日別アーカイブ: 2024年4月26日

リコーオートハーフSのカメラ修理

今日は「わらびもちの日」だそうですよ。
ワラビの旬が始まるのが4月で
「わらびもち」の特徴の「ぷるぷる」感から
「ぷ(2)る(6)」と読む語呂合わせで
4月26日を記念日としたものだそうです。
軽く冷やして食べると日によっては
暑さも感じるこの季節にちょうど良いですよねぇ
ひんやりぷるぷるした食感がたまりませんねぇ
そんなに無茶苦茶大好物というわけではありませんが
昔から馴染みのある食べ物ですし
見かけると食べたくなってしまいます。
少し調べてみると
「わらびもち」は醍醐天皇(在位:897年から930年)が
好んだとされるほど古くからあるお菓子なのですね!
わらび粉はワラビの地下茎から得られるデンプンですが
高価なので芋、タピオカ、葛(クズ)などの
デンプンを混ぜたものを用いる場合も多いのだそうです。
そんなに高級なものでなくても良いので
ひんやりぷるぷるの食感がやたら味わいたくなってきました。
今日も4月とは思えないほど暑いですものねぇ
近所のスーパーにないかなぁ…あとでちょっと行ってきます!(笑

さてさて

本日は「リコーオートハーフS」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンと並んでハーフカメラを代表するカメラですね。
オートハーフはハーフカメラならではのコンパクトさもさることながら
できる限りの「自動化」を組み込んだカメラでもあります。
とにかく「簡単に撮れること」を追求したカメラなのですね。
露出はセレン光電池を使用する露出計と連動して
プログラムオートとして
ピントは固定焦点でピント合わせも不要
極めつけはゼンマイ仕掛けの自動巻上です。
撮影者が行うことは構図を決めてシャッターボタンを押すだけです。
1960年代に電池を一切使わずにこれだけの機能を搭載しているのは
本当にすごいと思います。
今回お預かりしている「S」はセルフタイマーが装備されているので
「S」なわけですが内部機構もも直され
シャッターボタンがボディ上部に移動しています。
ボディ前面もアルマイト板とされ
このモデルからよくみかける「オートハーフ」の形になっています。
1965年発売です。

お預かりしている「S」はまずシャッターが固着して動作しない状態でした。
それに加えてシャッターが切れないので
試しにセルフタイマーもチャージしたのだと思われますが
そのセルフタイマーも固着してチャージ状態で固まってしまっています。
他、大量にフィルム室裏ブタ部に使用されているモルトは
やはりボロボロに劣化していて
ファインダー、レンズも曇っている状態です。
いずれにしてもそのままでは全く使えない状態で
当店にやってきました。

画像は一通り整備が完了した状態でのモノです。
シャッターは快調に動作するようになり
セレンもしっかり起電して露出計も元気に動作しています。
連動して制御されるプログラムオートも
精度的にも全く問題ない状態になっています。
レンズもファインダーもできる限りの清掃を行い
元々あった多少の細かい傷やわずかなカビ跡はございますが
実際の撮影にはほぼ影響ないレベルです。

レンズシャッター機はもともと非常に小さなバネの力で
シャッター羽根を駆動していて
汚れや油分が羽根や駆動部に付着することで
固着や動作不良が起こりやすいものですが
オートハーフのシャッターは通常のレンズシャッタより
さらに小さな力で繊細な羽根を駆動しているので
ほんのわずかな油分や汚れの付着で簡単にしゃったーが固着します。
登場から60年近く経った状態でそのままで
普通に動くほうがおかしいと思えるほどの
デリケートさを持ち合わせています。
ただし構造自体はシンプルなのでしっかり清掃整備すれば
機械的な動き自体は取り戻せると思います。
ただセレンに関しては状態によってはなかなか難しいモノがありますが…

今回は全く問題なく撮影に使える状態になりました。
これから最終チェックを入念に行って
問題なければ完成となります。

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