ニコマートFTnのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が冷気によって
霜(しも)となって降り始める頃なので「霜降」とされています。
楓(カエデ)や蔦(ツタ)、躑躅(ツツジ)
、漆(ウルシ)、銀杏(イチョウ)などが
紅葉または黄葉し始める頃で
また、朝夕の気温が下がり冬の近付きを感じる頃でもあります。
この日から「立冬」までの間に吹く寒い北風を
「木枯らし(凩:こがらし)」と呼びます。
気圧配置が西高東低の冬型で
最大風速8m/s以上の北風など条件はさらに複雑ですが
関東地方(東京)と近畿地方(大阪)において
毎秋最初の木枯らしを「木枯らし一号」として気象庁より発表されています。
昨日、一昨日は12月並みの寒さで
いきなり「立冬」が来たのかと思いましたが
今日からはしばらく暖かいようですね。
晩秋のキリッとした張りつめた空気はいいですね。
何だか気持ちが引き締まる気がします。

さてさて

本日は「ニコマートFTn」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。
前モデルは初のニコマートとなる「ニコマートFT」ですが
「FT」をベースに開放F値補正操作が搭載され
(いわゆるニコンのガチャガチャ)
レンズ交換の際に必要な開放F値設定が
絞りリングを往復させるだけでセットされるようになりました。
ちなみにニコマート系ではこの絞り値セットが
動作不良になっている場合も割と多いので
ヒサビサに動かく個体はガチャガチャした後に
マウント横のF値設定が正しいかどうかを
確認することをお勧めします。
他、ファインダー内に設定SS表示がされるようになり
測光方式も平均測光から
中央部重点測光に変更されています。
基本的な構造やシャッターは「FT」から変更ないのですが
かなり使い勝手が良くなったカメラです。
ニコマートシリーズ中、最も売れたカメラで
現存台数も非常に多く現在でも人気のカメラです。

お預かりしている「ニコマートFTn」は
これもかなり長い間、使われずに眠っていたカメラだと思われます。
それでもシャッターや巻上は精度はともかくとしても
大きな問題なく動作はできています。
さすがニコマート&コパルスクエアですね。
ただし動きはあまりスムーズではなく
巻上等に油切れの兆候が見られます。
高速シャッターの精度も内部の汚れのせいだと思われますが
開いてはいるものの精度はよろしくありません。
露出計も何とか動作はするものの
マイラー抵抗やSW部の汚れが原因と思われますが
かなり動きが不安定です。
ファインダー内部や装着されている50mmレンズには
かなりのカビが発生していて
使われているモルトはもちろん全滅です。
気持ちよく使うためにも全体の入念な整備清掃調整が必要です。

中級機とはいえこの時代のカメラなので
定期的に分解整備を行いながら
長く使われることを考えられているカメラで
整備性は非常によく各動作部にも
調整箇所が多くあり
よく考え抜かれた造りになっています。
この時代のニコンらしい質実剛健なカメラです。

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キヤノンFXのカメラ修理

今日は「頭髪の日」だそうですよ。
「とう(10)はつ(20)」(頭髪)と読む語呂合わせからで
毎月18日も「とう(10)はつ(8)」(頭髪)と読む語呂合わせで
同じく「頭髪の日」となっているそうです。
関連して「ヘアブラシの日」でもあるようです。
中学生や高校生の頃は髪ばかり
四六時中気にしてましたねぇ(苦笑)
髪型決まったからってたいしたことなかったのに…
手鏡と小さなヘアブラシは
常に制服のポケットの中に入ってましたし
高校生になると背伸びして美容院に行って
髪立たせるために根元パーマして
ヘアマニキュアとか入れましたねぇ…
これもたいして変わらんのに(笑
まぁ思春期だからしょうがないですね
それに比べると今は気にしなさすぎでマズいですね…(苦笑
さすがに白髪が増えてきてこれは気になるので
白髪染めだけは自分でしていますがそのくらいです。
いつまで頭髪があるかも怪しいので
もう少し気にかけて
大事に付き合っていきたいと思います…

