月別アーカイブ: 2025年11月

リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「いいひざの日」だそうですよ。
「いい(11)ひざ(13)」と読む語呂合わせだそうです。
11月は「いい〇〇の日」が続きますね。
寒さが増してひざが痛み出す時期に
ひざ関節痛の治療や予防を広く呼びかけるための日となっています。
近年はそんなにひざに負荷をかける場面が
少ないのでひざの痛みに悩むことは少ないです。
少し昔に頻繁に山を歩いているころは
数時間山を下っているとひざに負荷がかかりすぎて
酷い痛みに襲われたことは何度もありますが…
下り坂はひざに負荷かかりますね。
年取って衰えたのもありますが
それよりも重すぎる体重が
問題なのではないかと思います(苦笑)
でも今はひざよりも関節の柔らかさがなくなったり
可動範囲が明らかに狭くなっている方が
悩みの種です…特に股関節・足首・肩!
加齢でしかたない部分が多いのですが
それでも少しでも抵抗しようとストレッチに励んでいます。

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
1967年に発売されたカメラです。
大ヒットしたオートハーフの中でも特に生産台数の多い
「E」にセルフタイマーが追加されたモデルです。
1965年の「S」以降、基本的構造に大きな変更はなく
その後発売された「E」「SE」「SE2」「E2」は
使い勝手の面や細かな機能追加が行われたモデルです。
ちなみに「S」がついたモデルはセルフタイマー付きで
「2」がついたモデルにはアクサリーシューが接点付きの
「ホットシュー」になっています。
いずれのモデルも外寸は同じで
25mmF2.8レンズを搭載します。
セレン光電池による露出計連動の自動設定露出で
巻上はゼンマイ巻きの自動巻上です。
この時代ですから金属製で重量はずっしり重いですが
(325~350g)ポケットに入るコンパクトさと
ほぼ真四角で出っ張りの少ないボディが
非常に魅力的なモデルです。
昭和40年代の雰囲気満載のカメラです。
オリンパスペンと並んでハーフ判を代表するカメラだと思います。

お預かりしている「オートハーフSE」は
ご依頼者のところで
やはり長く眠っていたものかと思われます。
特徴の一つであるゼンマイ巻上は
汚れと油切れのため動きが悪く
シャッターにも粘りが見られるような状況です。
以前も書きましたが
もともとレンズシャッター機は小さなバネの力で
シャッター羽根を駆動するため粘りや固着が
起きやすいのですが
オートハーフのシャッターはその小ささのため
さらにわずかなバネの力でシャッターを駆動するため
ほんのわずかな油脂の汚れで簡単に
シャッター羽根の動作不良が起きてしまいます。
新品の頃、現行製品の頃はそれでも問題はなかったと思いますが
さすがに生産から60年弱経過していると
内部に汚れも溜まってしまい多くの個体で
シャッター動作不良が見られます。

どこかが破損してるわけではないので
とにかく分解して入念に清掃です。
内部に入り込んだゴミや汚れ、古い油脂類を洗い流し
最低限の注油を行い再組立て
その上で微調整を行います。
その際にもちろんファインダーやレンズも入念に清掃します。
今回はレンズやガラスに深刻な劣化もなかったので
非常にクリアに復活しています。
最も劣化が心配されるのは自動露出を司る
あセレン光電池ですがこちらも大きな劣化はなく
微調整で問題ない精度を確保できています。
もなか型の構造のため
フィルム室には大量のモルトが遮光に使われていますが
もちろんこれも全交換です。
今から最終チェックを行うところですが
非常に気持ちよく使える状態に仕上がっています。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカⅢのカメラ修理

