月別アーカイブ: 2025年6月

リコー500GXのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
1861(文久元)年のこの日付の英字新聞
「ザ・ナガサキ・ショッピングリスト・アンド・アドバタイザー」に
長崎出島の外国人居留地に日本初のボウリング場が
開設されたと掲載されたことにちなんだものだそうです。
私の生まれたころに「ボウリングブーム」が巻き起こり
そこいら辺中にボウリング場が建設されました。
私が子供の頃にはまだ余波でたくさんのボウリング場があり
私が覚えているだけでも生まれ育った呉市に
(当時は人口のピークで30万人)
7か所のボウリング場がありました。
じいさんも親父もボウリング好きなうえに上手くて
アマチュアの大会で優勝してくるほどでした。
それもあって家の中にはボウリングのピンやボールが
普通に置いてあったりしました
高校生の頃になると友達が集まるとボウリングに行くことが
多くなりました。その頃にはボウリング場も減っていましたが
今よりはまだまだたくさんありました。
そんな感じでボウリングに関する思い出は多いですねぇ…
もう何十年投げていませんが…
足が少し不自由になったからもう無理でしょうねぇ
身体が自由に軽く動く頃が懐かしいです(笑

さてさて

本日は「リコー500GX」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のコンパクトカメラです。
40mmF2.8のレンズを搭載し
シャッターはB・1/8~1/500をカバーします。
マニュアル露出も可能ですが
露出計に連動したシャッタースピード優先オートでも使用できます。
コンパクトな割には何でも一通りこなせるカメラです。
1972年発売の「500G」やその翌年に出た「500GS」が同じ系列のカメラで
「500GX」が最終モデルにあたります。

お預かりしている「500GX」はまず露出計に問題があるようです。
全く動かないわけではなくて電池をいれて
かなり明るい光にあてれば少しばかり指針に反応があるのですが
ほとんど動かないといっていいほどの状態です。
シャッターは一通り切れていますが若干の粘りあり
レンズ・ファインダーにはそれなりにカビや汚れがあるようです。
おそらくかなり長い間、使われずに
しまい込まれていたカメラだと思われますが
いずれにしても普通に使うためには修理整備が必要です。

同社のオートハーフでも見られるような
アルミカバーで前後を覆うモナカ構造で作られています。
フィルム室を裏ブタの形状での遮光を行わないため
より薄くコンパクトにできますが
その分遮光は大量の遮光材(モルトプレーン)に頼ることになります。
画像ではわかりにくいですが裏ブタに大量に貼られた
モルトはもちろん劣化でボロボロで遮光の役目は果たしておりません。
もちろん交換で対応いたします。
これから分解を進めて露出名のトラブルの原因も
確認していきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「夏至」ですね。
いよいよ本格的な夏が近づいてきていますね…うんざりです(笑
「夏至」に関連して今日は「スナックの日」とされています。
ここでいう「スナック」はスナック菓子のことですね。
スナックという字面をパッと見て
繁華街の雑居ビルに入っているような
場末の飲み屋を真っ先に連想してしました(笑
昔はそういうところにも頻繁に飲みに行った時期がありましたが
今や全く縁がなくなりました…
話を戻して…「スナックの日」はかつて「夏至」のお祝いに
「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
とはいいますが現在のスナック菓子にそんな固いものはないですよねぇ
ちなみに現時点ではJAS法によるスナック菓子の定義は存在しないため
製菓業界が漠然と区分しています。
原料にトウモロコシ、米粉、いも類、豆類などの炭水化物を用い
それを食用油で揚げている菓子類をスナックと呼んでいます。
一方、小麦を原料とするビスケット類は
ビスケット菓子と呼ばれて区分されます。
また、一部の煎餅、あられなどの米菓は炭水化物を原料として
油で揚げる共通点があるものの米菓として区分されるのだそうです。
まぁ難しいことはさておき
スナック菓子はビールのつまみにもいいですし
食べだすと止まらなくなるのですよねぇ
糖質制限的にあまり食べないように気をつけています…美味しいけど…(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
圧倒的に修理依頼の多いカメラなので
ここのブログにも頻繁に登場するので
聞き飽きているとは思いますが
1972年発売のカメラです。
オリンパスは35mm判一眼レフへの参入はかなり後発で
通常の一眼レフよりも構造的にももっと奇抜な存在である
ハーフ判一眼レフ「ペンF」のほうが先に登場しています(1963年)
35mm判一眼レフとしては1972年国内発売の
M42マウントの「FTL」が最初のモデルで
そのすぐ後に「M-1(OM-1)」が登場します。
モデル名についてゴタゴタあったのはここでは割愛しますが
1973年5月にはモデル名も「OM-1」となります。
現在になっても小型軽量の機械制御機としては
一番にイメージされるカメラだと思います。
単に小さいだけではなくシャリっとした上質な巻上感
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いカメラでもあります。

