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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「かきフライの日」だそうですよ。
11月はかきが美味しくなる時期で
21日は「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせからだそうです。
かきフライに限らず本格的な真牡蠣の季節の到来ですが
私の地元でもある瀬戸内の真牡蠣が
今年は壊滅的な状況のようです。
毎年この時期になると殻付きの生食用真牡蠣を
取り寄せるのですが今年はそれも無理そうです。
牡蠣が卵から収穫まで3年ほどかかるらしいのですが
今年はもうしかたないとしても
来年以降は大丈夫なのか非常に心配です。
来年の今頃は美味しい牡蠣を食べられればいいのですが…
しかし天候や気候に大きく左右される
生産者の方々は本当に大変ですね…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱うキヤノン機としては最新のモデルです。
といっても44年前のモデルです。
機械的な駆動構造は「Aシリーズ」一号機である
「AE-1」のものを引き継いでいます。
ただこの5年間の間に電子制御技術は大きく進化を遂げ
制御回路関連はもう全くの別物となっています。
初代AE-1ではまだ糸連動が残っていた部分もあるのですが
AE-1Pではからくり的制御はほぼなくなり
電気信号で内部伝達が行われています。
露出計も指針式ではなくLEDで絞り値が表示されるようになり
随分と現代的になりました。
そのファインダーもAE-1に比べれば
数段明るくキレの良いものとなり
A-1でもまだ残っていたコンデンサレンズの配置もなくなりました。
ファインダースクリーンも
下から簡単に取り外せるようになっています。
機能的な面で目立つのは露出モードにプログラムオートが
追加になったことぐらいなのですが
それ以上に全体的にブラッシュアップされ
初代AE-1とは明らかに時代の違いを感じます。
外観も随分と洗練されたデザインになりました。

お預かりしている「AE-1P」は
まず定番の「シャッター鳴き」です。
シャッターを切ってミラーが駆動する際に起こる異音で
「Aシリーズ」全機種の定番トラブルです。
制御面ではモデルごとに大きく進化していますが
機械的な駆動部のベースはすべて初代AE-1なので
すべての「Aシリーズ」のカメラで起こる症状です。
異音が出るということはミラーの動きは当然ながら
悪くなっており、症状が進むと明らかに見た目でも
ミラーの動きがゆっくりになっているのがわかるようになります。
そして最終的にはミラーが動けなくなって
シャッターが切れなくなります。
定番のトラブルということもあって
原因箇所はわかっているので
分解整備時に対処を行います。
加えて露出計・オート制御がずいぶんオーバー目に
ズレてしまっていることと
レンズの絞りをボディ側から制御するレバーの動きが悪く
オート制御が不安定なようです。
これもありがちなトラブルで原因もわかっていますので
原因箇所の修理整備を行っていきます。

まだ取り掛かったばかりの状態です。
これから本格的に分解整備を行っていきます。
上カバー開けた時点での光景がAE-1とはまったく別世界です。
それでもこの類のカメラとしてはかなり整備性が良い方です。
この季節になってくると特にですが
このタイプのカメラを扱う際には
静電気を気にしなければなりません。
帯電した指なんかでうっかり基盤に触ると
その瞬間に修理不能な状態になってしまう可能性があります。
細心の注意で整備に取り掛かっていきます。

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ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は「緑のおばさんの日」だそうですよ。
1959(昭和34)年のこの日に
通学する児童を交通事故から守るための学童擁護員
(緑のおばさん)の制度が
東京都においてスタートしたことに由来しています。
このあたりでも毎朝横断歩道で
年配の方が誘導されてますね。
存続の問題とかいろいろあるとは思いますが
子供たちが自分で歩いて安心して通学できる
通学路はきちんと維持してもらえたらと思います。
みなさん、朝が忙しいのはわかりますが
クルマだけではなくて自転車や電動キックボードが
信号のない横断歩道に結構なスピードで
突っ込んでくるのを多く見かけます。
困ったものですね…