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
数多くの名機を生み出した
「キヤノンFシリーズ」の初代機です。
FLマウントの1号機ともいえますね。
1964年発売のカメラです。
後に出てくるFDマウントの「F-1」や「FTb」も
巻上やシャッター駆動部等の機械的部分は
この「FX」がベースになっています。
前シリーズの「Rシリーズ」であまり成功したとは言えなかった
キヤノンが巻き返しを図る1歩目となるカメラです。
マウントはFLマウントですが後のFDマウントは
開放測光に対応するためなので
レンズ装着自体はFLマウントも
FDマウントも互換性があります。
露出計が内蔵されますがまだTTLではなく
外光式で巻き戻し側の肩部分に受光窓があります。
High/Lowの感度切り替えが可能です。
シャッタースピードダイヤル連動の露出計指示を見て
絞りを合わせる方式です。

お預かりしている「FX」は
今回もかなり長い間使われずに
しまい込まれていたものと思われます。
保存環境もあまりよくなかったようで
外装にも錆びや緑青が見られます。
電池室には当時の水銀電池が入ったままで
電池室蓋もかなり強烈に固着しています。
シャッターはとりあえず切れますが
レリーズするとミラーがゆっくり上がろうとして
途中で止まってしまいます。
指で押してやると何とかミラーアップして
シャッターが切れるような状態です。
シャッター音も明らかに油切れの耳障りな音がして
巻上も油切れでギシギシしている感じです。
不思議なことにこの状況でも
「FX」の大半で発生しているプリズム腐食が
あまり進んでいません。
「FX」のプリズム腐食は「FT」や「FTb」のように
プリズム抑えのモルトに起因するものではなく
(プリズム抑えにはコルクが使われています)
蒸着の劣化が原因ですが
8割がた以上の個体で視野の大半を邪魔する
腐食が見られます。
今回の「FX」は今のところ
わずかな点腐食のみにとどまっています。
個体差なのでしょうね。

画像は取り掛かり始めのモノです。
露出計指針表示の窓に絞り値表示板があり
これがシャッターダイヤルに連動して動くのですが
シャッターダイヤルを回しても
表示板が動きません…
「これは…まぁそうだろうな…」とは思いましたが
上カバーを開けてみると
シャッターダイヤルと表示板を繋ぐ銅の帯が外れてしまっていました。
連結は単純にハンダ付けで行われているので
ハンダの劣化で外れることがまれにあります。
帯自体は切れていないのが不幸中の幸いでした。
機械的駆動部のいたるところに動作不良が見られる状態ですが
入念に分解整備を行っていきます。
何かが破損してるわけではないので
キチンと清掃整備調整すれば
問題なく気持ちよく使える状態に仕上がると思います。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「洗濯を楽しむ日」だそうですよ。
10月19日を「1019」として
「せん(1000)とく(19)=たく」(洗濯)と読む
語呂合わせからだそうです。
なかなか強引ですね(笑
秋晴れの季節であり
気温・湿度ともに洗濯日和になりやすいこの時期に
単なる家事労働の軽減ではなく
積極的に「洗濯・乾燥」などを楽しめる日とするのが目的だそうです。
今年はいまだになかなかこの季節らしい
スキッとした秋晴れにならないのですが
日頃なかなか洗えない大物とか
この気候の良い季節にキレイに洗濯するのはいいですね!
私も思い出してみると「あぁ、あれこもこれも…」とか
普段着る服とか以外でそろそろ洗濯したいものが
それなりにあるのですが
気になり始めるとキリがないので
あまり思い出さないようにしています…(苦笑)
いや、そうじゃなくて…こういうときに思い出したものは
すぐに実行に移さないとダメですね!(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
修理依頼の多いカメラでこのブログにも頻繁に登場します。
他に同じようなカメラがない「孤高のハーフ判一眼レフ」です。
ハーフ判一眼レフ機自体は他にも存在しますが
既存の35mm判一眼レフの流用ではなく
ハーフ判であることを最大限に活用する
専用設計であるものは「ペンFシリーズ」だけかと思います。
いつも書いているので割愛しますが
内部構造も他のカメラでは見ることのできない独特なもので
これだけでも1台手元に置いておきたくなるような衝動に駆られます。
構造が独特すぎて経年劣化とともに
多少手のかかるカメラではありますが
それ以上に魅力に溢れたカメラだと思います。

