月別アーカイブ: 2019年12月

ミノルタレポSのカメラ修理

今日は「東京駅完成記念日」なのですが
「東京湾アクアライン開通記念日」でもあります。
アクアラインの開通は1997年、もうそんなになるのですね。
実はまだ通ったことないのです。。。(苦笑)
ついでにいえば房総エリアに足を踏み入れたこともないのですが。。。
ひたすら一直線だからバイクよりクルマが気持ち良さそうですよねぇ。。。
うーん、通ってみたいけど
なかなか機会はなさそうですねぇ。。。
海ホタルも立ち寄ってみたいのですが。。。

さてさて

本日は「ミノルタレポS」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラです。
ハーフといえばペンやオートハーフが有名ですが
ミノルタもこのレポシリーズでハーフ判に参入しますが
他メーカーより少し遅れての参入でした。
デザイン等はミノルチナシリーズがベースとなっています。
最初に登場したレポ(1963年)が30mmF2.8レンズ
プログラムシャッター搭載でミノルチナPのハーフ判
次に登場したレポS(1964年)が
32mmF1.8の大口径レンズを搭載し
セイコー製シャッターを搭載し最高速は1/500
ミノルチナSのハーフ判といった印象です。
(ただしピントはレポ同様でさすがに目測です)
レポSは大口径レンズ搭載ということもあり
ハーフ判カメラとしては少し大きめです。
でもミノルチナ譲りの端正なデザインは非常に魅力的で
ハーフ判でもきちんと巻上レバーを搭載し
マニュアル露出で撮るカメラですが
SSや絞りの設定も行いやすく
使い勝手も非常に良いカメラです。
露出計はセレン光電池式でSS・絞りに連動した指針を
合わせて露出設定を行う方式です。

お預かりしているレポSは
まずシャッター羽根が粘っていて
開く場合でも動きが非常にゆっくりで
場合によっては全く開かないこともあります。
レンズシャッター定番のトラブルですが
羽根の油滲みや汚れが原因と思われます。
絞り羽根にも若干の粘りがあるようです。
セレン光電池の露出計はやはり劣化しており
LV15で+2.5段といった感じです。
セレンとメーターの間に入っている抵抗の交換で
多少は改善できるかもしれないと考えて
作業してみましたが抵抗も劣化でスカスカの状態のようで
ほぼ抵抗値がゼロでした。
。。。ということは根本的にセレンの起電量が全く足らない状況で
残念ながらここに関しては修理不能と判断いたしました。

露出計の件は少々残念ですが
シャッター羽根・絞り羽根洗浄、レンズ清掃
ピント調整、ファインダー清掃等々
他の部分は一通りしっかり整備を行います。
整備の甲斐あって
全体的に非常に快適に動作するようになりました。
レポ系はあまり修理依頼の多いカメラではなく
今回、久しぶりにじっくり触れることができましたが
なかなか使い心地よくて気持ちよいですね。
ミノルタのカメラはどのモデルも
スペックは標準的なものが多いですが
使い心地に非常に優れたカメラばかりだと思います。
ちょっと変わったハーフカメラを使ってみたい方にはお勧めの1台です。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「紙の記念日」なのだそうですよ。
王子製紙の前身にあたる「抄紙会社」が東京・王子で
営業運転を開始した日だそうです。
直接関係ないのですが「紙」といわれて思い出したのが
昔は粉薬とか紙に包んで処方されていましたよね。
風邪引いたときとかにいつも連れて行かれる
近所の内科で紙に包んだ風邪薬よくもらっていたなぁ。。。
その頃(幼稚園~小学校低学年)は本当に注射が大嫌いで
その内科に行くのも泣き叫んで嫌がっていたのですが
注射の後でおじいさんの先生が分銅を使って粉薬を計って
紙に包んで出してくれる様子を見るのは好きだったな。。。
自宅の一部を医院として使っている感じで
こじんまりした待合室や小さな木枠の窓の受付や
今思い出してもレトロな空間だったなぁ。。。

さてさて

本日はオリンパスペンFのカメラ修理を行っています。
本当に今月はオリンパスの修理が多いですね。
今日で5日連続です(笑)
ペンFは言わずと知れた孤高のハーフ判一眼レフです。
デビューは1963年です、
オリンパス初の一眼レフはハーフ判のペンFなのです。
もちろん世界初のハーフ判一眼レフです。
ハーフ判そのものが日本以外ではそれほど普及してはいなかったのですが。。。
オリンパスのカメラは基本的に他のメーカーでは
できないようなコンパクトさがセールスポイントとなっているものが多く
その造りも独自性の高いものが多いのですが
ペンFは明らかに他の一眼レフとは全く構造が異なります。

