ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「毛布の日」だそうですよ。
毛布が手放せない季節になってきましたねぇ
私は実は真夏でも寝る時には
毛布にくるまって寝るのですが
(そのかわり冷房で室温をめいっぱい冷やす(苦笑))
この季節になると敷布団の上にまず毛布1枚
で、掛布団の下に毛布1枚で
挟まれて寝ている感じです。
これが暖かくてたまらんのです(笑
毛布と一言で言っても現在は
羊毛毛布やアクリル毛布、
綿毛布、シルク毛布、マイヤー毛布、タフト毛布等々いろいろですねぇ
家の毛布はもう20年以上使っていて
何とも馴染み深いものですが
そろそろ布団と一緒に買い替えてもいいかもしれません…
もっと気持ちよく眠れるのであれば…
あとでちょっといろいろ調べてみます…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディ側はいわゆる通常の「F2ボディ」に
Aiレンズ対応となった
「フォトミックAファインダー(DP-11)」が装着されたカメラです。
ニコンのフィルムカメラを使っている方なら
Aiレンズや非Aiレンズと言われてもイメージが湧きやすいと思いますが
ニコンの一眼レフを使ったことのない方であれば
なかなかピンと来ないのではないかと思います。
ニコンF時代の初期Fマウントレンズのほとんどが
完全自動絞りに対応しているのがセールスポイントの一つでしたが
カメラ内蔵の露出計の対応には
レンズ外周部の外爪である通称「カニの爪」で連動対応していました。
他社が露出計TTL開放測光に対応するために
マウント変更を行う中、ニコンはいわゆる「ガチャガチャ」と言われる
絞りリングを一往復させる開放F値補正操作を行うことで
レンズの開放絞り値をボディ側に伝達し
そこからの連動をさらに「カニの爪」で行っていたわけですが
さすがにスマートなやり方とは言えず
1977年に従来のFマウントにAi方式 (Automatic Maximum Aperture Indexing ) という
開放F値を自動でカメラボディに伝達する拡張が行われます。
この際旧来のレンズについても
ニコン持ち込みによるAi化改造が1997年まで行われており
互換性はほぼ維持されたのですね
Aiレンズ+ボディ側Ai対応であればもはや「カニの爪」は不要なのですが
フィルム時代のAiレンズの多くは「カニの爪」が残っていて
ニッコールらしい外観に一役買っていますね。
その後も「Fマウントレンズ」は「Ai-S」にマイナーチェンジされたり
オートフォーカス時代になると電気的連動が追加されたり
絞りリングがないものも出てきたりと
いろいろとややこしくなっていくのですが
マニュアルフォーカス機に限って言うとAiと非Aiだけわかっていれば
まぁ困ることはほとんどありません…

前置きが長くなりました…
Aiレンズは絞り情報の伝達方法変更が一番の目的ですが
並行して絞り値直読用の値刻印も追加されています。
通常の絞り値の内側にさらに小さな値が刻印されています。
フォトミックAファインダーもこのレンズ側の刻印を直読します。
これに関しては正直言って非Ai時代のほうが
ファインダー内の文字が大きく見えやすかったと思います…
ちなみにフォトミックAファインダーは
Ai連動爪を格納することもできるので
非Aiレンズを装着することも可能です。
ただし絞り情報の伝達はできないので開放測光はできません。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
随分外観の汚れが目立ちます。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
それでもシャッターは一応動作するのは
さすがメカニカルF一桁といったところですが
巻上もシャッター幕軸もかなり油切れの兆候が見られます。
明らかに作動音が苦しげなのですね…
シャッタースピードの精度はさすがに全く出ていません。
そしてF2といえばいつものパターンですが
電池室マイナス側端子基部の支点部が破損しているようです。
ここはどうしても樹脂製で弱いから仕方ないですね。
当然ながらフォトミックファインダーには
給電されず動作確認はお預かり時にはできませんでした。
その後、整備前に確認したところ
精度はまぁダメですが露出計そのものは動作している模様です。