お預かりしている「ペンF」は
定番ともいえる「ミラーアップしたまま固着してしまう」という症状です。
いつものミラー駆動部の動作不良もありますが
発生時のパターンがある程度決まっていて
「スローシャッター時にガバナが粘ってSSが遅くなってしまうと
ほぼ100%、ミラーアップになってしまう」という状態です。
ミラー駆動部の動作不良ももちろんありますが
ガバナの粘りも大きな要因になっています。
「ペンF」のガバナーはスローシャッターだけではなく
最高速1/500以外のすべてのSS制御を行っている部分なので
ここに動作不良があるとほぼ全速に悪影響が出てしまいます。
このガバナ関連のトラブルも「ペンF」で多いパターンです。

独特な構造が多いので動きや部品の役割を
しっかり理解しておく必要がありますが
そのあたりがわかっていれば整備性は非常に良好です。
ミラーボックス分離もこの後に行う
シャッターユニットも分離も比較的簡単に行えます。
ただ、ちょっとした汚れや潤滑不足で
動作不良に陥りやすいカメラなので
隅々まで入念に清掃整備調整を行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「貯蓄の日」だそうですよ。
宮中祭祀の一つで、五穀豊穣の感謝祭である
「神嘗祭(かんなめさい)」の日にちなんで10月17日なのだそうです。
神嘗祭は、天皇がその年の新米を
伊勢神宮に供える祭事だでそうです。
貯蓄ですか…そりゃ何が起こるわからないから
ある程度の貯蓄はそりゃ必要ですよねぇ
しがない個人事業主の私だと
不安定な部分が大きいからなおさらなのですが…
それがなかなかそう簡単にたまるわけもなく…(苦笑)
自然法則に従って自分で自分のエサが
取れなくなったらそこまでだと開き直ってがんばります!
私には縁がないですが現在は貯蓄って言っても
いろいろ難しそうですよね
単純に現金貯めこんでても
時間ととともに目減りしていく一方ですし
…そういう次元で悩んでみたいものですねぇ…(笑

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
当時のキャッチフレーズは「シンプル・ニコン」です。
ニコマートEL系の後継機にあたるカメラです。
電子制御シャッターを搭載し
その副産物で絞り優先オート露出を装備します。
この時代のニコンなので
電子制御機といえど電池ナシで駆動するメカニカル1/90シャッターと
同様に電池を必要としないBシャッターを備えます。
ファインダー情報の充実したカメラで
二針で追針式の露出計を備え、設定絞り情報も直読できるため
マニュアル時にもファインダー内だけで露出設定が可能です。
オート時にも露出設定が非常にわかりやすく
意図のある露出設定を行う際に非常に使いやすいカメラです。
ボディサイズもめちゃくちゃコンパクトなわけではないですが
取り回しのしやすいサイズ感で
端正なデザインも飽きのこないもので
万能的に使えるカメラだと思います。

お預かりしている「FE」は
かなり長い間使われずにしまい込まれていた個体だと思われます。
全体的な汚れもそうですがモルト類は当然のように全滅で
巻上の動きに少々固着している部分があり
たまに巻上が引っかかることがあるようです。
そして電制御機の肝であるマグネット吸着部にも
汚れが溜まっているようで
たまにスローシャッターのはずなのに高速でカシャンと
切れてしまうことがあるようです。
当然ながら細かいシャッタースピード精度も不安定です。
電子制御機ということで電子回路関連のトラブルが
心配されますがそのあたりは問題ないようです。
もちろん電気的な再調整はそれなりに必要な状態です。
FEは電子回路自体の致命的なトラブルは
粗悪な分解品以外ではそうそう発生しないなので
そのあたりは比較的安心なカメラです。