今日は「皮膚の日」だそうですよ。
「いい(11)ひ(1)ふ(2)」(いい皮膚)と読む
語呂合わせからだそうです。
私、比較的、皮膚は強い方で
肌荒れとかはあまりないほうなのですが
老化を原因とする肌の衰えは顕著に出てきてますねぇ
それほど気にしてはいないですが…
まず張りがない…(苦笑)
首の皮の少したるんだ部分をつまむと
つまんだ形のままなかなか戻らないんですよ…
たまに鏡見ながらやってますが…(苦笑)
そしてやはり顔や背中にシミが目立ち始めてきましたねぇ…
肩や背中に若い頃、無理に日焼けした弊害と思われる
シミが結構あるんですよ…
この歳になって別に誰に見られるわけでもないのですが
自分がちょっと気になるだけなんですけどね。
日頃、なるべくコラーゲンを取ることと
毎日飲むお茶を麦茶にして少しでも抵抗しています。
寿命は変わらなくていいのですけど
死ぬ直前まで若いままでいられたらいいのですけどねぇ
いや…元気で厄介な年寄りが増えてあまりよくないかも…(笑

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のカメラです。
民生用としてはコニカブランド初のカメラ「コニカⅠ」からの
流れを汲むカメラです。
3代目にしてセルフコッキングが採用され
フィルムカウンターも自動復元式になり
使い勝手が飛躍したモデルです。
巻上もレバーとなりその巻上レバーは
鏡胴の根元から伸びている独特のもので
ダブルストロークで巻上を行います。
お預かりしているのは比較的初期のモデルで
後に出る「L1・L2」とは異なり露出設定がLv化されていないタイプです。
シャッターもコニラピッドが搭載されています。
当時、流行した露出LV設定ですが
今となっては普通にSS・絞りを設定できる方が便利ですね。

今回の「コニカⅢ」は絞りリングと実際の絞り駆動部をリンクする
ネジが外れていて絞りリングが空回りしている状態です。
よくよく確認すると絞り羽根が固着している状態で
動かしたものと思われ羽根の脱落も見られます。
加えてシャッターがSS設定関係なく一定速でしか作動しません。
シャッターユニット周りにいろいろ問題を抱えているようです。

画像は一通り整備完了した状態です。
シャッターユニットに部品の欠落等々が見られ
なかなか大変な状況でした。
シャッターユニットの分解整備調整
ヘリコイドグリス交換、ファインダー清掃調整
レンズ清掃等々を行い
現在は非常に快調に動作する状態になっています。
写りに定評のあるヘキサノンレンズも
非常にクリアになっています
ぜひご依頼者魔には存分にその写りと
操作するのが楽しいこのカメラを
存分に楽しんでいただきたいものです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

マミヤMSX500のカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
「いー(1)井(1)戸(10)」の語呂合わせだそうです。
井戸も見かけなくなりましたね。
昔、私が住んでいた地域には何か所か井戸があって
さすがにもう飲料には使われていませんでしたが
現役で活躍していました。
大抵の井戸は蓋がしてあって
ポンプだけが蓋の上に設置されているような
タイプでしたが1か所だけ蓋も何もなく
昔ながらのつるべで水を汲むタイプのモノがありました
小さい頃に怖いもの見たさでよく中を覗き込んでいたものでした
真っ暗で何も見えないのですが
何とも不気味だったことをよく覚えています。
今だったら「危ないから」という理由で
すぐに蓋されるなり、柵作られるなりしているでしょうね。
私が幼い頃にはまだまだ危険もあるけど
子供でも簡単に立ち入れる興味をひくものが
近所にたくさんあったような気がします。
まぁこれも時代でしょうね…

さてさて

本日は「マミヤMSX500」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
「MSX」って聞くと私だとカメラより先に
80年代の普及版PCのイメージですね。
所有したことはないですが…
マミヤは正直なところ35mm判一眼レフでは
迷走が多かったイメージですが
この「MSX500」もなかなか変わった部分の多いカメラです。
ちょっと当店では珍しいので
全体画像も出しておきます。

