とても快適にピント合わせができる状態ではありません。
さらにその二重像たフレームをファインダー内に映し出す
ハーフミラーが一部ひび割れてしまっています。
ハーフミラーはいずれにしても要交換です。
通常、レンジファインダーで二重像やフレームが薄い場合は
そのハーフミラーの劣化が一番の原因であることが多いのですが
ミノルチナ系の場合はそれよりも
ハーフミラーまでの光路に置かれているレンズ類に
クモリが発生してる場合が非常に多いのです。
今回もハーフミラーは破損のためいずれにしても交換ですが
二重像やフレームが薄い原因は途中のレンズのクモリが
原因かと思われます。
シャッターそのものはそれなりに問題なく動作していますが
セルフタイマーがかなり固着していて
タイマーを使おうとすると途中で止まってしまい
シャッターが切れないままになってしまいます。
露出計もとりあえずは動作していますが
指針が振り切ってしまうことが多く
SS・絞りリング連動の摺動抵抗の劣化が疑われます。
ここの劣化は大なり小なりどの個体でも個体でも起こっていて
清掃等でできる限りの処置を行うくらいしか
残念ながら改善方法がありません。
露出計がとりあえず動いてはいるのですが
電池室には明らかに以前い電池液漏れ跡があり
分解してチェックしてみると
マイナス側端子基部のハンダはびっしりと緑青で覆われていました。
よくこの状態で通電しているものだと感心してしまうほどです。
もちろん配線ごと交換で対応します。

致命的な破損等はないのですが
細かいトラブルはいろいろと抱えてしまっている状態です。
露出計に関してはできる限りになりますが
その他の部分は安心して使っていただけるように
しっかりとこれから整備に取り掛かっていきます。

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ミノルタA5のカメラ修理

今日は「組み立て家具の日」なのだそうですよ
ここいう「組み立て家具」とは
いわゆる「カラーボックス」のことです。
和歌山県海南市に本社がある
収納家具・インテリア用品の製造・販売などを手がける
株式会社クロシオによって制定されています。
1967年(昭和42年)に同社の深谷政男氏によって
考案・命名された「カラーボックス」が大ヒット。
当時、家具はほとんどが木材を板状にしたもので作られていて
深谷氏がある日、大阪の百貨店に行き、
プラスチックでできたカラフルな箱を見ているうちに、
「家具にもカラフルなオレンジやグリーン、赤色の物があって良いのでは」との
発想から、大手紙メーカー協力のもと
当時の色紙を薄いベニヤに貼って合板を作り
特殊加工で軽い三段ボックスの「カラーボックス」を作ったのだそうです。
私が子供の頃には当たり前のようにありましたねぇ
「カラーボックス」
よく見たら店の中にも白いカラーボックスが何個かありますよ
中学生くらいのときに誰の部屋に遊びに行っても
カラフルなカラーボックスがあったような気がします
その子のセンスが結構表れてて楽しかった記憶が…(笑
昔ほどじゃないにしても
今でも安くて簡単に組み立てできて使い勝手も良いから
それなりに使われてますよね?
さすがに赤や黄色や青みたいな原色系はもう少ないと思いますが…
あえて今使っても昭和レトロな感じでいいかもしれません

さてさて

本日は「ミノルタA5」のカメラ修理を行っています。
ミノルタAシリーズはミノルタ初の35mm判レンズシャッター式
レンジファインダー機のシリーズです。
初期の「A」から「A2」まではボディがダルマ型形状で
なかなか独特な風貌のカメラでしたが
「A3」からは比較的無難な直線的デザインに変更されています。
「A5」は1960年発売開始のモデルで
レンズシャッターながら1/1000秒のシャッタースピードを誇る
シチズンMLTシャッターが装備されています。
レンズはお馴染みのロッコールPF45mmF2
あるいはロッコールTD45mmF2.8が装備されたものも存在します。
ファインダーはモデルチェンジするたびに
アルバダ式に戻ったり採光式になったりと試行錯誤していたのですが
A5は採光式が復活していいます。

お預かりしている「A5」は一通り動作してはいるのですが
いくつか問題点も抱えています。
まず距離計二重像の動きが少々おかしくて
たまに逆方向に動いてしまうことがあるようです
おそらく最短撮影距離付近でこの現象が出るのかと思われます。
レンズ後玉ユニット内には多少のクモリとカビが見られ
シャッター羽根そのものは快調に動作していますが
スローガバナが粘り気味で1秒にSSをセットして切ると
3秒以上開いてしまうような状態です。
巻上機構には油切れの兆候も見られ
レンズのヘリコイド部はグリス切れで少し軽すぎるようです。
やはり全体的に一通りの整備が必要な状態ですね

露出計を装備しないこともあり
整備性は非常に良好なカメラです。
ファインダー形式は採光式を採用していますが
その造りはなかなか独特で
最終的にはファインダー内のハーフミラーに
ブライトフレームと二重像を映し出すのですが
そこに至るまでの光路にはミラーではなく
プリズムを使用しています。
この時期にはファインダー形式に
いろいろと試行錯誤していたのが
こういうところにも出ている感じがしますが
完成度は高く非常にコストもかけられたファインダーです。

