月別アーカイブ: 2025年6月

ユニオマットⅡのカメラ修理

今日は「ハーフタイム・デー」だそうですよ。
「一年間の折り返し地点となる日。一年も残す所あと半分となる日」
ということらしいのですが
正確に言うと平年365日の181日目に当たり
残り184日で「一年の真ん中の日」ではないですね。
一年のちょうど真ん中の日は7月2日であり
この日は「一年の折り返し日・真ん中の日」となっています。
でも一年12ヵ月のうち
この日で半分の6ヵ月の月日が経過したことになりますので
やはりキリの良い半分の日と言えますね。
「前半年の反省と後半年への希望を見極める日」
「これまでの半年間を振り返って
この一年の目標を再確認する日」などとされています。
この間、「新年だ!2025年だ!21世紀も1/4経過するで!」と
思っていたのですが…(笑
いや、それを言い始めると
24年前に「つ、ついに21世紀だ!」って言っていたのも
割と最近のことのように思えるのですが…(笑
過ぎ去ってみると時の経つのは早いですね…
残りわずかな人生…しっかり味わって生きなければいけませんねぇ

さてさて

本日は「ミノルタ・ユニオマットⅡ」のカメラ修理を行っています。
追針手動合致式露出計とマニュアルプログラムシャッターを
搭載した距離計連動機です。
搭載されているシャッターユニットはシチズンオプチパーユニで
レンズシャッターとしてはめずらしく最高速は1/1000です。
とはいえプログラムシャッターで
当時のフィルム感度の主力はASA100だったことを考えると
1/1000の出番はかなり少なかったと思われます。
それもあってこの時代のレンズシャッターでの1/1000搭載機は
かなり少ないと思います。
ユニオマット自体の登場は1960年ですが
良く1961年に中身はそのままに外観デザインのみを変更した
「ユニオマットⅡ」が発売されます。
今回のユニオマットはこの「Ⅱ」となります。

やはり心配されるのはセレンの劣化ですが
今回お預かりしている「ユニオマットⅡ」は
その点に関しては心配不要なようで
明るさに対して元気に指針が反応します。
精度もほぼほぼ問題ないレベルです。
しかしながらかなり長い間、それもあまり環境のよろしくないところで
保管されていたらしく全体の汚れがなかなか大変なことになっています。
ボディの汚れは徹底的な清掃である程度はなんとかなりそうですが
問題はレンズとファインダーです。
ファインダーは二重像が全く見えないほど曇ってしまっています。
特に接眼レンズの汚れ・カビが酷いようです。
最初は「ん?ミラーか何か脱落してて全く二重像が見えないのか???」と
思ったのですが二重像自体はハーフミラー上に映っているのですが
汚れがひどいせいで見えないことが判明しました。
レンズもなかなか深刻な状態で
3郡4枚のレンズすべてに盛大にカビが発生していて
バルブで覗いても向こう側がロクに見えない状態です。
多少のカビ跡が残るかもせいれませんが
とにかく入念に清掃するしかない状況です。

これから本格的に分解清掃整備を行っていきます。
シャッターユニットの取り付けにガタがあることと
ピントリングがグリス劣化でかなり重くなっているので
それも含めて細かく入念に整備を行っていきます。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「ビートルズの日」だそうですよ。
1966(昭和41)年のこの日に
当時人気絶頂のビートルズが初来日したことに由来しています。
来日翌日から東京・日本武道館で3日間5回の公演を行ったそうです。
学校をさぼってかけつけた高校生ら6520人が警察に補導されたが
ケガ人は1人も出さなかったそうです。
さすがに私の生まれる前のことなので
当時の熱狂ぶりはわかりませんが社会現象的に盛り上がったのでしょうね
洋楽は中学生頃から聴いていますが
ビートルズはさすがに世代的にリアタイではないので
それほど詳しくありません…有名な曲はもちろん知っていますが…
当時は高校生を中心に熱狂的だったのだと思いますが
10代の頃に出会ったものって音楽でも他の趣味のモノでも
年取っても記憶に刻まれますよねぇ…
そういえば私も先日、4月末に
10代の頃に強烈にハマったシンディローパーのライヴを観に
武道館に行ってきました…やっぱりよかったですよ