まずマウントは基本的にねじ込みM42マウントなのですが
マミヤセコールSXシリーズのレンズを使用すると
開放測光が可能です。このレンズとMSX500の組み合わせだと
定点ピンでレンズ位置が固定され絞り情報も伝達されます。
ペンタックスSPFとSMCタクマーの組み合わせと同様のパターンです。
そのためセコールSXのレンズを取り外す際には
脱着ボタンでピンロックを解除する必要があります。
通常のM42マウントレンズ使用時には
絞り込み測光になるのですが
ボディにはいわゆる絞り込みレバーが見当たりません。
これもマミヤらしくちょっと変わっていて
巻上レバーを少し引き出した状態(スタンバイ状態)から
押し込むと押し込まれた間だけ絞り込むことができます。
それで絞り込み測光を行うわけですね。
押さえていた指を離すとレバーはスタンバイ位置まで戻ってきますが
この位置から今度はレバー軸上の飾り蓋部を押すと
レバーが完全に格納され露出計もオフとなります。
これはなかなか初見ではわからないかもしれません。
そしてさらに開放測光にしても絞り込み測光にしても
その測光方式がまた変わっています。
受光体(CDS)は通常ファインダー内に設置されることが
ほとんどですが「MSX500」ではミラー内に設置されています。


これはかなり変わっていますよね。
ファインダー内からもそこにCDSがあるということは確認でき
ファインダー内でCDSの場所は茶色がかって確認できます。
そして視野内でいうこの茶色がかった部分の
「部分測光」になっています。
CDSの場所は視野中央下部なので全然上下方向に真ん中ではありません
これは測光に癖があるでしょうね。
普通にメインの被写体を中心に持ってきて測光しても
実際に速攻されるのは視野中央下部です。
輝度差のある視野内だとこのあたりをわかっていないと
大幅に露出を間違ってしまいます。
ある意味、他ではなかなか見られない測光方式です。

お預かりしている「MSX500」はその露出計が非常に不安定です。
同じ明るさを見ていても指針がふらふらと安定しません。
もう詳細は割愛しますが
これも露出計SW部がなかなか変わった構造をしているせいで
接触不良が起きやすいのだと思います。
加えて高速シャッターも不安定です。
これは単に幕軸の汚れ等が原因かと思われます。

露出計指針は電気的に電流量で指針の振る量を
調整するタイプではなく
設定SS、絞りに応じて物理的に露出計(電流系)全体を
回転させて指針位置を調整するタイプです。
OM-1とかで見られるものと同様です。
ただ通常はこういう場合は連動糸だと思いますが
「MSX500」はこれまた変わっていてチェーンで露出計を連動します。
上の画像でその一部が見えますが
そのチェーンの取り回しもまた独特です。
思わず何度もSSダイヤルや絞り連動部を動かして
その動く様子を観察してしまいました。ちょっと楽しいです。

いろいろ独特な部分が多いですが
仕事で触る分には非常に慎重にならざるを得ませんね…
ひとつひとつ確認しながら焦らずに
分解整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンL3のカメラ修理

今日はわかりやすく「119番の日」ですね。
これから空気が乾燥する季節になり
火事が起きやすい時期になっていきます。
火の管理には本当に気をつけなくてはいけませんね。
ちなみに簡単に調べてみたところ
2023年のデータで火事の最も多い月は3月だったようです。
以降、1月、2月、12月と続きます。
やはり冬から春にかけてが多いのですね。
救急も含めてあまり119番に
お世話になることにないようにしたいものです。
ところで、火災報知の電話サービスが
1926(大正15)年に導入された際の番号は
「112番」だったそうです。
当時はダイヤル式の黒電話で一刻を争う緊急のために
ダイヤルを回す時間の短い番号として指定されたのですが
意外とかけ間違いが多かったそうです。
そこで、翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
警察への緊急通報の「110番」も同様の理由とされているようです。
うちにはまだダイヤル式の電話が実働していますが
そんな理由があったのですね。