まずはここからシャッタユニットをさらに分離して
シャッター周りから整備を始めていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「鉄分の日」だそうですよ。
ここでいう鉄分は鉄道マニアさんのいう鉄分ではなく(笑
人(生体)にとって必須の元素である「鉄」のほうですね
「いい鉄分」の「いい」から11月で
鉄(Fe)の元素番号が「26」であることから11月26日としたものだそうです。
血液中の鉄分が不足するといわゆる「貧血」になるわけですね
血中のヘモグロビン値が低下した状態で
いろいろな体調不良を引き起こします。
私、今年の春に大腸ポリープの切除を行ったのですが
その2週間後にその切除跡から結構な出血が起きて
輸血までするはめになったのですね。
血液量自体は点滴とかですぐに元に戻るのですが
一旦失われたヘモグロビン値はそう簡単に戻らないようで
輸血前に6g/dlまで下がった値が退院時に8g/dl
それから数カ月たっても
息切れ、動悸、立ち眩みが収まらず
採血検査してみたら退院時と同じ8g/dl
(成人男性の標準値は13g/dl以上)
動悸に加えて不整脈まで出始めて
挙句の果てに精密検査してみたら
1日に数十秒、心房細動も出てるってことで
やっと鉄剤を処方してもらって
そこから数ヶ月でやっとほぼ正常値に戻りました。
よく貧血にはレバーやホウレン草がいいっていいますが
口から採るだけじゃそう簡単には戻らないようです(汗)
今年は何にしても「鉄分」って本当に大事なんだと
春から夏にかけて痛感した1年でした
貧血気味な方は本当に気をつけましょうね。
心房細動なんて起こってたら
重篤な脳梗塞を引き起こしますよ…

さてさて

本日は毎度おなじみの「オリンパスOM-1」の修理を行っています。
軽量コンパクトな機械制御シャッター機といえば
一番に名前の挙がるカメラだと思います。
個人的にOM-1が良いと思うのは
そのコンパクトさはもちろんのことですが
独特なシャリっとした感じの何とも言えず気持ちの良い
巻上フィーリングや非常に上品なシャッター音とかの
上質な使い心地にあると思っています。
それを味わうためにはやはりきちんと整備されて
良いコンディションでないと無zかしいですよね。

お預かりしているOM-1は
モータードライブ対応前の前期モデルではありますが
いわゆるM-1ボディの最初期ではないようです。
フィルム室を見ると立っているスタッドは2本で
(最初期は4本)フィルム圧板もそれに合わせて
横長のものが使われています。
最初期のOM-1は樹脂部品とかの強度にかなり不安な部分もあるので
このくらいの時期以降のものがいいかもしれないですね
ただこのOM-1はシャッタースピードの精度にかなり問題があって
1/1000は視野の1/3くらいしか開きません
要は1/1000で写真を撮ると2/3は真っ黒になってしまう状態です。
1/500だと何とか開きますが
それでも写真右側はかなり暗くなってしまう状態です
左側に比べて1.5段くらい露光不足になってしまいます。
1/250になるとしろっぽい壁や空を撮らなければ
まぁ何とかそれほどは気にならないかな…という感じです。
1/125だとほぼ気にならないレベルです。
先幕の動きが悪く幕速が出ていない状態で
シャッター走行中に後幕に追いつかれてしまうような状態です
1/1000だと1/3ほど走ったとこで後幕が追い付いて
閉じてしまうわけですね。
ここで安易に先幕のテンションを上げて無理矢理整えようとすると
最悪の場合、テンションバネがバカになって
修理不可能になる場合もあります。
根本的に幕軸の汚れ等で動きが悪いと思われますので
幕軸の清掃やOM-1の場合は底部巻上部の三連ギアも
シャッターの動きに大きくかかわってくるので
ここも念入りに清掃を行います。

露出計は動作してはいるのですが
1.5V電池で使うと2段近くアンダー目に出てしまうので
今回は1.5Vで最適な値が出るように整備調整を行っていきます
電池室には以前腐食が起こったことがあったようで
修復した痕跡が見受けられますが今回はこのあたりに問題はないようです。
それよりもSWに多少接触不良が出ているようなので
ここも一緒に整備清掃していきます。

シャッター周りにも関係していきますが
OM-1は比較的巻上関連のトラブルが多いカメラなので
そのあたりのトラブル予防も含めて巻上周りの
トラブルが起こりやすい部分は
念入りにチェックと整備調整を行っていきます

定番のプリズム腐食に対する対策は
以前に行われているようです
プリズム内に小さなシミが1ヶ所ありますが
これはこれ以上大きくなることはなさそうなので
現状のままで処置します。

