ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は10月9日…たくさんの記念日が制定されている日です。
「トラックの日」「塾の日」「東急の日」
「アメリカンドッグの日」「散歩の日」「熟睡の日」…等々
そんな中に「道具の日」というのもありますね。
「どう(10)ぐ(9)」(道具)と読む語呂合わせからですね。
仕事柄、いろいろな道具を使いますし
あまりメジャーな仕事内容でもないので
普通に市販されている道具では具合が悪く
自作した道具を使うこともよくありますが
道具次第で作業の効率は全く変わってくるので
道具は非常に大切です。
ただこれも必要以上にこだわると
おかしなことになってしまいます。
一時期は精密ドライバーとかピンセットに必要以上に
凝った時期があってちょっと高価なモノを
使ったりしたこともあったのですが
メンテをすることで長く使える道具もありますが
所詮多くの道具は消耗品です。
必要以上に良いモノは逆にコスト的に効率が悪くなり
適度に良いものを頻繁に交換したほうが効率は上がります
何よりもミスの防止になります。
例えばドライバーやカッターの刃にしても
高価なものは持ちもよく食いつきや切れ味も鋭いですが
それでもある程度使い込んでいくと消耗し
新品時の食いつきや切れ味はなくなります。
そこでコストとのバランスにもなるのですが
適度に良いものを頻繁に交換したほうが
トータルでは効率が上がることになります
あくまで目的は作業をミスなく仕上げることで
その上でできる限りスピーディーに…ということなので
その辺のバランスを考えて道具を選ばなくてはならないのですよね…
道具にこだわりたくなる気持ちもありますが
最終的な目的を取り違えないように気をつけなくてはなりませんね
でも道具が大事なのは間違いありません。
駆け出しのころはよくありましたが
つまらない作業ミスの多くの原因が
道具がイマイチだった…ということもよくありました…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
フラッグシップ機F2のボディに
フォトミックAファインダーが装着されたモデルです。
前モデルの「F」ではフォトミックファインダーが
後から開発されたこともあってデザイン上や
機能的にもアンバランスな部分がありましたが
F2ではアイレベルと同時にフォトミックファインダーが前提として
開発されており「F」に比べると随分スマートになりました。
それでもこの時代のニコン機らしく武骨さに溢れていて
それはそれでまた魅力でもあります。
「F2」がデビューした段階ではまだ対応するレンズは
「非Ai」の時代であり露出計連動はいわゆる「カニの爪」で行われます。
その後、レンズシステムが次世代を見据えた「Aiニッコール」に
モデルチェンジされたためフォトミックファインダーも
Aiレンズ対応のものが発売されます。
それが今回の「フォトミックAファインダー」です。
カニの爪連動ではなくAi連動となったため
逆に非Aiレンズだと開放測光での連動は不可能です。
しかしながらフォトミックファインダー側のAi連動爪は
引っ込めることができるので装着可能ではあります。
他、Aiレンズ側に直読用の絞り値の刻印がされているため
ファインダー内絞り値はレンズ側の刻印を直読する形式にかわりました。
個人的にはここに関しては以前の「非Aiフォトミック」のほうが
見やすかったと思います。

お預かりしている「F2フォトミックA」は使われないなまま
何十年も仕舞い込まれていたものと思われます。
その際に電池も入れっぱなしだったため
電池室を開くと白い粉に覆われた腐食した電池がゴロンと出てきました。
当然のごとく電池を入れ替えても露出計は動きません。
またあらゆるところに油切れだったり
あるいは古い油脂に汚れが混じったりして
動作不良が起きています。
シャッターの精度も出ていません。
モルトももちろん全滅です。
何かが致命的に破損している訳ではありませんが
このままではとても撮影に使用できる状態ではありません。

全体的に徹底的に清掃整備調整が必要な状況です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
ちなみに露出計不動の最大の原因は
電池室端子を支える部分が折れてしまっているために
端子が不安定になっており接触不良になってしまうためです。

端子や配線の緑青・腐食も酷いのでここも対処が必要ですが
電池室を外してみると…

見事に突起部が折れてしまっています。
負荷の掛かる部分が樹脂製なので経年劣化で
破損しやすくなってしまいます。
堅牢でオーバークオリティな部品を数多く使うF2の中で
唯一の泣き所ですね。ここもうまく対処して
端子をしっかりと固定していき周辺の配線は交換で対応します。