まだこれから取り掛かるところですが
まずはボディ側の整備一式と電池室の修復を行い
ファインダー側の清掃整備も行っていきます。
スクリーンのコンデンサレンズや
接眼レンズにもかなりのカビが発生していますので
入念に清掃を行っていきます。
しっかり整備さえ行えば機械式カメラの最高峰と言われる
F2の使い心地を存分に楽しんでいただける状態にできると思います。
今回もしっかり仕上げていきたいと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「鉄道電化の日」だそうですよ。
1956(昭和31)年のこの日に
米原~京都間が電化され
東海道本線全線の電化が完成しました。
電化に伴って特急「つばめ」が東京~大阪間を7時間30分で走ったそうです。
鉄道についてあまり詳しくない方だと
「電化」と聞いてもピンとこないと思われますが
「電化されていない路線」とは「電気を給電する架線」がなく
走っている車両も「電車」ではなく「汽車」や「気動車」なのですね。
もはや電化されていない路線のほうが圧倒的に少なく
めずらしくなってしまいましたが…
あ、でも最近のJRの新型気動車はエンジンで発電機を回し
モーターで駆動していて実質「電車」なのだそうですね!
最近知りました…
電化されてないない路線は首都圏近郊だと
小海線、水郡線、八高線、久留里線あたりでしょうか…
全国的に地方でまだ多く見られる非電化路線は
赤字路線が多く廃止が検討されているところも多いです。
個人的には架線がなく見た目にもすっきりとして
ディーゼルエンジンを唸らせて走る
地方の非電化路線は趣があってよいと思いますが
これからの時代はいろいろと難しいでしょうねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売の絞り優先オート専用機です。
ペンタックスMシリーズのコンセプトである
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を目指して
開発されたMシリーズ全体の基本形となるカメラです。
正確には「ME」の1ヶ月前に出た「MX」が「Mシリーズ最初のカメラ」ですが
「MX」は第一号機とはいえ横走り機械制御シャッターで
「Mシリーズ」の中では異端児的な存在なので
シリーズ本流の基本形はこちらの「ME」となります。
シャッターユニットは非常にコンパクトな
『セイコーMFC-E』を採用し、それを電子回路で制御します。
絞り優先オート専用機ということで
ポジション的にはエントリークラスに近い機種となりますが
巻上やシャッター音の質感もよく使い心地の良いカメラです。

ME系のカメラといえば持病として有名なのが
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化による動作不良が引き起こす
「ミラーアップ」で
ミラーがあがったままそれ以上シャッターも切れず巻上もできない状態で
固まってしまった個体をカメラ屋さんのジャンク箱で
見かけることも多いかと思います。
またMEは長らく押し入れとかで眠っていたものが出てくることも
多いカメラだと思いますが
ミラーアップしたままで固着してしまっているものも
多いかと思います。
今回お預かりしているMEに関しては
先に言ってしまうとそこだけは全く問題ありませんでした。
多少油切れ気味で動作に粘りはありましたが
ゴムブッシュはプラスチックブッシュに変更されている対策品で
よくあるパターンの動作不良は起きない状態です。
それに関しては良かったのですが
今回はそれ以前に上カバー部のモードダイヤル(L・オート・X・B切替)が
破損している状態でさらにレリーズロックが固着していて
全くシャッターが切れない状態でした。
電源は入るものと思われますが動作確認は全くできない状態です。
電子制御機で動作確認のできない状態のものは
何が起こっているか読めない状態でもあるので少々不安ですが
ME系のカメラは妙な分解品や電池室の腐食が激しいモノでない限り
基板内トラブルは少ないカメラなので何とかなるとは思います。
こちらも結論から言ってしまうと
基板内には何も問題はありませんでした。

モードダイヤル破損部に関しては
中古部品と交換するしかありませんが
やはりそれ以外にもオート制御や
シャッタースピ―どの動きは不安定で
各接点、マグネット吸着部の清掃
巻上やミラー駆動部等の機械的動作部の整備は必要な状態です。
当然ながらモルトも全滅です。
毎度書きますがME系のカメラはフィルム室だけではなく
内部にモルト遮光の為にかなり多く使われていて
劣化したモルトがトラブルの原因になることも多いので
もちろん全て交換していきます。
電子制御カメラとは言え基板もコンパクトで
この類のカメラとしては整備性も良好です。
全体的にできる限りの整備をこれから行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「レンコンの日」だそうですよ。
1994(平成6)年のこの日に
全国のレンコン産地が集まって茨城県土浦市で
「蓮根サミット」が開かれたことが由来になっているそうです。
「レンコン」と聞いただけで
やたらと「レンコンの天ぷら」を連想してしまい
むちゃくちゃ食べたくなるのですが…(笑
「レンコン」より「ハスの天ぷら」って言われた方が
さらに馴染み深いですねぇ
子供の頃にやたらとおかずによく登場するメニューでした。
あのサクサクシャキシャキの食感と
ほのかな甘みが何とも美味しいのです…
もう長らく口にしていないよな気が…
うちはじいさんばあさんと暮らしていたせいもあり
「天ぷら」だけではなく「レンコン」の出番は多かったような気が…
煮物には間違いなく入っていたなぁ…
これも美味しいのですよねぇ
スーパーの惣菜でレンコンの天ぷら売ってないかな…
ちょっと帰りに探してみます!