あとは小さなことですがセルフタイマーのスタートレバー
(セルフタイマーレバーの後ろに普段は隠れている小さいレバー)の
カバーリングが欠落しています。
これもOM-1はよく紛失してしまいますね
うちの部品取りもここばかり使われて
片っ端からここの部品がありません(笑
後期モデルになるとレバー基部に穴が開いて
カバー側に突起が付いて少しは取れにくく工夫してあるのですが
前期型はかなり高い確率で紛失しています
今回は数少ない中古部品在庫から補充します

OM-1は普通のカメラでは必要のないいろいろな工夫を行って
このサイズを実現しているカメラなので
やはり数十年経過してしまうと
多少華奢な部分が目立つようになってきます。
同時期・同価格帯の
少し大柄なカメラに比べると
小まめに整備を行う必要があるとは思います。

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ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は11月25日…
「OLの日」、「ハイビジョンの日」、「いいえがおの日」等々の
記念日が制定されていますが…
うーん、ネタ的には絡みづらいものばかりですねぇ(苦笑)
あ、毎月25日は「プリンの日」なんですよ
これは甘いもの好きの私としては見過ごせないですね
子供の頃はいわゆる「プッチンプリン」くらいしかなくって
それでも甘くてつるんとしてて美味しくって
たまにおやつで出てくると本当にごちそうでした
それがいつのまにやらスーパーでいろんな種類が売っているのは当然で
手軽に買えるコンビニスイーツでも
工夫を凝らしたいろんなタイプのプリンが手に入ります。
そういえば晩年のばあさんが
「マンゴープリン」がやたら気に入っていて
実家に帰るたびにおみやげで買って帰ると喜んでたなぁ
もう随分前のような気もします。
つい5,6年前の話なんですけどねぇ…
何だか私もマンゴープリンが食べたくなってきました
スーパーに売ってたら買って帰りましょう(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
初代から続いていたあの少し大柄なボディに別れを告げ
GSN(GTN)をベースに小型化が進められたモデルです。
既に派生モデルとして広角搭載の「CC」や
目測でF2.8レンズ搭載の超小型な「MC」とかが登場してはいたので
小さなエレクトロがなかったわけではないのですが
本流のモデル(GSN)からモデルチェンジして
小さくなった機種ということで
これ以前と以降でエレクトロ35シリーズとしては
大きく分岐点となったモデルだと思います。
この前の「GSN(GTN)」までは基本的には初代エレクトロからの
マイナーチェンジモデルですから
ここでフルモデルチェンジされたようなイメージですね。
とはいえ小型化された以外は基本的機能はエレクトロ35らしいスペックで
コパル製電子制御シャッターであることは変わらず
最高速も変わらず1/500、ただし惜しいことにバルブの設定がなくなりました。
受光素子はそれまでのCdSからSPDに変更され
特に低輝度時の反応速度が速くなっています。
レンズは5mm広角となりCOLOR YASHINON-DX 40mmF1.7となりました
F1.7の大口径もエレクトロ本流の伝統通りです。
小型化されたとはいえ小型化を前面に押し出したライバル機と比べると
まだ少々大柄ではあります。
F1.7の大口径ですし個人的にはこのくらいの大きさで良いとは思いますが…
電池はCCやMCでは4LR44に変更されていましたが
このGLではやはりエレクトロの本流らしく
相変わらずのHM-4N積層水銀電池です。
この電池使うのはエレクトロだけですから
電池を見ただけでエレクトロをイメージしていしまいます(笑

お預かりしているGLは以前に電池の腐食等があったようで
電池室蓋が酷く劣化しています。
それでも通電しないほどではなく少し清掃してやれば
電源は入るようになったのですが
十分な電圧が通電しているのにバッテリーチェックが全く点灯しません。
それでも制御回路にはしっかり通電しているようで
黄色や赤の警告灯は比較的正しい値で点灯するようです
しかしながらシャッター自体はシャッター音はするのですが
シャッター羽根が全く動かずシャッターは全く開きません
他のレンズシャッター機であれば
羽根の油汚れ等による子ch買うのパターンがありがちですが
エレクトロの場合はGLに限らず
その構造上、あまり羽根粘りというのは発生しません。
羽根が動かない場合はたいていが羽根を動かしている
駆動部そのものの動作不良かマグネット吸着部の汚れによる場合が多いです。
このあたりはエレクトロ35ならではの傾向かと思われます。
他、ファインダーにクモリ、レンズカビ等が見受けられるので
それも含めて修理及び一通りの整備を行います。

ここからまずはシャッターユニットを降ろして
一通りの整備と電気的な動作確認を行っていきます。
GSNまでのエレクトロに比べると
配線周りが随分とすっきりしています。
これまでは初代の焼き直しですから
そのあたりは60年代初め設計から
やっと70年代らしい設計になったという感じですね。
それでもまだかなり配線は多くややこしいですが…
初代からのウィークポイントである
レリーズ部分のブッシュの構造はGLでも
同様なのですがこの時代になると
腐食・劣化しにくい材質に変更されています。
このあたりの機種でそこに問題が出ることはほとんどないと思います。
エレクトロ35もシリーズを通して
独創的な造りのカメラではありますね
でも個人的にも嫌いではありません。
写りも評価が高く素晴らしいです。

