月別アーカイブ: 2020年8月

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は8月31日。。。
「や(8)さ(3)い(1)」ということで
「野菜の日」だそうです。
私も年齢を重ねて良い野菜のほんのりした甘味とか
繊細な旨味が少しばかりわかるようになったつもりなのですが
現実は野菜、食べられていませんねぇ。。。(汗)
たま~に酒の肴のために自炊することはあっても
基本的にひとりで適当に済ます食事は
コンビニやお弁当屋さんが多いので
やはり野菜不足になりますよねぇ
積極的にサラダを手に取ることも多いのですが
お弁当にちょっと美味しそうなコンビニサラダつけると
「いや、コンビニご飯にそこまでかけるの?」っていう値段になっちゃうし。。。
スーパーでそれなりに1食分が安く済むように野菜を買うと
結局使いきれなくてダメにしちゃったりとか。。。
なかなかうまくいきませんねぇ~
まぁ、ケチらずにコストかければ
いくらでも方法はあるのですが
酒の肴ならともかく
普段の一人での食事にそんなにコストかけてもなぁ。。。(苦笑)
まぁ、とはいえ身体が一番なのは
ここ数年で重々わかってるので
高かろうが効率悪かろうがしっかりバランスの取れた食事を心がけます。
そして2月の入院で落ちた体重が
すっかり元に戻ってしまっているので
再びダイエットです!

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
一番最初のフォトミックなので
ここのところニコマートFTNのブログで書いた
「ガチャガチャ」でレンズ交換時には開放F値をセットします。
セットされた開放F値はニコマートのようにマウント脇に表示されるのではなく
ファインダー前面の小さな窓に表示されます。
「ガチャガチャ」のあるニコンカメラはたまに
この開放F値セットがうまく動作していない個体もありますので
ガチャガチャを行ったらちゃんとセットされているかどうか
確認するクセを付けておいたほうが良いと思います。
今回、お預かりの個体はそこは問題ありませんでした。
非Aiのフォト木器ファインダーの魅力は
レンズの絞り値がファインダー内で非常に見やすいことですね。
Ai方式の直読式は機構的には簡単に済むでしょうが
やはり少し値が見えづらいです。
露出計そのものはオーソドックスな指針式です。
これもLED方式を採用するフォトミックS系だと
露出計制御がトラブルと修理不能のことも多いのですが
指針式だと大きなトラブルはないかとは思います。
さすがに露出計内部断線とかだと修理の難易度は高くなりますが
何とかならないこともありません。

今回お預かりしているF2フォトミックは露出計が全く動きません。
しかしながら不動の原因はフォトミックファインダー側ではなく
ボディ側にあるようです。
巻上レバーがon/offスイッチを兼ねていますが
巻上レバーを引き出してもフォトミックファインダーとリンクする
接点に全く電圧がかかりません。
電池室側をチェックしてみると
ボディ側底部のマイナス側端子がグラグラになっています。
おそらく端子を留めているプラスチックステー部分が
折れてしまっているものと思われます。
電圧が伝わらない原因はこれだと思われます。
F2では定番のトラブルですね。
フォトミックファインダー部分は別の電圧供給が確認できているボディに
載せて動きを確認します。
「まぁ細かい精度はともかく動くでしょう、、、」と思っていたら
LV15の光にかざしても全く指針が触れません。
「あらら、どうした?」と思ってSSや絞りをガチャガチャやっていると
突然目が覚めたかのように指針が触れましたが
今度は一定の明るさで何もしていなくても指針がふらふらと上下し
全く安定しません。
最初に動かなかったことも含めて内部の摺動抵抗の汚れが原因だと思われます。
加えて接眼レンズに大量のカビが発生しています。
直接目を近づける部分にこれはイヤですよね。
もちろんキレイに清掃します。
ボディ側の高速シャッターも油切れで精度が不安定ですので
それももちろんキチンと整備していきます。

まだ現状の動作チェックを詳しく行っただけの段階で
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
今回はトラブルの内容と原因は既に分かっているので
あとは丁寧に作業を行うだけです。
昔はF2というとアイレベルファインダー装着モデルが
圧倒的にカッコ良いと思っていましたが
今はF2といえば
武骨で迫力あるフォトミックファインダーのほうが好みです。
個人的には非Aiの今回の最初のフォトミックは
一番好きかな。。。と思っています。
これもまた周期的にいろいろ考え方や感じ方が変わるのですが。。。(笑)

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ハッピーサンシャインデー」なのだそうです。
ハッピー(8)サンシャイン(30)。。。
ちょっと無理のある語呂合わせですねぇ(笑)
太陽のような明るい笑顔の人のための日で
この日に生まれた人は
笑顔の素敵な人が多いことから生まれた記念日だそうです。
また、明るい笑顔で過ごせばハッピーな気分になれる日とのことです。
明るい笑顔はいいのですが今日もサンシャイン(陽射し)が強烈で
自宅からお店に出てくるだけでも(徒歩5分)
汗びっしょりになってしまいました。。。
そろそろ朝晩だけでも涼しくなっていただけないものでしょうか?
あ、いけんいけん、それでなくても偏屈な爺に
片足突っ込んでるのだから
ネガなこと言ってないで
それこそ明るい笑顔で今日も頑張らなくては!(笑)
。。。ということで「ハッピーサンシャインデー」
アホみたいに笑って過ごしましょー
(暑すぎてなんだか投げやりになってしまっている(汗))