さてさて

本日は「キヤノンL3」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
当時のキャノンお得意のフォーカルプレーンシャッタの
レンジファインダー機です。
必要最小限の機能だけでシンプルに仕上げたカメラです。
最高SSは1/500となります。
お家芸の変倍ファインダーはしっかり装備されています。
奇をてらったところのない端正な外観がなんとも魅力的です。
巻き戻しノブの横にありレバーを手前に引くと
フラットに格納されているノブがぴょこんと飛び出してきて
巻き戻しが可能になります。
ちょっとしたギミックですがこれも楽しいですね。

お預かりしている「L3」は
まず距離計二重像が大きくズレています。
縦ずれも少しありますが
水平方向へのズレが大きくこの距離計で合わせると
ピンぼけを多発しそうです。
加えてやはり各駆動部は動きの重い部分があり
高速シャッターの精度は出ていません。
巻上機構も含めて幕軸等の清掃整備が必要な状況です。

お馴染みのもなか構造で整備性は非常に良好です。
この状態でまずは各駆動部の動きを確認してから
本格的な分解整備へと取り掛かります。
巻上を確認しながらゆっくり動かしから
シャッターを切ると各部が非常に精度高く
動いているのがよくわかります。
この時代のキヤノンのレンジファインダー機らしく
非常にしっかりと作りこまれたカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GTNのカメラ修理

今日は「刃物の日」だそうですよ。
「いい(11)は(8)もの」(いい刃物)と読む
語呂合わせからだそうです。
毎日の作業の中でもカッターナイフ等の刃物を
使いますが刃物はよく切れる
手入れの行き届いたものを使いたいですね
よく「〇〇とハサミは使いよう」なんて昔から言いますが
使い方も確かに大事ですが
ちゃんと切れるハサミ(刃物)を使うことが大前提です。
切れ味の悪くなった刃物を無理に使うのは
切れないだけでなくケガの元になります。
自宅の包丁とかもそうですが
切れが悪くなったら研ぐ也、買い替える也が必要です。
使い方ではカバーしきれないと思います。
刃物に限らず道具全般がそうですよね。
必要以上に高級なものを使う必要はないと思いますが
正しい使い方をすればしれにしっかり応えてくれる
使い慣れた道具を使うのが一番かと思います。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GTN」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。同時発売の「GSN」のブラックモデルです。
このモデルからアクセサリーシューに接点が追加され
ホットシューとなっています。
それ以外の基本的な部分は前モデル(GS)同様です。
初代からの流れを汲むこの少し大柄な
エレクトロはこの「GSN/GTN」で最後のモデルとなります。
ここからは時代を反映して小型化が進みます。
個人的にはエレクトロといえばこの少し大きなボディの
カメラの印象が強いです。
サイズに余裕があるため整備性もよく丈夫なカメラです。

お預かりしている「GTN」は
今回もかなり長い間、眠っていたカメラだと思われます。
ただ保存状態はよかったようで
外観は非常にキレイで精悍なブラックボディも
キズも少なく塗装も良い状態です。
ただレンズにはさすがに大量のカビが生えてしまっています。
ファインダーも同様です。
電池室を開けると中から当時のHM-4N積層水源電池が
コロンと出てきました。
電池自体に腐食や液漏れはなくキレイな状態ですが
水銀電池はガスが出るのでやはり電池室底部マイナス側端子には
緑青が発生しています。
新しい代替電池を入れても反応はありませんでした。
端子や配線の問題かと思われます。

この時代ですから配線も非常に多く
初期の電子制御機といった内部です。
デリケートな上にややこしそうに見えますが
エレクトロシリーズに関して言えば
意外と電子部品のトラブルは少ないと思います。
大抵の場合が配線の劣化や接点の汚れ
マグネットの吸着不良を起因とするトラブルです。
ハンダの劣化もエレクトロは少ないと思います。
とはいえ、この類のカメラは
何が起こるかわからない部分もおあるので
今回も慎重に隅々を見ていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが
完成したことが由来となっています。
上野公園に隣接していて
洗面所・浴槽・電話は共同で
入浴時には居住者が実費を負担していたそうです。
それでも今でいう高級マンション的な
位置づけだったのでしょうね。
私も一人暮らし歴が長いので
いろいろな場所の安アパートばかり
移り住んでいます。(苦笑)
もう昔みたいに気分で引っ越すようなことはないでしょうが
引っ越す予定もないくせに
いろいろな場所の賃貸情報を見てしまうのですよねぇ…
今はネットで簡単に検索できますし…
でももう10年もしないうちに
賃貸も簡単に借りれなくなるのでしょうね(苦笑)
そろそろ終の棲家について考えなくてはいけないのかも…