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コニカⅢAのカメラ修理

今日は「和食の日」だそうですよ
「和食」いいですねぇ
やはり日本人の身体に合っているのは和食なんですよ
個人的な主観で言えば生まれ育った地域での
食べ物が一番合うようになっているのではないかと思います。
若い頃はあんなに大量に食べられた揚げ物だとか
焼肉だとか焼き鳥だとかも
食べたくはなりますがほんの少しでもう満足ですし
特にフライとかカツに関しては
本当に一口くらいしか受け付けなくなってしまいました。
いや、正確に言うと美味しくその場では食べられるのですが
後の胸やけが大変なのです(苦笑)
じゃ、和風ならなんでもいいかというと
これもまたやたら醤油の効いたしょっぱいものや
味噌味の濃いものは受け付けなくて
ほんとうにほんのりとした塩味でちょうど良い感じです。
薄味の野菜の煮つけや焼き魚、合わせみその味噌汁で
ちょうど良い感じです。
これって子供の頃に散々食べさせられてきたメニューなんですよねぇ
(うちは年寄り二人と三人暮らしだったので)
当時は「ええええ~?ハンバーグとかトンカツとかがいい~!!!」って
よくごねてたものですが…(笑
そういえば前回入院したときに思ったのですが
病院食って基本的に薄味なんですよね。まぁ当然といえば当然ですが…
それがやたらと美味しかったのですよねぇ…どのメニューも…
あれも昔なら「美味しくない」って感じてたんだろうなぁ…
あぁいう食事はちゃんと自炊しないとできないですものねぇ
それがしがない個人事業主だと
常に全力で仕事していないと追いつかないので
なかなかきちんと自炊はできません…(苦笑)
ちょっと生活スタイル変えなくちゃな…

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
前面に巻上レバーを配置し
セルフコッキングとなり実用性が非常に高くなった「Ⅲ」をベースに
当時、「生きているファインダー」と言われた
パララックス/画角自動修正機能付等倍ファインダーを装備したモデルです。
正直、「生きているファインダー」はちょっとおおげさかな(笑
距離計連動を利用したパララックス補正自体は
他のカメラでもありますし、これが最初というわけでもありません。
それよりも通常の「Ⅲ」ではハーフミラーを使用した
比較的普通の距離計連動ファインダーを
(それでも十分以上に見え方のクリアなファインダーですが)
贅沢にも巨大なプリズムを配置して
等倍ファインダーにしたところが「ⅢA」の特徴かと思います
シールドプリズムなので見え方がクリアで明るいことはもちろん
等倍なので両目でファインダー確認ができます。
少し慣れは必要ですが両目を開けて右目で
ファインダーを覗くと等倍なのでファインダー視野外も
左目で自然に見え
普通に見えている視野の中に撮影範囲を示す
ブライトファインダーが浮き上がって見え
さらにその内側に距離計二重像もはっきり確認できます。
動きモノやスナップを撮る際に撮影範囲外の視野が
広々と肉眼で確認できることは非常に大きなメリットです。
ⅢAで両目で見るレンジファインダーに慣れてしまうと
等倍以外のファインダーに戻れなくなると思います。
レンズは津城の「Ⅲ」と同じ48mmF2搭載のものと
50mmF1.8を搭載しているもの2種類が存在します。
焦点距離2mmで半絞りですからそれほど大きな違いはないかと思います。

お預かりしている「ⅢA」は
シャッター羽根や絞り羽根に大きな問題はないようです。
しかしながらスローに設定すると
シャッターが開いたままになってしまいます。
さらにレンズには結構なカビが生えてしまっています。
ファインダーにも多少ありますね。
実はファインダーにはそれ以上の大きな問題があって
落としてしまったのだと思われますが
黒い接眼レンズ枠が破損してしまっていて
さらに内側の接眼ガラス部も割れてしまっています。
さらに内側のプリズム部には問題ないようで一安心ですが
この接眼枠はかしめてつけられているので
未使用の交換用部本があれば交換は可能ですが
部品取りから移植するとなると
下手に部品取りから外そうとするとこれも割れてしまいます。
さてどうしたものか…
まぁ上カバーの問題なのでちょっと後回しにして
まずは他部分の問題と一通りの整備を先に行っていきます。
スロー不良に関してはパターン的に
ガバナの固着あるいは粘りだと思い込んでいたのですが
ガバナ自体は手動で動かしてみるとスムーズに動作しています。
スロー不調の原因はガバナを留めているネジが緩んでいて
ガバナの取り付け位置が狂っていて
チャージリングとうまくリンクできないことが原因でした。
そんな緩むような場所ではないのですが…これも落下の影響か…
位置決めも正しく行ってキチンと固定して動作確認したところ
問題はなさそうです。

