月別アーカイブ: 2018年3月

ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は3月31日。。。
「一月往ぬる二月逃げる三月去る」といいますが
本当にその通りで、新しい年が始まったなぁ。。。と思っていると
あっというまに年度末です。
私のお仕事にはあまり年度末だからと特別なことはないのですが
昨日は年度末ということでお忙しかった方も多いと思います。
そういえば昨日からついにプロ野球も開幕しました!
今年もハラハラドキドキ、イライラ(笑)するのだろうなぁ。。。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
発売は1973年です。初代エレクトロとベースを同じくする「GSN」を
小型化したモデルです。上カバーのデザイン等を見ていると
本当に初代エレクトロをそのまま小さくしたような印象です。
小さくなったとはいえ最終のGXに比べるとまだ少々大きく
同じ年に出たFCよりも少しばかり大きいですね。
受光素子はそれまでのCDSではなくSPDに変更されました。
低輝度時の応答性が格段に良くなりました。
耐久性もアップしたといいますが
耐久性は個人的にはCDSと大差ないと思っています。

今回お預かりしているGLもシルバーですが
ヤシカといえばこのギンギンギラギラのシルバーが
個人的にも非常に魅力的です。

お預かりしているGLですが
まずシャッターが切れません。
レンズを覗き込んでみるとシャッター羽根が
中途半端な位置で止まってしまっています。
エレクトロは電子制御シャッターなので
電池を入れないとシャッタースピードの制御はできませんが
電池がなくても機械的にシャッターは一定速度で切れるはずですが
シャッター羽根は固まったまま、うんともすんとも言いません。
電源はとりあえず入るようです。

ここまで分解して原因が少し見えてきました。
どうやらレリーズされたときに動作するカムが
強烈に固着しているようです。ここを動くようにすると
とりあえずシャッターは切れるようになりました。
しかし、今度は常に露出オーバーの表示(赤ランプ)が
点灯するという新たな問題が出てきました。
基板内トラブルだとなかなか修理が難しくなってくるのですが。。。
まずは接点のクリーニング、各リード線のハンダやり直しで
状況が変わるかどうか確認します。
並行して各部を整備しながら
まずは普通に動作するようにしていきます。
その上で最終的に精度調整も行っていきます。
ちょっと苦労しそうな予感がしますね(汗)

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は3月30日。。。何かないかな。。。と調べていると
1968年3月30日に「巨人の星」が
日テレで放送開始されていますね!
私の生まれるほぼ1年ちょっと前ですねぇ。。。
再放送だったとは思いますが
私も子供の頃、よく見ていました。
今見ると時代の違いをすごく感じるのだろうなぁ。。。
原作は梶原一騎さんですが作画は川崎のぼるさんなのですよね。
川崎のぼるさんといえば同じ時期に「いなかっぺ大将」も
放映されていたのですよね。
「ワシは風大左エ門だス!」とか「にゃんこせんせーい!」とか(笑)
あ、これも声は野沢雅子さんか。。。言われてみれば確かに。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
先日もありましたが少し前にSPが続いたかと思いきや
今度は「SPF」が続いて入ってきています(笑)
同じ機種が固まって入ってくることが多いのは
本当に不思議ですねぇ。。。

前回もお話したとおり大ヒット作SPに
開放測光の機能を追加したのがSPFです。
しかしながら開放測光を行うためには
レンズ側からの絞り情報伝達が不可欠で
そのためにSMCタクマーレンズが必要です。
他のM42マウントレンズやスーパータクマー等の
以前のタクマーレンズの場合は
SP同様に絞り込み測光で測光を行います。

お預かりしているSPFは。。。

・頻繁にミラーアップしたままになってしまう
・高速シャッターが開かない
・スローは粘り気味
・露出計不安定
・プリズム腐食
・付属のSMCタクマー50mmはカビ取り清掃が必要
。。。等々
フルコースで整備の必要な状況になってしまっています。
。。。とはいえプリズムは交換するしかないですが
他はきっちり整備してやれば直るものばかりです。