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」もコンスタントに修理依頼のあるカメラですね。
適度な大きさで使いやすく
しっかり造られていて使い心地も良いカメラです。
電子制御シャッター機ということで
「絞り優先オート露出」も搭載し
気軽にスピーディーに撮ることもできます。
ファインダー内二針式表示の露出計は非常に使いやすく
直読式で絞り値も確認できるので
マニュアル機としても非常に使いやすいカメラです。
個人的にもかなりおススメの1台です。
電子制御シャッター機ということで
トラブルを心配されることもあるかと思いますが
電子回路のトラブルはかなり少ないほうだと思います。
どちらかといえばトラブルの中心は
機械的な面の方が多く
それも経年劣化による動作不良が大半で
通常の整備を行えば改善できる場合がほとんどです。

ただ…今回の「FE」は単純な機械的トラブルではないようです。
「電源が入らない」とお聞きしてお預かりしたのですが
よくあるパターンとしては
電池室周りのトラブルか
巻上レバーSW周りの接触不良を予想していました。
結果的には電池室周りのトラブルではあったのですが
単なる接触不良とかハンダ不良とかではありませんでした。
まず動作確認しようと電池を入れたところ
仰せの通りで全く露出計は動かず
BCランプも点灯しません。
もちろん電子制御シャッターは全速(B・M90以外)は
制御されません。
うーん、BCが点かないってことは電池室裏かな…と思いながら
電池を取り出すと電池がめちゃくちゃ熱を持って熱くなっています。
これは間違いなくどこかでショートしているときの症状です。
とりあえず上下のカバーを外してテスターで確認すると
どうも電池室から基板までの間でショートしてしまっているようです。
さらに電池室側からは見えなかったのですが
下カバーを開けてすぐ確認できる範囲にかなり腐食跡がありました。
以前にかなり長い間電池を入れたままにされたことがあったのだと思われます。
配線腐食によるショートの可能性が高そうです。
基板内ショートだったらもうお手上げなのですが
この配線ショートの影響で基板内異常が起こっている可能性も否定できません。
まずは正常に電源を基板に送れる状態にしてみないと何ともいえませんが
基板内でショートによる部品破損が起こっていると
修理不能の可能性もあります。
もうある程度やってみないと判断できません。

現段階では何とも言えませんが
できる限りの整備を行って判断していきたいと思います。
こうなてくると基板内で何かあると修理不可の可能性が
高くなってしまうのは電位制御機の宿命ですね。
まずは電池室を介さずに電圧をかけて
正常に動作するかどうかの確認から行います。
その上で電池室周りのショートから改善していきます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ぞうさんの日」らしいですよ。
制定したのは山口県周南市の市民プロジェクト
「絵本と物語のある街」だそうです。
このプロジェクトの創立日である2010(平成22)年11月16日に
ちなんでだそうです。
加えて周南市は童謡『ぞうさん』などで知られる
作詞家まど・みちおさんの故郷であり
誕生日の1909(明治42)年11月16日と合わせることで
まどさんへの尊敬の意味も込められているのだそうです。
周南市には1960(昭和35)年に開園した徳山動物園があることから
動物園のシンボル的存在のゾウの記念日を制定して
この日をきっかけに親子・家族・地域の絆を深めることが目的なのだそうです。
徳山(現・周南市)に昔、親戚がいたから
家族で訪れることも多く徳山動物園にも何度も行ったし
当時の写真も残っています。懐かしいですねぇ…
ところで「童謡・ぞうさん」の歌詞ですが
子ゾウが悪口を言われた時の歌とされています…知らなかった…(汗)
他の動物から見たら、鼻が長い君はおかしい。
しかし、子どものゾウは、しょげたり怒り返したりせず、
「大好きなお母さんも長いのよ」と朗らかに切り返し、
それを誇りにしている歌だといいます。
その背景がわかってくると
「ぞうさん」の1番の歌詞…
「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ」の
イメージが全く変わってきますねぇ~
動物園でぞうさん見たくなってきました…(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフを代表すると言ってよい名機ですね。
ミノルタはそれでなくても非常に古い歴史を持つ光学機メーカーですが
国産としては最初期から二眼レフを作っていたメーカーです。
ミノルタフレックスに始まりミノルタコードを経て
非常に完成度の高いカメラとして1955年に
「オートコード」が登場しました。
前身までのモデルで培った「ハラキリ型」のピントレバー
平面性を確保するために通常とは逆に「上から下」としたフィルム送り
シャッタースピードと絞り値はビューレンズ上部窓に集中表示
そしてセルフコッキング
ひとつひとつの機能は前モデルからあったものですが
それをうまくまとめて使い勝手が良い上に
安定した動作のシチズンシャッターと組み合わせ
写りの評価の非常に高いテッサー型ロッコールレンズ
ピントの山の掴みやすいファインダー等
非常に高い次元でバランスの取れたカメラだと思います。
現在でも人気の高いのが納得できる内容です。