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ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は「盗難防止の日」だそうですよ。
日付は「とう(10)なん(7)」(盗難)と読む
語呂合わせからだそうです。
空き巣だったり、車上荒らしだったり
ひったくりにスリ、置き引き、クルマ・バイク・自転車泥棒…
盗難と言ってもいろいろな形があり
悲しいことに日常生活の中でも油断できない世の中ですね…
今では考えられませんが
私が幼かった頃の生まれ育った地域では
30分くらい近所に買い物に行くのに
自宅にカギを掛けないで出かけるのも当たり前で
季節によっては玄関も開けっ放し…ということも普通でした…
まぁ時代と地域が違うので今とそのまま比べられませんが
確かに物騒な世の中になったような気がします。
今や家のカギを掛けずに自宅にいることすら
場合によっては怖いですものねぇ
犯罪を起こす方が悪いのは当たり前ですが
そんな世の中である以上、しっかり自己防衛はしないといけないのですよねぇ
そういえば数年前にうっかり財布を丸ごと
駅の切符自動券売機の前に置き忘れてしまったことがあって
1時間後くらいに気がついてダメもとで
駅に問い合わせしたら
ありがたいことに
中身の現金もそのままに届けられていて
まったく無事に戻ってきたことがあったのですよね…
そういうことが当たり前の世の中になってほしいものです

さてさて

本日は「ミノルタミューSR-7」のカメラ修理を行っています。
「SR-7」自体は1962年発売で
世界で初めてCdS素子使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラです。
その「SR-7」が1965年に機能はほぼそのままで
ダイキャストを一新し一回り小型化されたのが
「ニューSR-7」です。
以前のSR-7は前モデルSR-3の後期タイプの
ボディを受け継いだ構造のカメラでしたが
ニューSR-7は次期モデルとなる「SR-T101」と
共通のダイキャストを使用したカメラです。
昨日はほぼ同じとはいえ骨格が全く異なるので
モデル名も「SRー9」に変更しても良いくらい別のカメラかと思います。
ところで「SR-3」からなぜ一気に番号が飛んで
「SR-7」になったかというと
コンパクト機のハイマチック7と同じような理由で
初代ハイマチックの改造モデルがフレンドシップ7号に載って
宇宙で使われたことをアピールする目的です。
ミノルタはこれ以来、後のモデルでも「7」という数字には
特別な思い入れを持たせることが多くなります。
外観の大きさ以外で従来のSR-7と「ニュー」のわかりやすい違いは
露出計CdSの感度切り替えボタンが背面からマウント横に
変更になったことと
底部に後のSR-T同様にon/off/BCの切替SWが付いたことです。

お預かりしている「ニューSR-7」は
まずシャッターを切ることができません。
巻上レバーもロックされた状態で動きません。
こういう場合はまずその現象が
「巻上不可」なのか「シャッターレリーズ不可」なのかを
確認するのがパターンですが
フィルム室からシャッター幕の位置を確認していると
シャッターはチャージされており
「レリーズ不可」であることが確認できます。
これでレリーズが押せるのにシャッターが不動であれば
ミラー駆動部のトラブルの可能性が高いのですが
今回はレリーズボタンがそもそも押せない状態です。
…ということはレリーズロック周りのトラブルの可能性が高いかと思われます。
分解しながらいろいろ動きを確認していくと
どうやら巻き上げた瞬間に解除されるべき
レリーズロック機構が動作不良で解除されないことが原因のようです。
まずは現状確認のために
強制的にレリーズロックを解除すると
シャッターは少々油切れの兆候のある作動音と共に
とりあえずはシャッターを切ることができました。

画僧は本格的分解整備に入る前に撮っておいたものですが
レリーズロック機構以外にも古い油や汚れのせいで
あちこちで動作不良が起こっている状態でした。
シャッタースピードの精度も全く出ておらず
露出計表示の窓の切替も動作不良で固着しています。
さらに電池室周りには結構な緑青が付着しており
露出計も接触不良で不安定です。
機械的な部分、電気的な部分、両方とも
一通りの整備清掃が必要な状態です。
それでも致命的な破損等はないので
キチンと整備すれば快適に使える状態に改善できると思われます。
それではこれから本格的に分解整備清掃に取り掛かっていきます。

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コニカⅡBーmのカメラ修理

今日はこれといってネタにしやすい記念日がないので
過去の10月6日に起こったことを調べていると…
1974年10月6日に「宇宙戦艦ヤマト」のテレビ放送が開始されてますねぇ
この時、私は5歳…再放送も何度もやってたから
世代ど真ん中で夢中になって見ましたねぇ
もはやまったくストーリーは覚えていませんが…(苦笑)
放映開始当初は放送時間帯の裏番組が
「アルプスの少女ハイジ」や「猿の軍団」等の
超人気番組で相当苦戦したそうです…
確かにハイジも猿の軍団も見ていたなぁ
じいさんばあさんがハイジお気に入りだったから
我が家ではハイジ優勢だったかも…
ところで…調べてて気づいたのですが
ヤマトの沖田館長が設定上52歳なんだそうで…
今の私よりも一つ年下なのが地味にショックです…(笑