写真は一通り整備を行った後で
最終チェックを残すのみの状態です。
バランスの良い端正なスタイリングですね!
外装もお預かりしたときよりは随分キレイに仕上がりました。
撮影を快適に楽しんでいただける状態になったと思います。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は「マリモ記念日」だそうですよ。
1952年のこの日に北海道阿寒湖のマリモが
国の特別天然記念物に指定されたことを記念する日です。
マリモって本来はあの丸い形を構成している
糸状の藻がたくさん球状に集まったものなのですね。
糸状のマリモは阿寒湖だけに生息しているのではなく
東北から関西の湖沼に点在して生息しているようです。
ただ、あの丸い集合体のマリモになるのは阿寒湖と小川原湖だけだそうです。
子供の頃、うちにも小さなマリモを飼って(?)いました。
今、考えると本物かどうか疑わしいですが
5,6年は枯れずに元気でしたが全く大きくならなかったですね。。。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
1979年発売の非常にコンパクトな絞り優先AE機です。
レンズバリアーを装備し、バリアーを閉めると
電源もオフになり、レンズもファインダーも保護されるという
効率が良い上にデザインも良いという斬新なスタイリングです。
XA登場後、同様のレンズバリアーを採用したカメラが
各メーカーからも発売されました。
ポケットに入れておいても違和感のない大きさのボディに
きちんとレンジファインダー(距離計)を装備し
レンズは5群6枚のF.ズイコー35mmF2.8を搭載します。
ちなみにレンジファインダーを搭載しているのは
XAシリーズの中でも、この初代XAのみです。
絞り優先AEが使えるのも初代XAだけですね。
(他XAシリーズはプログラムシャッター)

ハーフカメラである同社のペンとほぼ同じ大きさで
きちんと35mmフルサイズ、
おまけに絞り優先AEで距離計で
しっかりぴったりピントも合わせられる。。。
毎日持ち歩くには最適なカメラかと思います。

シャッターボタンは電子レリーズで
ほんの少し軽く押すだけで切れるようになっています。
今回お預かりしているXAは
このフェザータッチのシャッターボタンが撮影途中に突然
全く切れなくなったとのことでお預かりしました。
その後はとりあえず切れているとのことですが
お預かりして作業に入るまで全くその症状が出ません(汗)
。。。とはいえ原因は電気接点であることは
ほぼ間違いないと思われます。
シャッター部分だけではなく電気接点を徹底的に清掃します。
もちろん、レンズ清掃、シャッターユニットの整備、AE調整等々
全体の各部点検整備一式も同時に行います。

上の写真は整備完了後、テストを間隔をあけて行いながら
少し様子見をしている断簡での写真です。
以前に比べても非常にスムーズに動作しています。

それにしても改めてみるとXAは本当に良いカメラですね。
今、私用で使うカメラにコンパクトなものがないので
1台欲しくなってきました。。。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は3・28ということで
「三ツ矢サイダーの日」ですよ。
子供の頃から好きでよく飲んでいましたが
今でもちゃんと普通に手に入るってすごいですよねぇ
当時飲んでたジュースとかで今はないものも多いのですが。。。
昔飲んでたのはビンの三ツ矢サイダーでした。
酒屋さんがいつもケースでビールとかと一緒に
持ってきてくれていました。懐かしいなぁ。。。
キリンレモンもビンでケースで持ってきてもらっていたなぁ
ビールもそうですが小瓶で直接飲むのは
カンと違って妙に美味しいのですよね!