さてさて

仕事はエアコンで体を冷やして落ち着かせてから
じっくり腰を据えてやりますよ~(笑)
一昨日に続いて「ニコマートFTN」のカメラ修理です。
先日のブログでも書いた通りニコマートFTNは
ニコマートシリーズで最も売れたカメラで
現存する台数も他のニコマートに比べても圧倒的に多いです。
そのため当店に修理依頼で入ってくる台数も当然多いわけです。
現存台数が多いため中古で手に入りやすく
以前から書いているようにニコマートFT系は
非常に丈夫なカメラなので中古市場でも人気です。
。。。とはいえさすがに発売から50年経過するカメラです。
かろうじて動いていてもさすがに未整備のままでは
本来を動きではない個体も多いと思われます。

お預かりしているFTNは
シャッターは一見良い動作をしている風ですが
やはり計測してみると後幕の動きが随分悪く
高速シャッタでは特に開きすぎです。
1/1000設定で実際は1/500近い実測です。
シャッター羽根に汚れやスレ跡が結構見受けられるので
羽根清掃でかなり改善するものと思われます。
ニコマートFT系はシャッター関連よりもやはり露出計周りに
トラブルを抱えているものが多いのですが
今回の個体は電池室の蓋がビクとも開きません。
あまり無理をすると舐めてしまって蓋が使えなくなってしまうので
まずは底蓋こと外してから内側から溶剤で
溜まった汚れ等を溶かしていきます。
腐食した当時の水銀電池が入ったままかと思われたのですが
電池室の中にも何もなく端子もキレイなものです。
単純に蓋が固着してしまっているようです。
15分ほど溶剤に付けておいて気合を入れると無事に外れました。
で、実際に電池をセットしてみて
露出計の動きをチェックしてみると
暗い光で絞っている状態なのに指針が振り切ったままになってしまいます。
「あぁぁぁ。。。マイラー抵抗(マウント部の摺動抵抗)が
ダメなパターンかなぁ・・・」と思われましたが
これも軽い清掃で状況は改善し動きも落ち着きました。
ちなみにこのマイラー抵抗はゴシゴシ清掃すると
抵抗体が全て剥がれ落ちてしまい
それこそ露出計指針が振り切ったまま戻ってこなくなります。
(抵抗がゼロになるのだから当然ですね)
取り扱いには非常に神経を使う部分です。

シャッターユニット、マイラー抵抗部、巻上部等を
整備してこれからファインダー部の整備を行いつつ
再組立てしていきます。
ニコマートはニコン機にしてはめずらしく
ファインダー枠周りに内部モルトが多いので
そこの清掃と交換もしっかりやっていきます。
分解を行ってファインダー清掃までくらいなら
やったことある。。。という方なら
わかると思いますが
全て組みなおした後で何回かシャッターを切り
ファインダを除いたら
まだ残っていたモルト屑がスクリーン上に落ちてきていたら
結構な大ショックです(汗)
(FEやOMみたいに下からスクリーンが
外せるタイプなら良いですが。。。)
それもコンデンサレンズとスクリーンの間なんかだと
軽く目まいがします(笑)
なのでこの段階で入念に清掃を行います。
モルト屑が意外なところに入り込んでいる可能性もあるので
清掃できるところはきっちり清掃し
届かないところはブロワーで対応します。
ぱっと見にキレイでもファインダーは拡大してみるので
実際には結構汚れて見えるなんてこともよくあります。
何にしてもフィルムカメラは光学ファインダーが
生命線ですからそこは入念に手を尽くします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は8月29日、「焼肉の日」ですよ!
土用の丑の日のうなぎ、7月23日の「天ぷらの日」に続き
夏バテ防止対策の最後を飾るのはやはり「焼肉」です!
脂少なめのロースやヒレにレバーあたりが
夏バテ防止に良いような気がします!
(実は単純に脂っ濃いのは重すぎて
あまり食べられない現実。。。(苦笑))
で、やっぱり焼肉にはビールですよねぇ~
軽く焼いた(焼きすぎ注意!)ロースを一口食べて
そのあとに流し込むキンキンに冷えたビール。。。最高ですね!
この場合のビールは最近の飲みやすい系のビールではなく
ガツンと苦みのある「エビス」がやはり最高です!
焼肉とビールがあると暑い夏も悪くないと思ってしまいます
(なんと単純な。。。(苦笑))
あぁ、ひとり焼肉でも行って来ようかな。。。
あ、それならこのご時世、おうち焼き肉のほうが
気を使わなくていいかな。。。
スーパーでも結構良いお肉売ってるしね!