現在、粘りはないとはいえシャッター羽根、絞り羽根は
せっかく分解するのですから念入りに清掃しておきます。
距離計二重像も落下の影響か大きくズレてしまっているので
これも慎重に精度出しと調整を行います。
上の画像でもファインダープリズムの存在感がすごいですね
清掃してクリアになったプリズムを見ていると
何だか吸い込まれそうな感じがしてしまいます。
上カバー接眼ガラスと枠の件は
これから何か良い対策を考えて対応していきます。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」ですね。
この頃から寒くなり雨が雪へと変わることがあり
わずかながら雪が降る頃なので「小雪」とされています。
気温が下がり、北の地方を中心に初雪が舞い始めます。
冬将軍が到来すると言われる時期で
北の地方ではコタツを押し入れから出す家が増える頃ですね。
都内は昨日の夜から初冬らしい「冷たい雨」です。
(ユーミンの歌みたいですね(笑))
さすがに首都圏では雪はまだ降らないですが
この頃になると寒さが1段進むような感じがしますね。
まだエアコンを含め暖房器具のお世話にはなっていませんが
今年はいつまで耐えられるかな(苦笑)

さてさて

本日はオリンパスペンFTのカメラ修理を行っています。
ここのところペンF&FTの修理が立て続けに入っています。
もともと修理依頼の多いカメラではありますが…
ある意味、非常にオリンパスらしい
オリジナリティの塊のようなカメラです。
他に類のないハーフ判専用一眼レフというだけでも
稀有な存在ですが、それに加えて
この内部構造に惹かれて入手してしまう方も多いと思います。
同じようなカメラは他にはありませんし
今後も二度と出てこないと思います。

その独自性の強い構造ならではトラブルが多いのも
致し方ない部分がありますが
今回お預かりのFTもミラーアップしたままの状態です。
一眼レフとしては一般的なフォーカルプレーンシャッターに
よくあるシャッター幕走行不良を原因とするミラーアップとは
まったく状況が違い
ペンF系の場合はその独特過ぎるミラー駆動部の
動作不良を原因とするミラーアップが大半を占めます。
今回のFTも同様の原因かと思われます。
FT系のトラブルといえば1/500以外の全速を制御する
ガバナ部のトラブルが以前はミラー駆動に負けないほど
多かったのですが最近はあまりみかけないですね
単なる偶然かもしれませんが…

そして今回のFTはFTならではのハーフミラーの腐食が酷く
ファインダー内が黒点だらけです。
これはFTは露出計受光部に光を送るため
通常のペンFでは普通のミラーが付いている
第三反射面にハーフミラーが使われていて
当然ハーフミラーは通常のミラーより
耐久性もないため(特にこの時代のものは)
蒸着が剥がれ落ちてきて怒るものです。
もはや蒸着剥がれのないFTのハーフミラーを見つけることは
非常に困難な状態です。
今回は手持ちの部品からなるべく劣化の少ないハーフミラーと
交換することで対応したします。

しっかり動きを理解してしまえば
それほど難しい構造ではないのですが
まぁ構造自体は非常に独特です。
ハーフカメラでなくても
同じような構造のカメラは存在しません。
そういう意味でも非常にオリンパスらしいカメラです。
他の機種もそうですが
オリンパスのカメラはとにかく小型化することが
全てに優先しているような部分があるので
どうしても多少華奢な部分がでてきてしまいますね
それでも現行モデルの頃は
全く問題なかったと思いますが
さすがに50年も60年も経ってしまうと
そこが弱点となってでてきてしまいます。
もちろんしっかり整備を行えば
まだまだ問題なく使えるものが大半なのですが…

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「カキフライの日」だそうですよ。
いよいよ「マガキ」の季節ですよねぇ
マガキといえばやはり広島産ですよ
私の住んでいた呉でも
海辺に行けばあちこちに「牡蠣打ち場」があって
あの独特のちょいきつめの潮の香りを漂わせています
個人的には牡蠣は殻付きの焼き牡蠣がベストだと思いますが
カキフライも美味しいですよねぇ~
熱々の作りたてはもちろんのこと
冷めても美味いのですよね!
子供の頃から大好物だったから
晩秋から翌早春にかけては
ばあさんが良く作ってくれたなぁ
タルタルソースなんて洒落たものはなかったから
醤油さしにはいっているような普通のソースを
ほんの少しかけていただきます
そうそう!話が逸れるけどうちの実家では
醤油もソースも同じ形の同じ色の
昔ながらの醤油さしに入っていて
ソースの方には赤い蓋部分にマジックで
「ソース」って書いてあるのね、
それでもうっかりよく間違えたてかけたりしてたなぁ
ソースをかけたいものにうっかり醤油をかけても
何とか食べられることが多いですが
逆はちょっとマズいものが多かった気が…
広島菜漬けにうっかりソースつけたら最低だったな…(笑