まずはロータリーシャッターですかね。
パックマンのような円盤が1回転することによって
シャッターを開閉します。
最高速の1/500の場合は単に1回転するだけですが
他のシャッタースピードの場合はシャッターが開いた状態で
SSの応じて円盤の動きを止める仕組みです。
そのためシャッターは全速度で全開となるので
全てのSSでフラッシュシンクロ可能です。
SSの動きを制御するのは回転を止めるガバナーです。
シャッター周りのトラブルはこのガバナが原因となるとが多いです。

ファインダー至る経路とミラー駆動システムもペンF独特のもので
ミラーは通常の一眼レフとは異なり縦向きに取り付けられ
横方向に駆動します。
ミラーで反射した光は小さなスクリーンを経て
これまた独特の形状のプリズムで反射され
上カバー部のミラーでさらに反射
(FTはここにハーフミラーを用いて露出計に光を取り込みます)
さらに通常は接眼レンズとなる拡大用レンズを上カバー経路内部に
配置しそれを通過した後にさらにプリズムで反射し
接眼部に導きます。
このファインダーの造りによりペンFは通常の一眼レフに
存在するペンタプリズムの出っ張りがなく
レンズも大きく巻き戻し側にオフセットした配置になっているのです。

ペンFのトラブルは先述したシャッターガバナ部に並んで
その独特のミラー駆動部に関連したものが多く
今回、お預かりしているペンFもミラー駆動部のトラブルです。
シャッターを切るとミラーが跳ね上がるのですが
跳ね上がる勢いが弱く完全にミラーアップする直前で
止まってしまいます。
まだミラーアップが完了していないのでシャッターも作動せずそのままです。
この状態で軽くミラーを上方向に押し込んでやると
シャッターも作動し、その後ミラーもダウンし動きは完了します。
ミラー駆動部の作動不良ですね。
元となる原因は駆動部の汚れ等による作動不良で
それをきっかけにミラーのバネテンションが抜けてしまっていると思われます。
テンションをかけなおすだけでもとりあえず応急処置とはなるのですが
それではまた近いうちに再発してしまうので
駆動部の清掃整備を入念に行います。

もちろん、並行してシャッター駆動部・巻上部の整備も行います。
今回のペンFはめずらしくスプリットのスクリーンが入っています。
プリズムもペンFTと同様のものです。
(スリガラス加工がないもの)
詳しい経緯はわかりませんが改造品かな。。。
精度的には問題ありませんがピント面のチェックも行います。

ペンFはやはり2回巻のこのタイプが良いですね。
後に出るFTは露出計を付けてしまったことと
1回巻きにしたせいで便利にはなりましたが
色々と機構的に無理がある部分も多いと考えます。
ペンFは一時期、個人的に使っていたこともあるのですが
軽快な2回巻きでリズミカルに撮ることが
何とも楽しいカメラです。
システムもコンパクトにできるし
もう一度、自分用も手に入れたいカメラのひとつです。

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オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「観光バス記念日」だそうです。
1925年(大正14年)のこの日に
東京乗合自動車により日本初の定期観光バスである
「ユーランバス」の運行が開始されたのだそうです。
「観光バス」とはいえ「路線バス」のようなものだったそうです。
最近はバスに乗ることもすっかりなくなりましたが
地元・呉にいたころは公共の足は
鉄道よりバスがメインでしたからよく乗りました。
すごく幼い頃にまだボンネットバスが現役で
一度乗った記憶があるのですが
もう一度、ボンネットバスには乗ってみたいですねぇ。。。
レトロなボンネットはもちろん
あの丸っこいテール部分が良いのですよねぇ
私が良く乗っていた「呉市営バス」は
今は移管されて「広電バス」になりカラーリングも
広電カラーになっているのですが
ボンネットバスだけは呉市産業部が保有してるそうで
確かGW前後は呉市内を回る観光バスとして
運行しているのじゃなかったかな。。。
うーん、もうちょっとよく調べて乗られるようだったら
来年のGWに乗ってみたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1940年代から受け継がれるオリンパス35シリーズの一員です。
オリンパスらしいコンパクトなボディに
40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
この時代に多い露出計の針を挟み込んで露出を決定する
プログラムオート露出機です。
シャッターユニットはセイコー製で
シャッター羽根が絞りを兼用するタイプです。
シャッター制御そのものは機械制御ですが
露出計がある程度は振れていないとシャッターロックがかかる機構が
付いているため電池を入れていないとシャッターを切ることができません。
前期モデルと後期モデルに分類でき
ファインダー横にバッテリーチェックボタンがあるものが後期型です。
空シャッター時にレンズキャップを閉めたまま
シャッターを切る場合は
(通常だとキャップをしていると露出計が振れないためシャッターが切れない)
前期モデルは底部のFボタン
後期モデルはバッテリーチェックボタンを押したまま
シャッターを切ると強制的に露出計が振れ
シャッターを切ることができます。
上カバー背面には逆光補正用のBLCボタンも装備されています。