さてさて

焼肉のことを考えただけでテンション上がりましたが
落ち着いて今日もまずはしっかりお仕事します。
本日は「ヤシカエレクトロ35 CC」のカメラ修理を行っています。
エレクトロ35シリーズにはいろいろなモデルが存在しますが
この「CC」と後からマイナーチェンジで出る「CCN」は
エレクトロ35の中で唯一の35mmレンズ搭載モデルです。
他のモデルは45mmか40mmなのですね。
やはり35mmくらいの視野の広さがないと
使いにくいと思われる方も多いのではないでしょうか?
その上、F1.8の大口径です。
35mmF1.8なんて今のレベルで見ても相当の高級レンズです。
ただこの時代の大口径レンズ搭載カメラは大抵そうなのですが
大口径ならではのボケを楽しむために搭載されているのではなく
光量の足りない場所で少しでもSSを稼ぎ
手持ちで撮れるようにするための大口径レンズです。
当時のフィルムはISO100が標準的な時代ですし。。。
このエレクトロ35CCの場合は絞り羽根も
2枚羽でさらに変わった形状なので
積極的にボケを楽しむレンズではないかもしれません、
それでも変わったボケで楽しいことは楽しいですが。。。
それからこの「CC」が出るまでのエレクトロシリーズは
初代から続くちょっと大柄なボディのものだったのですが
このCCは随分とコンパクトになりました。
この辺りにもコニカC35の影響があったのではないかと思われます。
この後に出るエレクトロは従来の大きさの「GSN」なども発売されますが
目測の「MC」や「GL」、「FC」、「GX」とコンパクトなモデルが続きます。

お預かりしている「CC」は
まずは電池を入れても全く電源が入りません。
一番疑われるのはやはり電池室端子の腐食ですが
一見いた感じでは電池室はキレイです。
それでも念のためテスターで導通チェックをしてみると
蓋側の端子が全くダメなようで
端子そのものというより端子から蓋の脇への接点への
導通が全くないことが発覚しました。
内側が腐食してしまっているのですね。
対策を行って再度テストしてもまだ電源が入りません。
今度はマイナス側の端子裏側のハンダ付けがダメなようです。
まぁこれは想定内の結果です。

そうこうして電源は入るようになったのですが
案の定、オート露出は全く安定しない状態です。
これも予想通りですが
シャッタユニットやレリーズ周りの接点、他抵抗類の
清掃で改善されるものと予想します。
本格的な分解整備にはこれから取り掛かる段階ですが
このタイプの電子制御カメラは
とにかく積年の汚れであちこちの接点や摺動抵抗で
接触不良が起こっていていろいろな弊害を生みだします。
どこかをピンポイントでというわけでなく
清掃できうるところは全て清掃する感じで処置していきます、
それで安定感だけは出しておき
結果的に若干の電気的調整で精度を出していく感じです。
それでもエレクトロ35はまだ整備性の良いほうです。
何台かに一度は修理不能な個体に会うことも
残念ながらありますがよくある他の電子制御コンパクトよりは
安定感があるような気がします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「テレビCMの日」だそうですよ。
1953年(昭和28年)のこの日に開始された民放の日本テレビで
初のテレビCMが放送されたのだそうですが
これがまたしっちゃかめっちゃかだったようです。
初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店(現:セイコーホールディングス株式会社)の時報だったのですが
フィルムが裏返しになっており、音も不明瞭だったとのことです
そのため、正午に放送された初CMは30秒の予定がわずか3秒で
中止されるというハプニングがあり、
同日夜7時に第2号CMとして
午後7時をお知らせするCMが改めて放送されたのだそうです。
精工舎はカメラのシャッタユニットで
ここのブログでもお馴染みのメーカーですね。
当時はセイコーやシチズン等の時計メーカーも
レンズシャッターユニットで大きなシェアを持っていました。
そういえば上記のCM(午後7時版)は
youtubeで今でも簡単にみられるのですが
時代を感じさせる何ともレトロなCMでした。
私もこの年になっていろいろ昔のことを懐かしく
思い出すことが多いのですが
実際にもし時代が戻ったら
いろいろ不便でやってられないだろうなぁ。。。と思います(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートブランドはニコンの中級機に与えられたブランド名で
大きく機械制御シャッターのFT系と
電子制御シャッターのEL系に二分されます。
後のFM/FEの関係と同様ですね。
FTNはいろいろな種類のあるニコマートの中でも
現存している台数が最も多いのではないかと思われる
大ヒットしたカメラです。
初代FTをベースにし開放F値補正操作(いわゆるガチャガチャ)を採用し
レンズ交換の際の開放F値設定が非常に簡単になったモデルです。
このガチャガチャで「シャキン」といった音で
絞りがセットされると何だか妙にテンション上がります(笑)
当時の超合金とかに何だか通じるものがありますね。。。

シャッターユニットは昨日のブログのEFと同じく
コパルスクエアです。非常に丈夫なシャッタユニットで
50年以上経過した今でもトラブルなく
動作する個体も多いのではないかと思います。
ただ、さすがに未整備のままでは
高速シャッターの精度が怪しいものも多く
(とはいっても原因はほぼ羽根の汚れ等)
シャッター羽根の清掃は必要ではないかと思われます。
トラブルが多いのはやはり露出計で
受光体や露出計本体は元気なものも多いのですが
シャッタスピードや絞りに連動するマイラー抵抗と呼ばれる
摺動抵抗が劣化でダメなものが多いと思われます。
今回も露出計が非常に不安定だったのですが
交換までの必要はなく抵抗の清掃で問題なく
精度が出せそうな状態です。
完全に抵抗がダメになると
露出計が常に振り切った状態になっているものも多いと思います。