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカの35mm判フィルムカメラは
1947年に対米輸出および米軍PXのみで発売された
「コニカスタンダード」から始まります。
それが「コニカⅠ」となり1948年に一般向けにも発売され
1951年にはダブルヘリコイドの「コニカⅡ」にモデルチェンジされ
1956年に「コニカⅢ」にモデルチェンジされます。
特徴的な前面配置の巻上レバーを持ち
ダブルストロークでフィルム巻上とシャッターチャージを行います。
いわゆるセルフコッキングです。
「Ⅱ」までは二重露光防止機能はあったとはいえ
フィルム巻上とシャッターチャージは別々に行っていました。
やはりセルフコッキングになると撮影ミスの可能性は激減すると思います。
今回の「Ⅲ」はいわゆる「L2」と呼ばれるモデルで
シャッターはライトバリュー方式の
この時代ではお馴染みの高級シャッター、セイコーシャMXLです。
最高速は1/500です。
ただ、ここでも何度か書きましたが
この1/500は通常動作とは別の重いバネを1/500のときだけ使って
強烈にシャッター羽根を駆動します。
そのため1/500にリングを回して設定するときには
シャッターはリリース(チャージする前に)行います。
リリース時でもそれなりに重いですが
チャージ後だととてもとても普通に回せる重さではなくなります
無理に回すと壊れます。当時の説明書にも書いてあるので
1/500に入れる際には必ずチャージ前に入れておきます。
レンズは当時から評価の非常に高い
ヘキサノン48mmF2です。

お預かりしている「Ⅲ(L2)」は
巻上はロックした状態で全く動かすことができず
シャッターも羽根粘りがありそうです。
絞り羽根は粘った状態で動かし続けていたと見られ
羽根の一部が変形して脱落しかかっています。
外観はそれなりにキレイなのですが
動きが悪いのに無理に動かし続けて
どうにも壊れてしまった…という状態です。
できればこうなる前に整備を行っておきたいところですね

巻上ロックの原因は巻上レバー底部リンク部の
部品の摩耗と変形です。
これも動きが悪い状態で無理に動かし続けた
成れの果てかと思われます。
今回は何とか修正と修復で何とかなりそうです。
絞り羽根はやはり一部の羽根が破損してしまっているので
部品取り個体から絞り羽根を一部移植します。
レンズシャッター機は構造上絞り羽根に
油が回りやすく粘り・固着が起こりやすい上に
絞りリング直接絞り羽根を動かすため
粘っている状態で無理に動かすと
簡単に絞り羽根が破損します。
絞り羽根が調達できない場合も多いので
絞りリングが重い場合や、絞り羽根に油シミが見えている場合は
それ以上、無理に動かさずに
なるはやで修理・整備を行っていただければと思います。

画像は一通りの整備が完了した状態でのものです。
巻上は非常にスムーズに行えるよになりました。
シャッターも絞りの動きももう全く問題ございません。
フィルムカウンター等にも動作不良が見つかっていたのですが
そのあたりも含めて全機能問題なく使えます。
レンズ・ファインダーも非常にクリアになり
距離計も調整を行い気持ちよくピント合わせが行えます。
レトロで味わい深いルックスと
リズミカルに小気味よく巻き上げられる
ダブルストロークの巻上レバーが非常に魅力的なカメラです。
もちろん写りも秀逸です。

実は私も個人的に使うようにL1を1台持っています。
最近ちょっと出番がなかなかないのですが
非常に使っていて楽しいカメラなので
手放すことはないと思います。
ずっしり重くて高級感もあり
眺めているだけでも楽しいカメラだと思います。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日は「ピザの日」だそうですよ
ピザ…美味しいですよねぇ~
たまに無性に焼きたての熱々が食べたくなりますよね!
トロっとしたチーズたっぷりで
具材もいろいろ選べて
想像しただけで楽しくなってしまいます
生地は大きく3種類に分かれるのですよね
表面はパリッとして中はふんわりもちもちとしたナポリタイプ
薄い生地でサクサク軽い食感のクリスピータイプ
ふっくらしてボリュームのあるアメリカンタイプ
どれも美味しいですが
シンプルな具材で生地の食感を味わう本来のピッツァらしい
ナポリタイプが好みかなぁ…
でもサクサクいくらでも食べられそうなクリスピーも捨てがたいし
たっぷり具材を乗せるならアメリカンですよねぇ…
うーん、生地だけでも悩みますね
若い頃なら「全部食べる!」の一言で終わるのですが
今はたいした量が食べられないから
なおさら食べるものの種類に悩むのですよねぇ
これはピザに限ったことではありませんが…
いくらでも食べられて
いくら食べても全く太らない10代って素晴らしいですよねぇ(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズ最高級シリーズのペンDの3代目のモデルとなります。
最初のペンDから露出計受光体をCdSに変更したのが「D2」で
さらにレンズが32mmF1.9から32mmF1.7へグレードアップされたものが
「D3」となります。
相変わらず露出計はボディ側とは全く連動しておらず
露出計で表示されるLVナンバーを読んで
レンズ鏡胴部にSS・絞り設定によって表示される
LVナンバーを合わせて露出を設定しています。
下手にボディ側と連動させて
いろいろなトラブルの元になるくらいであれば
シンプルなこのD3の露出計設定のほうが
今となっては安心感が高いと思います。