さてさて

本日は「ミノルタSR-7」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
CdS受光素子使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラです。
露出計指針は光の強さによって指針が振れ
シャッタースピードダイヤルに連動した
絞り指示板が設定SSによって動作し
指針の示す絞り値をレンズ側で設定して露出決定を行います。
露出計感度は高低の切り替えが可能で
幅広い輝度に対応可能です。
内部機構も一新され横走り機としては珍しい
少々独特なユニット化が行われています。
整備性は…個人的にはあまりよろしくないと思っています(苦笑)
次のNewSR-7ではまた通常の構造の横走りシャッターに戻りますが
時を随分隔ててX-700になると同様の考え方の
ユニット化が行われます。この辺は独自性も高く
なかなか興味深いところです。
モデル名がSR-3からいきなり「7」へと飛びましたが
これはSR-7がマイナーチェンジを含めれば
通算7代目のミノルタ一眼レフカメラであるということと
(なかなか強引ですね(苦笑))
同年に発売された「ハイマチック」の改造モデルが
米国の宇宙船「フレンドシップ7」に持ち込まれ
使用されたことをアピールしようとしたためだそうです。
翌年に発売されたハイマチックの後継機種にも
同様にハイマチック7と「7」がつけられています。
以来、ミノルタのカメラにとって「7」は特別な番号へなっていきます。
(X-7,X-700,α-7000,α-7…等々…)

お預かりしている「SR-7」は巻上がロックしたまま
固着してしまっている状況です。
シャッターはどうやらチャージされているようですが
レリーズボタンも押せない状況です。
レリーズ解除関連のリンク部で何か固着してしまっているものと思われます。
ながらく眠っていたカメラだと思われ
そのほかにも動きの悪い部分、固着した部分が
いろいろ見られるような状態となっています。
何か部品が破損しているわけでなさそうなので
分解して各部の汚れや古い油脂類を除去し
本来の動きを妨げない状態にすれば
ある程度の精度も確保して動作するのではないかと思います。
そうなればあとは微調整でしっかりと精度も出せると思います。

最大のセールスポイントでもある露出計は
少々不安定ながらもなんとか動作はしています。
CdSや露出計本体に問題はなさそうです。
電気的な接点も入念に清掃して動作を安定させていきます。
まだ取り掛かり始めですが
まずは機械的な駆動部を分解を進めて整備していきます。

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オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「レンコンの日」だそうですよ。
1994(平成6)年のこの日に
全国のレンコン産地が集まって茨城県土浦市で
「蓮根サミット」が開かれたことが由来だそうです。
レンコン美味しいですよねぇ…
幼いころに私の家では頻繁に「レンコンの天ぷら」が
おかずとして出てきていてこれ大好物だったんですよねぇ
その頃は「ハスの天ぷら」って言ってました。
時代が時代だからソースかけて食べるんですよ(笑
コロッケと同じ扱いですねぇ
揚げたて熱々が最高ですが
たとえ冷えていて衣がしなっとしてても
シャクシャクとした食感がたまらないのですよねぇ
これがご飯にも合うんですよ~
少し前にもやたらとこれが食べたくなったのですが
総菜屋さんにレンコンの天ぷらって
意外と置いてないのですよねぇ…
たまたまかもしれませんが昔は近所でいつもで買えたのに…
まぁレンコン自体は年中手に入るので
自分でやればいいのですよねぇ
酒のつまみにもなるし時間の取れるときに
レンコン揚げますか――――

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
1962年に発売された初代ペンDの受光素子が
セレンからCDSに変更されたモデルです。
「D」はデラックスの頭文字ですね。
Fズイコー3.2cmF1.9の高性能大口径レンズ
最高速1/500秒のコパルシャッターを搭載します。
そして先述したように露出計も内蔵です。
ただ露出計はLV表示の非連動型で
露出計の支持するLV値を絞りシャッタースピードで
設定します。LV設定といっても
SS・絞りは普通に設定できLV値は連動するLV表示窓で確認します。
非常に使いやすい設定となっています。
スペックだけ見るともはやハーフカメラとは
思えないほどの充実っぷりです。
そして大口径レンズで少しだけ大きめとはいえ
ボディはほかのペン同様に非常にコンパクトです。
現在でも非常に人気なのがわかるカメラです。

お預かりしている「ペンD2」は
シャッター切れず、巻上できずで
完全に動きが固着した状態です。
そして電池を入れても露出計不動です。
シャッターがきれないのはレンズシャッターでありがちな
羽根の張り付きによる固着かとも思いましたが
様子を見ているとどうも羽根で固着しているのではなく
羽根を動かす駆動部が固着してるのではないかと思われます。