お預かりしている「OM-1」はまず電池を入れても
露出計が全く動きません。
電池室を見るとマイナス側の端子がグラグラになっており
この段階で「絶縁樹脂ネジが折れてるな」とわかります。
そのため接触不良が起きてしまっています。
底カバーを開けてみるとやはり樹脂ネジが折れていて
以前にそれを直そうとしたのか
ボンドでネジ頭を接着した跡が見られます。
さすがにそれでは負荷のかかるネジは留まりません…
配線にも一部ダメージが見られますので
配線交換と樹脂ネジの交換を行います。
露出計の精度にもかなり問題があるので調整も行います。
加えてシャッタースピードの精度にもかなり問題アリです。
後幕の動きが悪いようで高速シャッターはかなり開き気味です。
1/1000時に1/250ほど露光してしまうようです。
それでもガバナーは駆動していますし
ミラアップすることもないので使えなくはないですが
厳密な露出が要求されるような場面ではかなり問題になると思います。
幕軸清掃の上で調整を行っていきます。

電池室の件でもわかりましたが
過去に手を入れられた形跡があります。
そのときの処置のおかげでプリズムの腐食はなく
ファインダーは一通りの清掃でかなりクリアになりそうです。
おそらくさほどの分解はされていないようで
幕軸や巻上の深い部分には手がついていないと思われます。
OM-1はその小ささを実現するために
いろいろと独自の工夫がされている場所も多く
整備性自体は悪くないのですが
かなりデリケートな部分の多いカメラです。
頻繁に手にするので見慣れた内部光景ではありますが
慎重に整備を行っていきます。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ペパーミントの日」だそうですよ。
ペパーミント…ハッカですね。
記念日制定したのはハッカ(ペパーミント)が特産品の
北海道北見市まちづくり研究会で
6月はこの月の北海道の爽やかさがハッカそのものであることから
20日は「はっか(20日)」と読む語呂合わせからなのだそうです。
ハッカ…ガムのイメージかな…スーッとする気持ちよさが
癖になりますよねぇ…
でも子供の頃はあまり好きではなかったかもしれません
ドロップス(飴)の缶にハッカ味ばかり
残ってしまっていたような記憶があります(笑
飴やガムの他は…歯磨き粉やタバコですかねぇ
タバコ吸ってた頃は長年メンソール(ハッカ)でした。
でもすぐに慣れてしまってスーッとしなくなるんですよね。
そんなこと考えていると
とりあえず強烈なハッカ味のガムを噛みたくなってきました。

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
このブログでも頻繁に登場する
「ペンタックスSP」から露出計を省略したモデルです。
1968年発売のカメラです。
この少し前の時代から外光式やTTL露出計内蔵のカメラが
出始めるわけですが
まだまだ実績の少ない新機能ということで
一部のユーザーからは懐疑的な目で見られることも多かったようです。
精度や傾向の問題もありますが
「余計なものが本体に内蔵されているとトラブルの元」という
考えもかなり根強かったようです。
そんなユーザーの声に応えるために
あえて露出計を省略したモデルというのも各メーカーに存在しました。
今回の「SL」や「キヤノンFP」「ニコマートFS」あたりですね。
登場から50年以上経過した現在となっては
経年劣化によって露出計の精度に問題がある場合も多いので
現在でもこういう露出計レスのモデルは根強い人気があるようです。