見た目の質感も使い心地も非常に良いカメラです。
画像は一通りの整備後のものですが
眺めているだけでも楽しくなってきますねぇ
お預かりしているオートコードは
一通りは動作しているものの
巻上やピントレバー、シャッターの動きが悪い部分もあり
このまま使うには少々不安材料の多い状態でした。
レンズにもカビがそれなりに発生しており
ファインダーもかなり汚れています。
ご依頼者様からもご指摘をいただいていたのですが
シャッター羽根の一部に錆が発生しており
茶色く変質してしまっている見た目も問題ですが
表面もザラザラでシャッターの動きを悪くする要因となっていました。
錆びてしまった金属羽根を完全に修復するのは不可能ですが
できる限り錆を除去し表面に余計な抵抗が付かないような処置を行い
問題ない精度でスムーズに動作できるようになりました。
見た目にもほとんどわからないレベルになったと思います。
オートコードと言えばテイクレンズの後玉コーティング劣化の
固体も多く、クモリが出ているとほぼ修復不可能な場合も多いのですが
今回はカビこそそれなりにあったものの
コーティングの状態は良好で全く問題ない状態に清掃できました。
これでご依頼者様にも安心して使っていただける状態になったと思います。

各部清掃注油を行っているので
動きが落ち着くまで少し様子見をしている段階ですが
この後、最終テストを行い問題なければ完成となります。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「アンチエイジングの日」だそうですよ。
「いい(11)とし(14)」(良い歳)と読む
語呂合わせからだそうです。
まぁ、私も「良い歳」ですから
日常の中で廊下を感じることだらけですが(苦笑)
こればっかりはどうにもなりませんねぇ
元々自然な人間の身体の耐用年数は50年程度だと
勝手に思っていますがそれを超えてくれば
当然ながらあちこちに不具合が出てきて当然ですよねぇ
私が毎日扱っているカメラと一緒ですね(笑
ただカメラはメンテナンスによって耐用年数は
かなり伸びますし、より程度の良い部品に交換することも可能ですが
人間の身体の場合はなかなかそうもいかないですよねぇ
カメラも個体差がありますが人間も個人差がありますし
もはや気にしすぎてもしかたがないので
与えられた身体と環境で
それなりにやっていくしかないですね
ただ、無駄に老化や劣化を促進するような真似は
できる限り避けて
直る異常であれば早めに発見して
メンテナンスしてやらないといけません…
長生き云々よりギリギリまで
普通本日はに生活していたいものですねぇ
そのためにはやはり少しは
手間や気を使わなくてはいけないですね!

さてさて

本日は毎月コンスタントに依頼のある
「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
1973年に「OM-1」に改名されていますので
私よりかろうじて少し年下ですね(笑
他メーカーに先駆けて一眼レフの小型化に挑み
見事に実現したカメラです。
機械式シャッター、それも横走りシャッター機で
この大きさというのは驚愕に値すると思います。
OM-1以外だと後に出てきたペンタックスMXくらいしか
ライバルはいないかと思います。
その小型化さらに静音化を実現するために
いたるところに独特の工夫が凝らしてあるカメラであり
基本的にはシンプルな構造ではあるのですが
各部の調整や整備の難度が高いカメラでもあります。
さすがに登場から50年経過していることもあり
各部に劣化の見られる個体も多く
快適に使うにはそれなりのメンテナンスは必須なカメラです。

お預かりしているOM-1はまず目立つのはプリズム腐食です。
ただし定番の接眼部のモルトに起因するものではなく
頂点部の蒸着に劣化によるもので
かなり視野内でも目立ちます。
分解してみると接眼部のモルトもボロボロに劣化しており
これで定番のファインダー下部のモヤモヤ腐食が
出ていないことがちょっと驚きです。
しかしながらいずれにしてもプリズムは交換です。
電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
液漏れこそないものの電池から出るガスの影響もあり
電池室裏の配線はかなり腐食が進んでいます。
かろうじて導通はするものの
かなり抵抗となってしまっていて
上部SW部までに正常な電圧を届けられない状態です。
ここも交換で対処します。
さらにシャッターにも積年の汚れによる動作不良がみられ
シャッターは切れてはいるものの
1/1000は開かず、他も全速で精度は出ていない状態です。
巻上やミラー駆動部、スローガバナ等も含めて
動作部分には一通りの清掃整備が必要な状況です。