同じ時代のニコンFは
プリズムが腐食してしまっているものも多いのですが
ニコマートは比較的、プリズム腐食は少ないほうだと思います。
しかしながら今回のニコマートは
プリズムも少しばかり腐食しており
よくある中心に縦線が出てくるパターンです。
こうなるともう交換でしか対応できないので
腐食のない中古プリズムと交換します。
少々大きくて武骨なイメージのニコマートですが
特にFT系は使っていても頑丈さが伝わってくるような気がします。
頼りになる相棒としてはもってこいのカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンEFのカメラ修理

今日は「ジェラートの日」だそうですよ。
私はどちらかといえば乳脂肪分の高い
まったりとした「アイスクリーム」のほうが好みですが
本当に暑い日はさっぱりしたジェラートのほうが
美味しく感じますね!
フルーティーなフレーバーが多いのも魅力です。
そういえば最初にジェラートに会ったのは20代前半の頃だったかな
その頃、広島市西区にできたばかりのアルパークという
ショッピングセンターがあり
その中に「ジェラート専門店」ができて
仕事場が近かったせいもあり
「何それ?美味しいの?」と速攻で買いに行ったことを思い出します。
30年近く前のことでうろ覚えですが。。。(苦笑)
コンビニスイーツのレベルが最近高いので
アイスもコンビニで十分ともいえるのですが
たまにはちゃんとしたお店でジェラートも食べてみたいですねぇ
どこか近くにないかな。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンEF」のカメラ修理を行っています。
EFは1973年の発売で分類的には
キヤノンFシリーズの一員ではあるのですが
ちょっと異端児的な存在です。
外装のデザインや巻上軸上に配置されたレリーズボタンも
他のFシリーズでは見られないパターンですし
そのあたりはどちらかといえば後のAE-1に近い感覚です。
そしてなんといってもコパル製縦走りシャッタユニットを搭載しています。
Fシリーズも後のAシリーズも布幕横走りシャッターなので
そこだけでもこのEFが異端児的存在というのが良くわかります。
シャッタユニットそのものはニコマートやその時代のコニカ等で
お馴染みのコパルスクエアです。
実績で言えば申し分ないシャッターユニットです。
これを基本的には機械制御でコントロールします。
ただ1秒以上のスローシャッターは電気的に制御し
最長30びょのシャッタスピードを実現しています。
その制御の仕方もちょっと変わっていて
例えば1/2秒までなら普通の機械制御シャッターと同様に
スローガバナーで駆動します。まぁゼンマイ仕掛けですね。
もっと長いシャッター、例えば2秒だと
1.5秒は電気的に制御してシャッターを開けたままホールドし
最後の0.5秒(1/2秒)はスローガバナで制御して動作完了します。
ここの電気的制御からスローガバナへの連携がうまくいかずに
シャッターが開きっぱなしになってしまう個体も多いです。
シャッタスピード優先AEを搭載しますが
これも基本的には機械制御で針挟み込み式による制御です。
露出計は普通の指針式なので
EFの電子制御はほとんど1秒以上のスローシャッター制御のみなのですね。
この辺りのも仕様もなかなか変わっています。
この頃にはAE-1の開発も始まっている頃でしょうし
Aシリーズ発売までの繋ぎ的役割もあったのかもしれません。

お預かりしているEFは一通り動作はしており
致命的なトラブルは抱えていないようです。
それでもファインダー内はモルト屑だらけで
当然、内部モルトも含みモルトは全滅です。
シャッタ羽根にも汚れがあるせいか
高速シャッターが少しばかり不安定です。
露出計・オートも大幅にオーバー気味なので
そのあたりの整備や調整も必要です。
もちろんトラブル予防的に巻上部やミラー駆動部
シャッタユニットの整備は一通り行います。