お預かりしている「SL」は外観は非常にキレイな
ブラックモデルです。黒はちょっとレアですね。
シャッターは一通り切れているのですが
高速域のシャッターに問題があって
1/1000は開かないようです。
1/500も一部開かず写真を撮ると写真の端が黒くなってしまうようです。
1/250以上のSSだと開きますが精度にはやはり問題がある状態です。
幕軸の古い油脂類の汚れ等で先幕後幕の幕速バランスが
崩れてしまっていることが原因です。
先幕が遅いと今回のようにシャッターが開くなくなり
後幕が遅くなるとSP系でよくあるミラーアップの原因になってしまいます。
こういった状態のカメラを幕テンションを単に上げることで
とりあえず回避したとみられる個体をたまにみかけますが
無理にテンションを上げて使っていると
今度は幕軸のバネ自体がバカになってしまって修理不能となってしまいます。
根本的に幕軸の動きを良くして最低限のテンションで
スムーズに動くように整備を行っていきます。
なんでもそうですが力づくで無理に動かすことは禁物です。

まだ取り掛かり始めの段階ですが
ここからさらにミラーボックスを取り外して
シャッター周りや巻上機構の清掃整備を入念に行っていきます。
露出計がないので中身はシンプルです。
フラッシュ接点制御以外の配線はありませんし
電池室もASA感度設定ダイヤルもありません。
整備性はもちろん非常に良好です。
SP系で心配されるプリズム腐食は
随分昔かとは思いますが対策が取られているようで
心配ない状態です。
今回しっかり手を入れてあげればまた当分の間
何も心配せずに長く撮影を楽しめます。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「元号の日」らしいですよ。
645(大化元)年のこの日に
蘇我氏を倒した中大兄皇子(後の天智天皇)が
日本初の元号「大化(たいか)」を制定したことに由来しています。
「大化」以降、248の元号が定められています。
もちろん今は「令和」ですね。
ついこの間始まったばかりの元号だと思っていたら
もう「令和」も「6年」なんですよねぇ…
時の流れって気づかぬ間に確実に残酷に進みますねぇ(苦笑)
私が生まれたのが昭和44年…その後、平成・令和と続き
現在の元号から数えて昭和って二つ前なんですよね。
年数がそれぞれ違うので一概に言えませんが
私が子供の頃に二つ前の元号といえば…「明治」
当時でも「明治生まれ」といえばもうかなりのお年寄り…
そりゃ私がじじいになるはずだわ…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。
ペンの最上位シリーズである「ペンDシリーズ」の一員とも
いえなくはないですが他の「ペンD」とは全く異なるカメラです。
とはいえ、「ペンEEシリーズ」とも中身は大きく異なるので
「EED」はペンの中でもちょっと異端児的なカメラです。
「D」ということもありレンズはGズイコー32mmF1.7の
大口径レンズを搭載します。
シャッターはコパルではなくオリンパス内製のプログラムシャッターです。
シャッター羽根と絞り羽根を二枚羽根で兼用としたタイプで
それをCDS使用の露出計と連動して露出を決定します。
誤解されることがたまにあるようですが
シャッターそのものは機械的に駆動します。
そのため露出計と連動しないフラッシュモードだと
電池がなくても駆動することができます。
ただオート露出モードだと露出計が振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかるため
現実的には電池を入れて露出計を動かさないと
普通に撮影に使用することはできません。

露出計が不動となって
撮影不可能になっている個体が多い印象ですが
お預かりしている「EED」は電池を入れると
露出計はとりあえず動作するようです。
ただし精度に問題があって
かなりオーバー目に制御されてしまうようです。
この状態で日中屋外等で撮影に使用すると
かなりハイキ-な写真を量産することになりそうです
それはそれで面白いといえば面白いのですが
やはり現実的にちょっと困りますね。
ペンEEDはフィルム室のモルトも最小限で
基本的には裏ブタの構造で遮光するコストのかかったタイプです。
ただし隙間の空きやすい丁番部と
反対側端の開口部にはモルトが使われています。
そしてやはりモルトは全滅です。
加えてファインダーやレンズには
それなりにクモリやカビが発生しています
さらに巻上が油切れか堆積した汚れのせいで
妙に重くなってしまっています。
やはり本来の使い心地でキレイな写真を撮るには
一通りの整備が必要な状況です。