画像は取り掛かり始めの段階ですが
これから分解を進め機械的な整備及び
マグネット吸着部の清掃や各接点の清掃を
入念に行っていきます。
いつもの接眼レンズ下の座布団モルトがボロボロになっているのが
写っていますがもちろん内部モルトもすべて交換していきます。
長期に渡る電池のいれっぱなしとかはなかったと思われるので
電池室や配線のダメージはほとんどない模様です。
隅々までチェックしつつ清掃整備調整を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「きのこの日」だそうですよ。
10月は「きのこ」の需要が高まる月で
その月の真ん中の15日が落ち着いて消費者に
きのこのことをアピールしやすいと選ばれたそうです。
お高いキノコ類、マツタケやホンシメジとかも
もちろん美味しいですがお手軽に食べられるキノコ類も
美味しいものばかりですよねぇ…
脳の活性化に効果があると数年前に聞いて
なるべく積極的に口にするようにしています。
これから鍋の季節になって具剤としても需要が高まりますね。
子供の頃はシイタケがかなり苦手だったのですが
大人になってからは大好物にもなりました。
鍋に入れても焼いても美味しいですよねぇ…
来月になればそろそろ広島牡蠣も出回り始めますし
お鍋が楽しみな季節到来ですね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
やはり今月もコンスタントにOM-1の修理が入っています。
さすが現在でも人気の一眼レフです。
やはり軽量コンパクトで持ち歩きやすい…というのは強いですね。
私も昔はでっかくて重いカメラを提げて歩くのも
全然苦にならなかったですし
むしろ積極的に大きく思いカメラを使っていた時期がありましたが
もうあまり大きなのは無理ですね…(苦笑)
それぞれに良さがあって魅力ではあるのですが
小さいものが取り回しく使いやすいというのも事実です。

お預かりしている「OM-1」は
やはりかなり長い間、使われずにしまい込まれていた個体のようで
ファインダーや装着されているレンズに盛大に
カビが発生しています。ファインダーはそのせいで
相当曇って見えることに加えていつものプリズム腐食です。
ただ、保管自体は大切にしまっていたと思われ
電池もキチンと抜いてあり電池室に腐食等のダメージはありません。
でも露出計は電池を入れても不動です。
他、高速シャッター不調、スロー粘り等
長く動かしていないと出やすい症状が一通りある感じです。

原因が最初イマイチわからなかったのが露出計不動の件で
SWまでしっかり導通はありSW自体にも問題はなさそうです。
露出計本体の断線か…とも思い
露出計に直接電圧を変えると指針は元気よく動きます…
…となると…もう原因はかなり限定されます…
「OM-1」の露出計はSSや絞り設定によって
メーター本体を回転させることで
ファインダー内で指針が動いているように見せています。
指針自体を動かすのはCDSから明るさに対する抵抗のみです。
CDSのトラブルはOM-1では考えにくいので
メーター本体を観察しながらSSや絞り連動部を動かしていくと
本来なら少しずつ回転するメーターが全く動きません。
原因はこれですね。
試しに強制的にある程度メーターを回転しさせた状態で
電圧をかけると指針は元気に動きました。
マウント部からの連動糸が一部外れていて
メーターと連動しない状態になっていました。
たまにこの連動糸のトラブルはOM-1である症状です。
切れていない分だけ不幸中の幸いでした。
原因がはっきりわかったところで
修理を含む整備一式を行っていきます。

