リコーオートハーフSEのカメラ修理

夏から秋にかけては色々美味しい果物が旬を迎えます。
桃、葡萄、梨、バナナ、メロン、マンゴー。。。
あ、忘れちゃいけないのがパイナップル!
。。。ということで今日は「パイナップル」の日だそうです。
パイナップルは今や夏だけではな1年中入手可能ですが
やはり旬は夏なのですね。
なかなか丸ごと1個買うことは少ないのですが
スーパーに行けばカットした状態でもよく売られていて
私もよく買って食べています。
甘くてジューシーで美味しいですよねぇ。。。
直接関係ないけど「パインアメ」も食べたくなってきました(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンシリーズと並んで現在でも非常に人気のある
ハーフカメラだと思います。
他のハーフカメラと大きく異なる点は
「とにかくかんたんに撮れる事」を最優先として作られていることだと思います。
露出はもちろんプログラムオート
ピントは固定焦点でピント合わせの必要がなく
巻上もリコーお得意のゼンマイ仕掛けで自動で巻き上げます。
(ゼンマイは巻いておかなくてはいけませんが)
その上、露出計もセレン光電池のため
電池を改めて用意する必要もありません。
すなわち電池切れを心配することもないのですね。
とにかく手のかからないカメラです。
しかしながら手のかからないのは快調に動作する個体で
撮影している場合のみで
さすがに登場から50年経過するカメラなので
未整備のものはそのまま簡単に撮影ができる。。。とはいきません。
コンパクトなボディに多機能なせいもあり
整備を行うと意外と大変なカメラでもあります。

お預かりしているのは「オートハーフSE」
「S」がついているのでセルフタイマー付ですね。
この「SE」からオートスタート機能が加わっており
フィルムをセットしてゼンマイを巻き上げると
空写しの必要もなく1枚目に自動でセットされます。
これはなかなか便利で
機械的にも非常に良くできた機能だと思います。
しかしながらお預かりしているオートハーフSEは
巻止めが上手く作動せず、1枚巻き上げたところで止まるところで
うまく止まることができず2枚巻き上げたところで止まってしまいます。
このまま撮影すると1コマずつ飛んでしまうわけですね。
加えて露出計は作動しているようなのですが
オート制御が動作不良のようで2段以上オーバーになってしまうようです。
他、モルトは全滅でレンズにはかなり汚れもあるようです。

写真は一通り整備が完了した時点でのものです。
レンズ、ファインダーとも非常にキレイになりました。
オートも適正な値で露出できるようになり
巻上もきちんと作動します。
シャッターや絞りにはやはり粘りがあり作動不良の状態でした。
小さなバネの力で動作するレンズシャッターの中でも
オートハーフのシャッターはさらに小さなバネの力で駆動します。
そのため羽根や駆動部にちょっとした汚れがあるだけでも
すぐに動作不良を起こしてしまいます。
そういう意味では非常に繊細なカメラということができると思います。
とはいえ、一度しっかり整備してしまえば
普通の環境で使っている分にはそうそう簡単に壊れないとは思います。
今回のオートハーフSEは
元々はご依頼者様のおじいさまのカメラなのだそうです。
是非、ご依頼者様にも楽しく撮影に使っていただきたいものです。

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