まずはそのあたりの原因を確認するため
シャッターユニットの内部をチェックしていきます。
シャッターだけでなく巻上機構等もそうですが
今回は内部の錆がかなりひどい状況です。
シャッター羽根の汚れによる粘りももちろんありましたが
やはり固着の一番の原因は駆動部のカムが
錆ついて固着していることでした。
原因が分かったところでシャッターユニットの
分解整備を行っていきます。
露出計不動の原因はアース部の錆が原因でした。
こちらも併せて整備を行っていきます。
レンズ・ファインダーは比較的キレイなので
通常の清掃で十分にクリアになるかと思われます。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「録音文化の日」だそうですよ。
1878(明治11)年のこの日に
東京大学にお雇い外国人教師として招かれた
イギリスのジェームズ・ユーイングが
持参した蓄音機を使って
日本初の録音・再生の実験を行ったことに由来しているそうです。
録音か…昔は「テープに吹き込む」なんて
言い回ししていましたねぇ(笑
小学生~高校生の頃は欲しいレコードがあっても
なかなか買えないからエアチェックとかにハマりましたねぇ
高校生くらいになるとエアチェックより貸しレコード屋さん通いが
毎日のようになり家にも帰ってはテープに録音していました。
…いや…今でも今度はそのアナログテープやレコードの音源を
デジタル化したり昔録画したビデオテープをDVD化したりとか
似たようなこと未だにやってますね…(笑
録音からはそれますがプリントしか残っていない
写真のデジタル化もちょくちょくやっています…
カメラとか写真もそうですがやっぱ10代に出会ったものって
かなり特別でいつまでも残しておきたいし
たまに反芻しては当時の気持ちに戻ったりするのですよね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
オリンパスOM-1の独壇場だった
「軽量コンパクトな機械制御一眼レフ」というジャンルに
対抗馬として登場したカメラです。
「ペンタックスMシリーズ」の一号機でもありますが
他のすべての「Mシリーズ」のカメラが
電子制御縦走りシャッターで同じような「小型軽量な一眼レフ」であっても
機械制御横走りの「MX」はシリーズの中でも
異端児的な存在です。
それゆえに現在も非常に人気のある一眼レフとなっています。
当店での修理依頼も多いカメラです。

お預かりしている「MX」は
定番ともいえる「ミラーアップしたままになってしまう」という症状を
抱えて当店にやってきました。
1/1000、1/500といった高速シャッターだと症状はあまり出ないのですが
低速シャッターだとほぼ間違いなくミラーアップしたままになってしまいます。
後幕の勢いが足らなくて内部のミラーダウンレバーに
うまくリンクできない状態だと思われます。
加えて今回はミラーそのものの動きも悪く
レリーズしてからミラーアップしていくときに
ミラーのあがる速度が見た目から明らかにゆっくりです。
後幕もそうですが積年の汚れや古い油脂類等が抵抗となって
各駆動部の動きを悪くしてしまっている状態です。
何か破損している…とか故障している…という状態ではないのですが
とにかく汚れを落として本来の動きを取り戻す作業が必要です。

今回の「MX」は適度に使い込まれて良い感じになった
ブラックボディです。シルバーとブラックの2色が存在しますが
どちらもそれぞれ良さがあって両方欲しくなりますよね…
まだ取り掛かり始めの段階ですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
入念に汚れや油脂類を落として最低限の注油を行えば
調整は最小限で済むかと思われます。
いつも書きますがこの時代のペンタックス機は
内部モルトが結構あちこちに使われているので
そこの交換も行っていきます。
劣化した内部のモルト屑があちこちに入り込んでしまうのも
トラブルの原因となります。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「いいひざの日」だそうですよ。
「いい(11)ひざ(13)」と読む語呂合わせだそうです。
11月は「いい〇〇の日」が続きますね。
寒さが増してひざが痛み出す時期に
ひざ関節痛の治療や予防を広く呼びかけるための日となっています。
近年はそんなにひざに負荷をかける場面が
少ないのでひざの痛みに悩むことは少ないです。
少し昔に頻繁に山を歩いているころは
数時間山を下っているとひざに負荷がかかりすぎて
酷い痛みに襲われたことは何度もありますが…
下り坂はひざに負荷かかりますね。
年取って衰えたのもありますが
それよりも重すぎる体重が
問題なのではないかと思います(苦笑)
でも今はひざよりも関節の柔らかさがなくなったり
可動範囲が明らかに狭くなっている方が
悩みの種です…特に股関節・足首・肩!
加齢でしかたない部分が多いのですが
それでも少しでも抵抗しようとストレッチに励んでいます。