さてさて

本日は「コニカⅡBーm」のカメラ修理を行っています。
コニカⅡの派生モデルですが
ベースとなる「コニカⅡ」からタイム露出が省略されたものが
「コニカⅡB」で、その「ⅡB」のレンズを
ヘキサノン50mmF2.8からヘキサー45mmF3.5に変更したものが
「コニカⅡBーm」となります。
1957年発売のカメラです。
コニカⅡの特徴である「ダブルヘリコイド式繰り出し機構」や
「二重露出防止装置搭載」は「ⅡBーm」も同様です。
セルフコッキング搭載は次モデルの「Ⅲ」まで待たなければいけませんが
巻上ノブ連動で二重露光防止がついているのは
撮影ミスを減らすことに大きく貢献していると思います。
シャッターチャージそのものはまだ鏡胴上で行います。
シャッターユニットは自社製のコニラピッドSです。
非常に質感の高い鏡胴回りの造りが魅力的なカメラです。

お預かりしている「コニカⅡB-m」は
レンズシャッター機定番のトラブルである
シャッター羽根の粘りが酷い状態です。
チャージしてシャッターを切ると数秒してから
ゆっくりとシャッター羽根が開き始めます。
その際に見える羽根の一部にはベッタリと油滲みが見えています。
さらにその後ろに配置されている絞り羽根にも
油滲みが確認できます。
その影響で絞り動作するものの絞りレバーも少し重い状態です。
この状態で絞りを動かしていると
羽根破損の恐れもありますので簡単に確認して動作は最小限にとどめます。
いずれにせよシャッター・絞り共に羽根洗浄が必要です。
羽根に油が回っているということで
ヘリコイドはグリス切れ気味です。
正確にいうとグリス切れというよりは古いグリスが
固体化しかけているいるような状態で
ヘリコイドが妙に重い状態です。
シャッターユニットも含めた鏡胴周りは入念な整備が必要です。
もちろんレンズ・ファインダーの清掃も必要な状態です。

まだ取り掛かり始めたばかりですが
これからさらに分解を進めてまずはシャッターユニットを分離して
シャッター羽根、絞り羽根の洗浄を行います。
ボディのコンディションは良い個体なので
しっかり整備すれば非常に気持ちよく使えるようになると思います。
いつも思いますがこのあたりの50年代の国産カメラは
品質も良くなってきた上に質感も高く
持っているだけでも嬉しくなるようなものが多いですね。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「登山の日」ですねぇ
日本山岳会が1905(明治38)年10月に発足したことと
「と(10)ざん(3)」(登山)と読む語呂合わせが由来となっています。
山登りとひとくくりにして言っても
いろんなタイプやレベルの山登りがあるのですが
何にしても山歩きは気持ちいいですよね
10年くらい前は毎週のようにあちこちの山を歩いていて
お店を始めてからはなかなかまとまった時間も取れず
それでも年数回は山に出かけていましたが
2年半前に頭がちょっといかれて
足元が少々おぼつかなくなったので
さすがに山道は歩けなくなりました(苦笑)
残念ですがしかたないですねぇ…
3000mクラスの山々なら夏山がいいですが
本州の2000mくらいの山なら今の季節が最高ですかねぇ
紅葉もそろそろ楽しめるはずです。
森林限界を超える見晴らしの良い稜線を歩いていると
まさに「天空の散歩」って感じで
日常では味わえない高揚感が楽しめます。
もう少しいろんなところをいろんな季節に歩いておけばよかったかなぁ

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1960年代から70年代にかけての
ニコンの中級機を担うニコマートシリーズの中で
おそらく最も売れたカメラであり
最も現存数の多いカメラかと思われます。
1967年発売のカメラです。
最初のニコマートFT系モデルである「FT」をベースとして
開放F値補正操作(いわゆるニコンのガチャガチャ)を採用し
それまでダイヤルで都度設定しなければいけなかった
開放F値の設定が絞りリングを往復させるだけで完了します。
またニコマートシリーズで初めて中央重点測光が取り入れられています。
汎用シャッターユニットであるコパルスクエアシャッターを
使うことやアッセンブリー部品を多用することにより
大幅なコストカットを行いつつもニコンらしい高い堅牢性を実現したカメラです。
発売開始から50年以上経過しますが
よほど保存環境が劣悪な場合でない限り
そう簡単にシャッター切れないような
状態になっている個体は少ないと思います。
「何が何でも巻上とシャッターだけは切れる」というカメラである印象を
個人的には持っているカメラです。
いや、実際、非常に丈夫なカメラです。

とはいえ。。。さすがに最低限の動作はできていても
さすがに油切れや汚れによる動作不良や精度不良は起こります。
これはさすがに仕方ないですね。
今回お預かりの個体もシャッターは切れているもの
やはり高速シャッタの精度は羽根汚れの影響もあり今一つですし
露出計も何とか動いてはいますが非常に不安定な上に
精度は出ていません。
モルトは内部モルトも含めて全滅でファインダー内はモルト屑だらけです。
やはり普通に使うためには一通りの整備が必要な状態です。

