月別アーカイブ: 2018年9月

ミノルタSRT101のカメラ修理

今日は9月6日です。
語呂に関連した記念日が多い日ですね。
「黒の日」、「クロスワードの日」、
「鹿児島黒牛・黒豚の日」、「黒豆の日」
「黒酢の日」、「生クリームの日」、
「クレームの日」(これ嫌だな(苦笑))
黒といえば、フィルムカメラでも
黒ボディとシルバーボディが併売されていたカメラが多いですよね。
一般的には黒ボディのほうが人気が高いようですが
金属製カメラのシルバーボディは
見事な梨地処理がされているものが多く
今では貴重な存在だと思います。
確かに精悍で凝縮感が高い黒ボディも魅力ではありますが。。。

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
おそらく当ブログで一番登場回数の多いカメラではないでしょうか。。。
大ヒットした上に長く生産され続けたカメラなので
現存台数も多く、家から出てきたカメラがSRTだった。。。ということも
非常に多いのではないかと思います。
ミノルタは比較的早い時期に一眼レフに関しては
電子制御シャッター機に移行してしまったので
機械制御シャッターのミノルタ機の代表的カメラでもあります。

お預かりしているSRT101は
シルバーボディとブラックボディの2台です。
シルバーはご依頼者様のお父さまの形見のカメラとのことです。
おそらくご依頼者様の子供の頃の写真を
たくさん撮影したカメラだと思われます。
今回、しっかり整備を行ってご依頼者様がお使いになるとのことですが
そのお話の際にご依頼者様の奥様も
フィルムカメラを使ってみたいとのことで
改めてもう1台手に入れたのがブラックのSRT101です。
ご夫婦お揃いで色違いのSRT。。。なんてステキなんでしょう!
気持ちよく使っていただけるように
しっかり整備させていただきます。

2台とも長期間使われていない個体であることは明らかで
各部に油切れの兆候が見受けられます。
高速シャッターでかなりの露光ムラがあるようで
幕軸の動作不良のために先幕・後幕のバランスが
大きく崩れています。
シルバーのほうは露出計も全く動かない状況です。
モルトはもちろん全滅でファインダー内には
かなりカビも蔓延っています。

まずはシルバーのほうから分解整備を行います。
電気回路は露出計に関する部分のみですが
この頃のミノルタ機はハンダ劣化による
接触不良が多いのでハンダ部分の点検も重点的に行っていきます。
SRTといえば糸連動が多く
慣れているとはいえ油断のならないカメラです。
慎重に分解を進めていきます。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「石炭の日」だそうですよ。
石炭と言えば蒸気機関車を思い出しますよね。
写真や模型では幾度も見ている蒸気機関車ですが
実は私、実際に走っているのを見たことがないのです。。。
広島にいた頃は「SLやまぐち号」、当時はC57だったかな。。。を
見にいこうと思いながらもなかなか機会がなく
首都圏に来てからはそんなことはほとんど思うこともなく。。。(汗)
東京からだと真岡鉄道あたりが比較的近いのかな。。。
うーん、もう少し涼しくなったら行ってみたいですね!

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
スペック的には中級機ですが
1981年の発売開始以来、
18年間もミノルタMFカメラの頂点に君臨していたモデルです。
1985年に「α7000」が発売され
いわゆる「アルファショック」といわれるほどの現象になり
世の中が一気にオートフォーカス機にシフトする中
X-700はMFのSRマウントのまま、販売され続けました。
ミノルタMF機の縦走りシャッター機は「XD」を最後に
後継モデルが出現しませんでしたが
その後、発売された「XG-E」以降は横走り布幕シャッターとなります。
「X-7」あたりまではXG系がベースとなったカメラですが
X-700はそれまでのモデルと違い、フレームから完全新設計されました。
ミノルタらしい使い心地の良いカメラで
ロングセラーであり、現在でも人気の高いカメラです。

お預かりしている「X-700」はブラックボディのモデルです。
X-700は最初シルバーボディで販売され
途中からこのブラックボディのみの設定になりました。
その際にAEロックが追加される等、小変更が行われています。
シルバーのX-700は最近あまり見かけなくなりましたね。。。
さて、まずは現状をチェックしていきますが
どうもシャッタースピードが安定しません。
特に高速時にはっきり現れるのですが
1/1000にセットした場合で1/1000で切れることもあれば
1/500程度で切れることもあり
3回に1回くらいは走り終わりは閉じてしまうこともあるようです。
これでは高速シャッターを使っての撮影は不安いっぱいです。
マグネットの吸着不足を疑ったのですが
よくよくシャッター音を聴いていると
キヤノンAシリーズのようなはっきりした感じではないですが
シャッターを切ったときに何度かに1回は「ジャイン」と
ちょっと嫌な音がします。
幕軸かミラー駆動部の油切れが原因のようですね。