電子制御部分があるとはいえ
その大部分は低速シャッタ制御だけなので
比較的基板関連はシンプルです。
ただし、スクリーン周りが少々ややこしく
スクリーンを外すと必ずファインダーピント調整をゼロから
やり直さないといけません。
それまでのFTbとかとは異なり
ボディもブラック一色でシルバーはありません。
F-1と同じようなスタンスですね。
精悍なブラック塗装のせいもありますが
デザイン的にも非常に端正なカメラで
ちょっと大きくて重いですが非常にカッコ良いと思います。
基本的には機械制御でSS優先AEも使えて
なかなか魅力的なカメラだと思います。
ちなみに電池は元々MR9水銀電池を2個使用しますが
EFは電気回路上、1.3Vでも1.5Vでも
露出計やオートの値に影響がありません。
それよりも電圧変換型アダプタを使うと
スローシャッターやバッテリーチェック時に点灯する
赤LEDが点灯しなくなります。
ヴァルタ電池や無変換アダプタで1.5Vで使用することをお勧めします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFE2のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジの日」だそうです。
首都高11号提台場線ですねぇ。。。
クルマでもバイクでも数えきれないほど通っていますが
昼も夜も眺めがいいのですよねぇ
夜はレインボーブリッジ自体も
ライトアップされてキレイですが
(少し前にも真っ赤にライトアップされましたねぇ(苦笑))
台場側から登ってくると都内の夜景がすごくキレイなのですよねぇ
止まることができないので一人では写真には撮れませんが。。。
東日本最大級の「つり橋」であるレインボーブリッジですが
力学的にはかなりバランスの悪い設計なのだそうです。
言われてみれば「あぁ、たしかに。。。」と思うのですが
ケーブルで繋がれた中央のアーチ部に比べて
陸側のケーブルアーチが非常に短いのですね。
他の同様なつり橋(明石海峡大橋等)と比べてみれば歴然です。
陸側の土地が非常に狭く
ケーブルを架けるための十分なスペースが取れないことと
海上のアーチ部分を狭めてスペースを取ろうにも
ここの海峡は船の交通量も非常に多いため
橋脚と橋脚の間を狭めるわけにもいかなかったそうなのです。
見た目にはバランスが悪いのですが
短い陸側のケーブルのテンションを強く張ることによって
バランスを取っているのだそうです。
これ今回調べていて初めて知りました。。。
身近に思えていても知らないことがたくさんあるのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に発売となったFEの後継モデルです。
フォーカルプレーンシャッター機としては史上初の
1/250シンクロを実現したカメラです。
幕速を非常に高速化することにより実現されたもので
副産物として最高速は1/4000となりました。
測定器で測っても幕速は驚異の2ms台半ばです。
(幕が端から端まで走行する時間を指します)
といってもなかなか伝わらないと思うので
同じ縦走りシャッターのFEで5ms台前半です。
横走りになると実際に走る距離も長いので
もっと遅くなり速い機種でも10ms前後
古い機種であれば13ms前後といったところでしょうか。。。
この幕速を実現するちゃめにシャッター幕(羽根)は
より軽量なチタン製とし、さらに軽量化を図るため
ハニカム状に肉抜きをした羽根になっています。
このシャッター羽根だけでもすごさが伝わります。
ただ、このハニカム加工のチタン羽根シャッターは
シャッター羽根そのものの強度に問題はないのですが
それをかしめて留めている部分の強度に問題があり
ある日、突然羽根が外れてしまうというトラブルが多発しています。
その後、別の部分の技術の進化で通常の平坦な
アルミ羽根でも幕速が確保できるようになり
(その際にカシメ部分の強度見直しも行われているようです)
メーカーでシャッタユニット交換を行うと
通常のアルミ羽根シャッターに交換されていたそうです。
。。。というわけでFE2の初期モデルと
FM2(ニューではない)の初期モデルのみで
このハニカム加工のチタン羽根が使われています。
今回、お預かりのFE2もこのタイプです。
正気言って扱いに気を遣うカメラです。
普通に使っていても羽根が外れる可能性が少しでもあるかと思うと。。。(汗)
(実際はそれほどではないとは思ってはいますが。。。)

お預かりしているFE2は一通りは動作していて
大きなトラブルはなさそうです。
ただモルトは全滅です。
FM/FE系といえばニコマート時代から
接眼レンズの下に大きな座布団のようなモルトが貼られていますが
ここも加水分解でベタベタになっています。
SSの精度はまずまずですが
露出計・オートは一段以上オーバー傾向です。
これも調整でもっと精度を出していきたいと思います。
他機械的駆動部分の整備を一通り行います。

写真は一通りの機械的部分の整備が完了して
組み立てを行い電気的な部分の調整を行う段階でのものです。
意外と見た目的には基盤回りは幾分シンプルになったとはいえ
FEとそれほど変わりません。
元々の設計が優れていたのでしょうね。
80年代の電子制御機ですが比較的この時代のものとしては
整備性が良く機械的な部分と電気的な部分のバランスが絶妙な
カメラだと思います。
個人的に好きなカメラの一つで
整備を行えば自分用に使おうと思っている個体を
1台確保しているのですが
自分のカメラはなかなか整備しないのですよねぇ(汗)
いい加減に使える状態にしてやらないと
カメラがかわいそうですね。。。近日中にそれも行います(苦笑)

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコマートELのカメラ修理

今日は「愛酒の日」なのだそうです。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の
誕生日にちなんだ記念日です。
一日一升程度の酒を呑んでいたといい、
死の大きな要因となったのは肝硬変だそうです。
夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と医師を驚嘆させた、
との逸話があるそうです。
いやいやすごすぎます。私もお酒は好きですが
こんなには飲めません。
毎日、一升なんてそりゃアルコール耐性の高い方でも
肝臓やられて当然ですよねぇ。。。
私なんてそれどころかここのところ
めっきりお酒に弱くなってしまったようで
少し飲みすぎるともう眠くって眠くって
起きていられない状態になってしまいます。
最近は「あとは寝るだけ」の状況で
1合程度(肴次第では2合)の少し上等な日本酒と
それに合う季節感のある肴があれば十分です。
まぁ、もうじじいですし身体も万全ではないですから
お酒もほどほどにしなくてはいけませんね(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
ニコマートブランドはニコンFがフラッグシップだった時代に
中級機を担う一眼レフモデルに与えられたもので
機械制御シャッター機の「ニコマートFT系」
電子制御シャッター機の「ニコマートEL系」の大きく2分されます。
これがのちの「ニコンFM/FE」系になっていくわけですね。
「FM/FE系」だと「当店の場合」は
FEが圧倒的に修理件数も多いのですが
ニコマートはEL系はかなり少ない印象です。
初期の電子制御機で電子部品もかなり古くさいものが多く
そなあたりのトラブルが起こると
修理不能になる可能性もかなり高い。。。というのが正直なところです。
分解してみるとわかりますがFE。。。いやEL2あたりと比べても
「あ、これは古いな」と一目でわかる基板が搭載されています。
それでも同時期の他メーカー電子制御機に比べると
電気的なトラブルが圧倒的に少ないのは
さすがニコン。。。といったところでしょうか。。。
「FE」の修理ブログの際に私がよく絶賛する
「視認性の非常に良い露出計」はELの時代から既に搭載されており
単純に真ん中に合わせるだけの「FT系」の露出計に比べると
数段洗練されたものです。
現在のSSを示すグリーンの指針と明るさに応じて動く黒い指針を合致させて
露出を合わせます。逆光時や特殊な状況下で
意識的にマニュアルで露出を補正するにも非常に使いやすい露出計です。
機械的な部分は「FT系」も全く共通で
この時代にはお馴染みのシャッタユニット「コパルスクエア」を搭載します。
ただELで一番困るのはこの特殊な位置にある電池室でしょうね、
これはあらかじめ知っていないとまずわからないと思います。