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
ネーミングからしてフラッグシップ機と思いがちですが
上位機種はミノルタ初の一眼レフ機である
「SR-2」(1958年発売)でSR-2をベースとして
1/1000を省略したものが「SR-1」です。
そしてフラッグシップは「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」へと
モデル名を変えながらモデルチェンジを行い
それをベースとした「SR-1」も並行してモデルチェンジされるていきます。
ただ「SR-1」のモデル名はずっと「SR-1」のままだったのです。
そのため「SR-1」は少々ややこしいことになっていて
同じ「SR-1」でもベースとなったカメラごとに中身も外見も異なる
カメラが年代ごとに混在しています。
私が把握している範囲では外観だけでも4種類の「SR-1」が存在します。
修理する立場としては交換部品等を部品取りから補うこともあるので
同じ「SR-1」で互換性がない部分が多く
部品交換となると少々面倒なカメラです。

お預かりしている「SR-1」は「SR-3」ベースの「SR-1」で
露出計ソケットがないことから1960年型かと思われます。
ソケットがなくすっきりとしていて
丸みのあるボディはレトロ感も増して
何とも魅力的なカメラです。
おそらく何十年もしまい込まれていたものと思われます。
外観もかなり傷みが激しいですが
各部の錆が酷く内部にも相応のダメージがありそうです。
シャッターはチャージ状態かと思われますが
レリーズしても何も動きません。
プリズムも蒸着劣化のため腐食していて
ここは中古良品のプリズムと交換で対処しようと思います。

まだ取り掛かったばかりなのですが…
いやいや、やはり錆の影響がかなりありますね。
まずは外装のネジがどこも強烈に錆で固着していて
ネジ1本外すのもなかなか大変です。
力まかせにいくとどれも舐めてしまうので
溶剤や油を使いながら慎重に外していきます。
シャッターが切れない原因はレリーズ機構の固着と
幕軸の固着の合わせ技のようです(苦笑)
要は積年の汚れや錆により
あちこちが強烈に固着している状況です。
反対に何か破損している部分があるわけではないので
とにかくなだめすかしながら
ゆっくりと本来の動きを取り戻すための作業を行っていきます。
寝たきり老人をいきなりたたき起こして
「さぁ外をダッシュしてこい!」なんてやったら
死んでしまいますものね(笑
焦らず優しく作業を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
それに関連した記念日がたくさん制定されている日です。
そんな中に「文化の日」とは直接関係なく
「みかんの日」が制定されていますね。
「いい(11)みか(3日)ん」と読む語呂合わせだそうです。
確かにそろそろみかんの出荷が始まる頃ですね。
実家では冬になるとコタツが出て
その上にはかならず籐の小さな丸い籠に
みかんが入れておいてありました。
コタツに入るたびにみかんを剥いて食べてましたねぇ…懐かしい…(笑
私は出身が広島県呉市なので
島しょ部の斜面にはたくさんみかん畑がある風景が
お馴染みでした。
言われてみればここ数年みかんって買ってないですね…
食べればあんなに美味しいのに…
呉からお取り寄せで注文してみようかと思案中です。
一箱買っちゃうとひとり暮らしでは
追い立てられるように食べないと腐らせちゃうのですよねぇ(苦笑)
それでもあれば食べると思いますが…血糖値の上昇が…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるキヤノンのカメラとしては
最も新しいカメラですね。でも44年前ですが…(笑
Aシリーズの1号機である「AE-1」の後継機で
単にプログラムオートが追加されただけ…と思われがちですが
電子回路的にはあらゆるところが一新されていて
5年間で中身は様変わりすることがよくわかります。
ファインダーも非常に明るくクリアで
ピントの山もより掴みやすい優れたものになっています。
このモデルからついにコンデンサレンズが省略されています。
それに伴って下からスクリーンも外せるようになり
スクリーン交換も簡単になっています。
ファインダー露出計情報も指針からLEDに変更となり
非常に現代的なものへとなっています。
ただ…機械的なシャッターやミラー、巻上の駆動部は
基本的にはAE-1のものを引き継いでいます。
(すべてのAシリーズがそうですが)
そのためAシリーズ共通の「シャッター鳴き」の持病は
油切れによりAE-1Pでも発生します。