お預かりしている35DCはバッテリーチェックボタンのある後期型です。
シャッターが切れないということでお預かりしました。
先述のように電池が入っていないとシャッターが切れないのですが
今回は電池を入れてもシャッターにロックがかかったままのようです。
露出計が動かないのかと思われましたが
ある程度分解して確認してみると
露出計そのものは動くのです指針挟み込み機構が
指針を挟み込まない位置で固着していて
そのためそれ以降は露出計指針が動くことができず
シャッターロックがかかったままになるようです。
35DCはレンズシャッター機でよく見られる
シャッター羽根粘りとかは少ないのですが
露出計絡みのトラブルが比較的多いですね。

写真ではわかりにくいですが
露出計は少々変わった場所に配置されています。
通常、このタイプのカメラでは露出計は
上部ファインダー横に配置され
指針挟み込み機構も併設されるのが普通ですが
35DCは巻戻しクランク側下部に配置され
挟み込み機構もそこにありオート調節機構も底部にあります。
そこから遠くファインダー部に露出計と連動して
露出計の値を連動表示させるような仕組みになっています。
上カバーを外さなくても露出計調整やオート調整ができるので
一見便利そうなのですが
底カバーを外すと通常に電池を入れることができないので
それほど調整は楽ではないです(苦笑)
露出計挟み込み機構の修理・調整はもちろん
レンズにはカビが結構発生しているので清掃、ピント再調整を行い
セルフタイマーの動作不良等もありましたので
現状抱えているトラブルを修理しつつ
シャッターユニット、露出計、オート機構、距離計等々
一通りの整備を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911年(明治44年)のこの日、
ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと4人の隊員が
世界で初めて南極点に到達したのだそうです。
同じ地球の上でも私たちが住んでいる環境とは全く異なる
過酷な場所がたくさんあって南極もそのひとつですが
想像がつかない世界ですよね。。。
ちなみに南極は今は夏で
今日の天気は曇り、最高気温は-16度だそうです。
夏とはいえ意外と暖かい???
これならば今日の午前10時時点での
富士5合目の気温が-14度くらいなのでそれほど変わらない。。。
まぁ気温だけの問題じゃないですし
-16度は異常な寒さですけどね。。。
行ってみたいとまでは思いませんが
ちょっとだけその場所を体験して見たいような気がします。
「どこでもドア」があればいいですよねぇ(笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
ここのところ、オリンパスのカメラ修理が多いですねぇ。。。
もともと多いほうではあるのですが
この後もオリンパス機がまだ多く控えているので
今週はオリンパス週間のような感じです(笑)
そんな修理依頼の多いオリンパス機の中でも
OM-1は最も修理依頼の多いカメラだと思います。
それだけ現在でも使っている人が多いのはもちろんですが
フィルムカメラ、それも一眼レフを使い始めた方が
OM-1を選んで入手しているということも多いと思います。
機械制御シャッター機で軽量コンパクト
使い心地も何とも気持ちよい上に
非常に数多く売れたカメラで現存数も多く
市場価格も比較的お求め易い。。。
人気のある理由はいくらでも挙げられますね。
ただし基本的には丈夫なカメラですが
それは定期的にメンテナンスを行っている場合の話で
これだけそれまでに他社がやらなかった(できなかった)軽量化を
進めているわけですから
多少、華奢な部分やデリケートな部分も多いのは事実です。
手のかかるカメラではありませんが
やはり長い間未整備で使いっぱなしの個体は
動作しているにしても、いろいろ問題を抱えているものが多いです。