これから分解を進めてまずはシャッターユニットを分離して
シャッターの整備を行っていきます。
そして外したレンズは入念に清掃を行い
シャッタユニットの外された本体側は巻上の整備と
露出計電気回路の点検整備を行います。
おそらく配線やハンダに劣化が見られると思うので
それを改善するだけでもオーバー傾向はある程度改善すると思われます。
その上で最終的には電気的に調整を行っていきます。
「EED」は構造的にも他のペンと共通項が少ないですが
デザイン的にもかなり独自性が強いと思います。
二枚羽根プログラムシャッターのためシャッター音も独特です。
なかなか個性が強くて面白いカメラだと思います。

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ニコンEL2のカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
1987(昭和62)年11月に
当時の鹿西町内の杉谷チャノバタケ遺跡の
竪穴式住居跡から日本最古の「おにぎりの化石」が発見されました。
この「おにぎりの化石」は炭化して黒い石のように見え
弥生時代中期のものと推測されている。
これに由来して、同町は「おにぎりの里」として町おこしを行っています。
記念日の日付は「鹿西」の「ろく(6)」と
毎月18日の「米食の日」からなのだそうです
稲作が始まったころから「おにぎり」はもうあったのですねぇ
昨今、いろいろ話題になる米ですが
炊き立ての熱々の白米をシンプルに塩で握っただけの
「塩むすび」ってめちゃくちゃ美味しいですよね。
これが味わいたいがためにたまに自分で握ります(笑
子供の頃にばあさんが握ってくれたものは
米が釜炊きだったこともあってか記憶が美化されているのか
自分が握ったものよりもっと美味かったような気がします。
…こんなこと書ていると熱々の「塩むすび」が
無性に食べたくなってきました。
米を食べるのは朝だけなので明日の朝ご飯は
炊き立て熱々の「塩むすび」と漬物にします!

さてさて

今日は「ニコンEL2」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラです。
機能的には「ニコマートEL」をAiレンズ対応としたカメラです。
銘板のネームは「Nikon」となっていますが
このモデルまでは「ニコマートEL」の仲間ですね。
「Nikon」の刻印の上にはお馴染みの「EL」マークも刻印されています。
翌年にはフルモデルチェンジが行われ「FE」が登場することもあり
中身を見渡すとこれまでの「ニコマートEL」とは全く異なる
後継が拡がっています。フレキシブル基盤も採用され
受光素子もCDSではなくSPDです。
基盤やASA感度盤の構造等を見ていると
ほぼほぼ「FE」です。露出制御ICもほぼFEと共用とのことです。
こうしてみると70年代から80年代かけての時代の流れが感じられますね。

お預かりしている「EL2」はまずプリズム腐食が非常に激しく
ファインダーを覗いてみると視野の端々から腐食が蜘蛛の巣状に
拡がっていることがよくわかります。
さすがに視野の中でもかなり邪魔になります。
他機種でよくあるような周辺に貼られているモルトの影響とかではなく
蒸着そのものの劣化が原因かと思われます。
たぶん偶然ではないと思うのですが
同じニコマート系でも「FT系」より「EL系」のほうが
こうしたプリズム腐食が圧倒的に多いような気がします。
プリズムそのものは同じものを使っているはずなのですが…

まだ取り掛かったばかりの状態です。
こうして上カバーを外した光景も「FE」に近いものがあります。
フレキで覆われているため「FT系」よりもかなり気を使いますが
これから一通りの整備を行っていきます。
プリズムは交換で対処します。
他、オート制御が随分と不安定なのでマグネット周りや
各接点を入念に清掃整備していきます。
最終的には電気的に調整して精度を出していきます。

