キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「お香の日」だそうですよ。
日付の由来は『日本書紀』に
日本のお香についての最初の記録として
「推古天皇3年(595年)の夏4月、
淡路島に沈水(じんすい:香木のこと)が漂着した」との記述があることと、「香」の字は「一十八日」と読み分けられることからだそうです。
お香って本当に古くからあるのですねぇ…
一時期はすごくお香にハマった時期があって
帰宅したらすぐにお香に火をつけていたものです。
今でも少しは常備していて
たまに寝る前のひとときに
お香を焚いて香りを楽しんでいます。
今は本当にいろいろな香りのお香が簡単に手に入りますし
お香を売っているお店とかに行くと
本当に目移りしてなかなか買うものが決まりません。
オシャレな香りのお香ももちろん好きだし良いのですが
仏さまにあげるお線香の香りも最近好きなんですよねぇ
実家では朝夕、お線香をあげていたから
家の中に常にほんのり線香の香りがしているのが日常だったのですが
今、お仏壇はないけど自分の部屋で線香炊いていると
何だか懐かしい気分になって落ち着くのです
あ、そうだ、GWは墓参りに行ってゆっくりお線香あげてこなくては…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラでTTL・AE時代の幕開けとなった
記念碑的カメラです。
「キヤノンAシリーズ」の最初のカメラでもあり
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラでもあります。
いろんな意味で時代のターニングポイントとなったカメラです。
スペックだけを見ると一番のセールスポイントでもある
「シャッタースピード優先オート」は既に登場していた技術ですし
シャッターの最高速は横走り機としては標準的な1/1000
スローも2秒までとそれほど目新しくは写らないのですが
中身の機構はそれまでのカメラとは全く異なり進歩していて
従来モデルとなるSS優先機「キヤノンEF」と比べて
部品点数を約300点削減し、生産の効率化を進めています。
当然そのあたりの影響は価格に反映し
一眼レフの効率化についていけなくなった中堅メーカーに
引導を渡したカメラと言われることもあるようです。
「AE-1」の「AE」は自動露出「Automatic Exposure Contorol」の意味ではなく
「Total Automatic System By Electronic SLR Camera」の意味を持ち
「1」は電子カメラにおける頂点を表すそうです。
販売的にもまさにトップに君臨する活躍でした。

電子制御カメラということで
メンテナンスに不安がある部分もないことはないですが
電子回路内のトラブルはかなり少ないほうだと思います。
ただ電気的接点や配線の経年劣化によるトラブルは
それなりにありそのあたりがトラブルと
なかなか原因が見つけにくく修理が困難なことが
多いカメラではあります。
加えて後の電子制御機に比べれば
まだまだアナログな部分も意外と多く
それがまた整備性を難しくしている部分もあります。
簡単に言うと「何か起こるとちょっと難しいカメラ」です。

Aシリーズを通して共通で有名なトラブルといえば
「シャッター鳴き」ですがこれは単なるミラー駆動部ギアの
油切れなので該当箇所が把握できていて
そこへの正しいアクセスがわかっていれば難しい問題ではありません。
今回お預かりの個体も「シャッター鳴き」が起こっています。
もちろん整備は必要ですが
そこは大きな問題ではありません。
今回の「AE-1」は電源も入ってシャッターも動作してるのですが
SSをどこに設定しても同じ速度でシャッターが切れてしまいます。
一部の他のカメラであるように機械制御のSSを持ってはいないカメラなので
シャッターは電気的に動作しているのですが
SS制御ができない状態です。後幕制御のマグネットが全く
効いていないような状態です。
単純にマグネット吸着面の汚れ等ではないと思われます。
いろいろ調べてみないと何とも言えませんが
トラブルの原因によっては修理が難しい可能性があります。

機械的な整備を行いつつ、電気的にどこまで正しく
動作しているかを入念に調べていきます。
おそらく後幕制御のマグネット周りでの
トラブルかとは思います。
まだ断言まではできませんが
おそらく何とかなるとは思います。
これから慎重に原因を確認して
修理を行っていきます。

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