お預かりの「EL」は電池を入れると露出計は動作します。
値も少しズレてはいますがまずまずの値です。
ただし、シャッターが全く切れません。
シャッター羽根の位置を確認するとチャージはできているようです。
それでもレリーズボタンを押しても
「パタン」とミラーアップするだけでシャッターは全く動きません。
これがFEだとシャッタユニットに電源がきていない
あるいはマグネットの制御がおかしいのでは?という可能性もありますが
ELの場合はたとえ電池が入っていなくても
シャッターは一定速で切れるのが正解です。
つまり今回のトラブルは電気的に云々という以前の問題で
機械的にまず切れないといった状態です。
結果から言えばミラー駆動部の動作不良で
シャッタユニットへの連携が全くできず
シャッタ動作へのキックができない状態でした。
心配された電気系は大きな問題もなく
この状態であればまだまだ安心して使えそうです。

トラブルの原因は把握できたのでもう少し分解を進めたら
後はしっかり整備清掃して組み立てるという感じです。
ある程度組み立てた時点で電気的調整も行います。
余談ですがFM/FEだと意外かもしれませんが
FEのほうが個人的に分解組み立ては楽なように感じます。
でもニコマートはELのほうが圧倒的に厄介です(苦笑)
古い基板だからリード線も非常に多いですし
一度は外さなくてはいけない場所も多いのです。
もちろんハンダ付けは劣化で脆くなっている部分もあるので
分解の際にいつのまにか
外れてしまっていた。。。なんてこともあるので
やはり最新の注意が必要です。
まぁそれでもさすがニコン機で手順さえしっかり正しく行えば
しっかり整備できるように作られているのはさすがです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
いわゆる「路面電車」ですねぇ
実は6月10日も「路面電車の日」だったりするのですが。。。
私は広島(正確には呉市)の出身なので
広電の「チン電」にもなじみが深く
広島市内に在住してた時期は
身近に使っていました。
規模は全然違うのですが利便性で言えば
都内で使う「地下鉄」に近いものがあると思います。
ただ雰囲気としてはバスに近いのかな。。。
広島の「チン電」もグリーンムーバー以降
近代的な車両が多いのですが
未だに数は少なくなったとはいえど
昔の車両(一番古いものは戦前の車両)がまだまだ
元気に普通に走っているのです。
これってすごいですよねぇ
昨年、1日かけていろいろ乗ってみたのですが
己斐や宮島口方面には行けなかったので
また世の中が落ち着いて
季節の良いころに乗りに行こうと考えています。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
絞り優先AE専用のエントリー機で
ミノルタらしい使い心地の良さが売りのカメラです。
カメラ本来の素性の良さもさることながら
大ヒットした要因はやはり宮崎美子さん出演の
「今のキミはピカピカに光って~♪」のCMの力が
非常に大きかったのではないかと思います。
私、その頃、小学校高学年ですが
やはり強烈に覚えていますもの(笑)
(正確にいうと宮崎美子さんの姿が焼き付いているだけで
X-7の印象は吹っ飛んでいるのですが。。。(苦笑))
それに加えてセットで思い出すのが
このCMをパロディにした志村けんさんのコントですよねぇ
最後にお腹のお肉掴んで「宮崎美子~!」って
叫ぶのだよねぇ。。。時代ですなぁ(笑)
今は本当に便利な世の中でこういった昔のテレビ番組の中身も
ネットで簡単に見れちゃうのですねぇ
今回もこのブログ書くためにCMから志村さんのコントから
宮崎美子さんは「全員集合」に出て志村けんさんと
コントやっている動画まで見ましたが
いやぁ。。。面白くってキリがなく見てしまいます。。。