まだまだ分解途中の段階での画像ですが
これから整備一式を行っていきます。
ニコマートFT系と言えばマウント部絞りSS連動の
マイラー抵抗の状態が心配ですが
今回の個体はここの状態は悪くなく
交換は不要かと思われます。
ただし電池室裏の端子は緑青がかなり発生しており
配線も交換が必要です。
他、シャッターユニット、巻上部。ミラー駆動部等も含めて
一通りの整備を行っていきます。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日から10月ですね。
月初ということもあってたくさんの記念日が制定されています。
衣替えに始まり、日本茶の日、メガネの日、
法の日、土地の日、東京都民の日、ネクタイの日
香水の日、醤油の日。。。等々他にもたくさん。。。
そんな中でもやはり「日本酒の日」ですかね。
新米で酒造りを始めるのが10月であること、
十二支の10番目が「酉」で酒壺を表す象形文字であること、
明治初期に制定された酒造年度が10月1日に
始まることなどからこの日が選ばれたのだそうです。
お酒は基本的に何でも飲めますが
やはり日本酒が最高ですねぇ…
香りの立つ大吟醸とか磨きこまれたお酒であれば
日本酒単体でも素晴らしく楽しめますが
個人的好みで言えばクセの少ない純米酒に
いろいろな肴を組み合わせて食事として楽しめるのが
日本酒が最高な部分ではないかと思っています。
私、子供の頃は結構食べ物(特に和食系)に
苦手なものが多かったのですが
日本酒を飲むようになってから好き嫌いが随分減ったのですよねぇ
まぁそれは私に限ったことかもしれませんが
日本の食材に基本的に日本酒は合うのだと思います。
…とはいえ食事の量もお酒の量も
もう昔のようにはたくさん楽しめないので
今夜あたりはちょっと良いお酒に良い肴を少しだけで
ちびちび楽しみたいと思います!
そのために昼間は仕事頑張らなくては!!!

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスのM42マウント機と言えば「SP」が現存台数も
現在の人気もトップクラスだと思いますが
「SP」以前のペンタックスAP系にも魅力的なカメラがたくさんあります。
「AP」→「K」→「S2」→「S3」→「SV」と変遷していくわけですが
今日はその中でも「一軸不回転シャッターダイヤル」が採用され
随分現代的に進化した「S2」です。
発売開始は1959年です。
元々は普及機として開発され
当時のトップモデル「K」に比べて
製造設備の整備や生産工程の大幅な見直しによって
コストダウンが進められ
ケース付き51,500円であったアサヒペンタックスKに対して
ケース付き35,000円と大幅な低価格化を実現しヒット商品となったモデルです。
その上で先に触れた「一軸不回転シャッターダイヤル」や
ファインダースクリーンにマイクロプリズムを採用したりと
機能的にも「K」を上回る部分がありました。
シャッター最高速こそ当初は1/500まででしたが
これも最終的には1/1000に引き上げられます。
今回お預かりの個体も後期のモデルで最高速は1/1000です。

しかしながら「SP」より前のモデルは
材質や経年の問題もありシャッター幕に
トラブルを抱えている個体がほとんどです。
今回の「S2」も幕はかなり硬化していてガチガチな上に
かなり波打っていてシワシワです。
当然ながらシャッターはまともに走行できる状態ではなく
巻上げてしゃったーを切っても
先幕はゆっくりゆっくりかろうじて走行完了するものの
後幕は途中で止まってしまいシャッターは開いたまま
もちろんミラーアップしたままになってしまいます。
こうなるともうシャッター幕交換以外に術はありません。

画像はまず先幕を取り外した状態でのものです。
画像で見ると先幕は一見キレイそうに見えますが
ガチガチのよれよれです(苦笑)
後幕の状態はもっと悪いです。
今回はプリズムの頂点部にも腐食がかなりあり
ファインダー内の視界も悪いので
プリズム交換も同時に行います。
さらに画像にはありませんが装着されていた
半自動絞りのオートタクマー55mmF2レンズの清掃整備も行います。
やれることは全て行って
今後長く使っていけるようにメンテナンスを行っていきます。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「くるみの日」だそうですよ。
「く(9)るみ(3)はまるい(0)」(くるみは丸い)と読む
語呂合わせからだそうです。
なかなか強引ですね(笑
クルミは、α-リノレン酸(ALA)と呼ばれる
オメガ3脂肪酸の一種を多く含んでいるそうで
ALAやその他のオメガ3脂肪酸が豊富な食事は
血圧を下げ動脈をきれいにすることにつながるだそうです。
以前、この話を聞いて
毎日くるみを食べるようにしていた時期がありました(苦笑)
でもね。何十年も続けないと
目に見える効果は得られないんじゃなかったかなぁ
で、「そんなんもう手遅れじゃん」って止めたような気が(笑)
まぁいわゆる血管年齢と血圧は本当に重要ですね。
私も血圧はさすがに気をつけています。
少し前に頭やっちゃってますしねぇ。。。
くるみに限らずナッツ類は良質なたんぱく質と脂肪を摂取できる
優秀な食材だですし何といっても美味しいですよねぇ
でもこれが調子に乗って食べ過ぎるとまたダメなのです
カロリーめっちゃ高いですし。。。
バランスよく栄養を取るのは本当に難しいですよねぇ