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ミノルタハイマチック11のカメラ修理

今日は「引っ越しの日」だそうですよ。
1868(明治元)年のこの日に
明治天皇が京都御所から
江戸城(現在の皇居)に入城されたことが由来となっています。
数千人と共に京都から東京へ向かい
その道中では沿道の民衆に金品を配るなど華々しく行われたそうです。
これに伴い、日本の首都は京都から東京に移され
これを東京奠都(とうきょうてんと)と呼びます。
引っ越しをすることで身の回りの環境が一新されるのは
何とも新鮮でいいですね。
若い頃は割と気軽に引っ越しを計画して実行しましたが
今はなかなかいろいろな事情もあり
そう簡単にはできなくなりました。
「もう面倒くさい…」というのもありますが…(苦笑)
でもたまに
「ここに引っ越してこんな生活できたら楽しいかな…」とかで
やたらと不動産サイトと地図とにらめっこしてしまいます。
で。結局のところ「先立つものがない…」と
イメージ遊びだけで終わるのですが…(苦笑)
もし次に引っ越すことがあれば
きっとそれは最後の引っ越しでしょうねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック11」のカメラ修理を行っています。
1969年発売のカメラです。
「ハイマチック7」からの基本構造を引き継ぐ
少し大柄な前期ハイマチックのカメラとしては
最後のモデルとなります。
これ以降は中身も一新され時代の流れを反映した
小型のコンパクトカメラへと変化していきます。
レンズは大口径のロッコール45mmF1.7を搭載します。
シャッターはセイコーALAへと変更され
プログラムオート露出とシャッタースピード優先オートとなります。
SS優先が搭載されたことによりマニュアル露出は省かれています。

お預かりしている「11」はかなり長い間
使われずに眠っていたようで
ファインダーはかなり汚れやカビで曇っていて
レンズにも盛大にカビが生えています。
シャッターはとりあえずは動作していますが
肝心の露出計が電池を入れても全く動きません。
「11」ではマニュアル露出が省略されているため
まずは露出計が動いてくれないと
シャッターがとりあえず動ていても
通常の撮影は行えません。
光学系の入念な清掃整備と
露出計の修理をまずは行っていきます。
もちろんシャッターユニット等の通常整備も
並行して行っていきます。

最初に書いたように「7」からの流れを汲むカメラなので
基本的な構造は「7」や「9」とあまり変わりません。
整備性は内部のスペースに余裕があることもあり良好です。
問題の露出計不動ですが
よくあるパターンとしては電池室周りのトラブルですが
電池室は非常にキレイな状態です。
分解してみても電池室裏のハンダや配線にも問題はありません。
テスターをあててみても基盤までキチンと導通しています。
この時点でもうわかってはいますが
とりあえず露出計本体に直接電流を流してみます。
予想通り…露出計は全く動きません。
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
メーター内を弄繰り回すのは最後の手段で
幸いなことに部品取りに中古良品があるので
それと交換することで対処します。
このタイプのカメラは露出計本体の交換が大変なモノも多いのですが
その点もハイマチック前期は比較的容易です。
キャノネットの前期モデル等もそうですが
やはり内部にある程度の余裕があるのは正義ですね。