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」がデビューした3年後の1966年
今回ご紹介する「ペンFT」が発売開始となりました。
ペンFをベースにCDS使用の露出計を内蔵し
セルフタイマーも装備されました。
巻上はペンFの2回巻上から1回巻上に変更され
フォーカシングスクリーンも前面マットから
マイクロプリズムになりました。
当時の時代の流れに対応したバージョンアップといったところでしょうか

今回、お預かりしている「ペンFT」は
もともとご自宅に仕舞いこまれていたものを
ご依頼者様が見つけたものだそうです。
動作はしているようなので
まずフィルム1本、試し撮りしてみたそうですが
そこそこ普通に写っていたようです。
しかしながらファインダーを覗くと
内部のどこかが大きく割れているらしく
とても無視できないひび割れがファインダー視野内を横切っています。
店頭受付時に確認したときには
プリズムが割れているのか。。。と思いながら
ご依頼者様に説明していたのですが
実際に分解してみると割れていたのはプリズムではなく
ハーフミラーでした。
ペンFTは従来のペンFではミラーを配置している部分に
(シャッターボタンの斜め後ろあたり)
ハーフミラーを装備し、そこを通る光の半分を
接眼レンズ側にファインダー像として反射し
もう半分の光をハーフミラーの後ろに設置した
CDSに送り露出計を駆動します。
腐食も多い箇所なのですが割れているのはめずらしいですね。
何らかのショックがあったものと思われます。

露出計は動作してはいたものの
やはりそれなりに狂いはあったので調整を行い
電池室からのリード線は腐食が始まっていたので
交換いたしました。
もちろん、トラブルの多いシャッターユニット・ミラー駆動部の整備
ファインダー清掃、内部モルトの交換等々
各部点検整備一式を行いました。
独特のスタイリングと独自のメカニズムで人気のペンFシリーズですが
こうしてキレイに仕上がった個体を見ると
やはりカッコ良いですね!人気があるのが頷けます。

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オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
都内はまさに今が満開です。
おまけに今週は天気も安定していて
まさに花見には最適ですね!
今日はお店はお休みだったのですが
桜に相当未練を残しながらも
毎年訪れている「城山かたくりの里」に
かたくりを撮りに行ってきました。
まぁ、桜は今年はもうあきらめました(笑)
来週はもう散ってしまうでしょうし。。。
密かに河口湖あたりに行けば撮れるとは目論んでいますが。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理をご紹介します。
最初のペンD登場から2年後の1964年に発売されたモデルです。
それまでのセレン光電池を使用した露出計から
CDSを使った露出計に変更されました。
ということは電池を使うようになったわけですね。
それでもセレンに比べると反応の早いCDSの利点は大きいと思います。
セレンを使った露出計はセレンが劣化すると
正直、修理不能なものが多いのが現実ですが
CDSもやはり劣化は発生します。
セレンのように全く起電しないということは稀ですが
反応が鈍くなる、あるいは反対に振り過ぎてしまうこともあります。

今回、お預かりしたペンD2はシャッター等は
とりあえず動作しているのですが
その露出計がなんと+6段!
さすがにネガフィルムだったとしても問題のある精度です。
この露出計を頼りにするよりは
晴れだったらF11・1/250とかで
固定して撮ったほうがまだ良いと思うほどのレベルです。
ご依頼者様いわく
「たまに普通に振るときもあるような気がするのだけど。。。」ということです。
通常に考えたらCDSの劣化かな。。。と思うのですが
もし本当に「たまに普通に振る」のであれば
CDSの劣化ではなく、どこかの接触不良かもしれません。

細かくチェックしてくと絞り・シャッターに若干の粘りもあり
レンズにも汚れがあるようです。
露出計だけではなく全体の各部点検整備を行います。

露出計に関してはまず電池室からの配線をチェックしました。
念のためハンダはやり直しましたが
6段オーバーの原因はここではないようです。
いろいろテスターで確認してみたところ
どうやら今回のトラブルの一番の原因は
露出計のスイッチのようです。
D2になってからは背面にボタンが設置され
押している間だけ露出計がオンになるのですが
このスイッチの接触が悪いため十分に電圧がかからないようです。
SWの接触が良好になると+1.5段まで改善されました。
あとは抵抗等々の調整で適正な値に調整します。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

3月26日。。。
1966年3月26日に富山県で
全国初の登山条例が制定されています。
主な内容は登山者に向けて
登山の際には必ず登山届けを出すということを義務化したものです。
最近、めっきりご無沙汰ですが
私も山に入るときには必ず登山届けは出しています。
特に私のような、一人暮らしな上に単独行な場合
もし、何かあった場合は全く足取りが掴めなくなってしまいますものね。
自分自身だけでなく他登山者の捜索の手がかりになる場合もあります。
実際に現地で書くのはなかなか手間なので
事前に氏名・住所・連絡先・日程とルート・装備がわかるように記入して
必ず登山口等の登山届けポストに提出しましょう!