さてさて

本日はキヤノンFTのカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
TTL絞込測光機なのですが
受光体の配置にちょっとこだわりがあるカメラです。
通常、TTL測光機は接眼レンズの周辺にCdS(受光体)を
配置することが多いのですが
FTの場合はまずスクリーンの上に設置される
コンデンサレンズ内にハーフミラーを組込み
コンデンサレンズ内を通過する光の一部を
その背後に配置したCdSに送ります。
周辺の余計な光に影響される可能性がかなり減少し
精密な測光ができる造りになっています。
この構造の為、この時代の他TTL機では
平均測光や中央部重点測光が主流だったのですが
FTの場合は「中央部部分測光」となります。
露出計の理屈がある程度わかっている撮影者なら
視野内に輝度差が激しく露出の決定が難しい場面でも
平均測光や中央部重点測光より露出が計測しやすいという利点もあります。
これをもっと推し進めていくとオリンパスの得意な
スポット測光になっていくわけですね。
このFTで採用されたCdSの配置と測光方法は
後のFTbやF-1にも引き継がれこの時代のキヤノン一眼レフの
こだわりの測光方法となっていきます。
シャッターの基本的構造はFXから受け継がれた
Fシリーズ共通の仕様で
アタックの効いた歯切れの良いシャッター音が特徴です。
そしてこれもこの時代のキヤノンお得意の
QL(クイックローディング)が採用され
フィルム装填も簡単に行えます。

お預かりしている「FT」は
残念ながらシャッターを切ることができません。
巻上レバーもロックがかかっています。
シャッター幕の位置から判断すると
シャッターはチャージ状態にあるようなので
どうやらレリーズができない状態のようです。
確かにチャージされているのに
シャッターボタンを押し込むことができません。
「ふぅん…よくわからないから
まずは分解しながらトラブルシューティングかな…」と思いつつ
外観の状態や他に変わったことがないかチェックしていると…
ひとつ気がついたことがりました。
フィルムカウンターの窓に付いている透明なプラ板がありません。。。
割れたり破損した場合は別ですが
構造上、外側に外れることは考えにくく
かなり高い確率で内部に落ちるはずです。
「これかなぁ。。。あやしいなぁ」と思いつつ
慎重に分解を進めていくと
レリーズ部の奥深くで案の定、カウンター窓が挟まっていました。
何とかカウンター窓も破損はしていなく再利用が可能です。
分解品等だと既に外に出ている可能性も高いですが
今回の「FT」はご依頼者様が昔から使っているもので
分解歴がないと思われることから
おそらく内部にあるだろうと予想したのですが
今回は予想があたりました。

画像はまだカウンタ窓を発見する前の分解前のものです。
カウンタ窓救出後、シャッターはとりあえず
きれるようになったものの
かなりあちこち油切れの状態で高速シャッターの精度は出ておらず
低速シャッターはガバナが粘っています。
さらに露出計はSW部接点の接触不良で全く動作しません。
何にせよ全体的にリフレッシュが必要な状態です。
ただし、今回のFT、外装やファインダー内は年式相応に
かなり汚れていたのですが
内部が分解歴ないわりに妙にキレイなのです。
あまり使われてなかったのかもしれません。
FT…というかFシリーズ全般の持病でもあるプリズム腐食もありません。
ただプリズムの周りのモルトはボロボロだったので
もちろん交換します。
これでよくプリズムが無事だったものだと感心します。
おそらくご依頼者様も近年はこのカメラを使っていなかったと思うのですが
これを機会にまた存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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ミノルタハイマチック7Sのカメラ修理

今日は「洋菓子の日」なのだそうですよ。
その由来はフランスではサン・ミシェル(大天使ミカエル)が
菓子職人の守護聖人となっており
その祝日が9月29日であることからだそうです。
洋菓子…と一言で括ってもその種類はたくさんありますよねぇ
パイとかクッキー、チョコレート。アイスだってそうだし
ドーナツやキャ貯める・キャンディまで含まれます。
でも、やっぱり一番にイメージされるのはケーキですよねぇ
ふわふわのスポンジに甘い生クリーム
いわゆるショートケーキがなんだかんだ言っても一番好きかもしれません。
で、ショートケーキと言えばやはり苺ですが
今の時期であればシャインマスカットとかを使ったものとかもいいですよねぇ
別に高級店のケーキとかじゃなくても
ご近所で気軽に買えるケーキで十分すぎるほど美味しいですよね!
首都圏ではあちこちに店舗があるコージーコーナーで
ちょくちょくケーキを買っていますが
定番の種類に加えて季節ごとの限定商品とかもあって
毎回行くたびに楽しいですしどれも抜群に美味しいですよ。
調子に乗って頻繁に買っているとこれがまた
いろいろ身体に問題が出るので「たまに」なのですが…(苦笑)
最近ではコンビニスイーツも美味しいモノたくさんありますものねぇ
甘いモノ好きな私としてはたまりません!
あとでコンビニにおやつ探しに行ってきます!(笑