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ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「ウィンクの日」だそうですよ。
「10」と「11」を横に倒して見ると
ウィンクをしているように見えることからだそうです。
目のぱっちりした人がキレイにウィンクを決めると
絵になりますよねぇ…
私の場合、目が細い上にキレイにウィンクできないので
「両目つむっとるん?」と笑われます(笑)
左目だけを閉じることはできるのですが
右目だけを閉じることが昔からできません。
過去何度か思い立って練習したことがあるのですが
これもうまくいきませんねぇ…
これもまったく不便を感じるわけではないのですが…
おまけに効き目が左なので右は閉じても閉じなくても
左メインで見ることはできます。
でもキレイにウィンクを決められるようにはなってみたかった気が…
多分今できるようになったら
あらゆるシチュエーションで乱発します(笑
気持ち悪いといわれそうですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
1960年発売のレンズ固定レンズシャッター機です。
搭載するレンズはヤシノン4.5cmF2.8
(4.5cmF1.9搭載モデルも存在します)
非連動のセレン光電池使用の露出計を内蔵します。
シャッターはコパルSVLでB・1s~1/500をカバーします。
このシャッターはこの時代多かったいわゆる「LV方式」で
露出LVリングを回すと連動して絞りリングが回ります。
非連動の露出計もLV表示でLVリングを回して
露出を設定する…という考え方です。
この時代の他のカメラにも多く存在するLV式ですが
今の普通の感覚でSS・絞りをそれぞれ単独で
合わせようとすると少々使いにくく感じるかもしれません。
慣れてしまえばある程度克服できますが…
このあたりも時代を反映していますね。
比較的ヒットしたモデルで現在でも見かけることの多いカメラです。
機能的には当時の高級機ですので
一通りのことがこなせヤシノンレンズの写りも秀逸です。
当店にもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ちなみにミニスターの「スター」は星ではなく
「MINISTER」なのですね。(割と最近知りました(苦笑))
意味は大臣、公使、聖職者、牧師…等なのだそうです。
そういわれるとなんだか偉そうなカメラに見えてきました(笑)

お預かりしている「ミニスター」は
いくつか大きな問題を抱えてしまっています。
まずはレンズシャッター機定番のシャッター羽根の粘り
当然ながら絞り羽根も粘っていますが
粘った状態で無理に動かしたことがあると思われ
羽根の一部が外れてしまっています。
絞り込んでいくと絞りの形が歪になってしまいます。
加えてセルフタイマーもかなり強烈に固着してしまっているようです。
スローガバナーも固着です。
ファインダーを覗くと曇りやカビもそれなりに酷いのですが
距離計二重像やブライトフレームが全く見えません。
映し出すハーフミラーの状態が心配されますが
今回はハーフミラーの問題よりも
ブライトフレームを反射するミラーが
脱落してることが原因のようです。
外れたミラーが二重像の光路もふさいでいて
二重像も見えなくなってしまっているようです。

全体的に修理箇所も多いですが
まずはシャッターユニット周りから修理整備を行っていきます。
露出計が単体で非連動なこともあり
構造的にはシンプルで整備性は良いカメラです。
心配されるセレンの状態は良好で
光に反応して元気よく指針が振れています。
精度的にも大きな問題はなさそうです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

10月10日といえば
世代的にやはり「体育の日」とイメージしてしまいます(苦笑)
そして「秋の大運動会」の日…と連想します。
小学校の頃、本番の1ヶ月以上前から
やたらと入場行進や開閉会式の練習を何度もやるんですよねぇ
あれがめんどくさくてイヤでイヤで…(笑
いまだに悪いイメージ残っています…
でも運動会当日は1日中楽しいのです(笑
次の日は代休だったし…
まぁ旧「体育の日」はさておき
10月10日は「お好み焼きの日」ですね。
広島県広島市西区に本社を置き
お好み焼きの代表的なメーカーとして
「お好みソース」などを製造・販売する
オタフクソース株式会社が制定しています。
お好み焼きを鉄板で焼く音「ジュージュー」を
「1010」と読む語呂合わせからです。
広島帰るたびになんだかんだ一度はお好み焼き食べに行きますね。
ちなみに私は圧倒的「そば派」です。
ソースたっぷりかけてヘラで熱々を食べるのがたまらないです。
そしてめちゃくちゃビールに合うのです。
書いているだけでお好み焼きの口になってしまいます。
また年末に広島帰ったら必ず食べに行きます!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
機械制御で…という縛りをつけると
現在でも軽量コンパクト部門を代表するカメラです。
1972年発売のカメラです。
(発売当初のモデル名は「M-1」)
レンズ一体型のカメラでもハーフカメラでも
より軽量コンパクトに…というのがオリンパス機の特徴ですが
35mm一眼レフ機でもその思想を具現化しています。
特にこの時代の一眼レフは大柄で重いものばかりでしたし
加えてミラーショックやその作動音が大きいものが多かったのです。
OM-1は他メーカーの一眼レフの構造とは
かなり異なるアプローチで設計開発され
当時の他メーカー機とは異次元の小ささでOM-1を発売しました。
さらに特筆すべきはその作動音の小ささです。
ミラー駆動部にも工夫が凝らしてあり
この時代の一眼レフ(特に中級機以下)特有の
大きなミラー音やミラーショックがありません。
それどころかシャッター音は非常に上質で耳障りの良い音です。
そんな特徴もあり「OM-1」は現在でも人気の一眼レフです。
当店でも非常に整備以来の多いカメラです。