フィルム室のスタッドは2本で
いわゆる「M-1」と同じボディというほどの初期モデルではないですが
露出計回路等の独特の機能からかなり初期に近い個体だと思われます。
経年劣化はもちろんですが
それでも全体的にはまだ程度の良いほうだと思います。
プリズムの交換はしかたないですが
あとはしっかり整備して調整を行えば
OM-1らしく気持ちよく使える状態になると思います。
このカメラの魅力はそのコンパクトさはもちろんですが
操作系の気持ちよさもかなり大きいと個人的には思っています。
そんなOM-1の魅力を最大限に味わえるよう
しっかりこれから整備を行っていきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
日付の由来は平安時代の文徳天皇の第一皇子・惟喬親王が
京都・嵐山の法輪寺に参籠し、その満願の日のこの日に
「漆(うるし)」の製法を菩薩より伝授されたという伝説からだそうです。
漆塗りの食器っていいですよねぇ
何といえない温かみがあって…
有名なのはやはり輪島塗ですよねぇ…いいですねぇ…
やはり黒か朱ですよね。ちゃんとした漆器ほしいですねぇ
間違いなく食事が美味しくなりますね!
漆塗りはウルシノキから取れる樹液(ウルシオール)が主成分で
ウルシノキ自体は山に行けば普通に見られますが
ウルシノキなんて呼んだことはなく
やはり「かぶれの木」でしたねぇ…
私は幸運なことに今のところアレルギーらしいものには
縁がないので「かぶれの木」に普通に触れても何ともありませんが
うちのばあさんがアレルギーで
「かぶれの木」の下を歩いただけでかぶれると言ってましたし
そのせいもあって「漆器」は敬遠気味でした…
(乾燥した漆器でかぶれることは基本的にないそうです)
ちなみにマンゴーもウルシの仲間なので
人によってはかぶれることがあるそうです。
この季節はウルシ科のヤマウルシやハゼの紅葉も鮮やかでキレイですよねぇ
漆塗りの鮮やかな朱と何だかダブりますね!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年に発売されたカメラです。
「キヤノンAシリーズ」の初号機であり基本形でもある
「AE-1」の後継機でその名の通り
プログラムオート露出が追加されたカメラです。
全ての「Aシリーズ」機械的な基本部分は
最初のAE-1の構造がほぼほぼ受け継がれていますが
電子制御部についてはモデルごとにかなり進化を遂げていて
「AE-1」の5年後に発売となった「AE-1プログラム」では
電子制御部は全くの別モノとなっています。
分解しているとこの時代の電子制御が
かなりのスピードで進化していることがよくわかります。
見える部分に関してもファインダー内露出計表示もLEDとなり
明らかに時代の進化を感じます。
「AE-1」以上に電子制御部は安定しているカメラなので
普通の使用状況で劣悪な保管状況でない限りは
心配されるような電子制御部のトラブルは少ないカメラです。

しかしながら「Aシリーズ」の機械的部分の弱点ともいえる
「シャッター鳴き」が
今回お預かりの「AE-1プログラム」にも出ています。
さらに巻上時にも「ギャイン」といった感じの
巻上鳴きが発生しています。
さらにシャッタスピードの精度もイマイチで
電源も少々不安定なようです。
全体的に油切れであり
さらに接点やマグネット吸着部は清掃の必要な状態です。

画像はまだ上カバーを外しただけの状態ですが
フレキでびっしり覆われていて
機械的構造部やプリズムは上から一切見えません。
そのため「AE-1プログラム」の分解整備は
ここからがなかなか大変です。
それでも整備性はまだマシな方ではあるのですが…
シャッター鳴きは正面から見て
ミラーボックス左側のミラー駆動部のギアの油切れが原因ですが
ミラーボックス右側にはオート時の絞り制御レバーがあり
ここも油切れで動作不良を起こしがちな部分です。
露出計は安定しているのにオート制御が不安定な場合は
ここの動作不良が原因のことが多いです。
もちろん今回もここの整備も一緒に行います。
電子制御部はこの時代の最新を常に走り続けた「Aシリーズ」ですが
機械的な部分は一般的な布幕横走りシャッター機で
意外と保守的なのですよね…
このあたりの考え方がまたニコン中級機とは異なるところが面白いですね

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「皮膚の日」だそうですよ。
「いい(11)ひ(1)ふ(2)」(いい皮膚)と読む
語呂合わせからだそうです。
…年齢が出ますよねぇ(苦笑)
毎朝髭をそるのに鏡で間近に顔を見る時もそうですし
自分の手や指を見る時も感じますが
張りも艶もきめ細かさも年々確実に失われていきますねぇ…
自分でも結構目に付くのですよね…
何とも言えない哀しみを感じます(笑
まぁ見た目の問題はともかくとしても
キズが付くと治りにくいのは困ったものですな…
仕事柄、たまに失敗して指や手にちっと深い傷を付けてしまうことは
多々ありますが若い時なら2週間くらいで
目立たなくなったような傷が半年、いや、場合によっては
1年経っても結構残っているのですよねぇ…
まぁこれも機能的に問題なければいいのですが
体内でも何か炎症等でダメージ受けても
なかなか治らずに悪い状況になるのだろうなぁ…と思うと
少しゾッとします…(苦笑)
いけんいけん、どうもネガティブに捉えがちですね…
枯れた味わいはそれでそれで渋いと捉えて
加齢による現象も受け入れなくては!(笑

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
つい先日もX-7の修理ブログを書きましたが
今度はブラックではなくシルバーです。
先日も書きましたがX-7のブラック・シルバーは
単なる色違いだけではなく
ブラックの方にはグリップが追加されて
スクリーンにミノルタお得意の
アキュートマットスクリーンが採用されています。
個人的にはグリップのないスッキリしたデザインの
シルバーには好感度が高いです。
確かにホールドはグリップあったほうが便利なのは
間違いないですが
ブラックになるとその色合いでプラスチッキーさが強調されるのと
グリップの質感も手伝って
妙にガンダムチックでいかにも「80年代!」って感じが強調されます。
もちろん「それがいい!」というのもあるでしょうし
私も80年代っぽいもの大好きなので好きですが
シルバーだと何だか妙に上品で端正に見えて
何とも捨てがたい魅力があるのですよねぇ…
ちなみにシルバーのスクリーンはアキュートマットではないですが
十分に明るいファインダーだと思います。
見比べればもちろんアキュートマットのほうが明るいのですが
単体で見れば不満を感じるレベルではないと思います。
どちらにもピントのキレは非常に良く
ピント合わせは非常に快適です!