他、これはご依頼者様からのご指摘があったのですが
若干、巻上にゴリゴリした感触があります。
これも巻上軸の油切れが原因と思われます。

写真のレンズは当店のテスト用レンズです。
一通り各部点検整備一式を行いました。
まだ少し様子見している状況ですが
シャッタースピードは随分安定してきたようです。
巻上の感触もよくなりました。

余談ですが写真では少々レンズに隠れていますが
向かって右側にある「MPS」のプレートは
「Minolta Program System」の略で
プログラム露出時に高速シャッターを優先して露出する
独自のプログラム露出を意味しているそうです。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「ドラえもん」の誕生日だそうです。
2112年9月3日ということでまだ94年後のことなのですね!
この誕生日、末尾が「1293」ですが
この1293という数字、ドラえもんに関わる数字にやたら登場します。
身長129.3cm、体重129.3kg、スリーサイズは全て129.3cm
ジャンプ力129.3cm、ネズミから逃げるときの速さは
時速123.9km。。。といった具合です。
この129.3という数字、当時の小学4年生の平均身長129.3cmが
由来となっているそうです。連載当初は1969年ですね。
(正確には1968年の9歳女子の平均身長)
ちなみに現在(2015年)の同じく9歳女子の平均身長は
133.4cmだそうです。意外とそんなに変わらないかな。。。

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
気がつけばキャノン機が続いていますね。
1978年にデビューした通称「カメラロボット」です。
AE-1で確立した電子技術をさらに進化させ
「5モードAE」を始めとする様々な新機能を搭載したカメラです。
(当時のキャノンの発表によると
「AE-1に比べて約3倍の電子化が進められた」とのことです)

ファインダー内のLEDによるデジタル表示も
当時としては非常に斬新なものでした。
外観もキヤノンらしくスタイリッシュですよね。
子供の頃、カッコ良いカメラだなぁ。。。と思っていたことが
鮮明に思い出せます。

正直な話をすると、さすがにこれだけ電子化が進んでいると
場合によっては当店では修理不能と判断させていただくことも多々あります。
LED表示関連のトラブルや
電子部品関連のトラブルであればちょっとお手上げです。

今回、お預かりしているA-1は幸いなことに
電子部品関連の致命的トラブルはないようです。
しかしながらAシリーズ定番のシャッター鳴きが発生しており
オート露出はかなり不安定な上に
メーター、オートともに2段以上オーバーになっている状況です。
抵抗の清掃や調整で何とかなる場合が多いのですが
A-1は2段から酷いときには4段以上オーバーになっている
個体が多いような気がします。
今、手元にA-1をお持ちの方はチェックしてみたほうが良いと思います。

ちょっと余談ですが
「Aシリーズ」のシャッター鳴きは
「マウントのネジを1本外してそこから注油すればOK」と言われていますが
近くには電気接点があり注油の量や入れ具合を間違えると
最悪、全く動かなくなる可能性もございます。
もちろん、今回は各部点検整備一式なのでミラーボックスを外して
シャッター鳴きのギアにピンポイントで清掃・注油を行います。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
付属するNewFD50mmF1.4もカビがありましたので
清掃を行いました。
それにしても。。。やはり今改めて見てもカッコ良いカメラですよね。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「9/2」ということで
「宝くじの日」、「くつの日」ということですよ。
どちらも語呂合わせですね。
宝くじ。。。高額当選すると人生変わるかもしれませんね。。。
でも、実は私、買ったことないのです。
あの当選確率を考えるととても手を出す気になれません。
でも買わなきゃ絶対に当たらないですからねぇ。。。
宝くじはともかく、靴は大事ですね。
一昨年新調した登山靴の活躍の場が最近ないですが
合ってない靴で登山に出かけると
大げさでなく命に関わります。
登山靴でなくても普段履く靴もしっかりサイズの合ったものでないと
知らないうちに身体にストレスがかかってしまいますものね。
サラリーマン時代には靴にかなり拘った時期もあるのですが。。。
街歩き用のちゃんとした靴、手に入れなくちゃ。。。

