日別アーカイブ: 2021年2月21日

キヤノンAE-1のカメラ修理

新聞の4コマ漫画って各社とも連載されていますよね?
私が子供の頃、家では朝日新聞を取っていたので
(まわりは圧倒的に「中国新聞」が多数派でしたが…)
「フジ三太郎」が記憶に残っています。
なんでこんな話から始まったかというと
その昔「サザエさん」が朝日新聞の4コマ漫画で連載されていたのですね。
(1951年4月16日から朝刊で連載開始、1960年4月に連載中断
1961年10月15日から連載再開)
その連載が最後になったのが1974年2月21日で
中断という形だったのですが以降掲載されず
事実上の連載終了となりました。
サザエさんというとアニメも超長寿番組なので
その印象が強いのですが
原作の4コマ漫画はアニメとはまた全く雰囲気が異なるのですよね
あの頃の時代感が非常に出ていてこれはこれで非常に面白いです
連載終了時に私は4歳10ヶ月か…
その頃も家では朝日新聞だったはずですが
さすがに記憶には残っていなくて
アニメで見たほうが先で原作を読んだのは随分後だなぁ…
今日は日曜日、さすがに今は見ることありませんが
今夜もサザエさんの放送がありますねぇ
「サザエさんシンドローム」なんて言葉もありますが
私も昔、週末休みだった頃は
日曜日の「ちびまる子ちゃん」から「サザエさん」の流れで
テレビを見ていると何とも切ない気持ちになりました(笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1974年に発売され大ヒットしたカメラです。
キヤノンAシリーズの最初の1台でもあり
後に出てくるすべてのAシリーズの基本となるカメラです。
設計・精密加工・生産ラインの技術を総合して
各部門一丸となって行われた社内呼称「新機種X開発計画」の賜物です。
マイクロコンピュータ搭載による中央集中制御方式で
前モデル「EF」に比べて約300点の部品削減と
生産の効率化によるコストダウンを成功させています。
このAE-1の登場でカメラの電子化・自動化が
さらに一気に進むことになります。
コストダウン・効率化は進みましたし
上下カバーはプラではあるのですが
中身や構造に安っぽい部分は全くなく
機械構造部も非常にしっかりと作られたカメラです。
シャッター鳴き等の持病もあるカメラですが
これだけの電子制御機でありながら
修理不能になることがあまりないカメラです。

お預かりしているAE-1はミラーアップしたまま
固着してしまっています。
そのまま巻上は可能でシャッターも切れるのですが
ミラーは上がったままです。
さすがにこれでは撮影には全く使えません。
シャッターにも問題があり
1/1000~1/250までの高速シャッターで
ほぼシャッターが開きません。
さらに露出計、オート露出ともに3段以上オーバーといった状態です。
ミラーやシャッターは機械的動作不良で
露出計、オートに関しては抵抗や接点の汚れ等が原因と思われます。
このままではどうにも使えませんし
トラブルはいろいろ起こっていますが
ひとつひとつの症状はよくあるトラブルで
対処できるものと思われます。

不思議なことにミラー駆動は動作不良なのに
Aシリーズ定番のシャッター鳴きは全くないのですね。
以前に一度整備されているのかもしれません。
シャッター幕軸等もやはり動作不良です。
清掃注油で改善されると思われます。
ミラー周りにぎっしり配置された駆動部と制御部は
非常にややこしそうな見た目ではありますが
意外と整備性は悪くありません。
ただ、フレキの扱いには細心の注意を払います。
経年劣化で脆くなっている部分もあるので
外す際には相当神経を使います。
おまけにこれだけの電子制御機なのに
まだ連動糸があったりもしますので
こちらも注意して作業を行います。
頻繁に触っているので慣れてはいますが
やっぱり冷静に考えると
いろいろ整備は大変なカメラかもしれません(苦笑)

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