お預かりしている「OM-1」は
長らく使われてはいないようですが
保管状態も良く外観も非常にキレイです。
精度はともかくとしても一通りの動作は行えます。
ただし…定番のプリズム腐食が酷く
ファインダー視野下部1/3はモヤモヤだらけで
とてもファインダーを凝視する気にはならない状態です。
いつも書きますがこれの原因は
プリズムと接眼レンズの遮光のために貼られている
モルトプレーンの加水分解を起因とする
プリズム蒸着剥がれです。

ちょっと画像上ではわかりにくいですが
シンクロ端子を支えるステーの下に
ボロボロに劣化したモルトが
挟み込まれているのが写っています。
ここだけではなく他にも使われている内部モルト
そしてフィルム室やミラー受け部のモルト
全て同様に劣化で全滅です。
遮光材として非常に優れたモルトですが
あくまでも消耗品なので定期的に交換しないと
こんなふうになってしまいます。
劣化したモルトはいろいろなトラブルの原因になります。
プリズムは中古良品と交換で対処します。
他、シャッターや露出計の精度に問題を抱えているので
全体の整備一式を行っていきます。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は「道具の日」だそうですよ。
「どう(10)ぐ(9)」(道具)と読む語呂合わせですね。
私も仕事柄、毎日、いろんな道具を使いますが
たとえばドライバーやピンセットひとつを取ってみても
道具の善し悪しで作業効率が驚くほど変わるので
やはり道具は大事ですね。
効率云々のみなら多少のことはまだ良いのですが
下手な道具を無理して使うと
作業そのものを失敗してしまう可能性もあります。
では例えば高級で高価なドライバーが最も良いかというと
またそこが難しいところで
趣味でそれを使うことに
満足感を得るのならともかく
作業道具は結局消耗品なので
コストとのバランスもでてくるのですよね…(苦笑)
ちなみにいくら高級な道具だったとしても
消耗したり劣化した道具を使い続けることは
安物を使い続ける以上に危険です。
高級な道具は長く使い続けられるものもあるので
一概には言えませんが
摩耗や劣化で使いにくくなったものは
早めに見切りをつけて交換することも大事です。
結局、自分のスタイルに合ったものを
自分でいろいろ使って見つけて
それを適切なタイミングで交換やメンテナンスしながら
良い状態で使い続けるのが大事かなと思います。
優先されるは道具ではなくて作業の結果ですものね…
でもよい道具には愛着も湧きますし
長く問題なく使えるものは
しっかり使い込んでいきたいものです。

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
非常にコンパクトなボディに使いやすい機能を詰め込んだ
当時も現在も人気のカメラですね。
「RC」から当時の愛称は「リチャード」でした。
CDS使用の露出計を内蔵し連動して
シャッタースピード優先オートが使用できます。
露出計はオフになりますがマニュアル露出でも使用できます。
その際にオート時にはオート機能が選択する
絞り値をファインダー指針が指しますが
マニュアル時には設定絞りを指針が指し示します。
いずれの場合もSSは設定SSもファインダー内表示されます。
シャッターはB・1/15~1/500をカバーしますが
変わっているのはレンズシャッタ機なのに
シャッターダイヤルは一眼レフ機のように
上カバー上に配置されます。
これは人によっては相当使いやすいと感じるかもしれません。
レンズはコンパクトなE.ズイコー42mmF2.8が搭載されます。
機能やスペックを見ても現在でも人気なのがわかりますね。

