コニカFSのカメラ修理

今日は3月8日…語呂合わせの記念日が多い日ですねぇ
「みつばちの日」、「みやげの日」
「サバの日」、「ビールサーバーの日」
「サンワの日・、「ザンパの日」、「散髪の日」…等々
そんな中に語呂合わせとは全く関係なく
「エスカレーターの日」なのですね。
1914(大正3)年のこの日に
東京・上野の大正博覧会の会場に
日本初のエスカレーターが設置され
この日運転試験が行われたことが由来となっています。
エスカレータ…駅でもデパートでも近所のスーパーでも
毎日のように乗る機会があるような気がします。
ちなみに日本で最も長いエスカレーターは
香川県丸亀市にあるニューレオマワールドのエスカレーター
「マジックストロー」が高低差42m・全長96mで日本一となっており
乗車時間は3分14秒なのだそうです。長いですね!
最も短いエスカレーターは
川崎駅前の地下街アゼリアと川崎岡田屋モアーズ地下2階を結ぶ
下りエスカレーターで、高低差83.4cm、段数はわずか5段、
乗車時間はたった5秒だそうです。
1991(平成3)年度版ギネスブックに掲載されているのだそうです。

さてさて

本日は「コニカFS」のカメラ修理を行っています。
1960年代前半のコニカFシリーズの中級機を担うカメラです。
レンズマウントは後のARマウント(かにかまウントⅡ)とは
互換性のない最初の「コニカマウント」です。
FSの「S」はスタンダードの頭文字だそうです。
発売開始は超高級機の位置づけだった「コニカF」と
同時で1960年9月です。
フラッグシップの「F」は金属羽根縦走りのコニカオリジナルシャッターを
搭載していますが
同様の金属羽根縦走りでも「FS」はユニット化されて
ニコマート等でもおなじみの「コパルスクエア」を搭載します。
後にいろいろなカメラに搭載されることとなる「コパルスクエア」ですが
その先駆者となったのが今回の「コニカFS」です。
構造としては露出計を持たないシンプルなカメラです。
コパルスクエアは後の実績でもわかるとおりに
非常に堅牢で安定した動きをするシャッターユニットです。

お預かりしている「コニカFS」は
シャッター羽根の汚れ等で若干シャッター羽根の動きに
不安定さがあるものの何とかシャッターは動作しているような状態です。
ただ、それ以外の巻上やミラー駆動部、特にミラーチャージ機構に
動作不良が見られたまに巻き上げられなくなったり
シャッターが切れなくなったりと
動作がかなり不安定な状態です。
ただ何かが破損してるわけではなく
経年劣化や汚れ・油切れで動きの悪い部分の多くなってきている状態なので
各部品が通常のバネ力でスムーズに動作できるように
整備を行えば問題なく快適に使える状態になるかと思われます。

まだ取り掛かったばかりの状態での画像ですが
これからミラーボックス等も分離し本格的に整備を行っていきます。
底板の裏にも大きなモルトが貼ってあった跡があり
当然、劣化してボロボロな状況です。
シャッターユニット下側からの光漏れを防ぐためのものですが
ここ以外にもコニカFシリーズは
シャッターユニット周り、ファインダースクリーン周りに
内部モルトを多用しています。
もちろん今回全て劣化モルトは除去し
新しいものを貼っていきますが
このモルト屑が内部のあちこちに入り込んで動作不良の原因になります。
分解時に通常以上に隅々までチェックした上で
入念に清掃を行っていきます。
コニカFSはコパルスクエアらしくシャッターの作動音は
それなりに大きいのですがその音質がちょっとしっとり目で
なかなか魅力的なのですね。
そのあたりも快適に楽しめるようにしっかり仕上げていきたいと思います。

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