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックといえばミノルタを代表する
レンズ一体型コンパクトカメラのシリーズです。
初代は1961年に発売となり
今回の「7S」は1966年の発売となります・
「コンパクトカメラ」と言っても
60年代のハイマチックはレンズ一体型というだけで
大きさは普通の一眼レフより少し小さい程度
当時のレンズ交換式レンジファインダー機と変わらない
「立派な」大きさです。
この「立派な」というところがミソで
当時のカメラは高級感を演出するためにもある程度の大きさと
重量感が必要と思われていたのです。
同じ時代に機能を損なわずコンパクトに造られた
「ミノルチナS」あたりが意外と苦戦したのは
こういう時代背景もあったようです。
これが70年代に入ると今度は一気に「軽量コンパクトは正義!」という
時代にガラッと変わりハイマチックシリーズも一気にコンパクト化が進みます。
でも60年代の少し大柄なハイマチックシリーズは
構造的にも余裕がありボディダイキャストも部品も
剛性の高いしっかりしたものが使われ
整備性も良い…と良い部分も非常に多いのです。
7Sはモデル名に「7」が付きますが
構造的には「7」直系ではなく「9」から
フラシュマチックを省略したカメラと言えます。
とはいえ「9」も元々のベースは「7」なので
「7」、「9」、「7S」は兄弟のようなものですが…
写りの評価の高いロッコール45mmF1.8の大口径レンズを搭載します。
露出モードはプログラムオートとマニュアルが可能で
ファインダー内露出計指針にはEV値が表示されます。
マニュアル時にはSS・絞りリングに連動してEV値も
リング状に表示されます。
マニュアルでじっくり露出や絞りをコントロールすることもでき
プログラムオートで素早く撮ることもできる
オールマイティーなカメラです。

お預かりしている「7S」はかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていた個体かと思われます。
ファインダーやレンズにはカビやクモリがかなりあり
撮影に間違いなく悪影響が出るレベルです。
さらにシャッター羽根、絞り羽根にも粘りが見られます。
ちょっと不可解なのは露出計で
電池を入れていないと当然電源は入らず指針は
ファインダー上の一番上に引っ込んでいるような状態ですが
電池を入れると明るさに関わらず一番下に振り切ってしまいます。
それだけならまだわかるのですが
ハイマチック7系はASA感度リングがSWも兼ねており
そこに「オフ」があるのですが
「オフ」にしても指針が振り切ったままになってしまいます。
うーん、CDSが悪いのか回路上どこかで不具合があるのか…
ちょっと分解していろいろ調べてみないとわかりませんね…

先にCDS及び感度ダイヤルが正常かどうかを調べたのですが
そこには問題がないようです。
…となると電気回路上に問題がありそうです。
ショートしているわけではなさそうなので
何とかなるとは思います。
シャッタユニットや巻上部の整備を行いつつ
回路上の不具合をテスターでいろいろ当たって探していきます。
先程も少し触れましたが大きさに余裕あるので
整備性自体は非常に良好なカメラです。
しっかり安心して使っていただける状態に整備していきます。

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ニコマートELのカメラ修理

今日は「パソコン記念日」だそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に
日本電気(NEC)がパーソナルコンピュータ
PC-8001(PC-8000シリーズ)を発売したことの由来しています。
PC-8000やPC8800シリーズ懐かしいですねぇ
この機種が最初のパソコンブームの火付け役でしたね。
当時の定価は168,000円で
PC-8000シリーズは3年間ほどで約25万台を売り上げたそうです。
モデル名の「PC」は「パーソナルコンピューター」の頭文字で
このモデルから「パソコン」という呼び名が定着しました。
それまでは小さなコンピュータの呼び名は全て「マイコン」でしたね
でも当時のパソコンの環境を考えると
現在のPC環境は想像を超える発展だと思います。
私、高校入学のお祝いに当時の最新機種PC-8001mkⅡSRを
買ってももらったのですが
OSはBASICでメモリはRAM 64KB + 48KB(グラフィックVRAM)
ハードディスクの搭載もまだない時代で
記憶媒体は5インチフロッピー
とてもとても今のパソコンとは比べ物にならないレベルでした
それでもゲームや簡単なプログラム組んで遊んでましたが。。。
あまりフル活用はできていなかったかなぁ…(苦笑)
こうしてこのブログもパソコンで書いていますが
今やパソコンがないと仕事になりません。
もちろんメインの仕事はカメラを整備することですが
それ以外の周辺業務は全てパソコンが関わっていますものねぇ…
高校生の頃、こんな環境になるとは想像できてなかったですねぇ…
今から100年後とかどんな環境になるのでしょうね?
もちろん確かめることはできませんが…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズはニコンFやF2の時代の
普及機クラスのニコンFマウント一眼レフカメラのシリーズ名です。
フラッグシップのFやF2に比べると
コパル製汎用シャッターユニット採用し
コストカットもいろいろ行われていますが
以前のOEM供給で失敗したニコレックスシリーズでの反省も踏まえ
ニコン基準の品質を維持するために開発製造はニコンで行われました。
その成果もありニコマートシリーズはスペックでは
フラッグシップに当然敵わない部分はあるものの
非常に信頼性の高い中級機して人気の高いカメラになりました。
機械制御シャッターのFT系と
電子制御シャッターで絞り優先オートを搭載するEL系に大きく二分され
後のFM/FEシリーズに引き継がれていきます。
今回は1972年発売の「ニコマートEL」です。
ニコン初の絞り優先AE機で
シャッタスピードは1/1000~4秒でオート時には無段階で制御します。
電池がないときは機械式の1/90秒のみ使用可能なのは
非常にニコンらしい機能ですね。
電池は4SR44(4LR44)を使用しますが
その電池室はなんとミラーボックス内に配置されています。
スペースの都合上の苦渋の選択だとは思いますが
予備知識がないとまさかここから電池を入れるとは思えない場所にあります。
今でも思い出しますが昔、最初にELを扱ったときに
「あれ????電池室どこだ???」って
1時間以上悩んだのを思い出します(笑