お預かりている「X-7」はご依頼者様が
昔から使い続けているカメラかと思われます。
しかしながらここ近年はあまり使われていなかったのか
フィルム室のモルト等にはかなりダメージがあり
このままで使っても光漏れしてしまいそうです。
それ以前にまずシャッターが切れません。
電池を入れてSWを入れると電源は入ります。
しかしながらミラーは電源を入れる前から上がったままで
ファインダー内は真っ暗です。
シャッタボタンに反応して露出計だけは動作します。
シャッター幕の位置から判断して
シャッターはチャージされたままの状態です。
で、巻上レバーは回せるのですが
手応えはなくスカスカです。
うーん、どういった状況でこうなってしまったのかが
ちょっとわかりませんが機械的にマズイ状態かと思われます。
巻上軸の噛み合わせか何かが狂ってしまっているようです。

まずはある程度のところまで分解してみないと
原因すらはっきりしない状況です。
画像はまだ上カバーを外してプリズムを降ろしただけの状態ですが
X-7は実はここからがなかなか大変です。
通常、ミラーボックスを降ろせば
シャッターユニットとミラーボックスが分離できますが
XG系フレームは横走りシャッターとしては珍しい
ユニット式シャッターでミラーボックスと
シャッターシステムがユニットで一体化されています。
ミノルタはSR-7の頃にもこの構造を採用していましたが
問題も多かったのかいったんは通常の構造に戻りました
しかしながらXG系フレームで同様の構造に再チャレンジしています。
整備する立場で言うとなかなか厄介な構造です(苦笑)
何はともあれここからユニットを分離し
トラブルの原因を探ることから始めていきます。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
「いい(1)井(1)戸(10)」の語呂合わせだそうです。
もう井戸を見ることも随分少なくなりましたが
私の住んでいた実家の近所には
その頃、既にほとんど使われていなかったのだと思うのですが
井戸があって、口に蓋がされている訳でもなく
ポンプが設置されている訳でもなく
いつでも開いたまんまで屋根に釣瓶だけがセットされていて
よく中を覗き込んでいました。
真っ暗で何が見えるわけでもないのですが
夏はひんやりとした冷気が上がってきて
小石を落とすと確かに随分下で水に落ちる音がしていました…
小さな子供が簡単に覗き込めるような井戸では
現在だと「危ない」って話になるのでしょうが
そんなところ昔はたくさんありましたよねぇ…
ちょっと山の段々畑に上がれば
そこら辺中に肥溜めもぽっかり口を開けてたし
(落ちたことはありませんが…)
うっかりするととんでもないところへ落ちそうな
崖や急斜面もたくさんあったし…
まぁなんにせよ、あの井戸はあの頃の私には
ちょっと不思議な世界への入口みたいな存在でした
今だと「そこから何か這い上がってくる…」なんて
想像をするのでしょうねぇ(笑
今考えるとそこら辺中に子供の目で見て
面白いものが溢れていました…
もうなかなかあんな視点で
物事を見ることできないでしょうねぇ(苦笑)

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
先代の「F」では露出計のない「アイレベルファインダー」が
標準仕様とされていましたが
1971年発売の「F2」では開発時点から
露出計内蔵の「フォトミックファインダー」が標準仕様でした。
保守的なハイアマチュアや外部露出計を多用する
プロのためにもちろんシンプルなアイレベルファインダーも用意されてはいます。
今となっては中央部重点測光の内蔵露出計は
当時からの精度を考えても付いていなくても
あまり問題はないですが
やはり調整されて、ある程度の精度が確保されていれば
やはり便利です。
加えて「F」時代のフォトミックはファインダー側に電池室があった関係もあり
デザイン的にもアンバランスな部分が大きいですが
「F2」になると電池室はボディ側に移動し
アイレベルに比べると若干頭でっかちではあるものの
デザイン的にもずいぶん洗練されました。
逆にフォトミックファインダーを装着した武骨な姿は
ニコンらしい質実剛健さも感じられて個人的には好きな形です。
さらに露出計だけではなく
アイレベルではファインダー情報は何もありませんが
フォトミックファインダーでは絞り設定とSS設定が
ファインダー内で確認できます。
個人的にはこれがフォトミックファインダーの一番の利点だと思っています。
ファインダーから目を離さず露出設定を確認・変更できるのは
撮影時にはかなり便利です。

