ニコンFEのカメラ修理

1月24日。。。今日はあまりこれといった記念日の制定がないのですが
1977年に打ち上げられた「ボイジャー2号」が
1986年1月24日に天王星に再接近していますね。
打ち上げから8年以上かかって天王星まで到達したのですね。
太陽系ってとてつもなく広いのですねぇ。。。
そういえばボイジャーが木星に接近した少し後に
ユーミンの「VOYAGER」というアルバムがヒットしてて
当時よく聴いてたなぁ。。。(今でもたまに聴きますが。。。)
現在(2018年末)ではボイジャーは太陽圏から離脱し恒星間空間に達し
太陽に対して15.374 km/s(55,347 km/h)という
すごいスピードで移動しているそうです。
それでもまだ追跡できているのもすごいですよねぇ。。。
お休みの日以外、お店から半径数百m以内から全く移動しない
私からすると宇宙は広すぎますね(笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」は修理依頼の非常に多いカメラなのですが
今回はしばらくぶりですね。
ニコマートEL系から進化し、1978年に発売されたカメラです。
前身のEL系に比べると全てにおいて
非常に洗練されたというイメージのカメラです。
電子制御シャッター搭載機ですが
「B」と「M90」は機械制御で駆動され
電池がなくても作動します。
「B」がメカニカルなのは本当に助かりますね。
長時間露光の際に電源で駆動していると
あっという間に電池が消耗してしまいますからね。
夜景や星景写真を撮る人には「B」が機械式というのは
昔は必須事項でした。
絞り優先AEを搭載しますがマニュアル露出でも非常に使い易いカメラで
ファインダー内露出計で適正なSS値と
現在設定されているSS値が2本の指針で一目でわかります。
もちろん絞り値のファインダー内表示もあります。
電子シャッター搭載機ということで敬遠されがちな部分が
現在ではありますが電子部品不良を原因とするトラブルが
それほど起こるカメラではありません。
他の機械式を含むカメラと同様に
メカニカルな部分の定期的なメンテナンスのほうが必要と思います。

お預かりしているFEは非常にキレイな個体です。
ご依頼者さまのご要望でお持込になられた
さらに状態の良い上カバーと交換を行い
各部点検整備一式を行います。
もちろん一通り動作はしていて大きな問題はないのですが
露出計が若干アンダー目なことと
オート露出がかなりアンダー目になってしまっているので
そのあたりの改善も行います。
フィルム室のモルトも以前に交換がなされている様子ですが
FE/FM系でお馴染みの接眼レンズ下の
座布団のようなモルトは交換暦がないようで
ベタベタに加水分解してしまっています。
全体のリフレッシュを行うことで
さらに快適に使っていただけるようになると思います。

まだ上カバーを開けただけの段階で
これから本格的な分解整備に取り掛かります。
他の電子制御シャッター機と比べても
比較的整備性は良い部類に入ります。
ミラーボックスを組み込む際に
ちょっとしたコツが必要なくらいでしょうか。。。
F一桁機のようなこれでもかと言わんばかりの頑丈さはありませんが
ニコンらしくしっかり丈夫に作られたカメラです。
普通に使っていて定期的にメンテナンスを行っていれば
それほどトラブルに見舞われることはないカメラだと思います。
軽量コンパクトを売りにしている機種ほどではないですが
F一桁機に比べるとかなり取り回しは楽だと思います。
非常にバランスの良いカメラで個人的にも好きなカメラのひとつです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。