お預かりしているOM-1は
巻上が全くできない状態で持ち込まれました。
セルフタイマーも中途半端な位置で固着してしまっているようです。
シャッター幕の位置はリリース状態のため
シャッターが切れないのではなく
巻上がロックされている状態のようです。
正確に言うとほんの少し巻上は進んでいるのですが
ロック機構で通せんぼされているような感じです。
底部巻上機構の固着が原因と思われます。
さらにそれに関連して底部三連ギアの動きも悪いようです。
セルフタイマーは単純に油切れ固着のようです。

いつものごとくプリズムはやはり腐食しているので
交換で対処いたします。
定番の露出計及び電池室周りのトラブルはなく
長期間電池が入れっぱなしの期間はなかったようです。
とはいえ内部はそれなりに汚れています。
巻上ロック部分の修理を行った時点で
シャッターは切れるようになったものの
幕軸の動きはやはりよろしくなく
幕軸、ミラー駆動部、三連ギア部の清掃・整備を入念に行っていきます。
その結果、巻上も非常にスムーズになり
シャッタースピードも問題のないレベルで非常に安定させることができました。
こうして一通り手を入れると
まだまだ安心して撮影に使える状態に復活させることができます。

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オリンパスフレックスのカメラ修理

今日は12月13日。。。
「13日の金曜日」ですが、ま、それは置いておいて(笑)
今日は正月事始めですね。
煤払いなどをして年神様を迎える準備を始める日です。
門松や雑煮を炊くための薪等、お正月に必要な木を取りに
山へ行く日でもあるそうです。
先日8日に「御事納め・御事始め」のことを書きましたが
この日がお正月の準備の始まりとされている地域もあるそうです。
そうなんですよね。もう12月も半ば。。。
あっという間に新年の準備の時期になってしまいました。
まぁ、私なんぞはお正月の準備もへったくれもないのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスフレックス」のカメラ修理を行っています。
オリンパスのカメラといえば「ペン」や「OMシリーズ」に代表される
軽量コンパクトなカメラを作るメーカーのイメージが強いですが
今回のオリンパスフレックスは
がっちしりとしたダイキャスト製の二眼レフです。
オリンパスフレックスが製造される以前から
マミヤやエルモのスプリングカメラや二眼レフに
ズイコーレンズを提供していたわけですが
二眼レフの大ブームもあり、自社でも二眼レフを開発・販売しようと
始まったのがオリンパスフレックスです。
この時代のカメラはは細かく判別していくのは
色んな考え方もありなかなか難しいのですが
オリンパスフレックスには初期の最高級クラスの「Ⅰ型」、「BⅡ型」が存在し
後に普及版として「A型」も発売されます。
今回、お預かりしているのは「BⅡ型」と思われます。
75mmF2.8のズイコーレンズが搭載されています。
国産機としてはF2.8の明るさのレンズが二眼レフに搭載されたのは
このオリンパスフレックスが最初だと思われます。
そのF2.8レンズですがレンズ構成も6枚で非常に贅沢なものです。
通常シャッターボタンはテイクレンズの斜め下あたりにあるものが多い中
オリンパスフレックスはビューレンズの横付近にあり
かなり高い位置に配置されています。
そのさらに上にはシャッターロックレバーが配置されています。
フィルム装填はスタートマーク合わせ式のセミオートマットで
セルフコッキングこそまだ装備されていませんが
巻止め解除はシャッターボタンと連動しています。
フィルム未装填の状態で空シャッターを切る場合には
ピントノブしたの多重露光切替レバーを「D(多重露光)」にしておきます。
SS、絞りはレンズ横に配置されたダイヤルで行う仕様です。

通常、F3.5のレンズは搭載されていることの多い二眼レフで
F2.8が搭載されていると随分大きく感じます。
たった半絞りの差ではあるのですが。。。
お預かりしているオリンパスフレックスは
外装、ファインダー、レンズ、
それぞれ経年劣化でだいぶくたびれた印象です。
外装はできる限りの清掃で
ファインダーがスリガラス部分の劣化は幾分残りましたが
問題ない程にはクリアとなりました。
ファインダーミラーは当然、交換となります。
問題は自慢のF2.8レンズで
当初はクモリが酷く明らかに白く濁っており
とてもまともに撮影のできる状態ではありませんでした。
他メーカーの二眼レフやスプリングカメラに搭載される
ズイコーレンズもそうですが
50年代のズイコーレンズはクモってしまっているものが多く
完全な状態に復帰させるのは非常に困難です。
今回も当店でできる限りの処置を行い
何とか普通に撮影できるレベルには復帰しましたが
完全にクモリを除去することはできませんでした。
強い逆光時には若干、影響が出ると予想されます。
元々、この時代のレンズ逆光に弱いというのもありますが。。。
もちろん、シャッターユニット、絞り機構、巻上部等々
機械的な部分は一通り整備を行います。
気持ちよく使っていただけるようにできる限りの整備を行います。