ファインダー以外の部分も何と言っても「F一桁機」ですから
文句の付けようがありません。
それも機械制御シャッター機としては最後の「F一桁機」です
難をあげるとすればその堅牢性の高さと引き換えに
やはり「大きく重い」という部分でしょうか…
それさえも「やはりこのくらいしっかりしてないと…」と
納得してしまう部分ではあるのですが…

お預かりしている「F2フォトミック」は
よくあるパターンですが露出計が全く動きません。
少しチェックしてみると露出計そのものが動かないのではなく
ボディ側から電源が供給されていないようです。
…となれば「F2唯一の泣き所」でもある
電池室樹脂部の破損かと思われます。
分解してみるとマイナス側端子基部を支える樹脂部分は
「折れている」なんてものじゃなく
「粉々に」破損していました。
いつものパターンではありますが
何とか端子を支える部分を造り修復していきます。

随分な長い間、使われていない個体かと思われ
露出計以外にも各部の動きはかなり悪く
巻上・シャッターは動作するものの
フィーリング的にも精度的にも問題ありです。
もちろん駆動部分は全て入念に整備を行っていきます。
プリズムには若干腐食が見られますが
これに関してはもはやどうにも処置の施しようがないので
基本的に現状のままといたします。

画像は本格的に分解に取り掛かる前の状態です。
整備をしながらいつも思いますが
FやF2の機械的精度の高さにはいつも驚かされます。
整備をした後にゆっくりと巻き上げながら
各部の動きを観察していると
本当に高精度であることがよくわかります。
FにしてもF2にしてもこのクラスとしては
大ヒットしたカメラで
伝説的な存在であることから
無駄に数が激減することはないとは思いますが
当たり前ですが現在以上に増えることはないので
どの個体もしっかり整備されて
できるだけ長い間、良い状態でいてほしいと思います。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「立冬」ですねぇ
秋が極まり冬の気配が立ち始める頃なので「立冬」とされています。
確かに随分冷え込んでくるようになりましたねぇ
晩秋のこの気温と空気感は個人的には非常に好きですが…
で、立冬に関連して今日は「鍋の日」さらに「鍋と燗の日」とされています。
寒くなってくると鍋が美味しいですし
具材さえ買って来れば簡単にできますものねぇ
〆の雑炊まで考えると一人だと簡単に3日分くらいになりますし…(笑
で、鍋にはやはりに日本酒が合いますねぇ
季節柄、やはり熱燗…個人的にはぬる燗くらいが好みですねぇ
鍋と言えば季節柄も手伝ってやはり牡蠣ですね!
今年も広島から美味い牡蠣をお取り寄せしなければ!!!
さらに最強の食中酒と個人的に思っている
呉の名酒「雨後の月」も!!!

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたM42マウントの一眼レフです。
元々は既に発売されていた「AP」や「K」の普及機として
発売されたカメラですが
後に当たり前の装備となった「一軸不回転式シャッターダイヤル」を採用し
機能的には上位機種以上の使いやすさを持ったカメラです。
シャッタスピードこそ1/500までですが(後期では1/1000も搭載)
その高機能と大幅にお求めやすくなった価格もあり
かなりのヒット作となったカメラです。
SP以前のカメラなので露出計こそ搭載されていませんが
当時の元々精度の甘い上に劣化の心配な露出計を使うよりも
「露出計は外部で現在のモノを…」と割り切れば
そこは短所にならないと思います。
シンプルで扱いやすくM42マウントでレンズの選択の幅も広い「S2」は
現在使ってもなかなか良い選択だと思います。

ただし…今回もそうですが
SPより前のペンタックス機はとにかく問題はシャッター幕です。
今回もガチガチにシャッター幕が硬化しており
先幕は何とか動作はするもののまともには走り切らず
後幕はもはた一切出てこないような状態です。
後で幕交換時に確認できましたが
後幕はリボンが2本とも切れていて何も引っ張られない状態の上に
幕の一部は切れかかっていました…これでは動くわけもありません…
「AP」「K」「S2」「S3」「SV」このあたりは
過去に幕交換が行われていない限りは
もはや幕交換が使用するための大前提となっていると思われます。

外した状態で写っているのは先幕で
後幕はリボンが切れてぶら下がっている状態です。
当然ながら幕交換はそれなりの重作業です。
露出計回路もなくシャッター、巻上、ミラー駆動部、ファインダーと
一眼レフとしてはシンプルなカメラなので
比較的幕交換を行うカメラとしては楽なほうですが
それでも張替え後の調整も含めてかなり大変です。
しかしながらシンプルなカメラ故に
幕交換を行うということは幕軸のメンテも当然行い
全ての駆動部の清掃整備を行うわけなので
キチンと行えば機能的にも精度的にも
非常に良い状態にすることができます。
さすがに金属部品も劣化も多少はありますが
それでも当分の間は何も心配なく使える状態になります。
しっかり整備されたアサヒペンタックス系一眼レフは
M42マウントレンズのボディとして
非常に頼りがいのある相棒となりうると思います。