お預かりしている「EL」はまず巻上レバーが異様な重さです。
何とか巻き上げることは可能ですが
重い上に巻き上げてもレバーは戻りません。
押し込んで強引にレバーを戻せば何とかシャッターは切れます。
一応、電源は入りますが露出計指針はふらふらと落ち着かず
どこかの接点で明らかに接触不良があるようです。
さらにシャッタスピードもオート制御も非常に不安定です。
ただ電子回路的には致命的な問題はなさそうで
シャッター羽根の汚れや接点等の汚れが
動作不安定の原因だと思われます。
もちろんモルトはフィルム室・内部モルトも含めて全滅です。

まだ上カバーを外しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
プリズム上の基盤が時代を感じさせますね。
リード線も多いので扱いに非常に神経を使います。
巻戻しクランク下にASA感度連動の摺動抵抗と
それとは別に絞りリング連動の摺動抵抗がいます。
ここの汚れで動作不安定になることも多いので
入念に清掃を行います。
後のFEのほうがボディサイズもスペースの余裕もないのですが
整備性に関してはELの方が手間がかかります。
いずれにせよ同じニコマートでもFT系に比べると
かなり整備は面倒なカメラではありますので
細心の注意を払いながら分解整備を進めます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ワープロ記念日」だそうですよ。
1978(昭和53)年のこの日に
東芝が世界初の日本語ワープロ「JW-10」を
発表したことに由来しています。
このワープロ…スペックも大きさも時代を感じさせます。
幅115cm・奥行き96cm・重さ220kg(!)で、価格は630万円でした。
片袖机ほどの大きさの筐体に、キーボード・ブラウン管・
10MB(!)のハードディスク・8インチフロッピーディスクドライブ
プリンターが収められていました。
8インチのデカくてペラペラなフロッピー懐かしいですねぇ
20代の頃、仕事でよく使いました…
ワープロ専用機ももはや過去のモノですが
出荷台数のピークは1991年だそうです。
「パーソナルワープロ」なんて言葉もありました。
カシオやキヤノン、エプソンあたりが強かったのかな…
90年代に入るとパソコンのワープロソフトがかなり進化し
1999年にはついにパソコンの売上が
ワープロ専用機の売上を逆転したそうです。
いまやワープロ専用機を見かけるなんてなくなりましたものねぇ
でもテプラとかはある意味ワープロ専用機に近いですよね
これも時代の流れですねぇ

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月コンスタントに修理依頼のあるカメラですね。
軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフ…といえば
一番に名前の挙がるカメラです。
1972年の発売当時に他メーカーが全く実現していなかった
小さな軽いボディは相当衝撃的だったと思います。
当然ながらそのサイズを実現するために
それまでの一眼レフでは考えられない工夫や独創的構造が
いたるところに見られます。
そのため整備性はいくらか犠牲になっている部分も
正直に言ってあるあkとは思います。
修理・整備する立場で言うとなかなかクセのあるカメラです。
加えて現行モデルだった当時であれば何の問題もなかった
耐久性も登場から50年が経過する現在においては
特にプラスチック部品の強度に少々難が見られます。
このあたりは致し方ない部分だとは思いますが…
それでもそこそこのコンディションで
しっかり整備された個体であれば
OM-1ならではの静かで上品なシャッター音や
独特のシャリ感のある軽快な巻上を存分に楽しむことができます。
露出計連動の構造もなかなか独特ではありますが
基本的にはシンプルな指針式のため
大抵の場合で修理が可能です。