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
ここのところ「SP」の修理も多かったのですが
今度は「SPF」ですね。
発売はSP登場から9年後の1974年です。
基本的な構造はSPとほぼ同様ですが
露出計周りは全く別物です。
。。。というのもこのSPFでは同社の「SMCタクマーレンズ」との
組み合わせで「開放測光」に対応したためです。
通常ユニバーサルマウントであるM42マウントの場合、
レンズ側の絞り情報をボディに伝えることができないため
実際に絞り込んで撮影時の光量にして測光する
「絞込み測光」が必然でした。
しかしながら絞り込むと当然、ファインダーは暗くなり
ピント合わせは非常に困難になります。
開放状態でピント合わせを行い、絞り込んで測光を行うという
手間がかかるわけですね。
開放測光は絞り情報をボディ側に伝えることにより
絞り込むことなく測光が行えるようにしたものです。
加えてSPFでは「フォトスイッチ」呼ばれる
ある程度光の量が少なくなると自動的に露出計が
オフになる機能も追加されています。
要はレンズキャップをすると露出計がオフになるということですね。

前置きが長くなりましたが
お預かりしているSPFはご依頼者様のおじいさまの形見だそうです。
電池はきちんと抜いて保管してあったとのことで
電池室の腐食もなく精度はさておき動作はしています。
しかしながら頻繁にミラーアップしたままになってしまうという
SP同様の定番のトラブルです。
今回もミラー駆動部そのものが悪いわけでなく
シャッター幕軸の粘りによりミラーダウンレバーを
蹴りきれないことが原因と思われます。
加えてこれもSP系定番のプリズム腐食が発生しています。
中央少し下に横方向に黒い線が確認できます。
シミ程度の腐食ならまだしも、視野の真ん中付近に
この大きさの腐食はやはり撮影に支障がでてきます。
今回は中古良品のプリズムと交換いたします。

ご依頼者様は試し撮りを一度行って
このカメラを非常に気にいっているとのことです。
ストレスなく快適に使えるように
できる限りの整備を行います。

これからミラーボックスを取り外しシャッター周りの
整備から行っていきます。
露出計周りの配線はSPに比べると随分複雑になりました。
余談ですが開放測光時の精度を調整する
半固定抵抗と絞込み測光調整用の半固定抵抗は
全く別の場所にあります。
最後にそれぞれが適正な値が出るように調整していきます。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
日本で初めて電灯が灯った日が
1878年(明治4年)のこの日とのことです。
140年前のことなのですね。
今や電気がなければ私たちの生活は
何一つ立ち行かなくなってしまいます。
当たり前のように電気が供給されていることに
感謝しなくてはいけませんね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
MXもコンスタントに修理依頼のあるカメラですね。
コンパクトで機械制御シャッター、人気があるのは当然ですかね。
その機械式シャッターですが
MXはトラブルを抱えている個体が比較的多いと思われます。
MXでよくある「たまにミラーアップしたままになってしまう」というのも
突き詰めていくとシャッター幕がきちんと走っていないことが
原因のことが多々あります。
一通りシャッターが切れている個体でも
高速シャッター時に写真の両端で
1段以上露出が違うということもよく見受けられます。
MX発売当時と異なり現在のネガフィルムの主流は
感度400なので高速シャッターを使う機会は昔より
断然多いと考えられます。
登場から40年以上経過していますので
未整備の個体はさすがにメンテナンスを行わなくては
いけない状態のものが多いと思います。

