ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうですよ。
駅とかで最新のグレーのデジタル公衆電話は見かけますが
道路わきにあるような電話ボックスや
お店の軒先にあるような電話だけ透明の枠に入っていて
その下のボックスに電話帳が入っている公衆電話は見なくなりましたねぇ
…というか最近の方は公衆電話の使い方なんて知らないですよね?
あ、いや、私も最新のグレー電話は使ったことないかも。。。
テレホンカードが出てきたときに公衆電話は緑色のものに
ほとんどが置き換わりましたが
それまでや青や黄色、赤、ピンク、といろいろな種類の公衆電話がありました。
それに緑電話以前のものはまだまだダイヤル式のものも多かったのです。
中学生の頃に家で長電話してると怒られるから
青電話に10円玉10まい入れて電話したり
黄色電話に100円玉入れて近所の電話ボックスに電話してました
で、近所で「またあそこの孫が夜中に電話しよるよ」って話題になる(苦笑)
駄菓子屋の軒先にあるような電話は赤電話が多くて
喫茶店にはピンク電話が多かったかなぁ…
何にしても40年ほど前の懐かしい情景ですね!

さてさて

今日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックス「Mシリーズ」の第一号機なのですが
本来、「Mシリーズ」は電子化を進めることを目指していて
機械制御シャッター搭載の「MX」は
「Mシリーズ」の中では異端児的モデルです。
「Mシリーズ」第2弾は電子制御機の「ME」ですが
それ以降の「Mシリーズ」は全て「ME」をベースとして開発されます。
ただし「Mシリーズ」のもうひとつのテーマは
「小型軽量化」でもありますから
その部分においては「MX」は「Mシリーズ」にふさわしいカメラです。
電子制御機+縦走りシャッター機は
この頃から小型軽量化はどんどん進んでいきますが
機械制御機+横走りシャッター機はこの「MX」や
「OM-1」あたりが小型化の限界だろうと思われます。
「MX」にしろ「OM-1」にしろこの大きさを実現するために
相当独自性の強い工夫が各所に見られます。
そのためこの2機種は通常の横走り機と比べても
おせじにも整備性はほめられたものではなく
(露出計がシンプルなOM-1はまだ少しはマシです)
調整も非常にデリケートなものになっています。

お預かりしている「MX」は
まずフィルムカウンターが不動です。
こちらは単なる固着かと思いきや
過去にちょっといい加減な分解をされた形跡があり
カウンター羽根を強く巻きすぎている状態で
36枚撮るとテンションの掛かりすぎたバネが
部品の隙間に入り込んで引っかかてしまっている状態でした。
バネがねじ切れていないのが不幸中の幸いでした…

そしてご依頼者様からお聞きした話だと
たまにミラーが動かないまま(ミラーアップしないまま)
シャッターが切れてしまうことがあるそうです。
もちろんそれでは写真は全く写りません。
ちょっとめずらしいトラブルですが
これがまた…お預かりすると症状が出ないのですね(苦笑)
出ない症状をいつまでも待っていてもしかたないので
関連する部位を入念にチェックしていきます。
本来、ミラーがアップするとそれにリンクした部品が押し込まれ
シャッターが走り出すような仕組みになっていますが
そのミラーアップ時に押し込まれるアーム部品の
動きが非常に悪くたまに押し込まれたままになってしまうようです。
ここを弄っていると症状の再現もできたので
間違いないかと思われます。

ミラー駆動部、シャッター幕軸、巻上機構部
動く部分は全て入念に整備清掃調整を行いました。
古い油を除去した後に新たに注油しているので
少し馴染むまで様子見を行いながらテストを行っていきます。
例のミラーアップ周りのトラブルも
一切出そうな雰囲気もありません。問題ないと思われます。
もう少し様子見を行った後に
最終チェックを行って完成となります。

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