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
ペンタックス初のカメラでもある「アサヒペンタックス」からの
流れを引き継いてでいるカメラで
この世代のモデルの集大成ともいえるカメラです。
次に出てくるのは完全新設計の「SP」となりますね。
「AP」「K」「S2」「S3」と続いてきたペンタックス機ですが
この「SV」は「S3」をベースにセルフタイマーが搭載され
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
TTL露出計内蔵は次期「SP」で、となりますが
それ以外はマニュアル機として一通りの機能を搭載し
これ以降の時代と比べても決して不足ないカメラともいえます。
内部機構も「K」や「S2」と比べると
基本は同じですが細かいことろは随分洗練されていて
整備性も間違いなくよくなっています。
M42マウント搭載のシンプルなカメラということもあり
現在でも根強い人気のあるカメラです。

お預かりしている「SV」はミラーアップしたまま固着した状態で
当店にやってきました。
55mm標準レンズが装着されていたのですが
ミラーアップしたままということもあり
絞り込み機構が噛みこんでしまって
レンズも外せない状態で詳細な状態が
受付時には全く掴めませんでした。
ミラーアップはこの手のカメラでよくある
後幕走行不良でミラーダウンできない…というパターンではなく
そもそもチャージ状態からシャッター幕は先幕も走り出していないようです。
幸い「SV」は前面のネジ4本だけで簡単に前板がマウントごと外れるので
前板を外してとりあえずレンズは外すことに成功
現状を細かく見ていくと
まずレリーズされて最初のアクションである
ミラーアップが駆動部動作不良によってきちんと完了しないようで
そのまま固まってしまっていた状態のようです。
とりあえずミラーを強制的にキチンと上げ切ると
とりあえずシャッターは走りましたが
今度は後幕が完全に走り切らずやはりミラーアップしたまま…
でもこれはいつもの症状ですね。

とにもかくにも油切れや蓄積した汚れで
あちこちの動きがスムーズに行えない状態なので
とにかく分解して駆動部を徹底的に洗浄整備していきます。
画像はまだ取り掛かり始めですが
これから分解を進めていきます。
心配されるのは劣化の可能性の高いシャッター幕ですが
ずいぶん昔のことだとは思いますが
過去に幕交換が行われているようです。
シャッター幕は明らかに当時のモノではなく
普通にしなやかな状態を保っています。
「SV」は幕交換が前提となる場合がほとんどなのですが
今回は魔無孔管の必要はなさそうです。
それであれば集中して各駆動部の動きをスムーズに行えるよう
整備を行って最終的に微調整で仕上げたいと思います。

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ニコマートFTのカメラ修理

今日は「パフェの日」だそうですよ。
甘いもの好きな私としてはそれを聞いただけで
パフェが食べたくなりますねぇ…(笑
コンビニスイーツとかでも十分に美味しいし
食べ応えありますが
やはりたまにはお店に行って
豪華に盛り付けられたパフェを堪能したいものです。
視覚で楽しむ美味しさってのもありますものね!
本格的に暑くなるこの季節にもピッタリです。
冷房の効いた部屋で旬のフルーツや
ガツンと甘いシロップ、チョコ、アイスが入ったパフェを
ゆっくり楽しんで少し身体が冷えたところで
熱いブラックのコーヒーで締める…いいですねぇ…
いかん…仕事中止して喫茶店行きたくなってきました…(笑
ちょっと気合い入れなおしてスイッチ入れなくては…

今日は「ニコマートFT」のカメラ修理を行っています。
1965年発売の中級機です。
前板とミラーボックスのダイキャストとを一体化し
シャッターはユニットシャッターである
コパルスクエアSを採用、各部のコストダウンを行いながらも
以前、OEMで失敗したニコレックスシリーズの失敗を踏まえ
開発製造はニコンで行い
高い精度と堅牢性を持ち合わせたカメラとなりました。
F一桁シリーズには及ばないとしても
実際に使用してみても非常に丈夫なカメラです。
機能的にも開放測光のTTL露出計を内蔵し
普通に使うには全く必要十分なカメラです。
ニコマートFT系というと現存台数としても
当店に依頼が多いのも後に出た「FTN」が多いのですが
今回は最初に発売されたFTです。
基本的な構造はほぼ変わらず、違いといえば
開放F値補正操作(いわゆるニコンのガチャガチャ)がなく
若干、レンズ交換の際の開放F値設定が手間なことと
ファインダー内にSS表示がないくらいです。