お預かりしている「AE-1P」は
電源は普通に入るのですが
巻き上げると巻上完了の瞬間にシャッターが切れてしまいます。
そしてシャッタースピードも設定にかかわらず一定速です。
巻き上げの動作の中でミラーとシャッターがチャージされ
それをマグネットが吸着してチャージ状態を保持するのですが
そこが保持されずチャージ完了と同時に
チャージが開放されてしまうようです。
要はマグネットの汚れによる吸着不良かと思われます。
フォーカルプレーン、レンズシャッターに関わらず
電子制御機にありがちなトラブルです。
そしてシャッターが切れた際にすぐにわかりますが
定番のシャッター鳴きがかなり酷い状況です。
油が欲しいところは油切れで
油が不要なとこに油が回って汚れている状態です。
いったん分解して古い油脂類を落とし
必要な場所に最低限の注油が必要な状態です。
その上で電気的なものを含め調整を行っていきます。

機械的な部分は共通とはいえ
制御する部分がかなり進歩しているので
上カバーを開けた風景は「AE-1」とは全く様子が異なります。
「AE-1」では糸連動だったシャッターダイヤルからの連動も
電気的な信号で行われます。
それでもこの類のカメラとしては「AE-1P」は
整備性はかなり良好な方です。
この季節になってくると特にそうですが
帯電した静電気だけでも基盤がパーになることもあるので
作業はより慎重に行います。
1950年代や60年代のカメラとは違った難しさがあります。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今夜は「十三夜」ですね。
旧暦九月十三夜は
旧暦8月15日~16日の夜「八月十五夜」の月「中秋の名月」に次いで
月が美しいとされ、「後の月(のちのつき)」とも呼ばれます。
満月前の少し欠けた月を愛でる風習は
日本独自の風習と言われています。
私の好みとしては「十五夜」の頃より
かなり空気が澄んでくるこの時期の月のほうが
非常に美しいと思っています。
十五夜と十三夜の両方の月を祝い
どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼び
縁起が悪いとも言われています。
また、旧暦10月10日~11日の夜「十日夜(とおかんや)」と合わせて
計三回の月見ができると、とても縁起が良いと言われているあそうです。
昨夜ウォーキング中に見た月も非常にキレイでした。
今夜もキレイな月が見れるといいですね。
ちなみに今度の水曜日は「スーパームーン」です。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月必ず複数台、修理を行っていると思いますが
文句なしに当店で最も修理依頼の多いカメラです。
それだけ現在でも人気が高く
昔から愛用し続けている方も多いカメラだと思います。
使ってみるとその理由もわかります。
軽量コンパクトで持ち歩きに便利なのはもちろん
小さくて精密感があり質感も高く所有感が満たされます。
そして独特のシャリっとした巻き上げや
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いのです。
使っている方が長く使う理由が非常にわかります。
他メーカがやらないような小型化を進めたため
独自の機構や工夫が多く登場から50年経過した現在となっては
多少華奢に感じる部分もありますが
しっかり整備さえ行っていればまだまだ実用できるカメラです。