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
1967年に発売されたカメラです。
大ヒットしたオートハーフの中でも特に生産台数の多い
「E」にセルフタイマーが追加されたモデルです。
1965年の「S」以降、基本的構造に大きな変更はなく
その後発売された「E」「SE」「SE2」「E2」は
使い勝手の面や細かな機能追加が行われたモデルです。
ちなみに「S」がついたモデルはセルフタイマー付きで
「2」がついたモデルにはアクサリーシューが接点付きの
「ホットシュー」になっています。
いずれのモデルも外寸は同じで
25mmF2.8レンズを搭載します。
セレン光電池による露出計連動の自動設定露出で
巻上はゼンマイ巻きの自動巻上です。
この時代ですから金属製で重量はずっしり重いですが
(325~350g)ポケットに入るコンパクトさと
ほぼ真四角で出っ張りの少ないボディが
非常に魅力的なモデルです。
昭和40年代の雰囲気満載のカメラです。
オリンパスペンと並んでハーフ判を代表するカメラだと思います。

お預かりしている「オートハーフSE」は
ご依頼者のところで
やはり長く眠っていたものかと思われます。
特徴の一つであるゼンマイ巻上は
汚れと油切れのため動きが悪く
シャッターにも粘りが見られるような状況です。
以前も書きましたが
もともとレンズシャッター機は小さなバネの力で
シャッター羽根を駆動するため粘りや固着が
起きやすいのですが
オートハーフのシャッターはその小ささのため
さらにわずかなバネの力でシャッターを駆動するため
ほんのわずかな油脂の汚れで簡単に
シャッター羽根の動作不良が起きてしまいます。
新品の頃、現行製品の頃はそれでも問題はなかったと思いますが
さすがに生産から60年弱経過していると
内部に汚れも溜まってしまい多くの個体で
シャッター動作不良が見られます。

どこかが破損してるわけではないので
とにかく分解して入念に清掃です。
内部に入り込んだゴミや汚れ、古い油脂類を洗い流し
最低限の注油を行い再組立て
その上で微調整を行います。
その際にもちろんファインダーやレンズも入念に清掃します。
今回はレンズやガラスに深刻な劣化もなかったので
非常にクリアに復活しています。
最も劣化が心配されるのは自動露出を司る
あセレン光電池ですがこちらも大きな劣化はなく
微調整で問題ない精度を確保できています。
もなか型の構造のため
フィルム室には大量のモルトが遮光に使われていますが
もちろんこれも全交換です。
今から最終チェックを行うところですが
非常に気持ちよく使える状態に仕上がっています。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「皮膚の日」だそうですよ。
「いい(11)ひ(1)ふ(2)」(いい皮膚)と読む
語呂合わせからだそうです。
私、比較的、皮膚は強い方で
肌荒れとかはあまりないほうなのですが
老化を原因とする肌の衰えは顕著に出てきてますねぇ
それほど気にしてはいないですが…
まず張りがない…(苦笑)
首の皮の少したるんだ部分をつまむと
つまんだ形のままなかなか戻らないんですよ…
たまに鏡見ながらやってますが…(苦笑)
そしてやはり顔や背中にシミが目立ち始めてきましたねぇ…
肩や背中に若い頃、無理に日焼けした弊害と思われる
シミが結構あるんですよ…
この歳になって別に誰に見られるわけでもないのですが
自分がちょっと気になるだけなんですけどね。
日頃、なるべくコラーゲンを取ることと
毎日飲むお茶を麦茶にして少しでも抵抗しています。
寿命は変わらなくていいのですけど
死ぬ直前まで若いままでいられたらいいのですけどねぇ
いや…元気で厄介な年寄りが増えてあまりよくないかも…(笑

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のカメラです。
民生用としてはコニカブランド初のカメラ「コニカⅠ」からの
流れを汲むカメラです。
3代目にしてセルフコッキングが採用され
フィルムカウンターも自動復元式になり
使い勝手が飛躍したモデルです。
巻上もレバーとなりその巻上レバーは
鏡胴の根元から伸びている独特のもので
ダブルストロークで巻上を行います。
お預かりしているのは比較的初期のモデルで
後に出る「L1・L2」とは異なり露出設定がLv化されていないタイプです。
シャッターもコニラピッドが搭載されています。
当時、流行した露出LV設定ですが
今となっては普通にSS・絞りを設定できる方が便利ですね。