お預かりしている「ニコマートFT」は
やはりかなり長い間、使われずに眠っていた個体と思われます。
それでもさすがというかシャッターは精度はともかくとしても
一通り作動しています。
ただしやはりシャッター羽根の汚れのせいか高速の精度は
あまり出ていません。
電池もキチンと抜いて保管してあったようで
不安定ではあるものの露出計も動作しています。
ただ一番気になるのは異様に巻上が重いことです。
フィルムを装填していない状態でもかなり重いので
実際にフィルムをいれるとさすがに普通には使えない重さかと思われます。
おそらく巻き上げ機構部の油切れや
積年の汚れが原因と思われます。
細かく見ていくとミラー駆動にも粘りが見られるので
やはり本来のスムーズさや精度を取り戻すためには
一通りの整備が必要な状態です。
当然ながら内部も含めたモルトは全滅です。

取り掛かったばかりの状態ですが
やはり内部は古い油脂類と埃が混じったような
汚れがかなり見られます。
これからミラーボックスを外してシャッタユニットも降ろし
できる限りの清掃整備を行っていきます。
心配されるマイラー抵抗の状態は良好な様子です。
大きさに余裕があることもあり
整備性は非常に良いカメラです。
コパルスクエアもシンプルなシャッターユニットなので
細かい部分まで清掃整備ができる構造になっています。
しっかり手を入れればまだまだ長く使えるカメラだと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「生酒の日」だそうですよ。
老舗日本酒メーカーの月桂冠株式会社が制定しています。
同社が本格的な「生酒」(なまざけ)を発売したのが
1984(昭和59)年6月25日だったことが由来となっています。
超精密ろ過技術の応用で常温流通が可能になった生酒。
これにより蔵元でしか味わえなかったしぼりたての美味しさを
全国どこでも楽しめるようになろました。
生酒は、「火入れ」と呼ばれる60℃ほどの加熱処理を
一度も行わずに出荷される酒のことです。
そのため、しぼりたてのフレッシュな香味を楽しむことができ
冷やして飲むのに適しています。
常温流通可能な月桂冠「生酒」の賞味期間は
製造年月から約8ヵ月となっています。
生酒に限りませんがキリっと冷やした
日本酒の美味しい季節になってきましたね。
お酒は全般的に何でも好きですが
やはり魚介類には日本酒が一番合うと思っています。
これからの季節、お刺身に冷酒は最強の組み合わせですねぇ
もう今は食べる方も飲む方もちょっとだけで十分なので
少し良いお酒とお魚を晩飯に少しだけ味わうくらいでちょうどよいです。
少量だからゆっくりしっかり味わうし経済的でもあるので
食欲の衰えやお酒に弱くなるのも案外悪くないですね(笑

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を目指した
「ペンタックスMシリーズ」の中心機種です。’(1976年12月発売)
異端児的な「MX」を除く他のすべての「Mシリーズ」の
基本となっているカメラです。
「キヤノンAシリーズ」における「AE-1」的存在のカメラとも言えますね。
ただ、「ME」は絞り優先オート専用機で
マニュアル露出での設定は行えません。
マニュアル可能になるは後に出る「MEスーパー」の登場まで
待たなければいけません。
(マニュアル専用機であれば「MX」がありましたし)
なかなか使い心地の良くコンパクトなカメラなので
オートで気軽に撮るのに非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「ME」は
MXを除くMシリーズ共通の定番トラブルである
「ミラーアップしたまま固着」という状態でやってきました。
これは以前のSPやMXで見られる
「シャッター走行不良が原因でのミラーアップ」ではなく
ミラー駆動部そのものが原因のミラーアップです。
ミラー駆動部に使われているゴムブッシュが溶解し
動きを妨げてしまうために起こるトラブルです。
非常に発生頻度が高いため既に修理方法も確立されていますが
発生個所にたどり着くためにはそれなりの分解が当然ながら必要で
やはり分解整備一式となってしまいます。
今回の場合はそれに加えて巻上軸が巻上完了の位置から返ってこないようで
巻上レバーもスカスカの状態になっています。