お預かりしている「RC」はシャッターは比較的問題なく
動作しているのですが露出計が電池を入れても全く動きません。
よくある電池室の腐食かと思いきや
電池室内の端子は非常にキレイで端子の裏側にも
緑青も全く出ていません。
リング連動のSWにテスターをあてて確認すると
ここまでの導通に問題はなさそうです。
いろいろ確認しながら分解を進めていくと
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
これは露出計本体を中古良品と交換するのが無難ですね。

「RC」の登場翌年に発売された「DC」同様に
露出計は底部に配置される少々変わったレイアウトです。
ここでこの時代定番の指針挟み込み式で
オート機能を制御しています。
このあたりの基本的構造は「RC」も「DC」も同様です。
今回は露出計本体がダメでしたが
挟み込みされ続けているうちに指針が固着してしまって
動けなくなるパターンもよくあるトラブルです。
露出計は載せ替えて露出計位置調整や絞り制御の調整を行います。
その前に先立って
これからシャッタユニット側の整備を行っていきます。
コンパクトなボディながら整備性も悪くないカメラです。

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オリンパスワイドのカメラ修理

今日は「木の日」だそうですよ。
「十」と「八」を組み合わせると
「木」の字になることからだそうです。
身近にある木について知り
木材をおおいに使ってもらおうという日とされています。
木や木材のぬくもりとか質感は
何とも言えず良いですよね
コストの関係上、プラスチック等に
置き換わってしまうものも多いですが
許される範囲で身の回りの家具や資材には
木材のモノを選ぶようにしています。
加工された木材もそうですが
実際に生きている大木も質感とか触感とか
そのたたずまいとか非常にいいですよね…
私の地域だと気軽に行ける範囲に新宿御苑とかが
あったりして色んな大木を観賞することができます
最近はなかなか行けてないのですが
大木のそばで写真とかを取っていると
何と言えずやはり落ち着きます。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラです。
先行する「オリンパス35シリーズ」(V型)をベースに
D.ズイコー35mmF3.5の広角レンズを搭載したモデルです。
当時のレンズ固定式のカメラの多くは
45~50mmのいわゆる標準域のレンズを搭載したものがほとんどで
広角で撮ろうとすると
レンズ交換式の高級機を使うしかない時代でした。
手軽に広角レンズでの撮影が楽しめるということで
大ヒットしたカメラです。
このカメラをきっかけに後の「ワイドカメラブーム」に
繋がっていくことになります。
シャッターはコパルMXでB・1s~1/300をカバーします。
ピント合わせは目測で行います。

お預かりしている「ワイド」は
一番の売りのその広角レンズがかなり曇ってしまっていました。
レンズの曇りの多くはコーティングやレンズの変質に
よるものが多く場合によっては
修復不可なものが多いのが現実です。
他、シャッターの粘りやスローガバナの固着等もあり
ファインダーもかなり汚れてしまっている状態です。

画像は一通り修理整備が完了した状態でのモノです。
レンズは完璧とまではいいませんが
通常の撮影には全く問題がないほどにはクリアになっています。
お預かりした時点ではフィルム室から覗いて
向こうが見えないほどの曇りだったので
見違えるようになっています。
ファインダーも非常にクリアになりました。
機械的な動作部分は入念に清掃整備を行い
非常に快調に動作するようになっております。
これであればまだまだ長く使っていただけると思います。
シンプルなデザインで何ともレトロな雰囲気が
魅力的なカメラです。
この時代なので巻上も巻き戻しもノブ操作で
スピーディーに…とはいきませんが
1枚1枚マイペースで撮っていきたくなるカメラです。
ぜひご依頼者様にも存分に楽しんでいただけたらと思います。

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