今回の「コニカⅢ」は絞りリングと実際の絞り駆動部をリンクする
ネジが外れていて絞りリングが空回りしている状態です。
よくよく確認すると絞り羽根が固着している状態で
動かしたものと思われ羽根の脱落も見られます。
加えてシャッターがSS設定関係なく一定速でしか作動しません。
シャッターユニット周りにいろいろ問題を抱えているようです。

画像は一通り整備完了した状態です。
シャッターユニットに部品の欠落等々が見られ
なかなか大変な状況でした。
シャッターユニットの分解整備調整
ヘリコイドグリス交換、ファインダー清掃調整
レンズ清掃等々を行い
現在は非常に快調に動作する状態になっています。
写りに定評のあるヘキサノンレンズも
非常にクリアになっています
ぜひご依頼者魔には存分にその写りと
操作するのが楽しいこのカメラを
存分に楽しんでいただきたいものです。

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マミヤMSX500のカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
「いー(1)井(1)戸(10)」の語呂合わせだそうです。
井戸も見かけなくなりましたね。
昔、私が住んでいた地域には何か所か井戸があって
さすがにもう飲料には使われていませんでしたが
現役で活躍していました。
大抵の井戸は蓋がしてあって
ポンプだけが蓋の上に設置されているような
タイプでしたが1か所だけ蓋も何もなく
昔ながらのつるべで水を汲むタイプのモノがありました
小さい頃に怖いもの見たさでよく中を覗き込んでいたものでした
真っ暗で何も見えないのですが
何とも不気味だったことをよく覚えています。
今だったら「危ないから」という理由で
すぐに蓋されるなり、柵作られるなりしているでしょうね。
私が幼い頃にはまだまだ危険もあるけど
子供でも簡単に立ち入れる興味をひくものが
近所にたくさんあったような気がします。
まぁこれも時代でしょうね…

さてさて

本日は「マミヤMSX500」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
「MSX」って聞くと私だとカメラより先に
80年代の普及版PCのイメージですね。
所有したことはないですが…
マミヤは正直なところ35mm判一眼レフでは
迷走が多かったイメージですが
この「MSX500」もなかなか変わった部分の多いカメラです。
ちょっと当店では珍しいので
全体画像も出しておきます。

まずマウントは基本的にねじ込みM42マウントなのですが
マミヤセコールSXシリーズのレンズを使用すると
開放測光が可能です。このレンズとMSX500の組み合わせだと
定点ピンでレンズ位置が固定され絞り情報も伝達されます。
ペンタックスSPFとSMCタクマーの組み合わせと同様のパターンです。
そのためセコールSXのレンズを取り外す際には
脱着ボタンでピンロックを解除する必要があります。
通常のM42マウントレンズ使用時には
絞り込み測光になるのですが
ボディにはいわゆる絞り込みレバーが見当たりません。
これもマミヤらしくちょっと変わっていて
巻上レバーを少し引き出した状態(スタンバイ状態)から
押し込むと押し込まれた間だけ絞り込むことができます。
それで絞り込み測光を行うわけですね。
押さえていた指を離すとレバーはスタンバイ位置まで戻ってきますが
この位置から今度はレバー軸上の飾り蓋部を押すと
レバーが完全に格納され露出計もオフとなります。
これはなかなか初見ではわからないかもしれません。
そしてさらに開放測光にしても絞り込み測光にしても
その測光方式がまた変わっています。
受光体(CDS)は通常ファインダー内に設置されることが
ほとんどですが「MSX500」ではミラー内に設置されています。


これはかなり変わっていますよね。
ファインダー内からもそこにCDSがあるということは確認でき
ファインダー内でCDSの場所は茶色がかって確認できます。
そして視野内でいうこの茶色がかった部分の
「部分測光」になっています。
CDSの場所は視野中央下部なので全然上下方向に真ん中ではありません
これは測光に癖があるでしょうね。
普通にメインの被写体を中心に持ってきて測光しても
実際に速攻されるのは視野中央下部です。
輝度差のある視野内だとこのあたりをわかっていないと
大幅に露出を間違ってしまいます。
ある意味、他ではなかなか見られない測光方式です。

お預かりしている「MSX500」はその露出計が非常に不安定です。
同じ明るさを見ていても指針がふらふらと安定しません。
もう詳細は割愛しますが
これも露出計SW部がなかなか変わった構造をしているせいで
接触不良が起きやすいのだと思います。
加えて高速シャッターも不安定です。
これは単に幕軸の汚れ等が原因かと思われます。