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コニカFTAのカメラ修理

今日は「オウムとインコの日」だそうですよ。
「オウム(06)インコ(15)」と読む語呂合わせからだそうです。
子供の頃にセキセイインコを雛から育てましたねぇ…
よく懐くし頭いいんですよ…かわいかったですね
子供の頃の実家では犬や猫は飼ってもらえなかったものの
小鳥には結構寛容でインコの前にも
カナリヤや文鳥を飼っていました。
カナリヤの鳴き声はやはりたとえようもなく和みますし
文鳥は見た目も仕草も何もかもかわいかったですねぇ
まぁ、今となってはとても自分以外の世話をすることは不可能ですし(苦笑
オウムなんて50年くらいは生きていますから
もはや今からだと私より確実に長生きしますねぇ…
でもでっかいオウムって妙に魅かれるものがありますね。
とりあえず動物園に行きたくなってきました(笑

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
オートレックスの登場で始まった
コニカマウントⅡのカメラで
オートレックスの後継機種となります。
オートレックスのようなハーフ・フルサイズの切り替えはなく
通常の35mm判のカメラとなっています。
発売は1968年です。
コニカマウントⅡレンズのなかでも「AR」の名のついた
ARレンズとの組み合わせでシャッタースピード優先オートが可能です。
いわゆる電気的な制御ではなく
コンパクトカメラでよくあるような露出計指針挟み込み機構で
レンズ側の絞りを制御しています。
ちょっと変わっているのがTTL露出計は装着するレンズにより
測光エリアが自動で変更されます
(広角レンズでは中央部領域のみの部分測光、標準レンズでは中央重点測光、
望遠レンズでは平均測光)
シャッターユニットはコパルスクエアSです。
「FTA」は1970年にマイナーちゃんじが行われ
大きな変更点としては露出計SWが背面の独立SWから
レリーズボタンのロックボタンと連動するようになりました。
今回はマイオナーチェンジ後のモデルです。

お預かりしている「FTA」はまずシャッターに不具合を抱えています。
巻き上げてシャッターを切ると動作音はするのですが
実際にはシャッターは開きません。
SSを「B」に設定して動きをよく観察してみると
「B」で切ると通常はレリーズボタンを押し込むと
先幕が走りシャッターが開いたままになり
レリーズボタンを離すと後幕が走行し閉じるのですが
現状ではレリーズボタンを押し込んでもミラー上がるだけで
シャッターは動かず、レリーズを離した瞬間に
後幕に押されるように一気に閉じたまま先幕と後幕が走るようです。
先幕が汚れ等で固着していることが原因かと思われます。
フィルム室から見ている分には金属羽根はキレイなのですが
根元部分や重なっている部分に油脂汚れがあるようです。
縦走り金属羽根は折りたたむ関係上、重なっている部分も多く
未整備のまま年月が経つと横走り機より
シャッター幕の固着が多くなってしまう傾向があります。