それにしてもこの時代の二眼レフはどれも個性豊かで
魅力的なものばかりですね。
経年劣化には抗えない部分も多少はございますが
それでもこれを使って撮影すると
50年代の空気のかけらをはっきりと感じることができそうです。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は「漢字の日」だそうですよ。
毎年、清水寺でこの日に「今年の漢字」が発表されます。
今年は何になるんでしょうねぇ。。。というか
私、個人的には「漢字の日」はいいのですが
この「今年の漢字」にはあまり興味ありませんが。。。(苦笑)
日本語の良いところはやはり感じとひらがなの組み合わせですよね
私は日本語しかできないし他の言語のことはわかりませんが
漢字とひらがなの組み合わせで
とても細かい情景や心の動きを表現できる日本語って素晴らしいと思います。
その分、非常に使い方が難しい言語だとも思います。
(「あぁ未だに日本語使いこなせていない」と思うことのなんと多いことか。。(汗))
死ぬまで勉強ですからね。
正しい日本語を使いこなせるように今から少しずつでも
上達していけばよいなぁ。。。と思います。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトなカメラを得意とするオリンパスらしいカメラです。
このXA以降、同じような形のカメラがたくさん出てきますが
このスライド式のレンズバリアはXAが元祖です。
レンズキャップを不要とし
ファインダー窓を一緒に開閉することにより
レンジファインダー機でお約束のレンズキャップ取り忘れも起こらず
レンズのでっぱりがないフラットな形状で
持ち歩きに非常に便利等々。。。
非常に魅力の多いカメラです。
XAシリーズには5種類のモデルが存在するのですが
レンジファインダー装備なのも
絞り優先AE搭載なのもこの初代XAのみです。
気軽に余り手間をかけずに撮るには他のXAが良いと思いますが
ある程度、撮影者側でコントロールしようと思うと
やはりこの初代XAが一番良いかと思います。

XAは基本的に修理の難しいカメラだと思います。
独創的な部分が多いのもそうですが
電子部品関連のトラブルも多く
正直やってみないと直るか直らないかわからない。。。ということの多いカメラです。
今回お預かりのXAも単純なトラブルではなさそうです
明るい場所でシャッターを切っても
絞りがどのポジションだろうと1秒くらいのスローシャッターになってしまいます。
シャッターが粘っているとかそういう
機械的なトラブルではなく制御系に何かしらの問題がありそうです。
XAのこの手のトラブルは修理不可能な場合も多いです。
今回もやってみなければわからない。。。といった状況で
電圧・通電のチェックを細かく行いながら
基板周りやマグネット、各接点の清掃や
できる限りのことをいろいろやってみた結果
一部の通電が上手くいっていないことが発覚し
何とか修理することができたような状況です。
これが基板内部電子部品の不良であればお手上げだったと思います。

もちろん並行してレンズ清掃やピント調整
ファインダー清掃・調整等々の通常の整備も行いました。
少し時間をおいて様子見を行っていますが
動きは非常に安定しています。これなら大丈夫でしょう。
XAは1979年発売でXAシリーズは80年代前半のカメラですが
このあたりのカメラがある程度普通に当店あたりで
メンテナンスできるカメラとしての限界ではないかと思います。
正直なところ80年代後半からのカメラは
もう手が付けられないものばかりです。
XAにしろ修理不可な場合もたくさんあると思います。
何にせよ、今回のXAが無事に復活して安心しました。

