日別アーカイブ: 2023年1月15日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ウィキペディアの日」だそうですよ。
2001(平成13)年のこの日に
インターネットの百科事典サイト
「ウィキペディア」(英語版)が公開されたことに由来しています。
要は「ウィキペディア」の誕生日なのですね。
このブログを書くにしても
「ウィキペディア」には随分と毎日お世話になっています。
誰もが参加し編集できる百科事典サイトなので
そこに書いてあるものすべてが正しいとも限りませんし
100%信頼できるわけでもないですが
やはり多くの方の編集を経ているだけあって
私の調べたいことに関しては大抵が
正しい情報を得ることができます。
カバーしているジャンルは途方もなく広範囲で
仕事から趣味のものや、ちょっと気にかかっただけのものまで
何でもまずはウィキで調べる…というのがパターンになってますねぇ
非営利団体でそれがゆえの長所短所や問題点も
いろいろあるのは見聞きしていますが
それでもやはり便利ですし
助かることや役に立つことが多いのですよね。

さてさて

本日は(も?)「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
一昨日もOM-1でしたねぇ…
まだ今月あと2台予定されています。やはり圧倒的に多いですねぇ
毎度書いているような気もしますが
「OM-1」は当時他のメーカーができなかった…あるいは
いろいろな諸事情でやらなかった
小型化・軽量化・静粛性を推し進めたカメラです。
そのた同時代のいわゆる標準的な一眼レフに比べると
その構造にも独創的な工夫や構造をしている部分も多く
「OM以外ではこんなことすることないのにな…」なんて思いながら
作業するような部分も多く存在します。
ただ、これだけ毎月OM-1を弄っているとそれも慣れますが…(笑
小型化を優先するために多少華奢部分も正直に言ってあります。
ただ、それも現行で販売していた頃には
何の問題もないレベルだったと思われます。
しかしながら既に登場から50年以上経過するカメラです。
OMに限りませんが各部品の劣化もやはり進んでおり
新品部品が手に入らない以上
大きな破損がある場合、修理不可能な場合もあります。
本来なら部品交換がベストである場合でも
現状の部品をメンテして使い続けるしかない部分も存在します。
それでも大きな破損がない個体で一通りの整備を行えば
まだまだ十分に使い続けられる個体も多く存在します。
言い方を変えればメンテをある程度行えば
これからの寿命も変わってくる場合が多いので
特に動きの悪かったり不安定な個体、長らく未整備な個体は
ある程度の整備を必要とする場合が大半だと思います。

お預かりしているOM-1はシャッター・巻上は
一通り動作していいます。
しかしながらやはりシャッター幕軸、例の底部三連ギアあたりの
動きは今一つで高速シャッターの精度が不安定で
切るたびに…というほどではございませんが
何回か間隔をあけて切っていると
とんでもない数値が測定される場合もございます。
今はそれほど大きな問題ではなくても
大きな問題になる前にまた他のトラブルを引き起こす前に
動きをスムーズにする整備を行いたい状態です。
今回は心配の多いプリズムに関しては問題がなく
随分昔の話だと思われますが
腐食対策が行われているようです。
問題の多い露出計はやはりまともには動作しておらず
底板を開けてみるとマイナス側端子のハンダ部に
びっしり緑青が噴いていて配線をピンセットで軽くつまんだだけで
完全に断線してしまいました。
今回のOM-1はいわゆるMD対応モデルで
この時期のOM-1の多くがこのマイナス端子の固定に
絶縁樹脂ネジが使われており
その劣化と破損が問題になる場合が多いのですが
この個体の樹脂ネジはまだまだ強度的にも大丈夫そうです。
念のため補強を入れて対策をしておきます。
電池室からの配線は緑青付近は腐食も進んでおり
上部SW部までを丸ごと交換しておきます。
無理に再利用すると近い将来にかなり高い確率で
接触不良が起きると予想されます。

いろいろ変わった部分や微妙な調整の多いカメラではありますが
整備性自体は良好です。ミラーボックスの脱着も
コツさえつかんでしまえば簡単に行えます。
底部にレイアウトされた調速機構やスローガバナ等々
OMでしか見られない構造が多く確認できますね。
これから本格的に清掃整備に取り掛かっていきます。
組立の際にはいろいろ調整箇所も多くありますので
慎重に作業を進めて仕上げていきたいと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。