今日は「天使の囁き記念日」だそうですよ。
ここでいう「天使の囁き」は「ダイヤモンドダスト」のことです。
「ダイヤモンダスト」。。。
大気中の水蒸気が昇華してできた
ごく小さな氷晶が降ることで日本語でいうと細氷(さいひょう)です。
いくつもの気象条件が重ならないと見られない
非常に珍しい自然現象ですが
現在では人工的に発生させることもできるそうです。
えっと…
気温は氷点下10度を下回ること、天気は快晴そして無風
なおかつ明け方が良いそうです。
加えて1km以上見渡せるほどの視程、
大気中の水分が凍るわけですから適度な湿度も必要です。
うーん、これだけ条件を上げるだけでも
なかなか見られそうにないわけですよねぇ
私?もちろん見たことありません(笑)
日本国内でも厳冬期の北海道内陸部で見られるそうです。
同じようなものに「氷霧」というのもあります。
こちらも非常にめずらしい現象で同じようなメカニズムで発生しますが
細氷は「雪」に分類されるのに対し氷霧は「霧」に分類されます。
結晶の大きさも氷霧のほうが小さいのだそうです。
霧なので視程も悪く気温もマイナス30度くらいにならないと出ないそうです。
ちなみに細氷(ダイヤモンドダスト)は雪に分類されると書きましたが
ダイヤモンドダストが発生するときは天気は基本的には快晴です。
でもダイヤモンドダストが観測されるとその時の天気は
「雪」として記録されるそうです。ちょっと面白いですね。
一度くらいは見てみたいですねぇ…でも寒いだろうなぁ(笑
さてさて
本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
ミノルタらしい非常に官能的な使い心地と
これまた官能的なルックスがウリのカメラだと思いますが
それは今だから言えることで
発売当時のウリは何といっても世界初の両優先AE搭載です。
(SS優先、絞り優先)
その後、露出モードは分割評価測光を含めて
さらの進んだので今更、両優先AEはそれほどすごくは思えませんが
当時は自動露出モードは「絞り優先」、「シャッタースピード優先」
「プログラム露出」のどれかがひとつ装備されているのみというのが普通で
それにマニュアルが可能か否か…といった選択肢しかなかったわけです。
で、昔のクルマでツインカムかターボかどっちが優れているのか
みたいな議論と同様に「絞り優先」と「SS優先」
どちらがいいのかという議論もされていたわけです
クルマは「ツインカムターボ」が出てこの議論に終止符が打たれましたが
カメラの世界ではXDが両優先を搭載しこの議論に終止符を言ったわけです。
さらに翌年には両優先+プログラムオートを搭載する
キヤノンA-1も発売されるわけです。
前回のXDのブログの際にも書いたので詳しくは省略しますが
XDもサイバーネーションシステムの恩恵で
SS優先時にはプログラムAE的に使用することも可能です。
XDは両優先AEを搭載したことや上記サイバーネーションシステムの
プログラムシフトがあるせいもあり
電子制御は当時としてはかなり複雑です。
そのためもあるでしょうが現行モデルの頃から
電装系トラブルの多いカメラとしても有名です。
今、現在生き残っているものは
比較的電気トラブルが少ないと思われますが
それでも長年眠っているものは
トラブルを抱えたまま年数だけが立っているものもあると思いますし
もちろん部品の経年劣化で電気的トラブルが発生する可能性もあります。
やはり制御関連にトラブルを抱えているものは
当店でも修理不能となります。
お預かりしているXDはSSや露出計、オート制御にそれぞれ
多少のズレは見受けられるものの調整可能な範囲と思われ
動きに致命的な問題はないかと思われます。
しかしながら前回のXDもそうでしたが
今回もフィルム室巻上側スプールの爪が折れてしまっています。
ミノルタX系は本当にこのトラブルが多いですね。
さすがに何十年も使われてくるとこういう負荷のかかる部分が
当時の樹脂製だとさすがに持ちません。
とはいえ交換する部品も新品は用意できず
中古良品を使用するしかないので
いつまでもつかは正直なところ何とも言えません
無理な使い方をしないようにいたわって使うしかないですね。
お預かりしている個体は実は上にある
まだ何も手を付けていない個体です。
わかりにくいですが確かにスプール爪は折れて紛失しています。
まずは先に交換用のスプールを部品取りから取り出します。
スプール交換はそれだけでもなかなか大変な作業で
スプールを取り出すだけでも巻上周りは全て分解が必要です。
手前に立ててあるのが今回使用するスプールですが
これを取り出すためだけにこれだけの分解が必要です。
見た目以上になかなか大変なのです(苦笑)
部品の準備もできたところで
これから本格的にシャッターやミラー駆動部の整備も行いながら
スプール交換も行っていきます。
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