ミラーアップした状態のままだったので
電気的な制御の善し悪しは分解するまで判断できなかったのですが
ここに落とし穴がありました(苦笑)
電池室は一見キレイだったのですが
裏側…とくに基盤ソケット部の腐食が酷く
腐食で脆くなったソケット部のプラスチック部分が割れてしまっています。
これでは機械的駆動部を修理しても正常に動くわけがありません。
基盤自体にまで腐食が拡がっていないのが
不幸中の幸いですがソケット部は中古良品の部品を使って
修理を行っていきます。
最終的には電気的調整も行ってオート制御の精度を出していきます。

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リコー500GXのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
1861(文久元)年のこの日付の英字新聞
「ザ・ナガサキ・ショッピングリスト・アンド・アドバタイザー」に
長崎出島の外国人居留地に日本初のボウリング場が
開設されたと掲載されたことにちなんだものだそうです。
私の生まれたころに「ボウリングブーム」が巻き起こり
そこいら辺中にボウリング場が建設されました。
私が子供の頃にはまだ余波でたくさんのボウリング場があり
私が覚えているだけでも生まれ育った呉市に
(当時は人口のピークで30万人)
7か所のボウリング場がありました。
じいさんも親父もボウリング好きなうえに上手くて
アマチュアの大会で優勝してくるほどでした。
それもあって家の中にはボウリングのピンやボールが
普通に置いてあったりしました
高校生の頃になると友達が集まるとボウリングに行くことが
多くなりました。その頃にはボウリング場も減っていましたが
今よりはまだまだたくさんありました。
そんな感じでボウリングに関する思い出は多いですねぇ…
もう何十年投げていませんが…
足が少し不自由になったからもう無理でしょうねぇ
身体が自由に軽く動く頃が懐かしいです(笑

さてさて

本日は「リコー500GX」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のコンパクトカメラです。
40mmF2.8のレンズを搭載し
シャッターはB・1/8~1/500をカバーします。
マニュアル露出も可能ですが
露出計に連動したシャッタースピード優先オートでも使用できます。
コンパクトな割には何でも一通りこなせるカメラです。
1972年発売の「500G」やその翌年に出た「500GS」が同じ系列のカメラで
「500GX」が最終モデルにあたります。

お預かりしている「500GX」はまず露出計に問題があるようです。
全く動かないわけではなくて電池をいれて
かなり明るい光にあてれば少しばかり指針に反応があるのですが
ほとんど動かないといっていいほどの状態です。
シャッターは一通り切れていますが若干の粘りあり
レンズ・ファインダーにはそれなりにカビや汚れがあるようです。
おそらくかなり長い間、使われずに
しまい込まれていたカメラだと思われますが
いずれにしても普通に使うためには修理整備が必要です。