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キヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが完成したことが由来だそうです。
そのアパートは「上野倶楽部」という名前で
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートだったそうです。
上野公園に隣接しており、洗面所・浴槽・電話は共同でした。
実際に住んでいた人たちの職業は
公務員や会社員、教師が主で、独身者はおらず
日本人だけでなくロシア人やフランス人の外国人も住んでいたのだそうです。
結構な高級アパートだったのでしょうねぇ
それまではいわゆる「長屋」ですよねぇ
私も生まれ育った実家が昔ながらの賃貸の長屋でした…
今考えるとあれはあれでいろんなところに古き良き趣が…(笑
私は独り者ですし、この先もずっと
気軽に住み続けられる賃貸アパート在住だと思いますが
気軽さ故に数年に1回、無性に意味もなく引っ越したくなるのですよねぇ
きっと何かをリセットしたいのだと思いますが…(苦笑)
思い立つたびに本当に引っ越していては
明らかに「引っ越し貧乏」への道へ一直線ですし
今の仕事や環境を考えるとそう簡単に引っ越せるわけがないと
冷静になると落ち着くのですが
たまにやたらとネットで不動産情報見てしまいます。
それも近所じゃなくて縁もゆかりもない地方のモノを…(笑
まぁもちろん現実的ではないのですが
地図と併せて見ているだけでちょっとした気分転換にはなるかな

さてさて

本日は「キヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットQLと聞けば小型化された「ニューキヤノネット」や
「G-Ⅲ」を思い浮かべる方も多いと思いますが
今回は「ニュー」より前のタイプで
初代キャネットから流れをくむちょっと大柄な
「キヤノネットQL17」です

社会現象になるほどの大ヒットを記録し
コンパクトカメラの歴史を大きく変えたと言って良い
「初代キヤノネット」のデビューが1961年
その後、少し風変わりな廉価版「キヤノネットジュニア」が追加され
1964年には実質的な後継機の「キヤノネットS」が発売されます。
さらにその翌年の1965年に
「キヤノネットS」をベースに当時のキヤノンカメラの
お家芸ともいえる「QL(クイックローディング)」を搭載し
登場したのが今回の「キヤノネットQL17」です。
初代と比べて大きな変更点をあげると
まず巻上は底部トリガー式から一般的な上カバー部巻上レバーになりました。
そして露出計はセレン光電池を使用するものから
CdS使用のモノへと変更され、それに伴って電池が必要になっています。
レンズもキヤノンレンズSE45mmF1.7になっています。
シャッタユニットは変わらずコパル製を搭載します。
初代と同じく基本的には露出計連動の
シャッタースピード優先オートで撮影するカメラですが
マニュアル露出も露出計はオフとなりますがしっかり使えます。
この時代のコンパクト機なので現在の感覚で
コンパクトと言うにはかなり大柄ですが
その分しっかり造られていて信頼性も高いのです。
当然、修理する立場からすると内部スペースに余裕もあるので
整備性も高く調整も行いやすいカメラです。
CdS使用になったことで露出計・オートの調整も行いやすくなっています。

お預かりしている「キヤノネットQL17」は
ご依頼者様のご実家でかなり長い間仕舞い込まれていたようです。
使っていた頃はかなり丁寧に扱われていたと思われますが
いかんせん仕舞い込まれてからは誰にも触られることもなく
長い時間を経過してしまったようです。
シャッターを始めとしてあちこちで固着が起こっていて
まずはスムーズに動けるように整備を行わなくていけませんが
それに加えてちょっとマズかったのが
当時の水銀電池をそのまま入れたままで仕舞ってしまったことです。
水銀電池はガスを発生し液漏れが起きなかったとしても
周りの金属部品を腐食させます。
今回も電池自体も真っ黒に腐食してしまっており
電池蓋の一部は腐食により破損、
電池室周りの端子・接点・配線は全て全滅です。
この辺りは一部は代用品で交換、配線は全て交換
使えそうな部品も徹底的に磨きこんで腐食部分や緑青を落とします。
行うことはシンプルですがなかなか手のかかる作業です。


初代ではシャッターユニット部のASA設定やSS情報を
露出計側に伝える機構が
少々調整の厄介なデリケートな造りだったのですが
QL17になってそのあたりも改善されています。
初代もそうですが指針抑え式SS優先オートの
お手本のような造りをしています。
見た目にも制御はわかりやすく調整機構や
露出範囲外の場合のシャッターロックも非常によくできています。
さすがはキヤノンですねぇ

電池室まわりの処置がひと段落したら
シャッターや巻上、オート制御機構の整備を行っていきます。
普通に撮影に使えるのはもちろんですが
なるべく違和感なくスムーズに取り扱えるように
しっかり仕上げていきます。
ご依頼者様はこのカメラを使うのは
きっと初めてなのだと思いますが
気持ちよく使っていただければと思います。

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