オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「建国記念日」で「わんこそばの日」ですが
個人的には2月11日といえば
私自身の「脳梗塞(延髄梗塞)記念日」ですねぇ(苦笑)
今日で発症から丸3年が経過しました。
個人的な話で恐縮なのですが少しだけ…
細かいことを言えばいろいろな障害がまだ残っていますが
大きなものは相変わらずの歩行時のふらつき(バランス障害)と
左顔面・首下右半身の感覚麻痺(温痛覚麻痺)ですね
それでも1年前と比べると
毎日のリハビリの効果もあってか
少しずつはよくなっています。
発症直後~退院直後の頃は杖なしでは
室内さえまともに歩けないし
左目は複視や霧視が酷くて使い物にならないし
右手も動かしにくいしで
「あーこりゃ何もかも普通の生活は終わったかー」と思いましたが
今では何とかかんとか普通の生活ができていることに感謝です。
ただまだまだ油断はできなくて
先日も脳MRIを撮って画像を見せてもらったのですが
梗塞の原因となった血管は反対側の正常な血管に比べて
明らかに細く画像上でも頼りなくて
ちょっとしたことでまたすぐに詰まるんじゃないかという状態でした…
日々の血圧や血糖値、水分補給には細心の注意が必要です。
もう再発だけは勘弁してほしいですねぇ…
日々の生活から気をつけます!

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
世界的にも非常にめずらしいハーフ判一眼レフですね!
ただ単純に通常の35mm判一眼レフがハーフ判になっただけではなく
ロータリーシャッターや
ペンFでしか見られないファインダー経路と構造
その独特のスタイリング等
ハーフ判ならではの一眼レフになるように独自の工夫が隅々まで
凝らされたカメラです。
ハーフ判云々というよりもこの機械的構造だけでも
1台手元に持っておきたいと思うほどの魅力にあふれたカメラです。
特に露出計レスの「ペンF」はよりオリジナリティに溢れていて
その軽快なダブルストロークの巻上も非常に心地よいカメラです。
私も個人的に1台
それなりのコンディションのモノを持っておこうと思い
所持していたのですが部品取りに困ったときに
一部を使ってしまったりして
今や普通に使える状態ではないのですよねぇ(苦笑)
またそのうちに自分のも整備しておきたいですね

お預かりしている「ペンF」は
まずレンズを付けてシャッターを切るとミラーアップしたまま
シャッターが切れずに固着してしまいます。
レンズを外してミラーを少し指で押し上げてやると
何とかシャッターは切れ
そのままレンズを付けてない状態だとそれ以降もシャッターは普通に切れます。
このパターンだとレンズ側の絞りが粘っていて
絞り込むのに大きな力を必要とするため
カメラ側が固まってしまうという事例も多いのですが
今回の場合はレンズ側の絞りには何の問題もありません。
非常に軽い力で絞り動作は可能な状態です。
今回の場合はボディ側の絞込レバーの動作不良の為
レバーにわずかな負荷がかかっただけで
シャッターをスタートさせるレバーを蹴れなくなることが原因のようです。

…絞込レバー周りとミラー駆動部の動作改善を行わば
後は通常の整備で完了かな…と分解を進めていったのですが
表面的に不具合は出ていなくてもシャッターユニット周りに
かなり罠が仕掛けられていました(苦笑)
以前に分解された経歴があるらしく
シャッターユニットの留めネジに
ネジロック代わりと思われる大量のゴム系接着剤が盛り塗られていました。
当然そんなとこに大量の接着剤を使うと
シャッター羽根経路にも接着剤は入り込んでおり
さらに幕軸のネジもグラグラで
よくこれでまぁとりあえずはシャッターが動いていたものだと思うほどでした。
当然、不要な接着剤は全て除去し
シャッターユニットは念入りに根本的な部分から整備しなおしました。
まだ重篤な破損等のダメージがなかっただけ良かったのですが…
もう少し言えば外装等の組み立てもおかしなところが何か所かあり
明らかに知識のない方の再組立てと思える分解痕でした…困ったものです。

現在、一通りの整備を終えて少し油やグリスが馴染むまで
様子見をしている段階です。
シャッター、巻上、ミラー駆動、どこも非常に快調に動作しています。
花文字のレンズキャップ、カッコいいですよね
今はこのレンズキャップも単独で手に入れようとすると
結構なお値段がするのですよねぇ
「ペンF」の場合はボディ側にも金の花文字が入っているのが
また何ともカッコ良いですよね!
それにしてもこの上面がフラットでレンズがオフセットされた
独特のスタイリングは何とも言えず魅力的です。
この後、最終的なテストを行ってもんだいなければ完成となります!

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