オリンパス35EC2のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「芒種」ですね。
「芒」を持った穀物の種をまく季節という意味から
「芒種」とされています。
芒とは、米・麦などイネ科の植物の穂の先端にある
とげのような突起のことだそうです。
江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧(べんらん)』では
「芒ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
現在では実際の種まきはこれよりも早くに行われています。
西日本では梅雨入りの時期にあたります。
沖縄県では「小満」から「芒種」が梅雨の時期にあたり
沖縄の方言では「小満(すーまん)」「芒種(ぼーすー)」となり
「梅雨」のことを「小満芒種(すーまんぼーすー)」と言うそうです。
本格的な初夏で梅雨入り直前といった感じですね。
次の節気はもう「夏至」です。
なんだか季節が巡るのが早く感じます。
ついこの間まで毎日寒い寒いって言っていた気がするのですが…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35EC2」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは35mm判コンパクトカメラのシリーズで
1940年代から生産が行われ色んなモデルを登場させながら
1970年代まで続きました。
「35EC2」は1971年発売のモデルでオリンパス35シリーズとしては
かなり最後の方のカメラとなります。
1969年に発売された「35EC」の後継モデルとなります。
搭載されるレンズはEズイコー42mmF2.8で
シャッターユニットはミノルタハイマチック等でお馴染みの
セイコーESFシャッターです。
電子制御シャッターでシャッター羽根と絞り羽根を兼用する
プログラムシャッターです。
当然ながら露出はプログラムオート専用となります。
ピントは目測式となります。

お預かりしている「EC2」はまずシャッターが全く切れません。
「EC2」は電圧低下時での誤作動を防ぐため
電池が入っていない、あるいは電池の電圧が足りないと
レリーズロックがかかりそもそもレリーズが押せなくなります。
そのため電池を入れていないで切れないのは正しいのですが
今回は電池を入れても全くレリーズが押せません。
シャッターを半押ししたときに点灯するはずの
バッテリ-チェックも当然ながら点灯しません。
電池室からの電圧が根本的にシャッターユニットに伝わらないようです。
登場から50年以上経過するカメラなので配線等の腐食が原因と思われます。
電池が入れっぱなしではなかったようで
電池室自体は比較的キレイです。

電子制御機は正しく導通することが
正常に動作するための基本なので
劣化した配線やハンダ、各接点の清掃磨き等を
入念に行っていきます。
もちろん制御を行うマグネットの清掃も必須です。
シャッターユニット単体に電圧かけて
動作テストを行ってみたところ大きな問題はなさそうなので
まずは一安心です。
他、機械的な巻上等にも動作不良が見られるので
そのあたりの整備も一通り行っていきます。
少々問題なのがレンズの状態が悪いことで
特に前玉の表面は拭き傷に加えて
コーティングの劣化が酷いことなっており
これは他部品取りからの載せ替えを検討しています。
いずれにいせよ、普通に撮影に問題なく使える状態に
整備を行っていきます。

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