同社のオートハーフでも見られるような
アルミカバーで前後を覆うモナカ構造で作られています。
フィルム室を裏ブタの形状での遮光を行わないため
より薄くコンパクトにできますが
その分遮光は大量の遮光材(モルトプレーン)に頼ることになります。
画像ではわかりにくいですが裏ブタに大量に貼られた
モルトはもちろん劣化でボロボロで遮光の役目は果たしておりません。
もちろん交換で対応いたします。
これから分解を進めて露出名のトラブルの原因も
確認していきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「夏至」ですね。
いよいよ本格的な夏が近づいてきていますね…うんざりです(笑
「夏至」に関連して今日は「スナックの日」とされています。
ここでいう「スナック」はスナック菓子のことですね。
スナックという字面をパッと見て
繁華街の雑居ビルに入っているような
場末の飲み屋を真っ先に連想してしました(笑
昔はそういうところにも頻繁に飲みに行った時期がありましたが
今や全く縁がなくなりました…
話を戻して…「スナックの日」はかつて「夏至」のお祝いに
「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
とはいいますが現在のスナック菓子にそんな固いものはないですよねぇ
ちなみに現時点ではJAS法によるスナック菓子の定義は存在しないため
製菓業界が漠然と区分しています。
原料にトウモロコシ、米粉、いも類、豆類などの炭水化物を用い
それを食用油で揚げている菓子類をスナックと呼んでいます。
一方、小麦を原料とするビスケット類は
ビスケット菓子と呼ばれて区分されます。
また、一部の煎餅、あられなどの米菓は炭水化物を原料として
油で揚げる共通点があるものの米菓として区分されるのだそうです。
まぁ難しいことはさておき
スナック菓子はビールのつまみにもいいですし
食べだすと止まらなくなるのですよねぇ
糖質制限的にあまり食べないように気をつけています…美味しいけど…(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
圧倒的に修理依頼の多いカメラなので
ここのブログにも頻繁に登場するので
聞き飽きているとは思いますが
1972年発売のカメラです。
オリンパスは35mm判一眼レフへの参入はかなり後発で
通常の一眼レフよりも構造的にももっと奇抜な存在である
ハーフ判一眼レフ「ペンF」のほうが先に登場しています(1963年)
35mm判一眼レフとしては1972年国内発売の
M42マウントの「FTL」が最初のモデルで
そのすぐ後に「M-1(OM-1)」が登場します。
モデル名についてゴタゴタあったのはここでは割愛しますが
1973年5月にはモデル名も「OM-1」となります。
現在になっても小型軽量の機械制御機としては
一番にイメージされるカメラだと思います。
単に小さいだけではなくシャリっとした上質な巻上感
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いカメラでもあります。

お預かりしている「OM-1」はまず電池を入れても
露出計が全く動きません。
電池室を見るとマイナス側の端子がグラグラになっており
この段階で「絶縁樹脂ネジが折れてるな」とわかります。
そのため接触不良が起きてしまっています。
底カバーを開けてみるとやはり樹脂ネジが折れていて
以前にそれを直そうとしたのか
ボンドでネジ頭を接着した跡が見られます。
さすがにそれでは負荷のかかるネジは留まりません…
配線にも一部ダメージが見られますので
配線交換と樹脂ネジの交換を行います。
露出計の精度にもかなり問題があるので調整も行います。
加えてシャッタースピードの精度にもかなり問題アリです。
後幕の動きが悪いようで高速シャッターはかなり開き気味です。
1/1000時に1/250ほど露光してしまうようです。
それでもガバナーは駆動していますし
ミラアップすることもないので使えなくはないですが
厳密な露出が要求されるような場面ではかなり問題になると思います。
幕軸清掃の上で調整を行っていきます。

電池室の件でもわかりましたが
過去に手を入れられた形跡があります。
そのときの処置のおかげでプリズムの腐食はなく
ファインダーは一通りの清掃でかなりクリアになりそうです。
おそらくさほどの分解はされていないようで
幕軸や巻上の深い部分には手がついていないと思われます。
OM-1はその小ささを実現するために
いろいろと独自の工夫がされている場所も多く
整備性自体は悪くないのですが
かなりデリケートな部分の多いカメラです。
頻繁に手にするので見慣れた内部光景ではありますが
慎重に整備を行っていきます。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ペパーミントの日」だそうですよ。
ペパーミント…ハッカですね。
記念日制定したのはハッカ(ペパーミント)が特産品の
北海道北見市まちづくり研究会で
6月はこの月の北海道の爽やかさがハッカそのものであることから
20日は「はっか(20日)」と読む語呂合わせからなのだそうです。
ハッカ…ガムのイメージかな…スーッとする気持ちよさが
癖になりますよねぇ…
でも子供の頃はあまり好きではなかったかもしれません
ドロップス(飴)の缶にハッカ味ばかり
残ってしまっていたような記憶があります(笑
飴やガムの他は…歯磨き粉やタバコですかねぇ
タバコ吸ってた頃は長年メンソール(ハッカ)でした。
でもすぐに慣れてしまってスーッとしなくなるんですよね。
そんなこと考えていると
とりあえず強烈なハッカ味のガムを噛みたくなってきました。