加えて露出計は電池を入れても不動です。
FTAも電池室に腐食が起きていることが多い機種で
電池室裏の端子の基部が腐食で破損してることも多いのですが
今回のFTAは電池室の腐食はなくマイナス端子もしっかりしています。
配線にもダメージはなく通電もしているようです。
おそらく露出計本体に問題があると思われます。
まだ取り掛かったばかりの状態ですが
分解を進めてシャッター羽根の洗浄清掃、各部の整備
露出計周りの修理整備を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「FMの日」だそうですよ。
アルファベット順で「F」は6番目
「M」は13番目であることからだそうです。
今ではAM放送に代わってすっかりラジオの
主流になってしまいましたね。
今ではほぼ死語になってしまってますが
放送中に流れている曲を録音することを
「エアチェック」といい
私も小5の時にラジカセを買ってもらったことを
きっかけにエアチェックにはまりまくりました。
私の住んでいた広島では当時はFM放送は
「NHK-FM」しかなくて数少ないリクエスト番組をピックアップして
ラジカセの前でテープを準備して聴き入っていました。
中1のときに「広島FM」が開局して
聴く番組も随分増えました。
そういえば最初にこっち(東京)に来た時に
受信可能なFM局の多さにちょっとびっくりしましたね。
クルマを持たなくなってからラジオを聴く機会も減りましたが
自宅ではテレビよりもラジオをつけていることが多いです。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな一眼レフの元祖でもあり
機械制御機と限定すれば現在でも
OM-1が軽量で使いやすい一眼レフの筆頭かと思います。
当店でも非常に修理依頼の多いカメラで
人気の高さが伺えます。
ただ同時期の他メーカーが
同じようなカメラを作らなかったということは
このサイズに収めることは相当困難だったことは明白で
分解してみても独自の工夫や構造がいたるところに組み込まれています。
現行モデルだった頃は全く問題なかったとは思いますが
さすがに登場から50年以上経過する現在では
劣化のため若干華奢に感じる部分も多く
しっかりとした整備が必要なカメラでもあります。
それでも基本的な部分がしっかりしているため
一通りの整備を行えば現在でもまだまだ長く使えるカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムとファインダー接眼レンズの隙間を遮光するための
モルトが加水分解を起こしプリズムの蒸着を
剥離してしまうことから起こる症状です。
当店ではプリズムの再蒸着等は行っていないので
プリズムは交換で対処いたします。
モルト交換等の対策を行っていない個体では
かなり多くの数の現存する「OM-1」が
プリズム腐食を起こしてしまっていると思います。
そしてこちらもトラブルが多い露出計ですが
電池室の腐食や断線はないものの
電池室マイナス端子を止めている絶縁の樹脂ネジが折れて
端子がグラグラになってしまっています。
そのため接触不良が起きて露出計が非常に不安定になっています。
樹脂製のネジが使われているのは主に中期のOM-1ですが
このネジもかなり高い確率で劣化のため折れているものが多いです。
そしてこのネジのサイズがかなり特殊なもので
現在では非常に入手困難です。
ただ樹脂なのでダイスさえあれば
簡単に切り出して作成することができるので
今回はそうした代用ネジで対処いたします。

他、巻き上げ機構、シャッター幕軸、調速カム等々
機械駆動部分の一通りの清掃整備と
露出計周りの接点清掃調整等々
一通りの整備を行なっていきます。
整備されたOM-1のシャリっとした独特の巻上感と
上品なシャッター音は
操作していて非常に気持ち良いものです。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「バザー記念日」だそうですよ。
1884(明治17)年のこの日に
鹿鳴館で第1回婦人慈善市という
日本初のバザーが開催されたことに由来しています。
上流階級の女性たちが手工芸品を持ち寄って開いたもので
3日間の入場者は1万2千人に上ったそうです。
鹿鳴館は外国からの賓客や外交官を接待するために
明治政府によって建てられた社交場で
舞踏会や夜会などが行われていましたた。
国内最初のバザーはこんな感じだったそうですが
本来バザーは学校や教会の資金調達のために
家から自らにとっては不用品ではあるが
金銭的価値が有る物を持ち寄って競売にかけ
販売益を寄付するというものなのだそうです。
いわれてみれば私も高校のときに学校でバザーがあって
もう要らないかな…というレコードやブロマイドとかを
売りに出した記憶があります。
確か全部あっという間に売れたと思います。
今だとバザーよりもいろいろなところで行われている
フリーマーケットとかのほうが身近ですかね…
意外なものがお手頃な価格で売られたりしていて
見て回っていると楽しいですよね。
明らかに怪しいものも多いですがそれもまた魅力かも…
フリー負けっとに限りませんが
実際に手に取れて品定めできるのはやはりいいですよね。
でも思わず衝動買いしてしまい
持ち帰ってから「なんでこんなもの買ったのだろう…」と
後悔することもよくありますが…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
先代の「Fフォトミック」はあくまでも追加モデルで
機能的にもデザイン的にも「とってつけた感」がかなりありましたが
F2になると時代の流れもあって露出計内蔵の「フォトミック」のほうを
メインに考えられて設計されていると思われます。
まだまだこの時代のニコンは無骨さが目立ちますが
それでも「Fフォトミック」に比べると「F2フォトミック」は
一体感もあってその無骨さも逆に魅力に見えてきます。
「F2フォトミック」が見慣れてくると
アイレベルがなんだか少し寂しいとすら感じるようになってきます(笑
露出計内蔵はもちろん便利ですが
フォトミックファインダーは設定SSや設定絞りを
ファインダー内で確認することができこれがかなり実際には便利です。
個人的には露出計よりこちらのほうが魅力です。