X-7といえば現存している個体の
8割くらいはプリズム腐食を
起こしているのではないかと思うほど
プリズム腐食の多いカメラで有名ですが
今回、お預かりしているX-7はプリズムは平気そうです。
ただ、これもX-7でよくあるトラブルなのですが
巻き戻し部の電源ダイヤルがグラグラになっていて
電源が全く入りません。
ダイヤルを留めているカニ目円盤のネジの噛み合う相手が
プラスチック製で経年劣化もあって脆くなり
ネジ切れてしまうのです。よくあるトラブルです。
新品の頃は強度も十分あったのだと思いますが
さすがに発売開始から40年経過するものですから
さすがにこの頃のプラスチックはそれほど強度がありません。
交換しか手段はないですが所詮中古部品なので
優しく扱わないとまた同じことになる可能性も秘めています。
このあたりは割り切って付き合うしかないと思いますが。。。

この部分ですね。ダイヤル側内側の黒い部分は
本来。本体側の巻き戻し軸部と一体です。

この最も内側の黒い部分が切れてしまっています。
ここまで外すためだけでも
基盤を底側からめくってこないといけないので
なかなか大変です。
ここも金属製であればこんなことにはならないのでしょうが
そこはコストとの兼ね合いで難しいのでしょうね
こういう部分の積み重ねで
あの価格が実現できていたわけでしょうし。。。。

一見、平気そうに見えるプリズムもこの後で
降ろしてチェックしてみたところ
やはり腐食の原因となりモルトは当時のままで
もはや加水分解でベタベタでこのまま放置しておくと
間違いなくプリズムは腐食してしまいます。
。。。というか外側のの塗装面には既に
結構なダメージが出ています。
これも加水分解しない材質のものに交換して
プリズムもできる限り補修しておきます。
まぁ、この状態ならこれ以上、この部分の腐食は
進まないかな。。。といった状態です。

まだまともに電源が入らないから
本来の動きができるかどうかチェックできていない状態です。
ここまで既に分解しているので
さらに分解を進め先に一通りの整備を行い
ある程度、仮組したところで動作チェックを行います。
元はエントリー機ですが
分解整備の難易度はなかなか高いカメラなのです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

昨日は作業スケジュール上の都合により
ブログの更新をお休みしていたのですが
昨日が「蚊の日」で今日が「献血の日」だそうです。
何だか血液つながりで面白いですねぇ
私はもはや血糖値の高いドロドロの血な上に
薬物投与も行っているため
献血は既にできないのです。残念です。。。
ちょっと興味があって調べてみたのですが
比較的近年まで日本でも「献血」ではなく
「売血」が行われていたのですねぇ
特に民間商業血液銀行が多く存在した
1950年代から1960年代前半にかけては
売血が盛んだったそうです。
収入を得るために短いスパンで売血を繰り返す人も存在し
赤血球の数が回復しないうちに売血をお行い
その血液が黄色く見えたことから
「黄色い血」なんて言葉もあったそうです。
おまけに売血者の多くは低所得者層で
そのころにはそういった人たちに
覚せい剤の静脈注射の回し打ちも横行しており
ウィルス性肝炎も蔓延していたそうです。
「黄色い血」の意味には肝炎の症状である「黄疸」の意味も
含まれているそうです。
これ以上詳しく書いていると長くなりすぎるので割愛しますが
「ライシャワー事件」をきっかけに売血は急激に減少し
現在の献血制度が確立されていtったのだそうです。
これが私の生まれる少し前、50年ちょっと前のことなのですね
意外と最近の話で少し驚きました。。。
現在の国内の輸血用血液は全て献血で賄われています。
献血、大事ですよねぇ。。。昔はたまに行っていたのですが。。。

さてさて

今日は「キヤノンAE-1プログラム(以下AE-1P)」の
カメラ修理を行っています。
1981年に発売開始のカメラで
大ヒットしたAE-1(1976年)の後継機です。
キヤノンAシリーズは全てのモデルが最初の「Aシリ-ズ」である
「AE-1」をベースに作られていて
特に機械的な動作部分の構造はほぼ基本的に共通です。
ただしそれを制御する電子機器部分は急激に進化した時代でもあり
「AE-1」→「A-1」→「AE-1P」と
急激に洗練されている印象を受けます。
「AE-1P」というとその名の通り
「AE-1にプログラム露出モードが追加されたもの」と
単純に思われがちですが
ファインダー表示や露出制御、スクリーン上でのピントのキレ
電子制御部分の安定性等々、中身はかなり進化しています。
この時代の5年の差(AE-1の5年後にAE-1Pが登場)は
かなり大きいと思います。
修理する立場で言えばAE-1Pになると
おいそれと手が出せない部分も多いのですが
連動糸も一切なくなり整然と電子部品が配置された
中身を見ると「もはや全くの別物」といった印象です。
・・・とはいえ機械部分のベースはAE-1です。
となるとトラブルの定番はまずはシャッター鳴きです。
今回お預かりのAE-1Pも3回シャッターを繰ると
2回は「ギャイン!」といった感じの派手なシャッター鳴きが起こります。
ここでも何度も書いていますが
「シャッター鳴き」とはいいますが原因はミラー駆動部の
ギアの油切れ及び動作不良です。
症状が進むと異音だけでなくミラーの上がる動きが明らかに遅くなり
最悪の場合、ミラーが動かなくなりシャッターが切れなくなります。
油切れ。。。ということもありますが
多くの場合、それ以前に汚れが原因の場合がほとんどなので
きっちり分解して」清掃を行った上で注油を行います。
加えてミラーボックスの反対側になる
オート露出時の絞り制御機構も動きが悪く
絞り制御が不安定で露出も不安定になるため
こちらmの並行して清掃整備を行っていきます。