お預かりしている「D3」はまずはシャッター羽根が
半開きの状態で止まっています。
かなり羽根に粘りがあるようです。
とりあえず応急処置で羽根を閉じて動きを確認しますが
今度は巻上が1コマ分で止まらず2コマ分進んでしまいます。
これも羽根の粘りが関係しているのと
加えてシャッター内部機構の動作不良もあると思われます。
いろいろと汚れがたまってしまって
動きが悪いようです。
レンズ・ファインダーにはかなりのカビが見られます。
露出計はとりあえず動作してはいるのですが
3段以上オーバー表示です。
光に対して指針の振りが弱い状態です。
セレンならまだしもCdSでこんなにオーバーなのはおかしいな…と思い
電池室をチェックしてみると
一見キレイなのですが隅には緑青が確認できます。
これは?と思いマイナス端子側を開けてみると
中には緑青がびっしりでハンダも脱落寸前の状態でした
これでは1.5V電圧があっても1Vも伝わっていないのではと思われます。
当然かなりオーバー目になってしまいますね
端子はできる限り磨き上げ配線は交換で対応します。

F1.7の大口径レンズはハーフ判の小さなボディに
比べるとかなり大きく感じます。
基本的には非常にシンプルな構造のカメラです。
それでもオリンパスらしくいいレンズを採用しているので
なかなか上等な写りをすることで評価の高いカメラです。
シャッタスピードも1/8から設定でき
バルブもあるわけですから
何でも一通りの撮影ができる機能も備えています。
できないのは多重露光くらいでしょうか…
ピントは目測なので大口径を活かそうとすれば
それなりに難しい部分もありますが
そこは使いこなしが楽しいとも言い換えられるかもしれませんね
初心者からベテランさんまで使いこなしがいのあるカメラだと思います。

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キヤノンⅡDのカメラ修理

今日は「鉄道電化の日」だそうですよ
1956(昭和31)年のこの日に
米原~京都間が電化されて
東海道本線全線の電化が完成したそうです。
電化に伴って特急「つばめ」が東京~大阪間を7時間30分で走ったそうです。
手元に資料が少なくて確認できていないのですが
この「つばめ」は黄緑色に塗装された
いわゆる青大将ですかね?模型でしか見たことはないのですが
EF58形電気機関車がけん引する列車ですね。
その後、151形ボンネット電車の「こだま」が登場し
「つばめ」も151形電車に置き換えられます。
そしてさらに1964年には
0形新幹線「ひかり」が登場し
東京~新大阪間を3時間10分で走ります。
この時点で最初の電化された在来線特急「つばめ」の
半分以下の所要時間になっているのですねぇ
ちなみに現在の新幹線「のぞみ」は東京ー新大阪間を
約2時間半で走ります。
さらに話が逸れますが
今年見事にセ・リーグを制した東京ヤクルトスワローズの
愛称名「スワローズ」は、上記の特急「つばめ」に由来しています。
これは同球団の前身が「国鉄スワローズ」だったことの名残ですね
それに加えてイメージ的には旧国鉄のシンボルマークが
「つばめ」だったので(そのイメージがいまだに強いですねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンⅡD」のカメラ修理を行っています。
1950年代のいわゆるバルナックライカコピーですね。
ただしキヤノンのバルナック機は単なるライカコピーではなく
機能的にも独自の進化を遂げています。
その最たるものがキヤンンならではの変倍ファインダーかと思います。
キヤノンのバルナックコピー機は1934年の試作機「カンノン」や
初の市販モデルとなった1936年の
「標準型(ハンザキヤノン)」あたりが源流ですが
ファインダーがいわゆる二眼式から一眼になったのが
戦後のモデル「SⅡ」(1945年)で
それだけでも革新的だったのですが
さらに変倍ファインダーが搭載されたのが
「ⅡB」(1949年)からです。
それからも細かい仕様変更やバリエーションを増やしていき
価格も少しお求めやすくヒット商品となったのが
今回の「ⅡD」(1952年)です。
最高級クラスの「ⅣS」をベースとし
1/1000とシンクロ接点レールを省略したモデルです。
個人的な感覚ですが
おそらくキヤノンバルナック機の中では
一番売れたモデルではないかと思います
…というのも現存しているキヤノンバルナック機の中で
圧倒的に見かけることの多いのがこの「ⅡS」型だからです。
ボディもダイキャストとなり非常にしっかり作られたカメラです。

…とはいえ…製造されてから70年近く経過するカメラです。
その上、ここでも良く書きますが1950年代~60年代初頭の
布幕フォーカルプレーンシャッターは
全くの未整備品であればほぼ間違いなく
シャッター幕の劣化が進んでいます。
今回お預かりの「ⅡD」も当然のごとく
シャッター幕はガチガチに硬化してしまっていて
まともに動作できる状態ではありませんでした
さらによく確認してみるとところどころに
穴や裂けもありわずかながら光が漏れてきてしまっています。
これではどうにも撮影に使うことができません。