お預かりしている「F2フォトミック」はまず露出計が動きません。
そして巻上の途中で巻上が固着していてそれ以上動かすことも
戻すこともできません。当然シャッターは切れません。
露出計不動はいつもの電池室のマイナス端子基部の破損と思われます。
巻上は何か引っかかっているような様子に見えるので
電池室で破損した破片か何かが巻上に巻き込まれて
ひっかかっているのでは?と予想していたのですが
現実はそうあまくはありませんでした。(苦笑)

破片が入っていきそうな巻上ギア部からチェックしたのですが
そこには何も問題がなくそもそも破片が飛ぶほど
電池室は破損はしていませんでした。
(ステーは真っ二つに折れていましたがそこに留まっていました)
では何が巻上の動きを妨げているのかといろいろ調べていると
レリーズ軸が曲がっていることに気づきました。
それが巻上に引っかかっているうえに巻上側にも
それなりのダメージが出ています。
ということでカウンター部を含む巻上機構の一部と
レリーズ軸を中古良品と交換したうえで調整して修理を行いました。
レリーズ軸は相当丈夫な部品でレリーズボタンも通常は
さして出っ張っているわけではないので
なんでこんなことになったのかは不明です。
ただここからは憶測ですがおそらくAR-1等のソフトシャッターレリーズとがが
着いた状態で落下したものと思われます。
それであればレリーズ軸にまでダメージが出る可能性は高いかと思われます。
改めてよく見るとレリーズボタンの外周にわずかに凹みもみられます。
いずれにせよ、修理可能な部分だったのが不幸中の幸いでした。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は暦の上での「入梅」であり
それに関連して「傘の日」ですね。
雨だと出かけるのはいろいろおっくうになりますが
屋内からシトシト降る雨を眺めている分には
気持ちも静かになりますし嫌いではありません。
外出するとなるといろいろ煩わしいですが
そんな中でもちょっと良いお気に入りの傘なんてあれば
随分と気持ちもよくなるような気がします。
で、毎年この時期に「ちょっとお洒落な傘でも買おうかな…」と
その気になりかけるのですが
そもそも雨の日には極力外出しないことと
出かけてもせいぜい近所のスーパーくらい…ということを冷静に考えると
「いや…買っても持って出かける機会がほぼほぼゼロじゃん…」と思い
毎年、調べるだけ調べて思いとどまります(苦笑
今年もきっとなにかの拍子にいろいろと調べては
結局買わないというルーティンを行いそうな気がします…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
前身モデルは「ニコマートEL」です。
ニコマートシリーズは近いタイミングで
「FT系」→「FM」、「EL系」→「FE」にモデルチェンジされ
モデル名も一新され外観も中身も
随分洗練されて登場しました。
「FE」は電子制御シャッター+絞り優先オート搭載が
大きな特徴のひとつですが
内部の電子回路やファインダー表示、操作感等々
非常に使いやすいモデルとして生まれ変わった印象です。
ニコマート時代から露出計ファインダー表示は
非常に優れていましたがさらにファインダー自体も明るくなり
より直感的に操作できるようになっています。
なんといっても60年代サイズで大柄だったボディが
適度に小さくなり非常にバランスが良くなったのも魅力です。