お預かりしているOM-1は精悍なブラックボディで
MD対応の中期モデルです。
露出計も含め一応は一通り動作してはいますが
実際に撮影に使うためにはいろいろ問題を抱えています。
まずはミラー駆動部の動きがかなり悪く
明らかにレリーズしてからのミラーアップ→シャッター動作までの
動きにタイムラグが見られます。
加えてたまにミラーアップしたままになってしまうこともあるようです。
巻上もOM-1であよくある
「空回りのようになり一度で巻上できない」という症状が出ています。
これは巻上レバーと巻上軸とのリンク部動作不良です。
そして高速シャッターにも精度不良がみられ
さらに露出計は1.5段から2段ほどオーバー傾向です。
どれも致命的な破損とかではないですが
動きが悪かったり接触が悪かったりするためのトラブルです。
全体的に整備を行いリフレッシュさせてやる必要があります。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
装着されている50mmF1.8レンズも絞り羽根に粘りがあり
明らかにゆっくりとしか動けないようなので
ボディ側が終わった後でレンズ側の整備も行っていきます。
OM-1といえばプリズム腐食の非常に多いカメラですが
今回のOM-1は過去におそらくプリズム交換が行われているようです。
細かなトラブルを多く抱えてしまっている状態ですが
しっかり整備すれば何の問題もなく使える状態になると思います。
OM-1が好きで使っている方は非常に多いとは思いますが
確かにこのカメラは他に代わりのないカメラだと思います。
何と言ってもそのサイズが他に代えがたく
その上で独特の使い心地の良さがあるカメラです。
もちろんズイコーレンズの写りは言うまでもなく上等なものです。
ファンが多いのはうなづけますね。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は日比谷公園・松本楼の「10円カレーの日」ですねぇ
松本楼が1971(昭和46)年に焼失し
1973(昭和48)年のこの日に再建、新装開店したことを記念して
「10円カレー」が提供されています。
通常は1100円のビーフカレーが
1973年以来9月25日に先着1,500名に限り10円で振る舞われています。
コロナ禍の影響もあって今年は3年ぶりの開催だそうです。
昔ながらのビーフカレー美味しそうですよねぇ
松本楼、昔、何回か日比谷公園に行った際に立ち寄っているのですが
もう15年以上は行ってないです…
また機会があれば行きたいですねぇ
松本楼に限らず昔ながらの洋食屋さんっていいですよねぇ
中野でも何件かあるのですよね
休みのランチとかで行ってみようかな…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
全てのAシリーズの基本形であり、Aシリーズ最初のカメラでもあった
「AE-1」の後継機ですね。
Aシリーズのカメラは機械的な部分の基本構造は
全てAE-1が基本となっています。
今回の「AE-1プログラム」もそこは同様なのですが
その基本的機械部分を制御する電子制御部は
全くもって別モノに進化しています。
最初のAE-1のデビューが1976年なのでAE-1プログラムの
登場はその5年後ですがその5年間に
一気に電子制御回路は進んでいることが内部を見ればよくわかります。
AE-1の頃に残っていた糸連動制御はなくなり
リード線で配線される箇所も極端に少なくなっています。
分解して内部を見なくても明らかに洗練された
LED表示のファインダー表示を見ればその一端を感じることができると思います。

…とはいえ…機械的基本部分は初代AE-1とほぼ同一です。
…ということはAシリーズ共通のトラブルともいえる
「シャッター鳴き」がやはり「AE-1プログラム」でも起こります。
今回お預かりしてる個体でもシャターを切るたびに
「ギャイン」と耳障りな異音がしています。
毎回書きますが「シャッター鳴き」といいますが
実際に異音が出ているのはシャッターではなくミラー駆動部のギアです。
ここの油切れが原因で異音が発生しています。
シャッター鳴きの起こっている個体は大なり小なり
やはりミラー駆動部の動きは悪くなっていて
酷いものになると明らかにレリーズしてからミラーがあがるレスポンスが
遅くなっているのがわかるようになります。
最終的にはミラーが動けなくなってシャッターが切れなくなります。
そうなる前にしっかり整備を必要があります。
シャッター鳴きが起こるのは正面から見てミラーボックスの左側ですが
右側にはオート時の絞り制御機構があり
ここも油切れが起こると動きが悪くなりオート制御が不安定になります。
絞り制御レバーがフリーになる状態にして
指で動かしてみてジャリジャリ音が出ていて動きが重いようであれば
間違いなくオート制御は不良です。
今回の「AE-1プログラム」もここの動作も不良でした。

あまり使われないまま長年仕舞い込まれていたのか
外観のコンディションは非常に良い個体です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
電子制御機としては整備性は悪いほうではないのですが
さすがにこれだけフレキや接点がぎっしり詰め込まれていると
分解整備は大変ですし非常に神経を使います。
特に静電気には要注意で帯電した指でうっかり
回路に触れてしまうと
その瞬間に修理不能となってしまう可能性もあります。
慎重に細心の注意を払いながら整備を行います。

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