ということでシャッター幕の交換を行いました。
幕交換をすれば当然のごとくシャッターの設定は全てゼロから
やりなおしです。巻上の位置関係も細かく確認しながら
位置決めを行っていきます。
その後のモデルに比べればシャッター速度の設定は遅いとはいえ
それでも最高速は1/500です。
1/500の細いスリットは調速カムが正しく動作している前提でも
わずかな幕の重なりのズレによって大きく
ズレてしまいます。
基本的にはこれまでの幕と同じ寸法のものを「正確に」作成し
全く同じ位置に「正確に」貼れば精度は出るわけなのですが
これがなかなか大変なのです…
非常に工数もかかる作業ですが
幕交換さえしてしまえばシャッターは非常に快調に動きます。
それは今まで思うように巻き込むことすら困難だった
ガチガチに硬化した幕からしなやかで柔らかい新品の幕に
なるわけですから当然といえば当然です。
もちろん巻上機構や距離計、ファインダー等
できる限りの整備を行い外装もできる限り磨き上げました。
これでご依頼者様にも新たな気持ちで
スッキリとお使いいただけると思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「いい家の日」だそうです。
戸建てだろうがマンションだろうがアパートだろうが
やはり自分の住処って大事ですよねぇ
全ての生活の基本になりますもの…
私の場合は仕事場と自宅がセットで住処みたいなものですね
普段自宅には寝に帰るだけだし…(苦笑)
でもその自宅に帰ってから
ほんのわずかなくつろぐひとときと
何といっても暖かくして安心して眠れる住環境は
本当に大事ですよね
逆に言えばそれだけあれば十分といえば十分なのですが…
たまには自宅アパートの掃除しなくては…
普段あまりいないから最小限の掃除しかしてないかも…(汗)
キレイにしておかないと安心して
ゆっくりくつろげないですものね
「いい家」かぁ…ひとりだと小さな部屋でいいのですよねぇ
さっきも触れたけど簡単に掃除できる程度でいいですし…
それよりも立地や便利さも含めた住環境が大事ですかね!

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
オリジナルの「ペンF」をベースに
第三反射面をハーフミラーとして
その背面にCdSと露出計を配置したモデルです。
その他にもセルフタイマーを装備し
巻上はシングルストロークに変更されています。
ファインダースクリーンも全面マットから
中央部にマイクロプリズムと変更されています。
ペンF発売から3年後の1966年発売のカメラです。
受光体がCdSですので当然電池が必要です。
電池室も底部に追加されています。
露出計表示は設定されているSSに連動し
ファインダー内にTTLナンバーと言われる
絞り値とは異なるナンバリングで表示されます
そのTTLナンバーをレンズ側でセットして
露出を合わせるという手順で行います。
FT対応のズイコーレンズでは
絞りリングをグルンと回転させることににより
レンズ上面にTTLナンバーを表示するのか
通常のF値を表示するのかを切り替えることができます。
このあたりもオリンパスらしい独自性の高い機構です。

ペンFTも基本的な機械的構造はペンFと同一です。
そのためミラー駆動にかかわるトラブルがやはり多いのですが
それに加えFTの場合は露出計にトラブルにまつわるトラブルも
当然増えてしまいます。
今回、お預かりのFTはまず巻上が完全にロックされた状態で
シャッターも切れずどうにもこうにもならない状態です。
これも元をただせばミラー駆動との連携がスタックしているためで
ある程度分解してスタックしている状況を解いてやれば
とりあえず動くようにはなるのですが
そのままではまた同じことが起こるので
ミラー駆動部の清掃整備を念入りに行う必要があります。
さらに今回の場合は分解を進めて行くうちに
中からコロンと上カバーを留めているはずのネジが出てきました。
上カバー留のネジは全て揃っていたので
前回の分解時にうっかり内部に落としてしまって
外装のネジは他のものを使ったのだと思われます。
これがいろいろ悪さをしていた可能性も高いです。
最近どこかで書いたような気がしますが
作業中にネジがどこにいったかわからなくなったら
内部も含めて徹底的に探さないとNGです!

その他にも内部配線が部品に挟まれて潰れていたり
ハーフミラーも以前に交換されているのは明らかなのですが
その取り付けや処理が大変雑だったりと
いろいろと問題を抱えているFTでした…
配線は交換し、ハーフミラー取り付け部は再修正しておきました

いろいろと残念な部分が多い状態でしたが
不幸中の幸いは致命的な大きなトラブルが
なかったことでしょうか…
いろいろと最初からやり直したので
現在は全く問題のない状態に仕上がっています。
巻上もシャッターも非常にスムーズで
露出計も問題なく動作しています。
FTはセルフタイマー設置のせいで
花文字がなくなったのがちょっと寂しいですよね
でもレンズキャップの花文字はステキです。
このキャップ、単体で探すと結構なお値段するのですよねぇ(苦笑)

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