日別アーカイブ: 2024年4月13日

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「喫茶店の日」だそうですよ。
1888(明治21)年のこの日に
東京・上野に日本初の本格的なコーヒー喫茶店
「可否茶館(かひいさかん)」が開店したことに由来しています。
1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建ての洋館で
1階ではビリヤードの他、トランプや囲碁、
将棋などをすることができたそうです。
当時、コーヒーは明治の文明開化に花を添えるハイカラな飲み物として
特権階級の人々の間で人気があったのだそうです。
「可否茶館」では、もりそば1杯1銭の時代に
コーヒーが1銭5厘、牛乳入りコーヒーが2銭で
さらに席料が1銭5厘もしたそうです。
値段が高すぎたこともあり「可否茶館」は
3年もたずに閉店してしまったのだそうです。
最近は昔ながらの喫茶店も数が少なくなっていると思いますが
私も喫茶店に立ち寄ることはほとんどなくなりましたねぇ
もちろんコーヒーやカフェは嫌いではないですし
むしろ大好きなのですが…
一番、喫茶店を良く利用していたのは
おそらく高校生の頃じゃないかと…ほぼ毎日立ち寄ってた気がします。
友達と話しこむのにも待ち合わせするにしても
ちょっとした空き時間を潰すのにも便利だったのですよねぇ
それほどお高くなかった気がしますし
(確か当時コーヒー1杯250円とか300円???)
たまには喫茶店でゆっくりコーヒーでも飲んで
ゆったりした時間の使い方を楽しみたいものです。

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒットした「SP」のモデルチェンジ版で
先行発売されていた「SMCタクマーレンズ群」との組み合わせで
開放測光に対応したカメラです。
レンズ側に絞り値を伝達するレバーを設け
ボディ側にもそれにリンクするレバーが追加になっています。
これによって設定絞り値の伝達が可能になり
開放測光が実現したのですが
SMCタクマーレンズはシンプルなM42マウントから
1歩踏み出したものとなっています。
従来のM42マウントの「スーパータクマーレンズ群」使用時には
それまでの「SP」同様に絞り込み測光で対応可能です。
絞り込みSWもSP同様にマウント脇にあるのですが
「SP」では絞り込み+露出計SWオンでしたが
「SPF」では露出計SWはここにはありません。
というよりSWとして露出計on/offされるわけではなく
「フォトスイッチ」という新機構で
レンズキャップをすれば露出計がオフになるという構造になっています。
正確に言うと露出計制御用とは別個に受光体CDSが
接眼レンズ上部に配置されていて
ここに光があたらないと露出計がオフになるという仕組みです。
露出計関連以外のシャッターや巻上、ミラー駆動部等は
ほぼSPと同様です。熟成された造りは安定性・堅牢性に優れており
マウントが変更された次期Kシリーズにおいても
マウント以外ほぼそのままの機構で「KM」に引き継がれています。

機械的駆動部はほぼ「SP」と同様ということで
登場から50年以上経過した現在
「SPF」でも「SP」と同じようなトラブルに見舞われている
個体が多いようです。
今回お預かりしている「SPF」でも
「SP」でよくある…というよりこの種の
横橋りシャッター機では定番の
「ミラーアップ」したまま固着していまう…とういった症状が出ています。
いつも書きますが原因はミラー駆動部の動作不良というよりは
シャッター後幕の走行不良が主な原因で
きっちり最後まで走りきらないためミラーダウンレバーを
勢いよく蹴れないといったことが原因です。
シャッター走行不良なのでもちろんシャッタースピードの精度も出ておらず
幕軸や調速カム周りの整備を行い走行をスムーズにしたうえで
調整が必要な状態です。
加えて露出計も問題を抱えていて電池をセットすると
明るさに関係なく指針が上に振り切ってしまうような状態です。
SPFの露出計は他カメラとは異なり少々変わった構造です
通常は単なる電流計を置き換えて露出計に仕立てていることが多く
そのため電源オフ時は上端か下端に指針があってオンになると
指針が動く…といったパターンなのですが
SPFの場合は電源オフ時には指針はほぼ真ん中に位置し
電源オンになると光を受けたCDS側からの電流と
SS・絞り情報で調整されたダイヤル側からの電流で
引っ張り合うような構造になっています。
そのためどちらかからの電流が断線等により届ない事態になると
今回のようにどちらかに振り切った状態になってしまいます。
これ意外と断線や接触不良の原因を見つけ出すのが大変なのです。

まだ取り掛かったばかりですが
まずは分解を進めて機械的駆動部から
一通りの整備を行っていきます。
露出計不調に関しては分解整備と並行して
テスターでひとつひとつ確認しながら
原因を探っていきます。
それなりに時間はかかりますが
だいたいよく原因となる箇所はわかってはいるので
そのあたりを中心に調べて対処していきます。

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