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
このブログでも頻繁に登場する
「ペンタックスSP」から露出計を省略したモデルです。
1968年発売のカメラです。
この少し前の時代から外光式やTTL露出計内蔵のカメラが
出始めるわけですが
まだまだ実績の少ない新機能ということで
一部のユーザーからは懐疑的な目で見られることも多かったようです。
精度や傾向の問題もありますが
「余計なものが本体に内蔵されているとトラブルの元」という
考えもかなり根強かったようです。
そんなユーザーの声に応えるために
あえて露出計を省略したモデルというのも各メーカーに存在しました。
今回の「SL」や「キヤノンFP」「ニコマートFS」あたりですね。
登場から50年以上経過した現在となっては
経年劣化によって露出計の精度に問題がある場合も多いので
現在でもこういう露出計レスのモデルは根強い人気があるようです。

お預かりしている「SL」は外観は非常にキレイな
ブラックモデルです。黒はちょっとレアですね。
シャッターは一通り切れているのですが
高速域のシャッターに問題があって
1/1000は開かないようです。
1/500も一部開かず写真を撮ると写真の端が黒くなってしまうようです。
1/250以上のSSだと開きますが精度にはやはり問題がある状態です。
幕軸の古い油脂類の汚れ等で先幕後幕の幕速バランスが
崩れてしまっていることが原因です。
先幕が遅いと今回のようにシャッターが開くなくなり
後幕が遅くなるとSP系でよくあるミラーアップの原因になってしまいます。
こういった状態のカメラを幕テンションを単に上げることで
とりあえず回避したとみられる個体をたまにみかけますが
無理にテンションを上げて使っていると
今度は幕軸のバネ自体がバカになってしまって修理不能となってしまいます。
根本的に幕軸の動きを良くして最低限のテンションで
スムーズに動くように整備を行っていきます。
なんでもそうですが力づくで無理に動かすことは禁物です。

まだ取り掛かり始めの段階ですが
ここからさらにミラーボックスを取り外して
シャッター周りや巻上機構の清掃整備を入念に行っていきます。
露出計がないので中身はシンプルです。
フラッシュ接点制御以外の配線はありませんし
電池室もASA感度設定ダイヤルもありません。
整備性はもちろん非常に良好です。
SP系で心配されるプリズム腐食は
随分昔かとは思いますが対策が取られているようで
心配ない状態です。
今回しっかり手を入れてあげればまた当分の間
何も心配せずに長く撮影を楽しめます。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「元号の日」らしいですよ。
645(大化元)年のこの日に
蘇我氏を倒した中大兄皇子(後の天智天皇)が
日本初の元号「大化(たいか)」を制定したことに由来しています。
「大化」以降、248の元号が定められています。
もちろん今は「令和」ですね。
ついこの間始まったばかりの元号だと思っていたら
もう「令和」も「6年」なんですよねぇ…
時の流れって気づかぬ間に確実に残酷に進みますねぇ(苦笑)
私が生まれたのが昭和44年…その後、平成・令和と続き
現在の元号から数えて昭和って二つ前なんですよね。
年数がそれぞれ違うので一概に言えませんが
私が子供の頃に二つ前の元号といえば…「明治」
当時でも「明治生まれ」といえばもうかなりのお年寄り…
そりゃ私がじじいになるはずだわ…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。
ペンの最上位シリーズである「ペンDシリーズ」の一員とも
いえなくはないですが他の「ペンD」とは全く異なるカメラです。
とはいえ、「ペンEEシリーズ」とも中身は大きく異なるので
「EED」はペンの中でもちょっと異端児的なカメラです。
「D」ということもありレンズはGズイコー32mmF1.7の
大口径レンズを搭載します。
シャッターはコパルではなくオリンパス内製のプログラムシャッターです。
シャッター羽根と絞り羽根を二枚羽根で兼用としたタイプで
それをCDS使用の露出計と連動して露出を決定します。
誤解されることがたまにあるようですが
シャッターそのものは機械的に駆動します。
そのため露出計と連動しないフラッシュモードだと
電池がなくても駆動することができます。
ただオート露出モードだと露出計が振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかるため
現実的には電池を入れて露出計を動かさないと
普通に撮影に使用することはできません。