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コニカC35フラッシュマチックのカメラ修理

今日は「百円玉記念日」だそうですよ。
1957年(昭和32年)のこの日、日本で初めて百円硬貨が発行されたそうです。
最初の百円玉は大きさこそ現在と同じですが
図柄ももちろん異なり、銀貨だったのですね。
(銀60%・銅30%・亜鉛10%)
その後、1959年に図柄のみ変更され
1967年に現在の百円硬貨が発行されます。
この時に材質も変更され
白銅(銅75%・ニッケル25%)になったのだそうです。
銀貨とか金貨とか聞くと何だかそれだけで
ちょっとワクワクしますよね(笑)
小学校低学年くらいの頃のお小遣いが
週に一度、百円だったなぁ。。。
百円玉握り締めて近所の駄菓子屋によく行ったものです。
駄菓子と銀玉鉄砲の弾とかですぐなくっちゃうのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
お馴染みの「じゃーに~コニカ」ですね。
初代C35にフラッシュマチック機構が加えられたものが
今回の「C35フラッシュマチック」です。
発売開始は初代登場の3年後となる1971年です。
フラッシュマチック機構以外のスペックは初代とほぼ同様で
露出はプログラムオートでレンズはヘキサノン38mmF2.8
レンジファインダーを装備します。
ピントだけはレンジファインダーできっちり合わせて
露出はカメラまかせというスタイルですね。
同様のカメラでは目測式ピントのものも多いですが
やはり距離計できっちり合わせたほうが安心感が高いです。
このフラッシュマチックも初代C35同様、大ヒットしたカメラです。
C35の登場以降、各社同じようなタイプの対抗モデルを
次々と発表していきますが
やはりこのジャンルの第一人者といえばC35でしょうね。

お預かりしているC35フラッシュマチックは
まず前玉が落下してしまったらしくありません。。。
通常外れるようなものではないのですが
激しく落下した様子もありません。
めずらしいこともあるなぁ。。。と
まずはレンズ周り以外の部分をチェックしていきます。
C35といえばシャッター羽根粘り
(正確に言うとシャッター羽根駆動部円盤の動作不良)が定番ですが
今回お預かりのC35はシャッターそのものの調子は良いようです。
しかしながらファインダーをチェックすると
通常ではありえないほどに水平方向のズレが確認できました。
垂直方向もズレてはいるのですが
水平方向はどこに合わせても無限遠が出ないというほどのものです。
自然にズレたような感じではないな。。。と思いながら
チェックしていくとヘリコイドに分解歴があるようで
ヘリコイドのねじ込み位置が明らかに異常であることが発覚しました。
おそらく前玉が落下してしまったのも
これが関連していると予想されます。
電池は1.5VのLR44が装着されていたのですが
C35はもともと1.3Vの水銀電池使用です。
そのまま1.5Vの電池を入れると(大きさはぴったり合う)
大抵の場合、大幅にアンダー(振り過ぎ)となってしまいます。
今回も1.5段以上アンダーの値を示していて
実際のオート露出も同様にアンダーです。
今回は1.5Vで調整しなおし適正な値にしていきます。

紛失した前玉部分と留め枠は補充し
ヘリコイド部は一旦取り外し
フィルム面のピントがきっちり合うように組みなおします。
それに合わせて距離計も調節していきます。
CdSや電池室には今回は問題はなさそうですが
一通り通電チェックを行っていきます。
もちろんシャッター駆動部やシャッター羽根洗浄も行います。
基本的にはシンプルな構造のカメラなので
今回は問題ない状態に整備できますが
最近、妙な分解歴のあるカメラが多いですね。
C35のように頻繁に取り扱っているカメラであれば
大抵のことにすぐ気づきますし元々の状態も把握しているので
破損や変形がなければそれほど大きな問題にはなりませんが
ちょっと変わったカメラだと元々の状態を把握するまでに
結構な工数を取られることになります。
開けてみなければわからないことも多いので
難しいところですが。。。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日は「鍛高譚(たんたかたん)の日」だそうですよ。
しそ焼酎ですね。甲類乙類混和のお求め易い焼酎ですが
これが美味いのですよねぇ。。。
他の焼酎と同じくロックが美味しいですが
お湯割りでも良いですよねぇ。。。
しそだから梅干が合うのでお湯割り梅干入りで
グチャグチャに梅を潰して飲むのもいいですねぇ
肴は焼き物が合うような気がします。鳥でも魚でも。。。
ちなみに鍛高とは北海道で言うカレイ科の魚のことで
譚は物語という意味だそうです。
メーカーのサイトを見るとタンタカ物語の動画がアップされています。
最初にどこかの居酒屋か何かで「タンタカタン」って聞いたときには
妙な名前のお酒だなぁ。。。と思ったことを思い出します(笑)
これからの季節、お湯割りは良いですねぇ。。。
しばらく味わっていないから買ってこなくては。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
EE「S」なのでピント合わせは目測ゾーンフォーカスです。
要はペンEE-2のゾーンフォーカス判ですね。
完全固定焦点のEEシリーズに比べると
目測ゾーンフォーカスとはいえピント合わせがきっちりできるので
薄暗くて絞りが開き気味になるようシチュエーションでは
EES系のほうが安心度は高いですね。
とはいえ、あくまで目測なので
きっちりとしたピントは難しいかもしれませんが。。。
もともとペンEE系というかこのクラスのカメラは
被写界深度を利用して撮るものですから
あまりそのあたりに神経質になることもないですかね。
いわゆるプログラムシャッター機で
露出は完全にカメラにお任せするしかないのですが
シャッタースピードは明るさによって
1/30、1/250の2速切替となり、さらに連動して絞りも選択されます。
単純な指針挟み込み式のオート露出なのですが
非常にうまくできていてこのタイプの露出制御の
良い教材になる構造です。