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
現在ではキヤノンといえばデジカメでももちろん
トップクラスのメーカーですが
プリンタやコピー機、電卓、業務用ディスプレイ等々
総合情報機器メーカーとしての印象を強く持っている方も
多いのではないかと思います。
実際、カメラの売上げはキヤノン全体の1割程度しかないという
話も聞いたことがありますが
元々、キヤノンは熱狂的なカメラ好きが作った
「精機光学研究所」が母体となっています。
その後、社名も「キヤノンカメラ株式会社」となり
1969年には現在の社名でもある「キヤノン株式会社」となります。
そんな生粋の光学機器メーカーであるキヤノンでしたが
1940年代から1950年代にかけて
レンズシャッター機やレンジファインダー機では
トップクラスのメーカーだったものの
一眼レフの分野ではかなり遅れている状況でした。
そんな中、最初のフラッグシップ一眼レフとして
満を持して登場したのが「キヤノンF-1」です。
キヤノン初のプロフェッショナル向け一眼レフでもあります。
発売当時のキャッチコピーに
「向こう10年間は不変」という名言が付いていましたが
それほど、「もう改良の余地はない」という自信の表れだったと思います。
実際に小さなマイナーチェンジはありましたが
「ニューF-1」が発売される81年まで
10年間、基本的な部分は変化なく生産され続けました。

前置きが随分長くなってしまいました。。。(汗)
お預かりしているF-1は
まずプリズム腐食が発生しています。
縦方向に滲み出てくるような腐食です。
F-1もプリズムの腐食がある個体が多くなってきたような気がします。
今回は中古良品と交換で対応いたしますが
既に部品取りとしてはキレイなプリズムは確保の難しい状況です。
他は一通りは動作している状況だったのですが
スローシャッター時にシャッターが切れた後も
「ジー」という作動音が残ってしまう状況です。
スローガバナの油切れも原因のひとつでしたが
幕ブレーキの状態がかなり酷く
これも原因のひとつではないかと思われます。
F-1はこの幕ブレーキが素材的にあまり丈夫ではなく
劣化が酷くなると各シャッタースピードが大きく狂ったり
1/60秒前後のシャッタースピードでバウンドが起きたりします。
今回は幕ブレーキを交換することで対処しています。
他、露出計が不安定なことや、高速シャッターでの露光ムラ等々
細かく見ていくといろいろトラブルは抱えている現状で
一通りの各部点検整備一式で対応していきます。

レンズは当店のテスト用レンズです。
いつ見てもF-1はカッコ良いですよね。。。
写真ではわかりにくいですが
「Canon」のロゴの下のほうに
「U.S Navy」の刻印が入っています。
F-1だけではないのですが(AE-1等もあるらしい)
米海軍で採用されたモデルの証です。
いったいどんな写真を写してきたのでしょうね。
そう考えながら眺めているだけでも
ちょっとわくわくしてきますね。

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キヤノンダイヤル35のカメラ修理

今日は9月1日ということで
「防災の日」」ですね。
1923年9月1日に発生した「関東大震災」にちなんで
設定された日です。
天災もそうですが、事故や怪我、
あるいは仕事や人間関係でも
嫌なことや困ったことは忘れかけた頃来るのですねぇ。。。
だから私は物心ついたころから
「今起きるかもしれない最悪のこと」をよく想像していました(汗)
そうやって考えているときは
意外とそういうことは起きないって考えがあったのですね。
ある意味、超ネガティブシンキングです(笑)

さてさて

本日は「キヤノンダイヤル35」のカメラ修理を行っています。
モデル名に「35」とつきますがハーフ判カメラです。
特徴はモデル名からわかるように
なんと言ってもそのデザインです。

電話機のダイヤルをイメージしたかのような
レンズ周りの感度設定リングは今見ても面白いデザインです。
さらにゼンマイ仕掛けによる自動巻上で
ボディ下部に付いているグリップは
ゼンマイを巻くためのグリップでもあります。
縦位置で構える作りになっていますが
ハーフ判なのでそれで通常の横位置になります。

話がそれますが「ダイヤル」と聞いて
電話のダイヤルを思い浮かべることのできる方は
私も含めてもう結構な年齢の方でしょうねぇ。。。
歌の歌詞にだって「かけなれたダイヤル~まわしかけ~て~♪」なんて
そんなに昔のことではないような気がするのですが
現在では既にありえない話ですよね。。。
「チャンネルを回す」ことと同じようなものか。。。(苦笑)
電話の音が「リンリン」ていうのも
もはや過去の話ですねぇ。。。
あ、「恋のダイヤル6700」が頭から離れなくなってきました(笑)

本題に戻りますが
ダイヤル35、なかなか普通に動作しているものは
少ないのではないかと思われます。
今回、お預かりのダイヤル35も露出計が不動です。
基本的にはシャッタースピード優先AEで使うカメラなので
露出計が動かないと致命的です。
他、レンズ、ファインダーも汚れがかなり目立ち
ASA感度ダイヤルも固着気味で回りません。

巻上部以外の構造はデミEEあたりに近い
シンプルなものなので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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