露出計が不動となって
撮影不可能になっている個体が多い印象ですが
お預かりしている「EED」は電池を入れると
露出計はとりあえず動作するようです。
ただし精度に問題があって
かなりオーバー目に制御されてしまうようです。
この状態で日中屋外等で撮影に使用すると
かなりハイキ-な写真を量産することになりそうです
それはそれで面白いといえば面白いのですが
やはり現実的にちょっと困りますね。
ペンEEDはフィルム室のモルトも最小限で
基本的には裏ブタの構造で遮光するコストのかかったタイプです。
ただし隙間の空きやすい丁番部と
反対側端の開口部にはモルトが使われています。
そしてやはりモルトは全滅です。
加えてファインダーやレンズには
それなりにクモリやカビが発生しています
さらに巻上が油切れか堆積した汚れのせいで
妙に重くなってしまっています。
やはり本来の使い心地でキレイな写真を撮るには
一通りの整備が必要な状況です。

これから分解を進めてまずはシャッターユニットを分離して
シャッターの整備を行っていきます。
そして外したレンズは入念に清掃を行い
シャッタユニットの外された本体側は巻上の整備と
露出計電気回路の点検整備を行います。
おそらく配線やハンダに劣化が見られると思うので
それを改善するだけでもオーバー傾向はある程度改善すると思われます。
その上で最終的には電気的に調整を行っていきます。
「EED」は構造的にも他のペンと共通項が少ないですが
デザイン的にもかなり独自性が強いと思います。
二枚羽根プログラムシャッターのためシャッター音も独特です。
なかなか個性が強くて面白いカメラだと思います。

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ニコンEL2のカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
1987(昭和62)年11月に
当時の鹿西町内の杉谷チャノバタケ遺跡の
竪穴式住居跡から日本最古の「おにぎりの化石」が発見されました。
この「おにぎりの化石」は炭化して黒い石のように見え
弥生時代中期のものと推測されている。
これに由来して、同町は「おにぎりの里」として町おこしを行っています。
記念日の日付は「鹿西」の「ろく(6)」と
毎月18日の「米食の日」からなのだそうです
稲作が始まったころから「おにぎり」はもうあったのですねぇ
昨今、いろいろ話題になる米ですが
炊き立ての熱々の白米をシンプルに塩で握っただけの
「塩むすび」ってめちゃくちゃ美味しいですよね。
これが味わいたいがためにたまに自分で握ります(笑
子供の頃にばあさんが握ってくれたものは
米が釜炊きだったこともあってか記憶が美化されているのか
自分が握ったものよりもっと美味かったような気がします。
…こんなこと書ていると熱々の「塩むすび」が
無性に食べたくなってきました。
米を食べるのは朝だけなので明日の朝ご飯は
炊き立て熱々の「塩むすび」と漬物にします!

さてさて

今日は「ニコンEL2」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラです。
機能的には「ニコマートEL」をAiレンズ対応としたカメラです。
銘板のネームは「Nikon」となっていますが
このモデルまでは「ニコマートEL」の仲間ですね。
「Nikon」の刻印の上にはお馴染みの「EL」マークも刻印されています。
翌年にはフルモデルチェンジが行われ「FE」が登場することもあり
中身を見渡すとこれまでの「ニコマートEL」とは全く異なる
後継が拡がっています。フレキシブル基盤も採用され
受光素子もCDSではなくSPDです。
基盤やASA感度盤の構造等を見ていると
ほぼほぼ「FE」です。露出制御ICもほぼFEと共用とのことです。
こうしてみると70年代から80年代かけての時代の流れが感じられますね。

お預かりしている「EL2」はまずプリズム腐食が非常に激しく
ファインダーを覗いてみると視野の端々から腐食が蜘蛛の巣状に
拡がっていることがよくわかります。
さすがに視野の中でもかなり邪魔になります。
他機種でよくあるような周辺に貼られているモルトの影響とかではなく
蒸着そのものの劣化が原因かと思われます。
たぶん偶然ではないと思うのですが
同じニコマート系でも「FT系」より「EL系」のほうが
こうしたプリズム腐食が圧倒的に多いような気がします。
プリズムそのものは同じものを使っているはずなのですが…