今回、お預かりしているMXも
ミラーアップしたままになってしまう。。。ということでしたが
ミラー駆動部にさしたる問題はなく
直接の原因はシャッター幕軸の汚れ等による
シャッター幕の走行不良がミラーアップに繋がっていたようです。
要はシャッター幕がスムーズに走りきらないため
ミラーダウンレバーを上手く蹴ることができないのですね。
シャッターそのものは見た感じでは普通に動作しているようですが
測定機で測ってみると
やはり高速シャッター時には
先幕・後幕の幕速バランスが完全に崩れていて
全く精度の出ていない状態でした。

作業は一通り完了しましたが
幕軸の清掃・注油を行っているので
動作が落ち着くまで様子見をしている状況です。
新しい油が馴染むまでは幕速も不安定で
調整を行っても1日経つとまた精度が出ていないという状況になります。
数日経過して落ち着いた後に最終調整を行い
やっと完成ということになります。

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ミノルタXDのカメラ修理

3月24日。。。1983年3月24日に
中国自動車道が全線開通しています。
私の地元に近い高速道路の話だからよく覚えています。
山陽道ができるまでは近畿方面、山口方面への遠出には
免許を取ってからもよく利用しました。
今、考えるとトンネルやカーブが多く
中国山地を縫って走る中国道はドライブには気持ちよい道でしたね。
もう長らく通った記憶がありませんが。。。。
バイクかクルマをまた手に入れたら通ってみたいですね!

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
1977年発売の「世界初の両優先AE搭載一眼レフ」です。
現在のデジカメではSS優先オートも絞り優先オートも
両方あるのが当たり前になっていますが
この時代、両方搭載したのはXDが初だったのです。
(翌年にはさらにプログラムオートも搭載したキヤノンA-1が発売されます)
両優先AEもさることながら
このモデルから「アキューマットスクリーン」が採用され
劇的にファインダーは明るくなりました。
ミノルタといえば「ピントの山が掴みやすく明るいファインダー」という
イメージが個人的にもありますが
それはこのアキューマットスクリーンに因るところが大きいと思います。

お預かりしているXDは
「ネオブラック」と呼ばれるツヤ消しのブラック塗装の個体です。
もともと凝縮感の高いデザインのカメラですが
このブラック塗装だとより「ギュッ」としたイメージになりますね。
スタイリングも非常にカッコ良く
使い心地もミノルタらしく非常に官能的で魅力的なカメラだと思います。

しかしながら良いことばかりではなく
新品で販売していた当時から電気関係のトラブルの多いカメラです。
発売から40年以上経った現代では尚のことです。
今回の個体は比較的トラブルが少ないとされる
後期モデルではありますが
まずはシャッターがたまに開きっぱなしになります。
加えてシャッターボタンを押しても絞込みまでは動作するのですが
そこからミラーアップせずに固着してしまうことがあります。

さらにこれはご依頼者様からご指摘いただいているのですが
シャッターレスポンスが妙に遅い症状も出ています。
シャッターを押してもミラー駆動してシャッターが切れるまでに
タイムラグがある状態です。
これもXDならではのトラブルです。
元々XDは独自のサイバーネーションシステムを搭載するため
少々シャッタータイムラグの大きなカメラではありますが
ミラーボックス下のエアダンパーの粘りが出てくると
実用上かなり不便なレベルのタイムラグとなってしまいます。