まだ上下カバーを外しただけの状態です。
他に明らかな問題がないかチェックしながら分解を進めていきます。
分解前の検査時に高速シャッターも不安定なのが発覚しているので
マグネットの清掃や幕軸の清掃ももちろん行います。
やはりこの時代の電子制御機になると
整備を行う以前の分解作業だけでもなかなか厄介です。
当然、組み立ても同様です。
私が仕事として受けられるのはこのカメラくらいまでが限界で
これ以上新しいものになると
ちょっと現実的に無理かな。。。と思っています。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は8月19日ということで
「バイクの日」です。
風切って走って涼しそう。。。と思われるかもしれませんが
これだけ暑いと全く涼しくなんてありません。
ヘルメット被っているし
この時期だとしてもやはりそれなりの装備で乗らなくてはいけないので
プロテクターの付いたメッシュジャケットくらいは着込みますし。。。
バイクが本当に気持ち良いのは
春夏の本当に限られた短い時期だけですねぇ
まぁそれでも真夏や真冬に乗る気持ちも十分わかりますが。。。(笑)
バイクもですがオープンカーもこの時期は見た目以上につらいです。
ヘルメット不要で軽装でよい分、バイクよりはマシですが
灼熱の日差しは走っていても十分に暑いです。
ただし、オープンカーはバイクよりも冬場はかなり快適です。
しっかり防寒着着ていれば真冬でもかなり気持ち良いですし
シートヒーティングなんて装備されていれば最高です!
バイクはどんなに防寒着着込んでも強烈に寒いです。。。
。。。やはりこの季節はキンキンにエアコンの効いた
エンジンも車体も大きなゆったりした車がいいですねぇ。。。
その快適な車内から強烈な日差しの海を
他人事のように眺めながらドライブなんて最高ですねぇ
いかん、全く「バイクの日」の話じゃなくなってきてます(汗)
リハビリ次第ですが再び普通にバイク乗れるようになったら
今更ですが「限定解除(大型免許)」を取りに行きたいですねぇ。。。
1回くらいはリッターバイクを所有してみたいものです。

さてさて

本日はペンタックスMEスーパーのカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトでシンプルな絞り優先AE専用機として
大ヒットした前身の「ME」にマニュアル露出モードと
1/2000のシャッタスピードを与え
さらにピントのキレの良い「ブライトマットスクリーン」を搭載し
何でもできるカメラに仕立て替えたモデルです。
シャッタスピードはこの時代で一般的なSSダイヤルではなく
プッシュボタンで選択する方式です。
正直なところ好みが分かれる部分だと思いますが
ペンタックスはこのプッシュボタン式を後のAシリーズや
中判の345シリーズでも採用しています。
まぁ、慣れてしまえばなんてこともないのですが。。。

基本的な構造はMEと共通のため
MEと同じようにミラーアップしたままになるトラブルや
巻き上げてもミラーチャージがされないトラブル
巻上が滑ってしまうように
巻き上がった瞬間にシャッターが切れてしまうトラブルが多発します。
これkらのトラブルの原因は大抵の場合
ミラー駆動部に使われているゴムブッシュの劣化や変質が原因です、
ガムみたいに粘着質になって動きを妨げてしまうのです。
ゴムブッシュが使われている箇所はミラボックス側面に
1~3ヶ所で生産時期によって変わります、
またはメーカー修理で腐食しないプラスチックブッシュに
交換されている個体もあります。

今回、お預かりしているMEスーパーは
シャッターはチャージ状態でちゃんとロックされ
待機しているのですが
ミラーがチャージロックできず巻き上げても
リリース位置に戻ってしまいます。
そのためレリーズボタンを押してもミラーアップすらできず
何もできない状態です。
原因はやはりゴムブッシュの劣化によりチャージロック部が
動作しないことです。
ここはいつものことなのでなんてことはないのですが
それに加えて露出計が全く動作しません。
こういう場合は電源周りを真っ先に疑うのですが
今回は電池室にも配線にも問題はありません。
電子基板の入り口で計測してもしっかり電圧は来ています。
もちろんオート制御もマニュアルでのSS設定もできず
常に最高速1/2000で切れる状態です。
さすがこうなってくると基板内トラブルの可能性が高いです。
ME系は比較的基板の交換が容易なため
手持ちの部品から合いそうな基板を探して交換してみようと思います。
(MEもそうですが生産時期により
微妙に違う基盤が何種類も存在します)

今回はめずらしく基板トラブルもありましたが
ミラー駆動部の機械的メンテナンスを行っていれば
他のトラブルはかなり少ない安定したカメラです。
使い心地やシャッタ音も良いですし
もう少し評価が高くても良いカメラだと思います、
ただ、ミラー周りのトラブルは未整備だと
必ずと言っていいほど発症します。
そのためジャンク箱にミラアップしたままのMEやMESを
やたらと見かけます。。。何だか切ないですねぇ。。。
きちんとその辺りの整備をしてやれば
MXどころかLXにも負けないカメラだと
個人的には思っているのですが。。。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。