露出計指針は電気的に電流量で指針の振る量を
調整するタイプではなく
設定SS、絞りに応じて物理的に露出計(電流系)全体を
回転させて指針位置を調整するタイプです。
OM-1とかで見られるものと同様です。
ただ通常はこういう場合は連動糸だと思いますが
「MSX500」はこれまた変わっていてチェーンで露出計を連動します。
上の画像でその一部が見えますが
そのチェーンの取り回しもまた独特です。
思わず何度もSSダイヤルや絞り連動部を動かして
その動く様子を観察してしまいました。ちょっと楽しいです。

いろいろ独特な部分が多いですが
仕事で触る分には非常に慎重にならざるを得ませんね…
ひとつひとつ確認しながら焦らずに
分解整備を行っていきます。

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キヤノンL3のカメラ修理

今日はわかりやすく「119番の日」ですね。
これから空気が乾燥する季節になり
火事が起きやすい時期になっていきます。
火の管理には本当に気をつけなくてはいけませんね。
ちなみに簡単に調べてみたところ
2023年のデータで火事の最も多い月は3月だったようです。
以降、1月、2月、12月と続きます。
やはり冬から春にかけてが多いのですね。
救急も含めてあまり119番に
お世話になることにないようにしたいものです。
ところで、火災報知の電話サービスが
1926(大正15)年に導入された際の番号は
「112番」だったそうです。
当時はダイヤル式の黒電話で一刻を争う緊急のために
ダイヤルを回す時間の短い番号として指定されたのですが
意外とかけ間違いが多かったそうです。
そこで、翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
警察への緊急通報の「110番」も同様の理由とされているようです。
うちにはまだダイヤル式の電話が実働していますが
そんな理由があったのですね。

さてさて

本日は「キヤノンL3」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
当時のキャノンお得意のフォーカルプレーンシャッタの
レンジファインダー機です。
必要最小限の機能だけでシンプルに仕上げたカメラです。
最高SSは1/500となります。
お家芸の変倍ファインダーはしっかり装備されています。
奇をてらったところのない端正な外観がなんとも魅力的です。
巻き戻しノブの横にありレバーを手前に引くと
フラットに格納されているノブがぴょこんと飛び出してきて
巻き戻しが可能になります。
ちょっとしたギミックですがこれも楽しいですね。

お預かりしている「L3」は
まず距離計二重像が大きくズレています。
縦ずれも少しありますが
水平方向へのズレが大きくこの距離計で合わせると
ピンぼけを多発しそうです。
加えてやはり各駆動部は動きの重い部分があり
高速シャッターの精度は出ていません。
巻上機構も含めて幕軸等の清掃整備が必要な状況です。

お馴染みのもなか構造で整備性は非常に良好です。
この状態でまずは各駆動部の動きを確認してから
本格的な分解整備へと取り掛かります。
巻上を確認しながらゆっくり動かしから
シャッターを切ると各部が非常に精度高く
動いているのがよくわかります。
この時代のキヤノンのレンジファインダー機らしく
非常にしっかりと作りこまれたカメラです。

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ヤシカエレクトロ35GTNのカメラ修理

今日は「刃物の日」だそうですよ。
「いい(11)は(8)もの」(いい刃物)と読む
語呂合わせからだそうです。
毎日の作業の中でもカッターナイフ等の刃物を
使いますが刃物はよく切れる
手入れの行き届いたものを使いたいですね
よく「〇〇とハサミは使いよう」なんて昔から言いますが
使い方も確かに大事ですが
ちゃんと切れるハサミ(刃物)を使うことが大前提です。
切れ味の悪くなった刃物を無理に使うのは
切れないだけでなくケガの元になります。
自宅の包丁とかもそうですが
切れが悪くなったら研ぐ也、買い替える也が必要です。
使い方ではカバーしきれないと思います。
刃物に限らず道具全般がそうですよね。
必要以上に高級なものを使う必要はないと思いますが
正しい使い方をすればしれにしっかり応えてくれる
使い慣れた道具を使うのが一番かと思います。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GTN」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。同時発売の「GSN」のブラックモデルです。
このモデルからアクセサリーシューに接点が追加され
ホットシューとなっています。
それ以外の基本的な部分は前モデル(GS)同様です。
初代からの流れを汲むこの少し大柄な
エレクトロはこの「GSN/GTN」で最後のモデルとなります。
ここからは時代を反映して小型化が進みます。
個人的にはエレクトロといえばこの少し大きなボディの
カメラの印象が強いです。
サイズに余裕があるため整備性もよく丈夫なカメラです。