お預かりしているEES-2は
ペンEE系でよくある絞り固着トラブルが発生しています。
明るかろうが暗かろうが最小絞りで固まったままです。
当然写真はよほど明るいところで撮らない限り
真っ暗な状態になってしまいます。
シャッタースピードをよくよく聴いてみると
速度は切り替わるようなので露出計そのものは動作しているようです。
シャッター羽根もそうですが
シャッター羽根も絞り羽根も非常に小さなバネの力で動作しています。
そのためちょっとした汚れや油分で簡単に動かなくなってしまいます。
EES-2の発売開始は1968年。。。
さすがに内部に汚れがいろいろたまっていてもおかしくはないと思われます。

シャッター羽根・絞り羽根洗浄、シャッターユニット整備
レンズ清掃、ピント調整、露出計・オート調整
ファインダー清掃、一通りの整備を行いました。
非常に気持ちよく使える状態になったと思います。
やっぱりペンEE系はこのグレーの貼り革が似合いますね。
初代EE(S)に比べるとカウンターは自動復元式となり
裏蓋は蝶番式になり。。。と使いやすさは格段に進歩しています。
常に持ち歩くカメラとしても
非常に使いやすい1台ではないかと思います。

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「御事納め」の日です。
農作業等の1年の作業が終わる日ということですね。
御事始めは2月8日です。
この2つをまとめて「事八日」と呼ぶこともあります。
ちょっとややこしいのが
この場合の「事」とはコトノカミという神を祭るお祭りのことで
コトノカミが「田の神様」であれば今日は「御事納め」なのですが
「年神様」であれば今日は「御事始め」の日になるのだそうです。
農耕に勤める人の立場で言えば今日は「御事納め」で
年神様から見ると今日は「御事始め」ということです。
ところで、御事納めである12月8日には、
里芋・こんにゃく・にんじん・小豆を入れた「御事汁」を食べる風習があったのだそうです。
まだまだ師走は始まったばかりで
これからが大変な時期ですが素朴な「御事汁」で和みたいですねぇ。。。(笑)
さぁ、今日もがんばります!

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
当店でも頻繁に修理している「OM-1」の初期モデルですね。
1972年7月にオリンパス初のシステムカメラとして
「M-1」、「Mシステム」として膨大なレンズ・アクセサリー群と
共にスタートしましたが当時のエルストン・ライツ(現在のライカ)からの
クレームを受け1973年5月に「OM-1」、「OMシステム」への
改名が行われました。
「M-1」として発売されたのは10ヶ月ほどなので
台数としてはさして多くないとは思われるのですが
意外と中古屋さんでもよく見かけるカメラです。
もちろんOM-1に比べると圧倒的に現存する数は少ないのですが。。。

この「M-1」よ最初期の「OM-1」は
中身の細かい構造や使われている部品がそれ以降のモデルと
少し異なる部分が何箇所かあります。
修理をする立場で注意が必要なのは
メーターや基板、プリズムが載せられている
プラスチックの台座部分が非常に脆いものが多く
無警戒にネジを緩めただけでグズっとプラスチックが
崩れてしまうことがよくあるのです。
最初期のOMやM-1でなくても
この部分はプラスチック製なのですが
M-1と最初期OM-1だけが異様に脆いと思えるので
単純な経年劣化だけではなくて材質が微妙に違うのではないかと思います。
何にせよ、ひとつひとつの作業をより慎重に行う必要があります。

お預かりしているM-1はまず定番のプリズム腐食が発生しています。
毎度のことですが腐食のないプリズムとの交換で対応します。
加えて高速シャッターの精度が全く出ていない状態です。
幕走行が全体的に不安定なのですが
特に後幕の幕速が全く安定せず
シャッターを切るたびに速度が全く違うという状況です。
走り始めのスリットはそれほどではないのですが
後幕の速度が安定しないため
1/1000設定時の走り終わりのスリットが
あるときは1/3000だったり
そうかと思えば突然1/250になったりとなかなか大変なことになっています。
後からわかったのですが単純に幕軸の汚れ等だけの原因ではないようで
清掃してもなかなか動きが安定せず苦労しました。
OM系ですからシャッター不安定の原因は単純に幕軸の問題だけではなく
底部三連ギアの不具合等も原因のひとつになっていたようです。