まだ取り掛かったばかりの状態です。
こうして上カバーを外した光景も「FE」に近いものがあります。
フレキで覆われているため「FT系」よりもかなり気を使いますが
これから一通りの整備を行っていきます。
プリズムは交換で対処します。
他、オート制御が随分と不安定なのでマグネット周りや
各接点を入念に清掃整備していきます。
最終的には電気的に調整して精度を出していきます。

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コニカFTAのカメラ修理

今日は「オウムとインコの日」だそうですよ。
「オウム(06)インコ(15)」と読む語呂合わせからだそうです。
子供の頃にセキセイインコを雛から育てましたねぇ…
よく懐くし頭いいんですよ…かわいかったですね
子供の頃の実家では犬や猫は飼ってもらえなかったものの
小鳥には結構寛容でインコの前にも
カナリヤや文鳥を飼っていました。
カナリヤの鳴き声はやはりたとえようもなく和みますし
文鳥は見た目も仕草も何もかもかわいかったですねぇ
まぁ、今となってはとても自分以外の世話をすることは不可能ですし(苦笑
オウムなんて50年くらいは生きていますから
もはや今からだと私より確実に長生きしますねぇ…
でもでっかいオウムって妙に魅かれるものがありますね。
とりあえず動物園に行きたくなってきました(笑

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
オートレックスの登場で始まった
コニカマウントⅡのカメラで
オートレックスの後継機種となります。
オートレックスのようなハーフ・フルサイズの切り替えはなく
通常の35mm判のカメラとなっています。
発売は1968年です。
コニカマウントⅡレンズのなかでも「AR」の名のついた
ARレンズとの組み合わせでシャッタースピード優先オートが可能です。
いわゆる電気的な制御ではなく
コンパクトカメラでよくあるような露出計指針挟み込み機構で
レンズ側の絞りを制御しています。
ちょっと変わっているのがTTL露出計は装着するレンズにより
測光エリアが自動で変更されます
(広角レンズでは中央部領域のみの部分測光、標準レンズでは中央重点測光、
望遠レンズでは平均測光)
シャッターユニットはコパルスクエアSです。
「FTA」は1970年にマイナーちゃんじが行われ
大きな変更点としては露出計SWが背面の独立SWから
レリーズボタンのロックボタンと連動するようになりました。
今回はマイオナーチェンジ後のモデルです。

お預かりしている「FTA」はまずシャッターに不具合を抱えています。
巻き上げてシャッターを切ると動作音はするのですが
実際にはシャッターは開きません。
SSを「B」に設定して動きをよく観察してみると
「B」で切ると通常はレリーズボタンを押し込むと
先幕が走りシャッターが開いたままになり
レリーズボタンを離すと後幕が走行し閉じるのですが
現状ではレリーズボタンを押し込んでもミラー上がるだけで
シャッターは動かず、レリーズを離した瞬間に
後幕に押されるように一気に閉じたまま先幕と後幕が走るようです。
先幕が汚れ等で固着していることが原因かと思われます。
フィルム室から見ている分には金属羽根はキレイなのですが
根元部分や重なっている部分に油脂汚れがあるようです。
縦走り金属羽根は折りたたむ関係上、重なっている部分も多く
未整備のまま年月が経つと横走り機より
シャッター幕の固着が多くなってしまう傾向があります。

加えて露出計は電池を入れても不動です。
FTAも電池室に腐食が起きていることが多い機種で
電池室裏の端子の基部が腐食で破損してることも多いのですが
今回のFTAは電池室の腐食はなくマイナス端子もしっかりしています。
配線にもダメージはなく通電もしているようです。
おそらく露出計本体に問題があると思われます。
まだ取り掛かったばかりの状態ですが
分解を進めてシャッター羽根の洗浄清掃、各部の整備
露出計周りの修理整備を行っていきます。

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