そういったトラブルも多いカメラではありますが
快調に動作している個体は現在でも非常に魅力的なカメラです。
シャッター関係の動作不良は基盤が原因の可能性もありますが
まずはこれから分解してできる限りの整備を行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は3月23日、特にこれといった記念日もないですが。。。
1951年3月23日に解散あるいは大洋(現・ベイスターズ)との
合併の道しか残されていなかったと思われた「広島東洋カープ」の
存続が決定しています。
この頃のカープは正に「貧乏球団」で選手の給料はおろか
試合のある甲子園まで行く交通費もなく
市民やファンからの強力で甲子園に行けたはいいが
宿泊費がなく甲子園のスタンド下の部屋で雑魚寝したとか
今では考えられないようなことがたくさんあったようです。
セ・リーグ連盟からも「プロ野球は金のないものがやるものではない」と
激しい叱責を受けていたようです。
いまや伝説となっている「樽募金」もこの年の出来事ですね。
私の生まれる前の話ですがカープがこのとき潰れていなくて本当によかった。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
ここのところまたSPの修理が少し多いですね。
お預かりしているSPは非常に外装もキレイで
過去に手を入れられているのかファインダー内にも
ほとんどゴミのない美品です。
ご依頼者様から現状をチェックしてほしいとのことだったのですが
正直「これなら何も問題なさそうだな。。。」と思っていました。
高速シャッタースピードも問題ない数値で
「このまま使っていただいて大丈夫ですよ」と言おうとして
最後にピントチェックを行ったのですが。。。
「あれ?すごくオーバーインフしちゃってる。。。」
レンズ指標上、5m辺りで無限遠が出てしまっています。
フィルム室から確認してみるとフィルム面では
正しい位置で無限遠は出ています。
レンズが悪いわけでなくボディ側に問題があるようです。

ファインダー上でのみピントが狂っている場合は
ファインダースクリーンの位置が狂っているか
ミラーの角度に原因があるかどちらかの場合がほとんどです。
SPは分解しなくてもミラー側から調整できるネジがあるのですが
そのネジはあまり触る部分ではない上、
そんなに調整範囲があるわけでもないので
勝手にこんなに狂ってしまうとは考えにくいです。
いろいろ調べた結果、ミラーの角度が
何らかの原因で狂っていることが判明しました。
さらにテストを重ねているとシャッターそのものの動きは良いのですが
スローガバナーが妙に不安定な動きをしていて
1秒時に1/8で切れたり、ミラーアップしたままになる現象が
ごく稀に出ることもわかりました。

というわけで、これからミラーボックスを外して
ミラー周りの整備調整、スローガバナの洗浄・注油を行います。
巻上はもともとSPらしい軽さではありましたが
巻上軸に少々油切れの兆候が見られるため
幕軸等々同様に清掃・注油を行っていきます。

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オリンパスペンDのカメラ修理

3月22日。。。あまりたいした記念日はないなぁ
。。。と調べていると。。。
1997年3月22日に山陽新幹線・新大阪-博多間で
500系新幹線の営業運転が開始されています。
500系はカッコ良いですよね!あの長いノーズ部分に
スマートなスタイリング。。。
世代的にやはり0系には特別な思いがありますが
500系も負けず劣らず強烈な印象が残っています。
まだ西日本に行けば見られるのですよね。
一昨年、広島に帰省した際に見つけて
かなりテンション上がりました(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
発売は1962年、既に発売されていたペンやペンSの
さらに高級版として発売されました。
レンズは3.2cmF1.9の大口径ズイコーレンズを搭載し
セレン光電池を使用した露出計も装備しています。
残念ながら露出計はセレン劣化により
正常な値を示すものは少ないとは思われます。
シャッタースピードの最高速は1/500で
当時のカメラとしては最高級のスペックだったと思います。
F1.9開放で目測でのフォーカスは
少々辛いものがありますが
光の足らない場面でも撮影の幅を拡げることのできる
F1.9レンズは間違いなく大きな魅力だったと思います。

お預かりしているペンDは
とりあえず動作することにはするのですが
外装・内装とも汚れが酷く
シャッターに若干粘りもあるようです。

開けてみてちょっと驚いたのが
内部に埃が大量に溜まっていました。
とりあえずよく動いていたなぁ。。。という感じです。
さすがにシャッターユニット内には埃・ゴミの進入はないとは思いますが
古い油を洗浄し、羽根洗浄もこれから行います。
露出計は他の部分とは全く連動がないので
写真のようにファインダーと一体で簡単に取り外せます。
シャッターユニット以外はシンプルな構造です。
写真って本来、このくらいで立派に写るものなんですよね。

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