シャッターはもちろんのこと、ミラー駆動部、露出計、ファインダー
巻上部等々、一通りの整備を行いました。
現在はすっかり動きは安定しています。
付属のレンズは「Mシステム」銘の50mmF1.4です。
こちらもできる限りの清掃を行いました。
M-1よりもMシステム銘のレンズのほうは見かけることが少ない気がします。
貴重なMシステムですが
これで気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大雪」です。
つい何日か前に「こゆき」じゃなくて「しょうせつ」ですよって
書いたような気がするのですが早いですねぇ。。。
あ、念のために書いておくと「おおゆき」ではなく「だいせつ」です。
「北風が吹いて雪が激しく降り始める頃」という意味です。
首都圏は大雪にふさわしく冷え込んでいて
根シーズンの初雪が降るのではないかと予報も出ていますが
今のところ小雨のようですねぇ。。。
でも個人的には暑苦しい夏よりは冬のほうが好きかな。。。
色んなものの暖かさとありがたさが再確認できるような気もしますし。。。
大雪を過ぎると次は「冬至」でいよいよ年末ですね。

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系を祖先とする。機械制御シャッターの中級機で
後継のFM2ともども現在でも非常に人気の高いカメラです。
兄弟機でもある電子制御シャッター機のFE&FE2とともに
70年代後半から80年代の一眼レフを語る上で
外せないカメラだと思います。
FMは1977年の発売でこのカメラの発売で
ニッコールレンズのAi化が一気に進んだといわれています。
(Aiニッコールの発売は1977年3月
FMの発売開始は同年5月)
コパル縦走り金属羽根シャッターを採用し最高速1/1000というスペックは
ニコマート時代と変わりませんが
ボディサイズはニコマートに比べるとかなり軽量コンパクトとなり
デザインもギュッと凝縮感のある質感高いものとなりました。
露出計はLED表示になりましたが
この露出計が少々ウィークポイントで
LED制御部にトラブルが起きた場合は修理不能となることも多い部分です。
せっかく機械制御マニュアル機なのだから
露出計も指針式にしてくれれば良かったのに。。。と昔から思っています(笑)

お預かりしているFMはいくつかトラブルを抱えており
まずは出来上がった写真の一部が真っ黒になることがあるそうです。
一部シャッターが開かないものと思われますが
お預かりしてすぐにシャッター測定をしてみたところ
そのときはたまたま開かないことはなかったのですが
明らかに先幕の幕速が遅く、後幕が走行途中で追いついてしまいそうな
現象が確認できました。
この状況であれば途中で閉じてしまうことも十分考えられるレベルです。
シャッター羽根(幕)根元部分に汚れ等があるものと思われます。
加えてシャッターをチャージした後、レリーズしなくても
何度でも巻上げができてしまいます。
巻上ロックが効いていないものと思われますが
分解してみるとニコンらしく強固な巻上ロックの鍵型部品が
いくつもの細かいクラックができていて変形し
ロックできずに滑ってしまうことが原因と判明しました。
過去に巻上げがロックしている状態で相当強い力をかけたものと思われます。
カメラに限らず全てのモノがそうだと思いますが
動きが悪いときに力任せに動かすのはやめましょう(汗)
そのときとりあえず動いたとしても
かなりの高確率で部品にダメージを与えてしまうことになり
結果的に大きなトラブルを呼び込む原因となってしまいます。
今回のこの巻止め部品も使用不可な状態ですので
中古良品の部品と交換することで対処します。
(FMの中古部品及び部品取り個体はなかなか入手困難です)

写真のレンズは当店のテスト用レンズです。
巻止め部品の交換、シャッター羽根の洗浄・調整
他、各部点検整備一式を行い問題のない状態となりました。
お預かり時には貼り革が全て取り払われた状態だったので
貼り革も新たに貼りなおしました。
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。
F一桁機ほどの耐久性はございませんが
それでもさすがにこの時代のニコン機ということで
基本的に非常に丈夫なカメラです。
今回、手を入れさせていただいたことで
当分、快適に撮影をお楽しみいただけると思います。

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