お預かりしている「GTN」は
今回もかなり長い間、眠っていたカメラだと思われます。
ただ保存状態はよかったようで
外観は非常にキレイで精悍なブラックボディも
キズも少なく塗装も良い状態です。
ただレンズにはさすがに大量のカビが生えてしまっています。
ファインダーも同様です。
電池室を開けると中から当時のHM-4N積層水源電池が
コロンと出てきました。
電池自体に腐食や液漏れはなくキレイな状態ですが
水銀電池はガスが出るのでやはり電池室底部マイナス側端子には
緑青が発生しています。
新しい代替電池を入れても反応はありませんでした。
端子や配線の問題かと思われます。

この時代ですから配線も非常に多く
初期の電子制御機といった内部です。
デリケートな上にややこしそうに見えますが
エレクトロシリーズに関して言えば
意外と電子部品のトラブルは少ないと思います。
大抵の場合が配線の劣化や接点の汚れ
マグネットの吸着不良を起因とするトラブルです。
ハンダの劣化もエレクトロは少ないと思います。
とはいえ、この類のカメラは
何が起こるかわからない部分もおあるので
今回も慎重に隅々を見ていきます。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが
完成したことが由来となっています。
上野公園に隣接していて
洗面所・浴槽・電話は共同で
入浴時には居住者が実費を負担していたそうです。
それでも今でいう高級マンション的な
位置づけだったのでしょうね。
私も一人暮らし歴が長いので
いろいろな場所の安アパートばかり
移り住んでいます。(苦笑)
もう昔みたいに気分で引っ越すようなことはないでしょうが
引っ越す予定もないくせに
いろいろな場所の賃貸情報を見てしまうのですよねぇ…
今はネットで簡単に検索できますし…
でももう10年もしないうちに
賃貸も簡単に借りれなくなるのでしょうね(苦笑)
そろそろ終の棲家について考えなくてはいけないのかも…

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
ネーミングからしてフラッグシップ機と思いがちですが
上位機種はミノルタ初の一眼レフ機である
「SR-2」(1958年発売)でSR-2をベースとして
1/1000を省略したものが「SR-1」です。
そしてフラッグシップは「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」へと
モデル名を変えながらモデルチェンジを行い
それをベースとした「SR-1」も並行してモデルチェンジされるていきます。
ただ「SR-1」のモデル名はずっと「SR-1」のままだったのです。
そのため「SR-1」は少々ややこしいことになっていて
同じ「SR-1」でもベースとなったカメラごとに中身も外見も異なる
カメラが年代ごとに混在しています。
私が把握している範囲では外観だけでも4種類の「SR-1」が存在します。
修理する立場としては交換部品等を部品取りから補うこともあるので
同じ「SR-1」で互換性がない部分が多く
部品交換となると少々面倒なカメラです。

お預かりしている「SR-1」は「SR-3」ベースの「SR-1」で
露出計ソケットがないことから1960年型かと思われます。
ソケットがなくすっきりとしていて
丸みのあるボディはレトロ感も増して
何とも魅力的なカメラです。
おそらく何十年もしまい込まれていたものと思われます。
外観もかなり傷みが激しいですが
各部の錆が酷く内部にも相応のダメージがありそうです。
シャッターはチャージ状態かと思われますが
レリーズしても何も動きません。
プリズムも蒸着劣化のため腐食していて
ここは中古良品のプリズムと交換で対処しようと思います。

まだ取り掛かったばかりなのですが…
いやいや、やはり錆の影響がかなりありますね。
まずは外装のネジがどこも強烈に錆で固着していて
ネジ1本外すのもなかなか大変です。
力まかせにいくとどれも舐めてしまうので
溶剤や油を使いながら慎重に外していきます。
シャッターが切れない原因はレリーズ機構の固着と
幕軸の固着の合わせ技のようです(苦笑)
要は積年の汚れや錆により
あちこちが強烈に固着している状況です。
反対に何か破損している部分があるわけではないので
とにかくなだめすかしながら
ゆっくりと本来の動きを取り戻すための作業を行っていきます。
寝たきり老人をいきなりたたき起こして
「さぁ外をダッシュしてこい!」なんてやったら
死んでしまいますものね(笑
焦らず優しく作業を行っていきます。

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