お預かりしている「OM-1」は精悍なブラック塗装です。
外観もキレイで状態は良さそうな個体ですが
やはりかなり長い間、使われていなかったものと思われます。
電池はキチンと抜いて保管してあったようで
電池室はキレイで精度は要調整ですが露出計も作動します。
ただシャッターの動きにかなり問題がある状態です。
先幕・後幕のバランスが大きく崩れていて
1/1000は全く開かない状態です。
1/500も一部開き切らない状態で
それ以外では開くものの精度的には出ていません。
幕軸や「OM-1」独特の底部三連ギアの清掃整備が必要です。
その上で微調整を行い精度を確保していきます。

相当以前のことかと思われますが
プリズムの腐食対策が既に施されています。
おかげでプリズムは視野の端に
少し大きめの点腐食があるものの
実用に問題ない状態です。
頻繁に整備を行うカメラなので
分解を進めても見慣れた光景ですが
OM-1は決して油断のできないカメラです。
その独自性ゆえにデリケートな部分も多く
整備性自体は悪くないのですが
構造をわかっていてもいろいろな問題に
直面すことの多いカメラでもあります。
本格的な分解整備はこれからですが
今回も気を抜かずに集中して取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

リコーダイヤコードGのカメラ修理

今日は11/1でゾロ目ということもあり
非常にたくさんの記念日が制定されています。
そんな中に「すしの日」なんてのがありますねぇ…
お寿司、美味しいですよねぇ
本当は回らないすしで最初に軽く
シャリなしのお刺身いただいて
日本酒を軽くあおった後に
ゆっくりお寿司をいただくのが最高なのですが…
なかなかそういうわけにもいかず(苦笑)
比較的最近行ったのも某チェーンの回転ずしですねぇ…
まぁ上を見ればきりがないですが
気軽に行ける回転ずしでも十分に美味しいですね
変わった今どきのネタなんかもあって楽しいですし
おなか一杯食べても財布にやさしいですし…
なんてこと書いてたら
回転ずし行きたくなってきたな…
高田馬場まで行けばいろいろあるし
平日日中なら空いているし
天気の悪い定休日は回転ずしに行ってきます!

さてさて

本日は「リコーダイヤコードG」の
カメラ修理を行っています。
1958年発売の二眼レフです。
基本的に1956年発売の
「リコーフレックスニューダイヤ」と同様の
カメラですがレンズが4枚玉のリケノン8cmF3.5に
変更となったカメラです。
でも「リコーフレックスニューダイヤ」でも
セイコーシャシャッター付きのモデルは
4枚玉のリケノンが搭載されていたので
シチズンシャッター+リケノンレンズの
組み合わせが「ダイヤコードG」ということですね。
「ニューダイヤ」同様に
振り子型のピントレバーを搭載し
SS・絞りの設定情報をビューレンズ上に集中表示する
非常に使いやすい二眼レフです。

お預かりしている「ダイヤコード」は
外観も非常にキレイでレンズもキレイな状態です。
よくよく見ていくと分解された形跡もあり
おそらく過去になんらかの形でメンテナンスされた
個体かと思われます。
ただ、それも相当以前の話かと思われます。
問題はシャッター周りで
シャッターを切ると作動音はするのですが
シャッター羽根が全く動きません。
完全に張り付いて固着してしまっているようです。
シャッター羽根より深刻なのは
絞り羽根でかなり強烈に張り付いてしまっているようで
絞りレバーはF5.6周辺からビクとも動きません。
この状態で無理にレバーを力任せに動かしてしまうと
間違いなく絞り羽根が破損してしまう状態です。
無理に動かされていなかったのが不幸中の幸いです。

まだ取り掛かったばかりですが
まずはシャッターユニットを降ろして
シャッター羽根・絞り羽根の洗浄・調整を行っていきます。
羽根がこれだけ張り付くくらいなので
やはり駆動部等も動きが鈍くなっているところが散見されます。
巻上やヘリコイドの整備も必要な状態です。
セルフコッキングのないシンプルな構成ですが
慎重に作業を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。