一時期は毎月数台手がけるほど
「FE」の修理依頼は多かったのですが
少しばかりヒサビサに整備を行う気もします。
お預かりしている「FE」は電源が少々不安定なようで
普通に一通り乗せ央ができたかと思えば
全く電源が入らなくなる場合があるようです。
おそらく配線の劣化等が原因かと思われます。
それとは別の理由で高速シャッターを切っている際に
たまにですが
電源が入らないときと同様に
ミラーだけ上がってシャッターが動かない症状が発生します。
低速シャッターではこの症状はほぼ出ませんが
1/125以下の高速シャッターを使っていると
オート時、マニュアル時に関係なく
ある程度の頻度で症状が出るようです。
分解を進めてみないと断言はできませんが
おそらくマグネット吸着部の汚れ等による
吸着不良が原因かと思われます。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
これからさらに分解を進めて
シャッターユニットの整備から行っていきます。
その際に先述したマグネット部の清掃整備も行っていきます。
コパル縦走りシャッターユニットのため
整備性はこの類のカメラとしてはかなり良好です。
それでも少々注意点があって
それを知らないで分解を進めると
再組立てにかなり苦労するかもしれません。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は6月9日で「ロックの日」だそうですよ。
音楽の「Rock」と鍵の「Lock」とそれぞれが
記念日制定されています。
私だけかもしれませんが
音楽の「Rock」って今では
いったいどんなものを指すのか
よくわからなくなってしまいましたね。
それだけ現在の音楽が多様性に富んでいて
面白いものになってるからこそだと思いますが…
私はクラシックから昭和歌謡、ダンスポップ、ヘヴィメタまで
気分によってかなりの雑食性なので
あまりジャンルとか枠組みは気にしませんが…
鍵の「Lock」は最近、昔の実家の玄関引き戸にあった
外からだと鍵を指してドライバーのように
くるくる回して開け閉めする召し合わせ錠が
やたら懐かしく感じることがあるのですよねぇ(笑
まぁ既に実家はないですしあのタイプのカギを触ることは
もうないかもしれませんねぇ

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1」の修理多いですね。
あれだけ大ヒットしたカメラですし
現存してる台数は多いので当たり前といえば当たり前ですが
ここ最近は月に2,3台「AE-1」の修理をしている気もします。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラです。
とはいえ、70年代のカメラなので
後の80年代のカメラほど完全電子化とはなっておらず
良い意味でアナログ的部分がブレンドされた
バランスの良いカメラです。
一眼レフカメラの電子化高機能化低価格化を進めたカメラですが
機能的にはそれまでに既に存在しポピュラーだった
シャッタースピード優先オート搭載機です。
ただコンピュータ搭載の恩恵もあり
部品や生産の効率化を一気に進めたカメラであることが
大ヒットの要因かと思います。
同様の機能を搭載する他メーカのカメラに比べて
2万円近く安価に発売することに成功しています。
そして意外にトラブルの少ないカメラです。
「Aシリーズ」の基本形なのでお馴染みのシャッター鳴きは
経年が進むと当然のように発生しますが
定期的に整備を行って無茶な使い方をしなければ
かなり安定して長く使えるカメラだと思います。

お預かりしている「AE-1」はご依頼者様が
長年にわたって使い続けているカメラとのことです。
しかしながら近年はかなり使うことも少なく
しまいこんだままになっていたものと思われます。
これからも撮影に使いたいということで
一通りの点検整備を行いたいということで当店にやってきました。
しっかりと電池は外して保管されていたらしく
電池を入れると一通りの動作は行えます。
持病ともいえるシャッター鳴きもほとんどありません。
ただモルトはフィルム室を見てもわかりやすく全滅です。
加えて露出計はかなりオーバー目にズレてしまっています。
「Aシリーズ」は古くなるとこの傾向が多いですね。
原因もある程度は把握していますが…
受付時に目視のみの確認では気が付いていなかったのですが
分解整備前に測定器でチェックを行うと
シャッタースピードにかなり問題がありました。
高速シャッターは1/1000~1/125あたりまで
ほとんど開かずに閉じたままシャッターが切れるようです。
スローになると開きますがそれも閉じるのは速く
1秒時にも0.2秒くらいで閉じてしまいます。
おそらく汚れ等によりマグネットの吸着が悪いようです。
電子制御機は各接点と制御マグネットの吸着が肝なので
そのあたりの整備を入念に行っていきます。

フレキもあり連動糸も存在するので
それなりに手間がかかる部分はありますが
それでも整備性はこの類のカメラとしては
相当良好なカメラです。
後から分解整備する場合のこともよく考えられているカメラです。
最近、依頼が多いこともあって
分解した中身もすっかり見慣れた光景ですが
少々ややこしい部分も多いカメラではあるので
集中して丁寧に整備を行っていきます。

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